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オフィスづくり(作り)ラボ

オフィスチェアを買う際に最低限確認しておきたい7項目

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 (写真はアスクル 東京豊洲 家具ショールーム)


デスクワーク用のオフィスチェアは、オフィス家具メーカーを始め、各社から数多く発売されているので、どれを選んでいいか迷いますよね。


そこで今回は、メーカーによらず、最低限、どういう点を購入前に確認しておくと買った後に後悔が少ないかにポイントを絞って解説してみます。椅子に詳しい人には、基本的な内容になりますが、さらっと見ていただけたら嬉しいです。


ちなみに、今回は「座面の回転機構」「座面の上下昇降調節機構」「移動用キャスター」の3機能は、どれもついている前提でお話します。この3つはほとんどのオフィスチェア製品についていますし、ついていたほうが圧倒的に使いやすいです。




[1] 椅子の横幅はデスク下に収まるか

最初の項目は「横幅」です。


正確には、椅子の「最大の脚幅」がチェックポイントです。

意外かもしれませんが、大事なポイントです。足元に余裕のある幅広の机を使われている方にはあまり関係がないのですが、足元に机下台を置いてファイルを収納したり、サイドキャビネットを置いていたりしている場合は、思ったほど椅子の入る幅が空いていないことがあります。特に1,000mm幅の片袖デスクや、机下にサイドキャビネットを入れていると、収納棚の幅が300~400mm前後あるので大きな横幅の椅子が入りません。


そのため、ご自分のデスクで足元があまり空いてないと思われる方は、デスク下の横幅を測って、カタログの最大脚幅よりも広いか確認されることをお勧めします。最大脚幅+数cmあればなんとか入ります。5~10cm程度空いていたほうがスムーズです。


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図のように、青い矢印部分の幅を測って、椅子の最大脚幅(赤い矢印部分)が入るかどうか確認します。椅子の最大脚幅は、多くの場合メーカーの製品カタログで確認できます。




【参考】オフィスチェアの横幅は広め


椅子の横幅が問題になるのは、オフィスチェアの脚幅が広めに作られているからなのです。ダイニングチェアの脚幅は座面幅と同じか少し大きい程度ということが多いのですが、移動用キャスターがついているオフィスチェアは、転倒防止のため座面よりも脚幅が大きく取られています。特に大きくリクライニングするように設計されている椅子の場合の脚幅はかなり幅広く作られている傾向にあります。購入してから、思った以上に椅子の幅があったと気づくことが多々あるのです。




[2] 椅子の奥行は自分の太ももの長さと合っているか

次の項目は「奥行」です。


正確には、「座面の有効奥行」がチェックポイントになります。

座面の奥行が長すぎると太ももの長さより長くなってしまい、背もたれに腰が当たるまで深く腰掛けたときに、膝裏が圧迫されて血行を妨げたりすることがあります(参考文献1「インテリアの人間工学」)。また、浅く腰掛けると、背もたれで腰が支えられず疲れやすくなります。


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参考文献に挙げた「コンパクト建築設計資料集成<インテリア>」(p.8)では、「作業用いす」の機能寸法で、座面有効奥行を38~42cmと挙げられています。特に小柄な体格の方が座る場合、座面奥行が長すぎてしまうということがありますので、38~42cmを参考に、体にあった椅子を選ばれることをおススメします。


中高級チェアでは座面奥行調整機構がついていることが多いので、もしご予算に余裕があれば、座面奥行調整機構付の椅子にすると、大柄な方、小柄な方の両方に合わせることができておススメです。



[3] ローバック、ハイバック、ヘッドレスト付はどれが良いか

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3つ目は背もたれの種類です。


ローバックの背面は腰までを支え、ハイバックの背面は背中の中ほどまでを支えます。ヘッドレスト付は、腰、背中に加えて、首と頭も支えます。


事務用椅子としては、最低限、ローバックは必須です。背当てのないスツールだと腰や背中を筋力だけで支えることになるので長時間の執務では疲れます。ローバックは腰を支える機能を持っていますので、上半身を良い姿勢に保つことができます。


「インテリアの人間工学」(参考文献1)では、作業用いすの条件として、「背もたれが第四腰椎(ベルトの付近)のあたりをしっかりと支えるような構造になっているものがよい」とされています。椅子の試し座りするときには、腰ベルト付近の背もたれの当たり具合をチェックすると良さそうです。


ハイバックは、背中の中ほどまでを支えます。メーカーや製品によって高さの若干の違いがありますが、腰以上、肩の高さまでの背中を支えるのがハイバックです。特にリクライニング機構のある椅子でしたら、リクライニング時に寄りかかることができるので快適な座り心地になります。


ヘッドレスト付であれば、深くリクライニングする時に頭を支えてくれてリラックスするのに役立ちます。人間の頭部は体重の約10%と言われ、かなりの重さがありますので、座面と背面の角度が110度を超えたあたりから頭を支えるヘッドレストがないと首に負担がかかってきます。そのくらいまでリクライニングするチェアの場合、ヘッドレストがあったほうがよいのです(参考文献1「インテリアの人間工学」)



[4]ランバーサポートは?

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腰をサポートする機能の一つです。


この機能は製品によってサポートの度合いがまちまちです。また、ランバーサポートをうたわなくても、しっかりと腰をサポートする背座クッションの椅子も存在します。また、人によってランバーサポートに求める程度もさまざまですので、実際に試して満足いくものか確認することをおススメします。



[5] リクライニング機構の種類

背面に寄りかかると少し倒れて、リラックスできる機能です。


執務用椅子として、執務時の姿勢が正しく保てる椅子であることだけを考えれば、リクライニング機構は必要ありません。しかしながら、デスクワークは長時間に及ぶことが多いですので、途中でちょっと休息したりなどするときに、リクライニング機構があると便利です。適度に休息を取ることで、トータルで見たオフィスワークの生産性が良くなります。そのためオフィス家具メーカーのチェアラインナップでも、中級以上のチェアにリクライニング機構が装備されています。


リクライニングのロック機構や、背を倒したときに押し戻す反力の調整機構は、主に、少し背に寄りかかったときに背が簡単に動かないようにするために使います。


また、リクライニング機構は大きく分けて2種類あります。背面だけが動く背リクライニングと、座面も後方に連動して傾く背座リクライニングです。


背リクライニングは中低価格のモデルに搭載されており、背座リクライニングは、「シンクロロッキング」(名称はメーカーによって異なる)といって高級チェアに搭載されています。


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背座連動するシンクロロッキングの動作例


シンクロロッキング機構は、背面が後ろに傾くと同時に座面も連動して後ろに少し倒れるところがポイントです。その背座連動によって、座っているお尻が前にずれることなく、執務姿勢から軽休息姿勢に切り替わるのです。つまり、シンクロロッキング機構の椅子は、執務姿勢を取れる執務椅子と、軽休息姿勢の取れる安楽椅子の2つの椅子モードの切替があるようなものです。


ちなみに、この機構を初めて搭載したのは、ドイツ・ウィルクハーン(Wilkhahn)社が1980年に発表したFS-Lineというオフィスチェアで、当時として革新的なモデルでした(ちなみに現在も生産・販売中です)。



[6] 肘(ひじ)掛けオプションは必要?

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肘(ひじ)掛けは、オプション扱いされていることが多く、オプションながら、だいたい本体の10~20%程度の価格設定がされているため装備するのを躊躇してしまいますが、あると、立ち座りが楽になり、座っているときに腕を置いて肩への負担を軽減できるのでよいオプションです。


「インテリアの人間工学」(参考文献 1)では、軽休息用いすの条件として、「肘つきのほうがよい。腕の重さは肩で支えられているが、肘掛けはその負担を受け持ってくれるので、ずっと楽になる」とあります。最近は肘(ひじ)掛けも進化してきており、前後左右高さの調節ができる製品も発売されています。


まれに、肘(ひじ)掛け部分が、デスク下に取り付けられた引き出しに干渉して、椅子が机下に入らなくなることがあります。特に、高さ調整のできない固定肘(ひじ)を椅子に取り付ける場合、デスク下のスペースに余裕があるか確認されることをおススメします。



[7] 背面メッシュ、座面メッシュのチェア

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オフィスチェアはウレタンフォームクッションがほとんどでしたが、最近は風通しの良いメッシュ生地のみをテンションかけて張った背面メッシュや座面メッシュの椅子が増えてきました。

日本の夏は暑いですし、エコでオフィス内のエアコンが控えめになることが多い昨今、風通しの良いメッシュチェアが人気になるのもうなづけます。


座面メッシュの椅子は一部の高級チェアに限られる傾向があります。というのも、人間の全体重をメッシュ生地一枚で支えるのに高度な技術が必要なためです。比較的体重のかからない背面はメッシュ構造にしやすいため、座面をウレタンフォームクッション、背面をメッシュ構造にしているチェアも多いです。


メッシュ構造とウレタンフォームクッションではそれぞれ一長一短があります

メッシュ構造のメリットは何といっても風通しの良さと涼しさです。またトランポリンのような座ったとき、寄りかかったときの浮いた感覚はメッシュ構造ならではのものです。その代わり、座面メッシュ構造など体重のかかる部分にメッシュ構造を実現するには高度な技術が必要で高価になりやすいのです。


他方、座り心地や寄りかかり心地は、座面や背面の形状と硬さで決まります。背面や座面の形状や硬さをコントロールして座り心地を作り出すという点ではウレタンフォームの方が有利であったりします。そのため一概にメッシュ構造の方が優れているとは言えないのです(高級チェアもウレタンフォームクッションを採用しているチェアが多いのはそうした理由です)。


また、一般的に女性の場合、椅子に涼しさをあまり求めず、むしろメッシュチェアが寒く感じるということがあったりするため、価格や座る人の好みに合わせて選んでいくのが良いように思います。男性で涼しさ重視であれば、背座メッシュチェアがおススメです。



[おまけ] 座面の回転機構、上下昇降調節機構、移動用キャスターの役割

ほとんどのオフィスチェア製品についているといえる、座面の回転機構、座面の上下昇降調節機構、移動用キャスターの役割について、簡単に解説します。



座面の回転機構と移動用キャスターの役割

オフィスワークでは、打ち合わせに行ったり、書類を取りに行ったりなど、立ったり座ったりという動作が多くあり、その場合に、座面の回転機構と、移動用キャスターの組み合わせで、仕事時の立ち座り動作が素早く軽快にできるようになっています。これを4本脚のダイニングチェアなどの椅子でやってみるとわかります。立つのが面倒だなあと思えてくるのです。


また、最近ではデスク上にノートPCを使うためあまり実感することが少なくなりましたが、従来のデスクワークは広い机上をフルに使い、机の端から端まで見るために左右に身体を振ったり、机の奥の方でも書き物をしたりするために、手が届く範囲を広げるため、椅子で前後に動いたりする必要が多くありました。今でもあると思いますが、そうしたときにも、座面の回転機構と移動用キャスターが身体を動きやすくしてくれるのです。



座面の上下調節機構の役割

座面の上下調節機構ですが、身体に椅子を合わせるための仕組みです。

基本的には、座ったときにかかとが床に付くように調整します。つまり膝から下の長さに椅子の脚の長さを合わせます。


しかしながら、椅子だけの高さ調節としてはそのようにするのが正しいのですが、そのようにして椅子の高さを調節すると、小柄な女性であれば、机上面の位置が高すぎると感じることも多いのです。そのため、足が少し浮いても椅子高さを少し高めにして使うケースがかなりあります。逆にとても大柄の男性であれば、身体に合わせて椅子を高く設定すると、今度は机上面の位置が低すぎると感じることになります。


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つまり、本来は体格に合わせて、椅子だけではなく、机上面の位置を小柄な方には低く、大柄な方には高く調整できると望ましいのです。現状は机の高さは一つしかなくて、皆がそれに合わせることが多いですが、最近は、オフィス家具メーカー各社から高さの調節できる上下昇降デスクが発売されています。そうした上下昇降デスクであれば、スタンディングで仕事をする使い方だけではなく、机を各人の体格に合わせて高さ調節して働きやすくするという使い方もできるのです。






【参考文献】


*1「インテリアの人間工学」(小原二郎監修 渡辺秀俊・岩澤昭彦著, 2008, ガイアブックス)

*2「コンパクト建築設計資料集成<インテリア>」(社団法人日本建築学会編著 , 2011 , 丸善)

*3「インテリアデザイン2」」(小原二郎編著, 1973, 鹿島出版会)

*4「MORE THAN FURNITURE」(ルドルフ・シュヴァルツ著 Rudolf Schwarz, 2000, ウィルクハーン・ジャパン監訳, 2005, 宣伝会議)

*5「The Office Swivel Chair」(Klaus Franck , Werner Sauer , 1998 , Verlag form)







冒頭の写真撮影場所

アスクル 豊洲 家具ショールーム

最寄駅: 東京メトロ有楽町線「豊洲駅」 1C出口より徒歩3分
オープン時間: 午前10時~午後5時(土・日・祝日・年末年始・お盆等を除く)
※見学は要予約です (電話またはウェブフォームより受付)





編集・文・撮影・イラスト:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
作成日:2017年5月16日




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