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グループアドレスとは?オフィスへの導入メリットと、失敗を防ぐ3つのコツ

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グループアドレス


近年、従来の固定観念に縛られずにオフィスを活用する企業が増えています。たとえば「フリーアドレス」がその代表例ですが、最近ではその派生形態として「グループアドレス」というアイデアも登場していることをご存知でしょうか。本記事では、このグループアドレスの概要と、その効果的な運用を実現するおすすめのアイテムを紹介します。







■グループアドレスとは?

グループアドレスとは、特定の部署やチームごとにオフィスで使うエリアを決め、そのエリア内での各従業員が自由な席を使うオフィス形態を意味します。つまり、部署(グループ)としての大まかな所定位置は確保しつつも、個人用の固定席はなくすのがグループアドレスの特徴です。その日使ったデスクは、次の日には別の同僚が使うことになるので、各従業員は私物をデスクに置きっぱなしにせず、個人用のロッカーなどに保管することになります。


企業によっては、グループごとの使用エリア自体を定期的にシャッフルすることもあるようです。そうすることで、さまざまな部署やチームと交流する機会が増えるので、部署を超えた相互理解やコラボレーションの促進が期待できます。


この新しいオフィススタイルを導入する企業が増えている背景には、コロナ禍を経てテレワークが社会に広まったことが大きく関係しています。テレワークによって以前よりもオフィスに常駐する従業員数が減った結果、企業は必ずしも従業員全員分の固定席をオフィスに設ける必要がなくなりました。その結果、オフィスを縮小するとともに固定席を撤廃し、デスクはその日出社する従業員がその都度自由に選べばいいと考える企業が増えました。




■フリーアドレスとグループアドレスの違い

グループアドレスの原型とも言えるのが、「フリーアドレス」というオフィススタイルです。フリーアドレスは、グループアドレスとは違って、部署・チーム単位での使用エリアも決めずに従業員が自由に席を選べる制度です。


そのため、フリーアドレスはグループアドレス以上に従業員の自由度や多様な相手とのコミュニケーションが促進されるのが特徴です。しかし、フリーアドレスにはいくつかの難点があります。具体的には、「誰がどこにいるのか分からない」「同じ部署同士でもバラバラの席で働くので連携できない」といった問題です。


グループアドレスは、いわばこのフリーアドレスの弱点を克服する形で生じた新スタイルです。グループアドレスでは席の自由度は多少下がってしまいますが、その分、「あの部署ならあの辺にいる」「同じ部署同士では近くの席に座っている」という状況を作れます。


このような理由から、フリーアドレスを導入したもののうまくいかなかった企業が、新たな手段としてグループアドレスを採用するケースも増えています。総じて言えば、グループアドレスはフリーアドレスと比べて自由度が劣る代わりに、導入のしやすさ、従業員のマネジメントのしやすさなどに優れているのが強みです。




■オフィスへグループアドレスを導入するメリット

グループアドレスは、フリーアドレスと従来の固定席の折衷案的に機能します。その性質上、グループアドレスには両者がそれぞれ持つ次のようなメリットがあります。



・1.オフィスを縮小しコストの削減ができる
・2.部署内のコミュニケーションが活性化する
・3.デジタル化・ペーパーレス化につながる



それぞれについて、以下で詳しく解説します。



●1. オフィスを縮小しコストの削減ができる

従業員全員の固定席を設ける場合、コストをかけて広いオフィスを維持しても、従業員が休暇や休職、あるいはテレワークをした場合、その固定席は持て余されてしまいます。これでは費用対効果が良くありません。


その点、グループアドレスでは、部署単位で必要なスペースを確保さえすれば、固定席を撤廃できます。単純な例を出すと、メンバーが10人いる部署でも、オフィス出勤するのが5人しかいないなら、5人分のスペースを確保するだけで済みます。その結果、オフィス全体の面積を縮小できるようになるため、オフィスにかかる固定費を削減可能です。



●2. 部署内のコミュニケーションが活性化する

グループアドレスは、フリーアドレスとは違い、部署単位でまとまって仕事をするため、チームの管理や連携をしやすいのが強みです。さらに、完全な固定席とも違って、常に同じ相手と隣り合って座ることもないため、人間関係が過度に固定化するのを防げます。従業員はその時々の気分やニーズにあわせて気軽に席を変え、部署内のさまざまなメンバーと交流が可能です。



●3. デジタル化・ペーパーレス化につながる

グループアドレスの環境下では、退社時にその日使ったデスクを綺麗な状態に戻す必要があるので、従業員が資料を紙媒体で大量に保管するのは難しくなります。その結果、従業員は自然と資料をデジタルで利用することが多くなり、ペーパーレス化が促進されます。




■デメリットは? グループアドレス導入の注意点

グループアドレスには多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットや注意点もあります。


第一のデメリットは、書類や私物の管理が煩雑になることです。基本的に、使った資料や道具などは毎日デスクから片付けなければならないため、不便に思う従業員が多いかもしれません。


また、グループアドレスを導入したのに、従業員がいつも同じ席に座り続けてしまうという現象も起こりがちです。こうなってしまうと、グループアドレスの導入に投じたコストや労力は無駄になってしまいます。




■グループアドレスの失敗を防ぐ3つのコツ

グループアドレスを導入・運用する際の失敗を防ぐには、次のようなコツが有効です。



・グループアドレスと自社の業務の相性を考える
・固定席が生まれにくいレイアウトやルールで運用する
・私物やPCなどが収納できるスペースを設ける



それぞれについて、以下で詳しく解説します。



●グループアドレスと自社の業務の相性を考える

まずは、自社や個々の部署にグループアドレスが適しているのか相性を考慮することが重要です。


たとえば、ほとんどの従業員がオフィスに常駐しているような企業(部署)は、グループアドレスを導入しても「オフィススペースを減らしてコストを削減する」というメリットを得るのは難しくなります。逆に、テレワークを導入している企業や、営業のように離席率が多い部署はそのメリットを得やすいです。


また、従業員が持ち運びの難しい道具を多用する場合や、経理のように書類仕事が多い場合もグループアドレスは不向きです。グループアドレスを導入するかどうかは、自社や各部署の業務内容を考えたり、従業員の意見を聞いたりした上で判断しましょう。



●固定席が生まれにくいレイアウトやルールで運用する

グループアドレスを成功させるには、オフィスのレイアウトやルールの整備も重要です。たとえば、どの席も代わり映えがしないようでは、従業員はわざわざ席を移動する意義を感じられません。


そのため、「コミュニケーションに適した席」「集中して作業するのに適した席」というように、使い分けができるようなオフィスレイアウトにするのが大切です。とはいえ、不人気な席が出てしまうとスペースの節約にならないので、どの席も基本的な使い勝手の良さは確保しておかなければなりません。従業員が同じ席をいつも使わないようにするためには、あらかじめ「2日連続で同じ席に座るのは禁止」といったルールを設定するのもひとつの手です。



●私物やPCなどが収納できるスペースを設ける

グループアドレスを運用するには、デスク上に置く物を最小限にする「クリアデスク」の実施が欠かせません。とはいえ、私物やPC、書類などを完全にゼロにするのは難しいので、それらを保管できる個人用ロッカーのような収納スペースを用意することが重要です。


また、モバイルバッグのような移動を容易にするアイテムを支給することで、オフィス内での移動を促せます。これは、グループアドレスの課題のひとつである席の固定化を防ぐために有効な手段です。




■グループアドレス導入時に使える! オフィス収納・家具おすすめ4選

グループアドレスの導入を成功させるには、便利なオフィスアイテムの活用も重要です。以下では、グループアドレスに適したおすすめのオフィス収納・家具を紹介します。



●エムテックス スチールパーソナルロッカー

このパーソナルロッカーは、グループアドレスで必要な個人用の収納スペースを提供してくれます。ブラックとホワイトの2色から選べるデザインは、オフィスのインテリアにもしっかりと馴染みます。シリンダー錠タイプとダイヤル錠タイプの2種類から選べるのも嬉しい点です。



エムテックス スチールパーソナルロッカー

【シリンダー錠タイプ(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥52,900(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ940mm



【ダイヤル錠タイプ(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥61,900(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ940mm



→商品詳細はこちらから


エムテックス スチールパーソナルロッカー



【シリンダー錠タイプ(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥52,900(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ940mm



【ダイヤル錠タイプ(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥61,900(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ940mm




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●イトーキ シンラインキャビネット

このキャビネットは、デスク上に置きっぱなしになりがちな文房具の収納場所として最適です。B4・A4フォルダー用の仕切板も付いているので、資料の保管にも適しています。このキャビネットを共有の保管場所にすることで、クリアデスクを保つことが可能です。2段から5段までのバリエーションがあります。



イトーキ シンラインキャビネット

【2段】
■本体価格(2023年10月時点)
¥110,968(税込)
■サイズ:幅900×奥行450×高さ752mm



【3段】
■本体価格(2023年10月時点)
¥130,359(税込)
■サイズ:幅900×奥行450×高さ1098mm



【5段】
■本体価格(2023年10月時点)
¥170,512(税込)
■サイズ:幅900×奥行450×高さ1,098mm



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イトーキ シンラインキャビネット

【2段】
■本体価格(2023年10月時点)
¥110,968(税込)
■サイズ:幅900×奥行450×高さ752mm


【3段】
■本体価格(2023年10月時点)
¥130,359(税込)
■サイズ:幅900×奥行450×高さ1098mm


【5段】
■本体価格(2023年10月時点)
¥170,512(税込)
■サイズ:幅900×奥行450×高さ1,098mm




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●オカムラ スチール収納VILLAGE パーソナルロッカー ダイヤル錠

多機能な収納家具が必要ならこのアイテムがおすすめです。鍵が不要なダイヤル錠タイプなので、個人用の収納スペースとしてだけでなく、部署全体で共有するのにも適しています。開錠しなくても簡単に資料を入れられるポスト窓口が各ロッカーに設置されているのも便利です。



オカムラ スチール収納VILLAGE パーソナルロッカー

【4人用(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥85,800(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ750mm



【6人用(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥115,400(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ1,100mm



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オカムラ スチール収納VILLAGE パーソナルロッカー



【4人用(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥85,800(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ750mm



【6人用(ホワイト/ブラック)】
■本体価格(2023年10月時点)
¥115,400(税込)
■サイズ:幅800×奥行400×高さ1,100mm




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●アイリスチトセ 吸音ブース

グループアドレスはオフィスを活気づかせる効果がありますが、一方で騒音や人目が気になることがあるかもしれません。そうした場合におすすめなのがこの吸音ブースです。集中力が求められる業務や、電話・Web会議など静けさが必要なときは、このブースが役立ちます。立って使うテレフォンブース型と、座って使う集中ブース型の2種類があり、それぞれに対応した専用デスクも提供されています。



アイリスチトセ 吸音ブース

【集中ブース】
■本体価格(2023年10月時点)
¥175,800(税込)
■サイズ:高さ1,600×幅1,266×奥行1,266mm



【テレフォンブース】
■本体価格(2023年10月時点)
¥138,800(税込)
■サイズ:高さ1,800×幅966×奥行966mm



→商品詳細はこちらから


アイリスチトセ 吸音ブース



【集中ブース】
■本体価格(2023年10月時点)
¥175,800(税込)
■サイズ:高さ1,600×幅1,266×奥行1,266mm



【テレフォンブース】
■本体価格(2023年10月時点)
¥138,800(税込)
■サイズ:高さ1,800×幅966×奥行966mm




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■おわりに

グループアドレスは、フリーアドレスの自由度と固定席の管理・連携のしやすさを兼ね備えたハイブリッド的なオフィススタイルです。グループアドレスを成功させるには、オフィスレイアウトやルール作りに加え、本記事で紹介したようなオフィス家具の活用がポイントになります。本記事を参考に、グループアドレスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。




編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 
制作日:2023年10月30日

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