働きやすい執務室は、社員のモチベーションや業務効率を高め、生産性向上の効果も期待できます。ただ、実際に働きやすい執務室を作るとなると、何から着手すればよいのか分からないといった声もよく耳にします。本記事では、働きやすい執務室レイアウトを作るコツや他社の事例などを解説します。
・執務室(ワークスペース)の役割とデザインのポイント
・【目的別】 執務室レイアウトの主なパターン
・おしゃれで働きやすい! 執務室のデザイン事例
・機能的なオフィスを作る、執務室のおすすめ家具8選
執務室(ワークスペース)とは、オフィス内で会議室や応接室などの個室を除いた作業エリアを指します。通常、執務室には社員のデスクなどが配置されます。
現代の執務室は、単に業務を行う場所ではなく、生産性向上や社員のモチベーションアップ、コミュニケーション促進など、さまざまな役割を果たすことが求められます。これらを実現できる執務室を実現するには、次の3つのポイントに注意しましょう。
社員が快適に作業するために、一人当たりにどれだけのスペースが必要かを検討することが重要です。執務室の面積には制約があり、無計画にデスクや設備を配置すると、かえって作業しにくい環境になってしまいます。
執務室の利用者数を考慮し、それに基づいて一人当たりに必要なスペースを計画しましょう。執務室のサイズや社員の数によりますが、一般的には、デスクスペースとして縦700mm×横1,200mm、座って作業するスペースとして縦400mmが基準とされます。
働きやすい執務室を作るには、社員の動線も考えなくてはなりません。動線とは、業務中に社員が移動するルートです。複雑な動線は業務の非効率を招くため、できるだけシンプルにすることが大切です。動線上に設備や観葉植物などを配置するのも控えましょう。
そのうえで、動線を考慮した通路幅を確保します。効率的に移動できる動線であっても、十分な通路幅がないと社員同士がすれ違えなかったり、荷台などを押して通れなかったりといった事態が起こりかねません。
基準は1,350mm以上です。1,350mmの通路幅を確保すると、人同士がある程度余裕をもってすれ違えます。
観葉植物や色を取り入れることで、社員へのさまざまな心理的影響が期待できます。たとえば、オフィスに観葉植物やフェイクグリーンなど緑を取り入れると、仕事に対する意欲や職場への満足度などによい影響を及ぼすことが研究によって分かっています。
色の有効活用も、社員が働きやすい執務室づくりにつながるため試してみましょう。たとえば、青や紫など寒色系の色は集中力の向上やリラックス効果が期待でき、業務スピードや品質の向上が見込めます。膨張色である白を使うと空間を広く見せられ、黄色やオレンジなどの暖色系は社員のモチベーションアップが期待できます。
色を取り入れるのなら、それぞれの色がもつ効果を理解したうえで、執務室の目的にあわせて取り入れましょう。また、オフィスデザインへ色を上手に取り込むには、配分にも工夫が必要です。インテリアカラーでは、一般的にベースカラーが70%、メインカラーが25%、アクセントカラーが5%の目安で配分します。
執務室に求める役割や目的によって、ベストなレイアウトは異なります。ここでは、目的別に具体的なレイアウト例を紹介するので、執務室づくりを検討しているのなら参考にしてください。
集中力が増すレイアウトの代表格は、同向型と背面型です。同向型とは、デスクが同じ向きで配置されたレイアウトです。学校の教室や銀行、コールセンターなどをイメージすると分かりやすいかもしれません。
全員が同じ方向を向いて業務に取り組むため、気が散ることがなく集中して業務に注力できる点がメリットです。デメリットはあまり広くないオフィスには適さないことです。
背面型は、社員同士が背中あわせになるよう座席を配置するレイアウトで、さまざまな企業のオフィスで採用されています。適度に集中でき、振り返るとコミュニケーションも容易にとれるためバランスに優れています。デメリットは、背後から業務内容が丸見えになる点です。
コミュニケーションの活性化には、対向型のレイアウトが有効です。デスク同士を突き合わせ、社員が向きあった状態で業務に取り組むスタイルです。コミュニケーションがとりやすく、チームワークを駆使した業務にも適します。
複数のデスクを突き合わせた島を縦、横と交差するように配置するクロス型も、コミュニケーション活性化に有効です。ただし、狭いオフィスには向いていません。
特殊な形状のデスクを組み合わせるブーメラン型レイアウトも、コミュニケーション活性化に有効です。一人当たりが作業スペースを広くとれるメリットもあります。ただし、スペース効率がよくない点はデメリットです。
新たな働き方に対応できるレイアウトとして、ブース型が挙げられます。ブース型でよくあるのは、一人で利用できるソロブースの配置や、パーテーションを用いた空間の区切りです。
ブース型なら周りの目を気にすることなく業務に取り組めるため、フリーアドレス環境下において集中して仕事を進めたいときなどに最適です。また、周囲の雑音もある程度防げるため、Web会議を行うときにも活用できます。リモートワークと出社する社員が混在しており、Web会議を行う頻度が多いケースでもおすすめです。
働きやすい執務室をデザインするのは簡単ではありません。おしゃれで働きやすい執務室を作りたいのなら、すでに運用している企業を参考にしてみましょう。ここでは、最新の執務室デザイン事例を3つピックアップして紹介します。
事業拡大に伴いオフィスを移転したS社は、移転をきっかけにオフィス緑化への取り組みを始めました。視界の10%を緑が占めると生産性が高まるとの研究結果を受け、同社ではワークスペースに数多くの観葉植物を配置しています。
また、旧オフィスでは導入していたフリーアドレス制を、オフィス移転に伴い廃止しました。結局座席が固定化してしまうため、あまり成果を感じられなかったとのことです。
デスク周りを整理整頓しやすくするため、個人用のロッカーを完備している点も特徴です。見栄えがよくなるだけでなく、整理整頓の促進によって業務効率化も期待できます。
通信事業を営むN社の執務室は、集中とコミュニケーションの両立に成功している点が特徴です。同社のオフィススペースは大きく4つのエリアに分かれており、さまざまな部署の人と交流を図りやすいオープンスペースも用意されています。
オープンスペースのデスク配置にも工夫しており、通路の歩行者と視線をかわしやすい角度を計算して配置されています。また、ビーコンを使用してリアルタイムに出社状況を把握できるため、コミュニケーションの促進に有効です。
4つに分かれたエリアのひとつは個室ブースを中心に設置しており、集中して業務へ取り組みたいときに重宝します。このように、集中とコミュニケーションの両立を実現するレイアウトによって、社員はメリハリを付けて仕事に取り組めるようになりました。
さらなる事業拡大を目指してオフィスを拡大したY社は、あえてオフィスチェアを統一しない空間づくりを進めた点が特徴です。同社ではSDGsの取り組みにも積極的な姿勢を見せており、その一環として中古のオフィスチェアを使用しています。執務室のチェアが個々で異なるのはこれが理由です。
チェアだけでなく、ほかのオフィス家具も中古を使用しているものの、全体的にうまくまとまっています。また、ファミレスの座席を彷彿とさせる集中席は、周りの音が聞こえにくく集中して業務へ取り組むのに最適です。
ここでは、機能的なオフィスづくりに役立つ、おすすめのオフィス家具をピックアップして紹介します。「事務机」「事務椅子」「パーテーション・集中ブース」「オフィスインテリア」の4カテゴリから厳選して紹介するので、気になる製品があれば公式サイトでチェックしてください。
さまざまなオフィスレイアウトに対応するシンプルかつおしゃれなデザインのデスクをピックアップして紹介します。
大手オフィス家具メーカーとして知られるイトーキの製品で、グループワークに最適な大型天板を採用している点が特徴です。幅2,400mm×奥行1,400mmと広々としており、対向型のレイアウトにマッチします。
天板には配線カバー付きのケーブルダクトが設けられているため、配線をすっきりと収められ、天板を広く使えます。天板1枚の耐荷重は約100kgあるため、大量の資料などを置く場合にも対応可能です。
■本体価格(2023年10月時点)
¥213,000(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
大手オフィス家具メーカーとして知られるイトーキの製品で、グループワークに最適な大型天板を採用している点が特徴です。幅2,400mm×奥行1,400mmと広々としており、対向型のレイアウトにマッチします。
天板には配線カバー付きのケーブルダクトが設けられているため、配線をすっきりと収められ、天板を広く使えます。天板1枚の耐荷重は約100kgあるため、大量の資料などを置く場合にも対応可能です。
■本体価格(2023年10月時点)
¥213,000(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
幅1,243mm×奥行1,243mm×高さ720mmサイズの120度天板デスクです。ブーメラン型のレイアウトに使用できます。同シリーズに平机やフリーアドレスデスクもラインナップされているため、複数のレイアウトを組み合わせつつも統一感のあるオフィスデザインを実現可能です。
モバイルやパソコンワークにおける快適性を重視した設計を採用しており、配線が邪魔にならないよう処理できる機能も搭載しています。
■本体価格(2023年10月時点)
¥61,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
幅1,243mm×奥行1,243mm×高さ720mmサイズの120度天板デスクです。ブーメラン型のレイアウトに使用できます。同シリーズに平机やフリーアドレスデスクもラインナップされているため、複数のレイアウトを組み合わせつつも統一感のあるオフィスデザインを実現可能です。
モバイルやパソコンワークにおける快適性を重視した設計を採用しており、配線が邪魔にならないよう処理できる機能も搭載しています。
■本体価格(2023年10月時点)
¥61,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
コンパクトで動線などの邪魔にならず、かつ快適な座り心地を実現する製品を紹介します。
さまざまなオフィスのインテリアにマッチする、シンプルなデザインを採用したメッシュチェアです。背もたれがメッシュ構造であるため通気性がよく、夏場などの汗をかきやすい環境下でも快適性を維持します。サイズは座幅475mm、高さ815~905mmです。
カラーはオレンジ、ブラック、ライトグレー、ライトブルーの4色をラインナップしており、オフィスのデザインや企業のイメージカラーにあわせて選択できます。腰への負担を軽減するランバーサポートをはじめ、背もたれの傾きのみを調整できる背ロッキングなど、機能性に優れているのも魅力です。
■本体価格(2023年10月時点)
¥16,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
さまざまなオフィスのインテリアにマッチする、シンプルなデザインを採用したメッシュチェアです。背もたれがメッシュ構造であるため通気性がよく、夏場などの汗をかきやすい環境下でも快適性を維持します。サイズは座幅475mm、高さ815~905mmです。
カラーはオレンジ、ブラック、ライトグレー、ライトブルーの4色をラインナップしており、オフィスのデザインや企業のイメージカラーにあわせて選択できます。腰への負担を軽減するランバーサポートをはじめ、背もたれの傾きのみを調整できる背ロッキングなど、機能性に優れているのも魅力です。
■本体価格(2023年10月時点)
¥16,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
オフィスでの実用性を追及した製品で、快適な座り心地を実現するさまざまな機能を搭載しています。背もたれだけでなく座面もオールメッシュ素材なので通気性がよく、背中やお尻に熱がこもる心配がありません。腰への負担を軽減し、腰痛防止の効果が期待できるランバーサポートも搭載しています。座幅は520mmでゆとりがあり、高さは945~1,100mmです。
背もたれの高さを6段階で変えられるため楽な姿勢で作業できるよう調整でき、リクライニング固定も4段階で調整可能です。グリーンやグレー、ホワイトなどカラーバリエーションも豊富です。
■本体価格(2023年10月時点)
¥46,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
オフィスでの実用性を追及した製品で、快適な座り心地を実現するさまざまな機能を搭載しています。背もたれだけでなく座面もオールメッシュ素材なので通気性がよく、背中やお尻に熱がこもる心配がありません。腰への負担を軽減し、腰痛防止の効果が期待できるランバーサポートも搭載しています。座幅は520mmでゆとりがあり、高さは945~1,100mmです。
背もたれの高さを6段階で変えられるため楽な姿勢で作業できるよう調整でき、リクライニング固定も4段階で調整可能です。グリーンやグレー、ホワイトなどカラーバリエーションも豊富です。
■本体価格(2023年10月時点)
¥46,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
執務室内で視線や雑音を遮断し、集中して業務へ取り組めるスペースを確保したいのなら以下の商品がおすすめです。
三方をパネルで囲った一人用の集中ブースです。この製品1台を設置するだけで集中スペースを作ることができます。幅960mm×奥行860mm×高さ1,260mmと、一人で使用するには十分なサイズです。
パネルのなかには一人用のソファとデスクがあります。デスクのコーナー部分は配線を通せる設計なので、パソコンを使う作業でも配線が邪魔になることはありません。
■本体価格(2023年10月時点)
¥85,900(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
三方をパネルで囲った一人用の集中ブースです。この製品1台を設置するだけで集中スペースを作ることができます。幅960mm×奥行860mm×高さ1,260mmと、一人で使用するには十分なサイズです。
パネルのなかには一人用のソファとデスクがあります。デスクのコーナー部分は配線を通せる設計なので、パソコンを使う作業でも配線が邪魔になることはありません。
■本体価格(2023年10月時点)
¥85,900(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
サンテックのソロワークブースは高さ1,500mm×幅900mm×奥行1,000mmサイズで、キャスター付きのドアからスムーズに出入りできます。周りの視線を適度にシャットアウトできます。ドアなしのタイプもあります。
この製品は、軽量なクロスを使用しているため組み立てが容易である点も魅力です。プラスドライバーさえあれば、一人でも10分ほどで組み立てられます。
■本体価格(2023年10月時点)
¥72,900(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
サンテックのソロワークブースは高さ1,500mm×幅900mm×奥行1,000mmサイズで、キャスター付きのドアからスムーズに出入りできます。周りの視線を適度にシャットアウトできます。ドアなしのタイプもあります。
この製品は、軽量なクロスを使用しているため組み立てが容易である点も魅力です。プラスドライバーさえあれば、一人でも10分ほどで組み立てられます。
■本体価格(2023年10月時点)
¥72,900(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
リラックス効果が期待できる観葉植物をはじめとした、執務室に最適なオフィスインテリアをピックアップして紹介します。
鉢付きの人工観葉植物です。水やりをはじめとしたメンテナンスが不要であり、手間がかかりません。葉が落ちることもないためオフィスが散らかる心配がないのも魅力です。高さは約1,200mmですが、幅520×奥行520mmでスペースをとりません。
■本体価格(2023年10月時点)
¥13,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
鉢付きの人工観葉植物です。水やりをはじめとしたメンテナンスが不要であり、手間がかかりません。葉が落ちることもないためオフィスが散らかる心配がないのも魅力です。高さは約1,200mmですが、幅520×奥行520mmでスペースをとりません。
■本体価格(2023年10月時点)
¥13,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
横に細長く、すっきりとしたラインタイプのグリーンポットです。卓上への配置や壁掛け、対面式デスクの間仕切りなどさまざまな使い方ができます。さまざまな葉の形状やボリュームの製品がシリーズ展開されており、組み合わせることでより魅力的な緑のある空間を演出できます。
■本体価格(2023年10月時点)
¥10,087~(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
横に細長く、すっきりとしたラインタイプのグリーンポットです。卓上への配置や壁掛け、対面式デスクの間仕切りなどさまざまな使い方ができます。さまざまな葉の形状やボリュームの製品がシリーズ展開されており、組み合わせることでより魅力的な緑のある空間を演出できます。
■本体価格(2023年10月時点)
¥10,087~(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
働きやすい執務室は、社員のモチベーションや生産性の向上などの効果が期待できます。執務室のレイアウトパターンは複数あり、目的によってどれを導入するかを決めるのが効果的です。他社の事例も参考にしつつ、自社ならではのワークスペースづくりに取り組んでみましょう。
編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2023年10月30日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
こちらからご確認ください。