オフィスで働くビジネスパーソンの中には、席配置が原因で仕事に集中できないという方も少なくありません。この記事では、ストレスを感じやすい席配置の特徴と、快適で集中力を高めるオフィスレイアウトのポイントを解説するとともに、職場環境の改善に役立つアイデアとアイテムを紹介します。

■ストレスを感じやすい席配置の特徴

オフィスの席配置は、良くも悪くも従業員の集中力やモチベーション、生産性に大きな影響を与えます。とくに人の視線が気になる、メンバー同士でコミュニケーションが取りづらいといった席配置では、ストレスがたまりやすく、最悪の場合には生産性の低下や離職につながることさえあります。このようなストレスを感じやすい席配置の特徴として、次の3点が挙げられます。

●島型レイアウトで視線が気になる

島型レイアウトとは、部署やグループごとに机を向かい合わせに並べ、端に上長を配置させるレイアウトのことです。メンバー間のコミュニケーションが取りやすい一方で、デスク周りが騒がしい、対面の人と目が合いやすく集中しづらい、といった理由からストレスを感じる方も少なくありません。とくに自分のデスクが上司の席からよく見える場合、「上司から見られている」という過度のプレッシャーからストレスを感じて作業に集中できず、生産性が低下するおそれがあります。

●コミュニケーションが取りづらい

従業員が互いに背を向けて座る背面型や、各席がパーテーションなどで区切られたブース型レイアウトは、人の視線が気にならず、作業に集中しやすいのが特長です。しかし、このような席配置は上司や同僚に声をかけづらい、執務スペースが静かすぎて自分の発する音が気になる、といった理由からストレスになるケースがあります。

職場の適度な雑談は、モチベーションや生産性の向上など仕事に良い影響をもたらしてくれますが、こうした席配置では従業員の孤立感を高め、「わからないことがあっても誰にも聞けない」という状況をつくりやすくします。

●フリーアドレスで落ち着かない

リモートワークと出社勤務のハイブリッドが一般化する中、固定席を設けないフリーアドレスを採用している企業が増えています。しかし、フリーアドレスは「自分の席」という落ち着ける空間がないことから、落ち着かない、毎朝席を選ぶのが苦痛、帰宅時に荷物を片付けるのが大変など、さまざまな理由からストレスを感じる方が少なくありません。

また、席が固定されないため、同じ部署やチームのメンバーとじっくり関係を深めにくいというデメリットもストレスにつながります。

■職場の座席ストレスを減らすレイアウトのポイント

席配置が原因のストレスを減らすためには、席配置を検討する際に以下のポイントを意識してレイアウトすることが重要です。

●パーソナルスペースの確保

パーソナルスペースとは、他人に侵されると不快に感じる空間領域のことです。親しくない人に密着されると不快や不安を覚えるのは、このパーソナルスペースによるものです。

執務室の席配置では、このパーソナルスペースに配慮することが大切です。目安としては120cm以上350cm未満の距離を確保することが求められます。最低120cm以上の距離を取れることで、パーソナルスペースを確保でき、適度にリラックスして作業に集中できつつ必要なコミュニケーションも行えます。

●管理職の席配置

管理職の席はチームメンバーからアクセスしやすい位置に配置することが望ましいですが、同時に従業員が監視されている感覚を過度に感じないように気を付けなければなりません。

おすすめはオフィスの中心に管理職の席を置き、その周辺に適度な距離を置いてチームメンバーの席を配置するレイアウトです。この配置であれば、管理職はチーム全体の状況を見渡して適宜コミュニケーションが取れ、部下の監視されている感覚も薄められます。

●業務内容に合った座席レイアウトの精査

席のレイアウトを決める際には、業務内容を考慮することも大切です。たとえば、人事や経理といった管理部門や機密情報を取り扱うことが多い部署では、フリーアドレスで社内コミュニケーションを図るよりも席を固定化する方が業務をスムーズに進められます。

一方チーム内などで活発なコミュニケーションを取る必要がある場合には、オープンでグループワークに適した席配置が望ましいです。とくに外出や打ち合わせの機会が多い営業職やマーケティング職などは、社内コミュニケーションを効率よく取れるフリーアドレスに向いている職種と言えるでしょう。

■今できる！職場の席配置3つの改善策

今のオフィス環境を大きく変えずとも、ちょっとしたレイアウト変更や便利なアイテムの導入で、座席ストレスを減らし、職場環境の改善につなげられます。以下では、具体的な3つの改善策と、その際に役立つアイテムを紹介します。

●パーテーションや目隠しで視線を遮る

パーテーションの設置はもっとも手軽かつ確実に管理職や同僚からの視線を遮り、集中しやすい環境を整えてくれます。スペース上の問題などでデスクを完全に間仕切ることが難しい場合には、デスク上に設置できる小型のパーテーションを設置しましょう。

岐阜プラスチック工業 テクセルSAINT デスクパーティション

林製作所　アクリルデスクパネル

セキセイ デスクパーティション シキッター

●集中ブースを用意する

島型のレイアウトを維持してコミュニケーションのしやすさを確保しつつ、必要なときにはしっかり一人ひとりが集中できる環境を整えたい場合には、集中ブースを別途設けるのもひとつのアイデアです。ブースには完全な個室がつくれる本格的なブースだけでなく、気軽に設置できる半個室型のブースも数多くあります。

アスプルンド 集中ブース

リス リミュート オフィスブース ハニカム

●休憩室やミーティングスペースを設ける

集中しやすいオフィスレイアウトを優先して採用している場合でも、小人数で気軽に集まって雑談やミーティングができるスペースの確保は必要です。こうした場所があることで、従業員間のコミュニケーションが活発化し、モチベーションや生産性の向上に寄与します。しかし、オフィスによってはスペースの確保が難しい場合もあります。そのような場合には、以下のようなアイテムを使って執務スペースの一角を区切り、休憩室やミーティングスペースをつくることを検討しましょう。

タック販売 Pao Pencil Meet4 ブース ソファー

サンテック CFパネル

■おわりに

オフィスの席配置は、快適性や生産性、人間関係などに大きな影響を与えます。そのため、席配置を決める際は、パーソナルスペースの確保を忘れずに管理職の席配置を考慮して、業務内容に合った座席レイアウトにすることが大切です。また、オフィス環境の改善は、適切なオフィス家具の導入によっても実現できます。

オフィス家具を数多く取り扱うアスクルでは、トータルコーディネートサービスや家具のまとめ買いサービスを提供しています。オフィス環境を改善し、生産性を高めるレイアウトについての知りたい方は、ぜひアスクルにご相談ください。

「アスクルオフィスづくりサービス」
https://www.askul.co.jp/f/services/furniture/construction/moving.html/［外部リンク］

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2023年11月30日