オフィスの移転やリニューアルに伴い、「床にキャスター痕を付けたくない」「キャスター付きは幅をとって邪魔」といった理由からキャスターなしのオフィスチェアを選ぶ方は少なくありません。この記事では、キャスターなしのオフィスチェアのメリット、デメリット、選び方のポイントについて解説し、併せておすすめの商品を紹介します。

■オフィスチェアにキャスターはいらない？

オフィスチェアといえばキャスターが付いたものが主流です。多くのオフィスチェアにキャスターが付いている主な理由は、ポジションの切り替えがしやすく、体への負担が軽減できることで生産性の向上が期待できるからです。しかし、キャスター付きの椅子にも、床に傷が付きやすい、キャスターなしの椅子よりも比較的高額、スペースが必要などのデメリットがあります。

一方のキャスターなしのオフィスチェアは、スムーズな移動が難しいというデメリットはありますが、キャスター付きの椅子に比べて床に傷が付きにくく、安定した座り心地があります。また、脚部がすっきりとしたデザインのものが多いため、インテリアになじみやすいところも長所です。デザインによっては軽量でスタッキング（積み重ね）も可能なため、スペースに制限がある場合にはキャスターなしの方が都合がよいということもあります。このように安定感のある座り心地を求める方やインテリアにこだわりがある方は、キャスターなしのオフィスチェアも選択肢に入れて選ぶとよいでしょう。

■疲れにくい"キャスターなし"の椅子を選ぶポイント

キャスターなしのオフィスチェアは、キャスター付きに比べて比較的安価ですが、座面の高さなど調整ができないものが多いです。細かな調整機能がないと従業員の身長や体格、作業スタイルに合わせにくくなるため、長時間の座り仕事で体が疲れ、生産性が低下するおそれがあります。そのため、キャスターなしの椅子を選ぶときは、疲れにくいものかどうかを見極めることが大切です。見極めるポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

●デスクワーク用に作られているか

キャスターなしのオフィスチェアの中には、ミーティングチェアのような長時間のデスクワークが想定されていない商品が数多くあります。デスクワークで使用するためには、座面の高さや肘掛けの有無、背もたれの高さなどを確認し、長時間の座り仕事でも快適に過ごせる椅子かどうかを判断しましょう。

たとえば座面の高さは「身長×0.25」が目安とされています。つまり身長160cmの方なら座面高約40cmの椅子がベストということです。ただし、座面高を調べるときは靴底やヒールの高さによるズレも考慮しなければなりません。また、深く腰掛けた状態で足裏全体が地面に付き、太もも裏が地面と平行になるか少し浮くくらいで調べることも大切です。なお日本人の場合、適切な椅子の座面高は約36～45cmとされています。

肘掛けの有無の確認も忘れてはいけません。肘掛けがあると肩にかかる負担を軽減でき、長時間でも快適に作業が行えます。 さらに背もたれの高さも疲れにくさに大きく関わります。腰あたりまでの背もたれよりも、肩や頭あたりまで背もたれがある方が背面を広くカバーできるため、正しい姿勢を保ちやすくなります。

ほかにも座面や肘掛けの高さや角度などが調整できる機能や、腰をサポートするためのランバーサポート、首筋をサポートするヘッドレストなどのサポート機能があるものを選ぶことで、疲労軽減や腰痛、肩こりの予防につながります。

●背もたれが可動するか

キャスターなしの椅子は、体勢の変更がしづらいため、長時間同じ姿勢が続くことで疲れやすくなるというデメリットがあります。そのデメリットを少しでも解消するためには、リクライニングできるものや、体の動きや体重移動に合わせて背もたれが可動するロッキング機能のあるものを選びましょう。背もたれが可動することで体勢を変更しやすくなるため、疲れやすさの軽減が期待できます。また、リクライニングで背もたれを倒せば、腰やお尻にかかる負担を分散でき、リラックス効果も望めます。

●長時間座っても疲れない工夫があるか

背もたれにリクライニング機能やロッキング機能がないオフィスチェアの場合には、長時間座っても疲れない工夫があるかどうかを確認しましょう。たとえば、人体工学に基づいて設計されてされたものであれば、体への負担が少なく、長時間の座り仕事でも正しい姿勢を維持しやすいです。また、椅子の座面や背面の素材によっても座り心地は変わってきます。クッション性の高い素材を選べば、長時間のデスクワークでもお尻や腰、首への負担が減り、正しい姿勢の維持にもつながります。

■おしゃれ＆疲れない！キャスターなしのオフィスチェアおすすめ5選

では、具体的にどのようなキャスターなしのオフィスチェアがよいものなのでしょうか。ここからは長時間のデスクワークでも疲れにくい設計で、なおかつ見た目もおしゃれなキャスターなしのオフィスチェアを厳選して紹介します。

●オカムラ フィルメ4本脚 EXハイ

●オカムラ パラベル カバーリングタイプ

●オカムラ ライブス ワークチェア

●コクヨ イングライフ

●コクヨ クーナ 肘付チェアー

■キャスター付きの椅子を「キャスターなし」にする裏ワザも

■おわりに

オフィスチェアといえばキャスターが付いたものが主流ですが、キャスターなしのオフィスチェアにも、床に傷が付きにくい、安定感がある、インテリアになじみやすいといったメリットがあります。

キャスターなしの椅子を選ぶときは、デスクワーク用に作られているか、リクライニングやロッキング機能があるかなど、長時間座っても疲れない椅子を選択することが大切です。

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2023年12月28日