「オカムラ」と「アスクル」が共同開発したオフィス家具シリーズ Justus/ジャスタス

オフィススペースを効率的に利用するなら、コンパクト設計のデスクチェアが有用です。しかし、コンパクトなだけではなく、長時間のデスクワークをサポートするには疲れにくさも重要です。この記事では、オフィス環境の整備を担当する方に向け、デスクチェアを選ぶ6つのポイントや12のおすすめチェアを紹介します。

■コンパクトでも疲れにくいデスクチェアの選び方

オフィススペースを活用するためにコンパクトなデスクチェアは有用ですが、生産性の向上を図るためにはコンパクトでありながらも疲れにくいデザインと性能を備えていることが重要です。デスクワークは長時間に及ぶケースが多く、疲労感が生産性に影響するからです。疲れにくいデスクチェアを選ぶポイントには、下記の6つが挙げられます。

・全体の幅
・背もたれの高さ
・座面の高さ
・肘掛けの有無
・アジャスト・サポート機能の有無
・張地・クッションの素材

それぞれのポイントについて解説します。

●全体の幅

オフィススペースを効率的に利用することが前提なので、デスクチェア全体の幅が選ぶポイントになります。ダイニングチェアは座面の幅と脚幅の差が少ない設計ですが、デスクチェアには移動用のキャスターが付いており、転倒防止のため脚幅が座面の幅より広く設計されています。リクライニング機能が備わったデスクチェアは安定性を確保するため、さらに脚幅が広くなっている場合もあるので、デスクに収まるサイズであることが選ぶ際の重要なポイントです。デスクに収まらなければ通路や動線を圧迫し、オフィススペースを効率的に利用できません。

デスクチェアの座面の幅が狭いと座った時に安定しなかったり、肘掛けに足や臀部を圧迫されたりするため疲れやすくなります。逆に、座面が広すぎると肘掛けの位置が合わず、疲れやすくなります。また、体型によっても座面の幅の適切なサイズは異なり、おおまかな目安は以下の通りです。

・小柄な体型　幅45cm前後
・普通の体型　幅50cm前後
・大柄な体型　幅55cm以上

（参照元：疲れないオフィスチェアの選び方とおすすめ10選 | 2023年版　）

デスクチェア全体の幅がデスクに収まり、各体型に適した座面の幅であることが選ぶポイントです。ただし、デスクの下に机下台やサイドキャビネットを設置している場合は注意が必要です。片方のみに引き出しが備え付けられている片袖デスクは収納スペースが不足しがちなので、デスクの下にサイドキャビネットなどを設置して収納スペースを補うことがあります。デスクの幅だけを測るとデスクチェアが収まらない事態に陥る場合があるので、サイドキャビネットなどの幅も計測しておきましょう。最大脚幅に加えて5～10cmのスペースがデスク下にあると、デスクチェアをスムーズに出し入れできます。

●背もたれの高さ

背もたれの高さは、下記のように分類されます。

・ローバック
・ミドルバック
・ハイバック
・エクストラハイバック（ヘッドレスト付き）

ローバックは腰の辺りまで背もたれがある設計になっており、疲れにくいデスクチェアを選ぶなら最低限必要な機能です。背もたれがなければ背筋や腹筋で姿勢を維持するため、疲労が溜まりやすくなります。ミドルバックは肩甲骨から肩にかけて、ハイバックは背中を広く支える設計です。

疲れにくさに重点を置くならハイバックかエクストラハイバックのデスクチェアが選択肢に入りますが、高さがあるため空間を圧迫します。そのため、ハイバックでありながらもコンパクトな設計のデスクチェアを選び、バランスを取りましょう。ローバックやミドルバックのデスクチェアは空間を圧迫せず、オフィスにスッキリ感やおしゃれ感を演出できます。ただし、背中を支える面積が小さいので、疲れにくさに重点を置いた設計のデスクチェアを選びましょう。

どのタイプの背もたれにも共通するポイントですが、第四～第五腰椎を支える構造になっていると長時間の座り作業でも疲れにくくなります。背骨の一番下が仙骨、その上が第五腰椎、第四腰椎です。坐骨結節（座った時に座面に当たる骨）から約20cmの高さに第五腰椎は位置します。この部分に支えがない状態で長時間の座り作業を行うと腰椎が湾曲し、腰部の緊張から疲労が起こります。つまり、腰が曲がって背中が張り、腹部は圧迫されて疲れやすくなるので、腰が曲がらないように第四～第五腰椎を支える設計の背もたれであることが重要です。

●座面の高さ

コンパクトな設計のデスクチェアが小柄な人に適しているとは限らないため、小柄な人も想定して選びましょう。適切な座面の高さは「身長の4分の1」が目安です。身長150cmの人を想定すると、37.5cmが座面の適切な高さになります。最小限の座面高が37.5cmよりも高いデスクチェアでは、身長150cmの人はかかとが床から離れ、膝裏が圧迫されます。血液の流れが悪くなり、疲労感や足のむくみにつながるため、長時間の座り作業には適しません。

座面の高さの目安を参考に、足裏全体が床につき、座面と膝裏が水平、または少し離れる状態になるデスクチェアを選びましょう。

（参照元：疲れないオフィスチェアの選び方とは？サイズ・素材・機能別に徹底解説）

●肘掛けの有無

肘掛け（アームレスト）の有無は、どちらにもメリットがあります。肘掛け有りのメリットは、疲れにくさと正しい姿勢をキープしやすい点です。一般的には両腕の重さは体重の6分の1とされており、体重60kgであれば肩に5kgずつの負担がかかっています。肘掛けがあると肩にかかる負担が分散され、疲労感を軽減できます。肘掛けがない状態でデスクワークに当たると、前傾姿勢になったり、デスクに肘をついたりするなど、姿勢が崩れがちです。前傾姿勢になると首や肩、目の疲労につながりやすくなりますが、肘掛けがあると姿勢の崩れを防止する効果が期待できます。

肘掛けには「固定式」「高さ調整式」「左右可動式」「上下可動式」「着脱式」のタイプがあります。

（参照元：デスクチェアに肘掛けは必要? 有無のメリットとおすすめチェア7選）

肘掛け無しのメリットは、低コストと省スペース、移動しやすい点です。肘掛けの分のパーツが少ないため、肘掛け有りのデスクチェアより低価格の傾向にあります。肘掛けのデザインによってはデスクに収納できないデスクチェアもありますが、肘掛け無しのデスクチェアは脚幅に注意しておけばオフィススペースを有効に利用できます。デスクへの離着席が多いと肘掛けが邪魔になりかねません。離着席が多いオフィスでは、移動しやすい肘掛け無しのデスクチェアが適しています。

肘掛けの有無はどちらにもメリットがあるため、自社の状況に応じて適したものを選ぶようにしてください。

●アジャスト・サポート機能の有無

サイズを調整できる「アジャスト機能」が備わったデスクチェアは、疲労の軽減に有用です。座面の高さを調節できれば、かかとが床から離れて膝裏が圧迫されることによる血行不良を避けられます。シートスライドや前傾姿勢対応などの機能は、個人に適した姿勢に調整できるため、長時間の座り作業でも疲れにくくなります。

また、姿勢をサポートする機能も、疲れにくさに配慮する上では重要です。背骨が正しいS字を描くように腰を支える「ランバーサポート」、肩の負担を軽減し前傾姿勢を予防する「肘掛け」、首筋が正しいカーブを描くように支える「ヘッドレスト」などが、姿勢をサポートする機能として挙げられます。

ロッキング機能が備わったデスクチェアは、座面や背もたれが固定されていません。座面や背もたれが動くので姿勢の自由度が高く、背もたれに体重を預けてリラックスもできます。中でも、シンクロロッキング機能は背もたれと座面の角度が連動しており、双方の角度が適切に調整されるため疲労の軽減が期待できます。

●張地・クッションの素材

デスクチェアの張地として主に採用されているのは、「ファブリック」「メッシュ」「レザー」「合成皮革」の4種類です。

ファブリックは布素材を指し、多くのデスクチェアに採用されています。高いデザイン性と豊富なバリエーションが強みです。メッシュ素材は通気性に優れ、フィット感もあります。レザーは高級感を演出できますが、通気性には優れません。合成皮革は手触りが滑らかで、汚れや摩擦に強い素材です。

クッション素材としてデスクチェアに採用されているのは、「メッシュ」「ウレタン」「モールドウレタン」の3種類です。

メッシュは生地一枚で体重を支えるため高度な技術力が求められ、採用されているデスクチェアは高価な傾向にあります。デスクチェアにはウレタン素材が採用されているケースが多く、クッション性があり、長時間の座り作業でも疲れにくいメリットがあります。モールドウレタンは金型を用いて成形し、ウレタンより密度を高めた素材です。金型を用いるので膝裏や太もも、臀部にフィットした形状に設計できます。密度が高いため型崩れが起こりにくく、疲れにくい形状を維持できる素材です。

長時間デスクチェアに座ることを想定するなら蒸れにくいメッシュ素材、疲れにくさに重点を置く場合はモールドウレタン素材が適しています。

■小さめオフィスに！ コンパクトでおしゃれなデスクチェア12選

小さめのオフィスに適したコンパクトでありながらも、疲れにくさやデザイン性に重点が置かれた12のデスクチェアを紹介します。

●オカムラ VC1メッシュチェア

●イトーキ サリダチェア

●TOKIO コンパクトフィットチェア

●サンワサプライ エコノミーメッシュチェア

●コクヨ オフィスチェア ピコラ

●ドウシシャ スリムフィットチェア

●アーユル・チェアージャパン アーユル・チェアー オクトパス

●コイズミファニテック スピネアチェア

●SEKI ボリュームクッションチェア

●Netforce プチアクティブ オフィスチェア

●コクヨ パロ 背クッション ソフトベージュ

●オカムラ ライブス エントリーチェア コンパクトタイプ

■おわりに

コンパクトで省スペースなデスクチェアを選ぶ際には、下記の6つのポイントを押さえましょう。

・全体の幅
・背もたれの高さ
・座面の高さ
・肘掛けの有無
・アジャスト・サポート機能の有無
・張地・クッションの素材

長時間のデスクワークをサポートするために疲れにくさに重点を置くか、オフィススペースを有効に利用できるコンパクト設計に重点を置くかといった判断を迫られる場合もあります。疲れにくさに重点を置くなら、その点に配慮されたデスクチェアからコンパクト設計なタイプを選ぶとよいでしょう。オフィス用家具を見比べるなら、様々な家具メーカーの商品がそろうアスクルがお勧めです。

大量注文の際には在庫の確認や納期の調整はもちろん、家具の開梱や設置、梱包材の回収にも対応してくれるので、効率的にオフィス環境を整えられます。相談窓口の活用もおすすめです。

アスクル株式会社「アスクルまとめ買い相談サービス」
https://www.askul.co.jp/f/services/furniture/soudan/

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2023年12月28日