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ハイブリッドワークとは? メリット・課題とオフィスづくりの考え方

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ハイブリッドワークとは


新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行した影響もあり、出社勤務と遠隔勤務を組み合わせたハイブリッドワークを導入する企業が増加傾向にあります。本記事ではハイブリッドワークについて詳しく解説します。ハイブリッドワークのメリットやデメリット、導入時の課題や企業の成功事例なども紹介します。





■ハイブリッドワークとは? いま注目される背景

ハイブリッドワークとは、出社勤務のオフィスワークと遠隔勤務のテレワークを併用するワークスタイルを指します。業務の内容や個人の事情を考慮しながら、オフィスワークとテレワークを柔軟に切り替えられる点がハイブリッドワークの特徴です。たとえば直接的なコミュニケーションが必要なシーンではオフィスに出社し、一人で実行できる業務はテレワーク環境で取り組むといった切り替えができます。また、育児や介護などの事情を抱える従業員は在宅勤務を主体として、オフィスへの出社は必要最低限に抑えるといった勤務形態も可能です。


ハイブリッドワークが注目を集めているのは、2020年に世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の影響です。パーソル総合研究所の「テレワークに関する調査/就業時マスク調査」によると、2020年3月時点で13.2%だったテレワーク実施率が、緊急事態宣言が発出された2020年4月には27.9%にまで上昇しています。しかし2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行し、多くの企業がテレワークに関する方針を見直しはじめました。その結果、2023年7月時点におけるテレワーク実施率は、2020年4月以降で最も低い22.2%にまで低下しました。



参照元:パーソル総合研究所 第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査(p.10)



このようにテレワークの実施率は減少しているものの、在宅勤務やモバイルワークには依然として一定の需要があります。その理由として挙げられるのが、時間や場所の地理的な制約を受けることなく、多様かつ柔軟な働き方を実現できる点です。しかしテレワークはオフィスワークと比較すると生産性が低下する傾向にあるとともに、遠隔勤務との相性が悪い業種・業界も少なくありません。そこでオフィスワークとテレワークを併用することで、それぞれのメリットを享受できるハイブリッドワークが注目を集めています。




■ハイブリッドワークを導入する3つのメリット

ハイブリッドワークは出社勤務と遠隔勤務を併用するワークスタイルであり、状況に応じて働く場所を柔軟に選べる点が大きな特徴です。それによって得られる主なメリットが、「業務効率化・生産性向上」「コストの削減」「従業員エンゲージメントの向上」の3点です。



●業務効率や生産性が向上する

ハイブリッドワークのメリットは業務効率化と生産性向上が期待できる点です。先述したように、テレワークはオフィスワークと比較すると生産性が低下する傾向にあり、実際にパーソル総合研究所の「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する調査」によると、テレワークの生産性はオフィスワークより10.4%低いというデータがあります。テレワークで生産性が低下する主な理由は、情報機器の性能不足やモチベーション管理の難しさ、対面コミュニケーションの減少による業務連携の遅滞などです。



参照元:パーソル総合研究所 第七回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(p.5)



一方でオフィスワークは高性能な情報機器が揃った環境で緊張感を保ちつつ、対面でのコミュニケーションを図りながら業務を進められます。しかしテレワークのように柔軟な働き方には対応できません。ハイブリッドワークであれば、プレゼンテーションやワークショップのような直接的な交流が必要な場面では出社し、執筆作業やコーディングなどの集中力が問われる作業は自宅で取り組むといった切り替えが可能です。このように出社勤務と遠隔勤務の利点を組み合わせることで、業務効率化と生産性の向上が期待できます。



●オフィス規模を縮小しコスト削減できる

ハイブリッドワークのメリットは、オフィスコストの削減と従業員の出社に伴う費用を削減できる点です。出社する従業員数が減少することでオフィス規模を縮小できるため、物件の賃料や事務消耗品費、福利厚生費、光熱費、交通費などの各種コストを大幅に削減できます。そしてコスト削減によって浮いた資金を情報機器や産業機械の導入、広告宣伝費、あるいは人材の採用・育成などに再投資することで、経営基盤の総合的な強化につながる点が大きなメリットです。


テレワーク制度に切り替える場合、長期的なオフィスコストを考慮すると小規模な物件への移転を検討しなくてはならない場合があります。しかし出社が完全に不要になるケースは極めて稀であり、生産性を確保するためには一定のオフィス規模を維持しなくてはなりません。出社勤務と遠隔勤務を併用する場合、不要な空間をフリーアドレス制の共有スペースに変更する、あるいはコミュニケーションスペースや個室ブースを設置するなど、オフィスを移転することなく既存の環境を有効利用できるというメリットがあります。



●従業員エンゲージメントが高まり、人材確保にもつながる

企業にとって重要な経営課題のひとつは優秀な人材の確保です。そして離職率や提供の改善を図るためには、従業員エンゲージメントの向上が欠かせません。たとえばオフィスワークでは、部署やグループの人間関係に不和が生じた場合、ストレスの増大によって従業員エンゲージメントが低下し、離職につながる恐れが高まります。一方でテレワーク環境では人間関係に起因する悩みが軽減されるものの、孤独感からメンタルヘルスに支障をきたすケースが少なくありません。


ハイブリッドワークは従業員の個人的な事情に配慮することも可能であり、さまざまな状況に応じて勤務形態を柔軟に選択できます。自身の裁量と責任で最適なワークスタイルを選択できれば、従業員エンゲージメントを向上でき、離職率や定着率の改善が期待できます。また、時間や場所といった地理的な制約を受けない働き方はワークライフワークバランスの充実に寄与し、企業イメージの向上によって優秀な人材を確保できる可能性が高まる点もメリットのひとつです。




■デメリットも?ハイブリッドワーク導入時の課題

ハイブリッドワークは出社勤務と遠隔勤務のメリットを享受できる一方、それぞれのデメリットも受け入れなくてはなりません。オフィスワークのデメリットとしては、人間関係や通勤による心理的な負荷、事務消耗品費や交通費といったコストの発生などが挙げられます。テレワークの主なデメリットは情報セキュリティの脆弱性や勤怠管理の難しさ、直接的なコミュニケーションの減少などです。


オフィスワークとテレワークのメリット・デメリットは表裏一体の関係性であり、出社勤務と遠隔勤務を併用するハイブリッドワークは両方のデメリットが影響します。たとえばプロジェクトチームに出社勤務と遠隔勤務のメンバーが混在している場合、テレワークの従業員に対する羨望の気持ちが生まれ、人間関係の悪化を招く要因となりかねません。また、テレワークは労働意欲や貢献意識が可視化しにくいことから成果主義に偏ってしまい、不毛な社内競争が生じることで従業員の心理的負荷が増大するリスクも懸念されます。




■ハイブリッドワーク成功のポイントは「オフィスの役割」の見直し

v遠隔勤務は出社勤務と比較して生産性が低下すると同時に、テレワーク制度を廃止した企業の離職率が増大したという事例も少なくありません。そのため、ハイブリッドワークを推進するためには、遠隔勤務の生産性を高める仕組みを整備するとともに、オフィスの役割を見直して、「出社したほうが生産性が上がる」と感じられるようなオフィスづくりが重要です。そこで重要なキーワードとなるのが「フリーアドレス制の導入」「コミュニケーションスペースの設置」「個室ブースの設置」の3点です。



●フリーアドレス制の導入

ハイブリッドワークを推進する上で取り入れたい施策のひとつがフリーアドレス制の導入です。フリーアドレス制とは、オフィス内で従業員が自由に席を選択して働くワークスタイルを指します。オフィス内であれば自分の好きな場所で働けるため、出社勤務の業務効率と生産性を確保しながら、比較的ストレスフリーなワークスタイルを確立できる点がメリットです。


フリーアドレス制の導入には相応のオフィス規模が必要ですが、ハイブリッドワークを推進することで出社する従業員数が減少するため、固定席が減ることで空きスペースが生まれます。そのエリアに集中ブースやミーティングスペースを設置できれば、既存のオフィス環境を活かしながら、比較的低コストでフリーアドレス制を導入できます。複数人が着座できるデスクが必要となるので、大型の天板形状かつ配線機能が充実しているフリーアドレスデスクの設置がおすすめです。



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●気軽なコミュニケーションスペースの設置

フリーアドレス制の導入と同時に実施したい施策がコミュニケーションスペースの設置です。ハイブリッドワークのオフィス環境では対面によるコミュニケーションが減少するため、情報共有や業務連携に遅れが生じる場合が少なくありません。固定席を削減したエリアにミーティングスペースやリフレッシュスペースなどを設置できれば、従業員同士の気軽なコミュニケーションが生まれやすくなり、精神的な充足感や安心感を得られます。


また、オフィスワーカーはテレワーカーに羨望の気持ちを抱く傾向にありますが、その理由のひとつは上司や同僚の目を気にすることなく自分のペースで働ける点にあります。フリーアドレス制を導入により、比較的自由度の高い働き方が可能です。また、希薄になりがちなコミュニケーションの場としても活用でき、それによってオフィスへの出社意欲が高まれば、従業員エンゲージメントの向上と離職率の改善が期待できます。



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●Web会議に使える個室ブースの設置

ハイブリッドワークを推進する上で取り入れたい施策のひとつが個室ブースの設置です。ハイブリッドワークでは、出社勤務と遠隔勤務の従業員同士が円滑なコミュニケーションを図る仕組みが求められます。そこで重要な役割を担うのがWeb会議システムです。しかし出社勤務の従業員は周囲の雑音や視線が気になり、Web会議に集中できないというケースが少なくありません。


ハイブリッドワークの推進によって削減したスペースに個室ブースを設置できれば、周囲に気兼ねすることなくWeb会議を行えます。また、個室ブースを設置して集中できる環境を整えることで、デザイナーやプログラマーといったクリエイティブ分野の生産性向上に寄与する点もメリットのひとつです。とくにフルクローズ型の個室ブースは防音性と遮音性に優れるため、機密事項に関するWeb会議やオンライン商談などに適しています。



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■工夫が満載!ハイブリッドワーク導入企業の成功事例

ハイブリッドワークを取り入れる場合、他社の成功事例から本質を抽出して自社の経営体制に応用することが大切です。ここではハイブリッドワークを導入した企業の成功事例を2つ紹介します。



●ハイブリッドワークでも「来たくなるオフィス」へ(エイチ・シー・ネットワークス)

エイチ・シー・ネットワークス株式会社は、「来たくなるオフィス」というコンセプトに基づき、ハイブリッドワークの導入に取り組んでいる企業です。具体的には人間工学に基づく高機能なゲーミングチェアが並ぶセミナールームや、コミュニケーションを促進するリフレッシュエリアを設置し、社内コラボレーションの活性化を推進しています。


また、開放的なラウンド型のミーティングスペースや、最新設備が整ったクリエイティブエリアが設けられており、業務効率化と働きやすさを考慮したオフィス設計になっているのも大きな特徴です。同社はネットワークサービスを提供する企業であり、先進的なオフィスを整備することで自社サービスを体験できるショールームとしての役割も果たしています。



関連記事:
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●空間と仕組みづくりの両面で課題を解決(コクヨ)

コクヨ株式会社はコロナ禍でハイブリッドワークが主体となり、環境整備と若い世代の育成が経営課題となっていました。解決するには人と人とのつながりが重要だと考え、「Home Living」というテーマに基づいて、居心地の良さと社内コラボレーションの活性化を追求したオフィス環境の整備に取り組みはじめました。


たとえばソファやカーペットを導入してリビングテイストなオフィス環境を演出し、従業員が読んだ本を紹介し合うコーナーや、困りごとを相談できるコンシュルジュエリアなどを設置しました。それによって自然と人が集まる空間と仕組みが整備されるとともに、若手の従業員が学びを深められる環境の構築に成功しています。



関連記事:
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■おわりに

ハイブリッドワークとは、出社勤務と遠隔勤務を組み合わせた働き方を指します。ハイブリッドワークを導入する主なメリットは「業務効率化・生産性向上」「コストの削減」「従業員エンゲージメントの向上」の3つです。ただしハイブリッドワークの導入にはコミュニケーションや勤怠管理の他、環境整備も必要です。しっかりと必要な整備を整え、ハイブリッドワークに成功に導きましょう。




編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 
制作日:2023年12月28日

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