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デスクワークの生産性を向上するためには、正しい着座姿勢を補助するオフィスチェアが欠かせません。そこで重要な役割を担う機能のひとつが「前傾チルト」です。本記事では前傾チルトの概要や必要性について解説するとともに、オフィスワーカーにおすすめのオフィスチェアを紹介します。

■オフィスチェアの「前傾チルト」機能とは

前傾チルトとは、オフィスチェアの座面を前方に傾ける機能のことです。前傾チルトを有効にすると座面が5度程度傾き、連動して背もたれも前方へ傾きます。これにより、前かがみの姿勢でも背もたれが寄り添ってくれるため、自然と骨盤が立ち、腰部分への負担を軽減できる、正しい姿勢をキープできるなどのメリットがあります。

製品によって操作の詳細は異なりますが、一般的には椅子の下にあるレバーを操作しつつ、軽く体重移動することで前傾チルトのON/OFFを切り替えます。

■前傾チルトに期待できる効果

一般的なオフィスチェアは背もたれの角度を調整できても、座面を前傾する機能は搭載されていません。前傾チルトが搭載されているオフィスチェアは正しい姿勢を保ちやすく、腰痛や肩こりを防止する効果が期待できます。

●間違った前傾姿勢は腰痛などの原因に

「座る」という行為は「立つ」よりも体への負担が大きく、書類仕事などで長時間前かがみになって着座している場合、腰痛や肩こり、首痛などを招く要因となりかねません。また、間違った前傾姿勢は椎間板の変形やヘルニアを患うリスクも増大します。このようなリスクを最小限に抑えるためには、前傾姿勢でも骨盤をしっかりと支え、腰や肩、首など体への負担を減らせるオフィスチェアを選択することが大切です。

●前傾機能付きの椅子が、正しい姿勢をサポート

前傾姿勢の着座は椎間板に圧力が生じるだけでなく、前のめりになることで腹部と大腿部の裏側を圧迫します。しかし前傾チルトなら座面が前方へ傾くことで腹部と大腿部への圧迫感が緩和され、長時間座っていても疲れにくく、正しい姿勢をキープできます。

■前傾チルトはいらない？必要性と考え方

前傾チルトはデスクワークの腰痛防止や疲労軽減に役立つ機能ですが、業務内容によっては不要なケースもあります。前傾チルトの必要性を判断する基準のひとつは、よく行う作業が前傾姿勢か後傾姿勢という点です。

●デスクワーク中の「前傾姿勢」と「後傾姿勢」

前傾姿勢とは上半身が前方に寄っているような姿勢で、書類の作成やイラスト制作などの作業時に見られる姿勢です。
一方の後傾姿勢は椅子に深く座り、上半身が後方に倒れている状態です。一般的にパソコン作業が多い業務は、後傾姿勢になりやすい傾向にあります。

●事務職・経理職には前傾機能ありがおすすめ

前傾チルト機能の利用が推奨されるのは前傾姿勢の時間が長い職種です。たとえば事務職や経理職など、机に資料などを置いて前のめりの姿勢で作業する時間が多い職種におすすめです。
一方でWebデザイナーやプログラマーなどパソコン作業の多い職種は後傾姿勢になる要素が強いため、前傾チルトよりも後傾にリクライニングできる機能を優先させるのが望ましいです。前傾姿勢と後傾姿勢の両パターンが想定される仕事の場合には、背もたれと座面が同調する「シンクロロッキング機能」を搭載したオフィスチェアが推奨されます。

■姿勢サポート力アップ！前傾チルトと合わせてほしい機能

デスクワークの正しい姿勢をサポートする代表的な機能として挙げられるのが、以下の「ランバーサポート」「座面の高さ・奥行調整」「可動式の肘掛け」の3つです。とくに長時間にわたって前傾姿勢で業務に取り組む場合、前傾チルトとともに、これらの機能が搭載されたオフィスチェアの選定が望ましいです。

・ランバーサポート

着座時に背骨のS字形状を保持する機能です。腰を支えることで猫背や腰痛の防止、着座時の疲労軽減にも役立ちます。

・座面の高さ・奥行調整

座面は足裏全体が床に付いた状態で、ひざに対して垂直になる高さに調整することで疲れにくくなります。奥行は背もたれに腰がしっかりと付く位置が最適です。これらの調整ができる機能があると体格に関係なく、快適に座れます。

・可動式の肘掛け

肘掛けの高さや前後、角度を調整する機能です。ユーザーの体格やデスクの高さに合わせることで、腕や肩の負担が軽減します。

関連記事：ランバーサポートとは？正しい装着位置やオフィスにおすすめの商品を紹介

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■【価格帯別】前傾チルト付きオフィスチェアおすすめ6選

前傾チルトや前傾サポートが搭載されたオフィスチェアについて、価格帯別に6つピックアップして紹介します。

●～6万円：高機能で安い、前傾チルト付きオフィスチェア

まずは前傾チルト付きでコストパフォーマンス重視のオフィスチェアを紹介します。

コクヨ パロ

●～10万円：機能と価格のバランスがよい、前傾チルト付きオフィスチェア

前傾チルト付きで機能性と価格のバランスを考慮した場合、おすすめのオフィスチェアとして以下の2つが挙げられます。

関家具 エルゴヒューマン ENJOY2 ローバック

オカムラ シルフィー ハイバック

●10万円～：座り心地重視！ハイスペックな前傾チルト付きオフィスチェア

前傾チルトが搭載された機能性重視の高級オフィスチェアとして挙げられるのが以下の3つです。

コクヨ オフィスチェア ベゼル ファンクショナル

関家具 エルゴヒューマン PRO2 ハイバック

ハーマンミラー セイルチェア

■おわりに

前傾チルトは座面と背もたれが連動して前方に傾く機能であり、骨盤が自然と立つことで正しい姿勢をサポートします。また腰痛を防止するとともに、疲労の軽減や集中力の向上が期待できる点も大きなメリットです。
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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2024年2月15日