従業員からスタッフルームへの不満が挙がっていませんか？スタッフルームの居心地は、従業員の働きやすさや満足度に直結するため、おろそかにはできません。クリニックのリニューアルを検討している代表や総務担当者に向けて、スタッフルームに必要な広さ、快適なスタッフルームを作るポイント、おすすめの家具について解説します。

■スタッフルームとは？クリニックにおける役割と重要性

スタッフルームとは、従業員が着替えたり、休憩したりするためのスペースです。近年、従業員のモチベーション維持や向上を目的として、リラックスできる休憩室を目指す企業が増えており、クリニックにおいても居心地のよいスタッフルーム作りが求められています。スタッフルームの居心地が悪いと、心身を休めたり気持ちを切り替えたりできず、ストレスが溜まってしまいます。皆がイライラをぶつけ合って人間関係が悪化し、退職の原因にもなりかねません。

少子高齢化の加速に伴い、医療従事者の労働力不足が懸念されている中で、快適で安心して働ける環境を整えることは、従業員の定着率アップにもつながります。定着率が高いと、患者さんも安心感を得られます。スタッフルームの環境は、従業員の業務へのモチベーション、働きやすさ、満足度、定着率などさまざまなことに影響し、よりよい医療を提供するためにも重要です。スタッフルームに費用を掛けたくないと考える方もいますが、快適なスペースになるようレイアウトには力を入れるべきです。従業員を大切にし、従業員の目線になってレイアウトを工夫しましょう。

■スタッフルームに必要な広さはどのくらい？

スタッフルームは、従業員がリラックスできるよう、ある程度広めのスペースを確保することが求められます。最低でも10～15畳＝16.56～24.84ｍ²（5～7.5坪）は必要です。実際に必要な広さはスタッフの人数によって変わりますが、ドクター1名スタッフ5名の場合で24ｍ²（約7.2坪）程度が目安とされています。更衣スペースには人数分のロッカーを置ける広さを、休憩スペースにはテーブルや椅子などを配置できるだけの広さを確保しましょう。

●間取りによっては、スタッフルームのみ別で借りる選択肢も

スペースが限られたビルテナントの場合、診療スペースを優先したレイアウトにしてしまいがちです。スタッフルームにも余裕のある広さが必要とはいえ、まとまったスペースを確保するのは難しい場合もあります。そこで、スタッフルームを確保できない場合は、近隣に別の部屋を借りるという方法があります。患者数の増加＝スタッフの増加であるため、クリニックの増設時にスタッフルームを外に借りるという事例は珍しくありません。

別の部屋を借りる場合の注意点は、家賃が高額すぎないか、 距離が遠く往復のため休憩時間が短くなりすぎないかという点です。現状の広さで十分な設備を整えるのが難しい場合は、スタッフの流出を防止するためにも、別の部屋を借りられないか検討してみましょう。

■快適なスタッフルームを作る6つのポイント

従業員が快適に過ごせ、業務へのモチベーションも上がる、理想的なスタッフルームを作るためのポイントは次の6つです。

●テーブルや椅子、ロッカーなど十分な家具を設置する

スタッフルームの不満としてよく挙がるのは、「椅子や机の数が足りない」「ロッカーが狭い」など、設置されている家具に対する意見です。ゆっくりと食事をしたり休憩したりできるようなテーブルと椅子、私服や私物を安全に管理できる個人ロッカーの設置は欠かせません。電子レンジやウォーターサーバー、ソファなどがあるとなお快適に過ごせます。スタッフルームが従業員の休憩室として機能するよう、家具や備品は十分に設置しましょう。

●院長室や業務スペースとは明確に分ける

院長室には顧問会計士・税理士、コンサルタントなど来客者が訪れます。来客者の訪問時間は、従業員の休憩時間と重なることがあるため、院長室とスタッフルームが隣接していると、お互いの会話が聞こえて両者とも落ち着きません。これでは院長も従業員も心が休まらず、プライベートも守れなくなるため、スタッフルームと院長室は隣接しないよう明確に分けましょう。また、受付や待合室など、患者さんを迎える業務スペースからも離してレイアウトしましょう。

●患者さんとは別の動線を用意する

患者さんと従業員の動線が重なっていると、休憩中にもかかわらず患者さんに話しかけられることがあります。休憩中、一時的に自宅に帰る従業員は、私服姿を見られる可能性も気にしなければなりません。また、従業員同士の会話が患者さんに聞こえて、トラブルの原因になるリスクもあります。患者さんと会わずに往来できるよう別の動線を用意し、従業員も患者さんも快適に過ごせる環境作りに努めましょう。

●休憩スペースと更衣スペースを区切る

スタッフルームのレイアウトには、休憩スペースと更衣スペースが一体化しているケース、区切りがあってもカーテンで仕切っているだけというケースが少なくありません。これでは安心して着替えられず、休憩中の従業員も着替えている従業員が気になってしまいます。快適なスタッフルームを作るためには、休憩スペースと更衣スペースは明確に区切っておくべきです。別々に部屋を用意するのが理想ですが、難しい場合は1部屋でも仕切りをしっかりと付け、別部屋扱いにしましょう。

●観葉植物などリラックス感のあるインテリアを取り入れる

緑の植物には、ストレスを緩和させたり疲労を軽減させたりする効果があります。オフィス空間に植物を設置するとメンタルヘルスケアに効果があるという研究結果も出ています。フェイクグリーンでも一定の効果が期待できるため、観葉植物を置くのがおすすめです。観葉植物なら、害虫が発生せず、花粉症持ちのスタッフも安心です。手入れの手間や衛生面を考慮して選定しましょう。

●清掃業者への依頼も検討する

レイアウトとは別に、スタッフルームの不満で挙がりやすいのは、「室内が汚い」「冷蔵庫が不衛生」など、清掃に関する意見です。掃除や整理整頓は従業員たちで自主的にやってほしいというのが院長の考えかもしれませんが、自主的にできていない場合は掃除当番を決めなければなりません。また、掃除用の備品を充実させておくことも重要です。なお、掃除当番を決めていても「清掃を従業員がやらなければならない」などの不満が挙がる場合はあるので、必要に応じて清掃業者へ依頼することも検討しましょう。快適なスタッフルームとして使い続けていくために、清潔感は重要です。

■スタッフルームに設置したい、おすすめ家具・インテリア一覧

スタッフルームにおすすめの家具やインテリアを紹介します。快適性を高めるためにぜひ設置を検討してみてください。

●アスクル マルチワークテーブル

●エイ・アイ・エス シェルチェア

●セルタン ソファChoice（ソファチョイス）

●佐藤産業 LAFIKA（ラフィカ） レンジボード ロータイプ

●スマイル 更衣室ロッカー 3連3人用

●サンテック CFパネル

●アートクリエイション トネリコ1.8

■おわりに

快適なスタッフルームを作るポイントは、家具やインテリアを十分に設置する、院長室と明確に分ける、患者さんと別の動線にする、更衣スペースと休憩スペースを区切るなどです。より快適さを追求するなら、観葉植物を置いてリラックス効果を高めたり、清掃業者に掃除を依頼して清潔を保ったりすることも欠かせません。家具やインテリアを設置する際は、本記事で紹介したアクスルでの購入をおすすめします。

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2024年3月5日