高齢者の方々が日々快適で安全に過ごすためには、適切な家具選びが重要です。特にテーブルと椅子は、日常生活において重要な役割を果たします。そのため、安全性や快適性、使いやすさなど、多角的な観点から選ぶ必要があります。この記事では、高齢者の利用に適したおすすめのテーブルと椅子について詳しく紹介します。

■高齢者にとって使いやすいテーブル・椅子をそろえる重要性

高齢者の方が安心して日常生活を送るためには、転倒や誤嚥などの事故を防止することが非常に重要です。特に、適切なテーブルと椅子を選ぶことは、安全性を確保する上で欠かせません。

高齢者は、加齢による身体機能の低下、または病気や薬の影響により、転倒のリスクが高くなります。また、嚥下機能の低下により、誤嚥のリスクも高くなります。

これらの事故を未然に防ぐためにも、安全性を重視したテーブル・椅子選びを心がけ、高齢者が安心して日常生活を送れる環境を整えましょう。

■高齢者が使いやすいテーブルの選び方

高齢者の方が使いやすいテーブルの選び方としては、以下の3つのポイントが挙げられます。

●高齢者が自然に使える高さか

高齢者が使うテーブルの高さは70cm前後が一般的です。席に着いて手を自然に下ろしたときに自然と肘がつける高さが理想です。また、椅子の肘掛がテーブルの下に収まるかどうかもチェックする必要があります。高齢者では小柄な方も多いため、高さ調整ができる昇降式のテーブルを選ぶとよいでしょう。

高齢者が使用する椅子の座面高さの目安は38cm程度です。こちらも様々な利用者に合わせられるよう、高さが調節できるものや、踏み台がついているものを選ぶと安心です。

使いやすい高さのテーブルを使用することで、腰や背中への負担を軽減できます。また手首や肩への負担も軽減され、作業をしても疲れにくくなります。

●角が丸いなど、安全性への配慮があるか

高齢者にとって角に丸みを付けているなど、安全対策が施されているテーブル・椅子を選ぶ必要があります。バランス感覚の低下した高齢者がつまずいたり転倒したりする事故が起こりやすいです。高齢者は少しの衝撃で骨折などになることが多いため、角が丸いなど安全性に配慮されたテーブル・椅子を選ぶようにしましょう。

●テーブル下の構造と椅子が干渉しないか

椅子をテーブルに近づけた時、テーブル下の部品などが干渉しないかチェックすることも重要です。

テーブルと椅子が干渉すると、高齢者が座ったり立ち上がったりする際に椅子がテーブルの脚に引っかかるなどの事故を引き起こす可能性があります。安全面だけでなく、ストレスを軽減し生活の質を向上させるためにも、できる限りシンプルな構造のものを選ぶとよいでしょう。

■高齢者が使いやすい椅子の選び方

高齢者が使いやすい椅子の選び方の基準としては、以下のポイントが挙げられます。

●座面の奥行・高さが姿勢を維持しやすいサイズか

高齢者向けの椅子を選ぶ際には、座面の高さと奥行きが重要なポイントです。

高さは、座った際に太ももと座面の間に手のひらが入るぐらいが目安になります。また、座った際に足裏がしっかりと床に着き、膝が90度に曲がるような高さが適切です。座った状態から立ち上がる際にも安定した姿勢を保ちやすくなります。座面の奥行きは、深すぎると太ももが前に突き出す形になり、膝や腰への負担が増える可能性があります。

介護施設など高齢者が利用する施設で使われている椅子は、目安として一般的な椅子よりも少し奥行が浅めで、座面の高さが38cm前後のものが選ばれています。しかし、椅子の高さは人それぞれなので、足裏がしっかり地面に着くように段差を設けたり、座面にクッションを敷いたりして調節するようにしてください。

●背もたれと肘掛けが付いているか

高齢者用の椅子選びでは、背もたれや肘掛けが付いているかも重要です。背もたれに関しては、背中をしっかりと支えることができ、正しい姿勢を保ちやすくなります。その結果、腰への負担軽減につながります。また背もたれがあることで、長時間座っている場合や立ち上がる際の安定感が得られ、姿勢を維持しやすくなります。

肘掛けは腕をサポートする役割を果たすほか、肩や首への負担も軽減できます。肘掛け付きの椅子を選ぶ際は、テーブルに干渉しない高さであるかを確認する必要があります。食事の際などにテーブルに椅子を近づけられるかは、安定した姿勢を保つための重要な要素であるため、事前に確認しましょう。

●適度なクッション性があるか

長時間快適に座るためには、座面の素材や感触が重要なポイントです。座面が硬い椅子に長時間座っているとお尻や腰に痛みを感じやすくなります。柔らかすぎても座った際に沈み込みが大きくなり、立ち上がりにくくなってしまいます。高齢者の方の腰痛や背中の痛みを予防するためにも、硬すぎず柔らかすぎない、適度なクッション性がある座面選びを心掛けてください。

■テーブル・椅子は「高齢者向け」か「介護用」かも要チェック

テーブルや椅子は、高齢者の日常生活をサポートするために設計された高齢者向けのものと、介護を必要とする高齢者のケアを支援するための介護用のものがあります。

高齢者向けのテーブル・椅子は、使いやすさや安全性を重視して設計されています。例えば、テーブルの高さや椅子の座面の高さが適切なものが多く、日常生活で使用しやすい点が特長です。また、角が丸いなどの安全性を考慮したデザインや適度なクッション性などが工夫されています。

介護用のテーブル・椅子は、高齢者の方が快適に座れるようになっているだけではなく、介助者がサポートしやすく設計されている商品がほとんどです。介護施設等で使用する場合は、倒れにくい構造や転倒時の衝撃を和らげるような設計、高齢者の身体的なケアをサポートするための機能が備わっているものを選ぶようにしましょう。

■介護施設向け！高齢者の使いやすいテーブルと椅子おすすめ15選

高齢者の方が安全かつ快適に使用できる工夫の詰まった、介護施設向けのテーブルと椅子を厳選して紹介します。

●机・テーブル

アール・エフ・ヤマカワ 介護用ダイニングテーブル

コクヨ 介護向け ダイニングフラップテーブル

グローリープラン 天然木テーブル

高田ベッド HLテーブル

ライオン事務器 テーブル

ライオン事務器 昇降多目的テーブル

イトーキ 介護施設向けFテーブル

日進医療器 ライフケアテーブル

●椅子・チェア

プラス 木製介護チェア アメニティチェア

アイリスチトセ テンダーHG

ライオン事務器 木製イス

オカムラ ダイニングチェア

松吉医科器械 福祉用いす（PDタイプ）

ピジョン ハビナース ミールターン

高田ベッド ホームチェアーC1

■おわりに

高齢者が利用するテーブルや椅子は、転倒や誤嚥などの事故が起こらないよう安全性に配慮したものを選ぶ必要があります。角が丸いなどの安全性や、高さ・奥行きなどの使いやすさ、姿勢の維持しやすさなどに配慮しなければなりません。

介護施設などで一度に大量購入する必要がある場合、アスクルの「家具まとめ買いご相談」サービスが便利です。在庫確認や納期調整など、まとめ買いする際によくある要望に応えます。介護施設等で使用する椅子やテーブルの購入を検討している場合は、ぜひ一度ご相談ください。

アスクルオフィスづくりサービス「家具まとめ買いご相談」

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2024年3月5日