ヴィンテージビルでの最先端の働き方 ~リクルート「KUDANZAKA PORT PARK」オフィス[後編]
オフィスのデスクレイアウトは、従業員の働きやすさを大きく左右する重要な要素です。オフィスに適したレイアウトにすることによって、従業員同士のコミュニケーションや業務への集中が促進され、生産性も向上します。本記事では、オフィスのデスクレイアウトの基本とされる6種類について詳しく解説します。
オフィスの代表的なデスクレイアウトとしては、
・対向型
・背面型
・同向型
・クロス型
・ブーメラン型
・ブース型
の6種類があります。以下では、各レイアウトの特徴と、どのような職種や運用に適しているのかを解説します。
デスクを向かい合わせに並べて「島」を作るレイアウトです。机の並べ方から島型と呼ばれることもあります。スペースを有効活用しやすく、周囲とのコミュニケーションもスムーズに取りやすいというメリットがあります。島を俯瞰できる位置に管理職の席を設けることで、チーム全体の管理がしやすくなるという点もメリットのひとつに挙げられます。一方、周囲との距離が近い分、ほかの従業員の目が気になってストレスを感じたり、業務に対する集中が妨げられたりしやすい面があります。
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同じ島の従業員同士が簡単にコミュニケーションを取れることで、複数の従業員がチーム単位で連携を取りながら業務を進めているようなオフィスに適しています。レイアウト効率が優れているため、同じ執務室内で複数のチームが同居しているオフィスにもおすすめできます。
上述した対向型とは対照的に、チームメンバー同士の座席が背中合わせに配置されるレイアウトです。机の正面側を壁に接する形で置いたり、前方からの視線を遮るために仕切りを置いたりします。従業員同士が正対することがないため、互いの視線を気にすることなく、業務に集中できます。椅子を回転させれば、すぐに同僚へ声をかけられるため、コミュニケーションが取りづらいということもありません。一方、スペース効率がよくない点はデメリットのひとつです。さらにパーテーションなどを購入する場合、備品コストが高くなりやすいことがあるのも考慮すべき点です。
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特に集中力を要する業務に適しており、たとえば開発職や研究職などが多くいるオフィスにはおすすめできます。チームでの打ち合わせも行いやすいため、複数の従業員によるプロジェクトで作業を進めることが多い環境にも適しています。小規模オフィスで壁を2面使用して背面型を構成したり、フリーアドレス制のレイアウトとして採用されたりすることもあります。
すべてのデスクを同じ方向に向けて配置する形式です。学校の教室やセミナー室などでよく見られるため、スクール形式と呼ばれることもあります。このレイアウトの大きなメリットのひとつが、全員が前方に注意を払いやすく、対面のストレスがないため、業務に集中しやすいということです。銀行のように顧客の受付をしながら業務をする業種にも適しています。一方、背面型同様にスペース効率がよいとはいえません。オフィス内の配線が複雑になってしまいやすい点や、グループワークに適しているとはいえない点もデメリットです。
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集中力を要する業務や、受付のように前方(来客)へ注意を要する業務に向いており、金融機関のフロントオフィスや窓口対応が必要な店舗、コールセンターなどが適したオフィスの例として挙げられます。従業員同士の対面によるストレスがないため、集中エリア用のレイアウトとしても採用されています。会議室や研修室などで講義やプレゼンテーションを行う際にもおすすめできます。
デスクを交互に縦横に配置するレイアウトです。あえて動線をジグザグにし、人の動きを増やすことによって、自然と従業員同士のコミュニケーションの機会が生まれるという効果があります。一風変わったレイアウトを手軽に作りたい場合にもおすすめです。一方、ジグザグの動線は、移動の効率性という面ではお世辞に効率的とはいえません。さらに、多くのスペースが必要とされるため、狭いオフィスや大量の座席を置かなければならないオフィスにも適していません。
社員同士のコミュニケーションを活性化したい場合や、広いオフィスに適しています。たとえばフリーアドレス制を導入しており、あまり多くの座席数を多く必要としないオフィスで採用しやすいのがクロス型です。いずれにしてもオフィス内に十分な動線が確保できない場合には、採用しづらいレイアウトです。
カーブを描くブーメラン型のデスクを3つ向かい合わせに配置する形です。ブーメラン型デスクには、従業員一人あたりの作業スペースを広く確保できるというメリットがあります。3人単位で島を構成する一方で、ほかの従業員との距離も取りやすいため、コミュニケーションの取りやすさと業務への集中しやすさを両立できます。その一方で、多くのスペースを取ってしまう点はデメリットです。狭いオフィスやデスクの多いオフィスには向いていません。
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まず、広いオフィス面積が必要であるため、スペースに余裕があるオフィスでなければ、採用が難しいという前提条件があります。そのうえで、ひとりが複数のモニターを使用するデザイナーやエンジニアなど、広い作業スペースが必要とされる従業員が多いオフィスにはおすすめできます。上述した通り、ほかの従業員との距離も取りやすいレイアウトですが、デスク間に仕切りを設置すれば、さらに集中しやすい環境を作れます。
デスクの周囲にパネルを設置して、半個室的な作業空間を作るスタイルです。コロナ禍においては感染症予防のために多くの企業に採用されました。このレイアウトは、パネルによって周囲の視線や物音が気にならなくなるため、集中しやすい環境を作りたい場合には特におすすめできます。簡易的なブースと組み合わせれば、対向型や背面型などのほかのレイアウトにも取り入れることができます。機密性の高い情報を扱うときや、Web会議に参加するときなどにも便利です。一方、パネルによって空間的に圧迫感が強いという欠点があります。パネルのコストがかかることや、周囲とのコミュニケーションが希薄になりやすいこと、物理的に管理の目が届きにくいことも考慮すべき点です。
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上述したブーメラン型と同様、空間的に余裕のあるオフィスであることが前提条件としてありますが、周囲から遮断され、作業に集中できる環境が必要な従業員が多くいるオフィスに適しています。職種でいえば、SEやプログラマーといった技術者やクリエイティブな職種などが該当します。そのほか、集中エリアとしてオフィスの一部に設置するのもおすすめです。
ここまで解説してきたように、デスクレイアウトにはそれぞれ長所短所があり、自社オフィスに適したものを選ぶことが大切です。考慮すべき点として具体的には、
・自社の業種・職種
・固定席なのかフリーアドレスなのかといったオフィスの運用方法
・(動線や通路幅が窮屈にならないように)オフィスの広さやデスク数
などが挙げられます。例えば、背面型レイアウトを採用する場合、通路幅として最低でも180cm程度は必要です。この程度の幅を確保できない場合には、二人が背中合わせに座った状態でその間を人が通ることは難しくなります。従業員が頻繁に移動するようなオフィスでは、通行の快適性を考えれば、さらに広い幅が必要です。
デスクレイアウトを考える際に、なかでも考慮しなければならないことは、オフィスの物理的スペースです。動線・通路幅の確保についてより詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
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オフィスが狭く、理想のレイアウトを構築するのが難しい場合には、設置するオフィス家具を見直してみることも大切です。以下では、コンパクトで圧迫感がなく、小規模なオフィスにも使いやすい家具の例を紹介します。
PREDONA(プレドナ)は、次世代のオフィス空間を提案するというコンセプトにもとづいて開発された製品シリーズで、デスクやチェア、シェルフなどが用意されています。PREDONAシリーズのオフィス家具はコンパクトで機能性に優れているだけでなく、アースカラーや木目の脚など、自然とそこにいたくなるような落ち着いたデザインに特徴があります。同シリーズのオフィス家具をそろえれば、省スペースでおしゃれで居心地のいいオフィス空間を演出できます。
■本体価格(2024年8月1日時点)
¥29,900~(PREDONA(プレドナ)タスクチェア1脚の価格。税込み)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって価格は変動します。
「ちょうどいい家具」をコンセプトにしたJustus(ジャスタス)シリーズでは、使い勝手にこだわったバリエーション豊富なオフィス家具がラインナップされています。たとえば、収納家具にはさまざまな段数やサイズが用意されており、オフィス内の設置スペースにあわせて家具を置けます。同シリーズのデスクと同じ高さのアイテムを選んで、さらに同色のオプション天板も購入すれば、デザインの統一性を保ち、なおかつ作業スペースと収納スペースの両方を拡充させることが可能です。Justusシリーズのデスクには専用パネルが提供されており、ブース席を作りたい場合にもおすすめできます。
■本体価格(2024年8月1日時点)
¥29,520~(ジャスタスデスク1台の価格。税込み)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって価格は変動します。
オフィスのデスクレイアウトを考える際には、職種や業務内容との相性や、設置に必要なスペースなどを考慮することが大切です。オフィスが狭い場合には、アスクルの「PREDONA」のようなコンパクトなオフィス家具の導入を検討してください。アスクルでは、最適なオフィス作りをサポートするレイアウトサービスやまとめ買い相談サービスなども提供しています。オフィス作りに悩んでいるのであれば、ぜひ、一度相談してみてください。
編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2024年8月14日
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