オフィスの休憩スペースの見直しや新設を検討しているものの、どう取り組めばよいのかわからないと頭を悩ませる担当者も少なくないはずです。本記事では、オフィスに休憩スペースを設置する際に重視すべきポイントや、レイアウトのコツなどを解説します。
・働く人からニーズが高い、オフィスの休憩スペース
・おしゃれで快適な休憩スペースをつくる"4つのコツ"
・オフィスに休憩スペースを設ける企業のメリット
・【企業事例】 休憩スペースのおしゃれなレイアウトアイデア3選
・休憩スペースに使える、おしゃれなオフィス家具の例
オフィスに快適な休憩スペースを設置してほしいと望む従業員は少なくありません。アスクル株式会社が独自に実施した「お勤め先の仕事場についてのアンケート」の調査結果からもニーズの高さが浮き彫りになりました。
同アンケートの設問、勤め先に求める席やスペースに対し、「カフェ・休憩スペース」と回答した人は全体の26.6%を占めました。次点で「周囲がパネルで囲われたスペース」の16.4%です。
一方、「防音や完全個室のブース席」は9.8%、「ファミレス席のようなスペース」が5.0%といった結果から、プライベートを確保できるブース席や快適にすごせる休憩スペースへの関心の高さも窺えます。
なお、従業員が使用できる休憩スペースの設置は企業の努力義務です。労働安全衛生法に基づいて定められた、事務所衛生基準規則第十九条では、以下のように定められています。
「事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。」
快適な休憩スペースの設置は、職場環境の改善につながります。従業員のモチベーションアップや生産性向上などの効果も期待できるため、この機会に設置へ向けた取り組みを進めてみましょう。
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おしゃれで快適な休憩スペースを構築するには、コツを踏まえたレイアウトの検討が必要です。
休憩スペースが周囲から独立していないと、周りの視線や雑音が気になり従業員はリラックスして心身を休められません。そのため、休憩スペースを設置する際には、パーティションや個室ブースなどの活用によって、周囲から独立した空間の構築に努めましょう。
パーティションなどで周囲から独立したスペースは、休憩以外にもさまざまな用途に利用できます。たとえば、対面形式での簡単なミーティングやWeb会議などに利用でき、限りあるスペースをより有効活用できます。
可能であれば防音にも配慮しましょう。執務室から離れた場所に設置する、防音素材を使用した密閉空間を構築するなどの工夫が考えられます。防音に配慮した空間を構築できれば、機密情報を取り扱うWeb会議やミーティングなどにも使用できます。
休憩スペースに設置されているテーブルやチェアが執務室と似たようなデザインでは、従業員が十分にリラックスできません。木目調や大理石風のテーブル、チェアなど、執務室の雰囲気とは一線を画したテイスト、デザインの家具を選びましょう。
デザインはもちろん、快適さも重要です。座り心地のよいソファやチェアなら、快適な休憩時間をすごすことができ心身のリラックスに役立ちます。
十分な広さの休憩スペースを確保できないのなら、家具の選択に注意しましょう。大きな家具を配置すると圧迫感が強くなるおそれがあるため、コンパクトサイズの製品がおすすめです。
グリーンカラーには、心身のバランスを整えるほか、安心感を得られる、緊張を緩和して心を穏やかにするなどの効果が期待できます。休憩スペースにグリーンを取り入れることでデザイン性が増すだけでなく、リラックス効果も期待できるため、導入を検討してみましょう。
おすすめなのは観葉植物の設置です。たとえば、つる性の着生植物ポトスはグリーンの色合いが鮮やかなうえに、寒さや乾燥にも強く育てやすいのが特徴で、オフィスに飾る観葉植物として適しています。
また、本物そっくりに作られた人工植物、フェイクグリーンでも一定の効果は期待できます。本物の観葉植物を導入するのに抵抗があるのならこちらを検討してみましょう。
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休憩室を利用するのは従業員です。そこで、従業員の目線で快適にすごせる設備を整えることが大切です。どのようなものがあったら喜ばれるのかを把握するため、まずはアンケート調査などを実施してみましょう。
たとえば、コーヒーサーバーやカフェスペースが挙げられます。ドリンクの種類を充実させると、従業員は好みの飲み物を味わいつつ心身を休められるほか、部署間を超えたコミュニケーションが活発化する可能性も高まります。
あるいは、ゆったりとくつろげる大型のソファや、さまざまなジャンルの本を収納した本棚、大型モニターやプロジェクターなどもあるとよいかもしれません。
オフィスへの休憩スペース設置は、従業員だけでなく企業側にもさまざまなメリットをもたらします。代表的なメリットとしては、生産性の向上やコミュニケーション活性化、企業イメージのアップなどが挙げられます。
休憩スペースの設置が生産性の向上につながる理由として、集中力の回復が挙げられます。人が集中力を維持できる時間には限りがあり、いつまでも高い集中力を保ったまま業務に取り組むことはできません。休憩スペースで頭と体をリフレッシュすることで集中力が回復し、再び高いパフォーマンスを発揮できます。
また、快適な環境でリラックスしながらすごすと、思考力も高まります。目や耳から入る情報をシャットアウトし、リラックスすることで柔軟な発想につながり、新たなアイデアが生まれやすくなる点もメリットです。
企業によっては、各部署が独立した状態で業務に取り組むことで、従業員同士のコミュニケーションが少なくなっているケースも珍しくありません。組織内でのコミュニケーション不足は情報共有の遅れや一体感の喪失などにもつながり、企業に不利益をもたらすおそれがあります。
休憩スペースを設置するメリットのひとつは、従業員同士のコミュニケーション活性化につながる点です。快適でリラックスしてすごせる休憩スペースには、多くの従業員が自然と足を運ぶため、部署間を超えたコミュニケーションも発生しやすくなります。
普段、あまりやり取りをしない従業員同士が気軽に交流でき、そこから新たなアイデアの創出につながる可能性もあります。
従業員が快適にすごせる休憩スペースの設置は、企業イメージをアップさせるのにも有効です。従業員が働きやすい環境整備に注力している、従業員のことを一番に考えている企業とのイメージを対外的に発信でき、企業イメージが高まります。
企業イメージの向上によって、採用力強化につながるのもメリットです。「従業員に配慮し、職場環境の構築に努めている企業」とのイメージを求職者に与えられ、求人への応募者が増加する可能性があります。さまざまな業界で人手不足が叫ばれているなかで、優秀な人材を確保しやすくなるのは大きなアドバンテージです。
また、快適な休憩スペースの設置や企業イメージの向上によって、従業員の満足度が高まり、帰属意識も向上する可能性があります。結果的に従業員の愛社精神が高まり、優秀な人材の流出防止、離職率低下などにつながります。
休憩スペースの設置を検討しているものの、レイアウトがまったく思い浮かばないといった担当者の方もいるのではないでしょうか。そこで、参考にできそうなレイアウト事例を3つピックアップしました。
オンラインゲームの開発や運営に携わるこちらの企業では、広々とした開放感にあふれる休憩スペースをオフィスに設置しています。コミュニケーションやリフレッシュ目的で設置された当該スペースは、大人数でのミーティングやプロジェクトの打ち上げ、ゲームのプレイ大会など多目的な利用が可能です。仕事終わりや休憩中にゲームを楽しめるよう、各種ゲーム機とソファを用意したコーナーも設けられています。
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ITサービスを手掛けるこちらの企業では、採光に優れる窓際の一角に休憩スペースを設置しています。シンプルな空間ながらも、観葉植物やグリーンカラーのチェアなどを取り入れ、リフレッシュしやすい環境を整えています。 また、こちらの企業では休憩スペースとは別に、社内コンビニや社内カフェを導入しているのも特徴です。本格的なカフェ空間では、毎日食堂で作られている焼きたてのパンなどを食べられます。
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社内コミュニケーション活性化を目的に、従来のスペースを休憩スペースに改装した事例です。こちらの企業では、もともと休憩スペースとセミナースペースを兼用していましたが、改装してBarスペースを設置しました。本格的なカウンター席やおしゃれなソファなども設置し、快適にマルチ利用できる空間を構築しています。
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職場の休憩スペースづくりに役立つ、コンパクトかつデザイン性に優れるオフィス家具をいくつかピックアップしました。
「PREDONA」は、機能性はもちろん、そこで働く人たちの五感を刺激し、もともとのポテンシャルをさらに高めるためのデザインを採用したファニチャーシリーズです。テーブルやチェアはアースカラーを基調としており、さまざまなオフィスのデザインに溶け込むだけでなく、コンパクト設計ゆえに空間を圧迫しません。
ほかにも、おしゃれな木目調のシェルフや、木の枝を彷彿とさせる取っ手を採用したサイドキャビネットなど、休憩スペースにマッチするナチュラルデザインの製品がラインナップされています。
■本体価格(2024年8月時点)
¥2,190 ~ (税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
アスクルと、オフィス家具のトップメーカー「オカムラ」が共同開発した「Justus」は、使い勝手にこだわった製品ラインナップが魅力です。フェルト素材を使用し、周囲の視線と音を適度にシャットアウトするパネルのほか、個別ブースやボックス席づくりにも利用できるコンパクトなソファなどをラインナップしています。
■本体価格(2024年8月時点)
¥11,070 ~ (税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
休憩スペースに緑を追加できる、本物の植物にも引けをとらない見た目のフェイクグリーンです。高さ180cmほどあるオリーブやコンパクトなヤシ、モンステラの鉢植えなど、さまざまな場所への設置が可能な製品がそろっています。
床置きから卓上、壁掛けまで、レイアウトに応じた製品を選べる点が魅力です。また、フェイクグリーンゆえに水やりなどの手間がかからず、枯れる心配もありません。
■本体価格(2024年8月時点)
¥2,549 ~ ¥13,158 (税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
休憩スペースに緑を追加できる、本物の植物にも引けをとらない見た目のフェイクグリーンです。高さ180cmほどあるオリーブやコンパクトなヤシ、モンステラの鉢植えなど、さまざまな場所への設置が可能な製品がそろっています。
床置きから卓上、壁掛けまで、レイアウトに応じた製品を選べる点が魅力です。また、フェイクグリーンゆえに水やりなどの手間がかからず、枯れる心配もありません。
■本体価格(2024年8月時点)
¥2,549 ~ ¥13,158 (税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
快適に利用できる休憩スペースを設置すると、従業員の生産性や満足度向上、企業イメージアップなどさまざまなメリットを得られます。この機会に、休憩スペースの見直しや設置を進めてみてはいかがでしょうか。
「アスクルオフィスづくりサービス」では、心地よいオフィスづくりを実現するための相談を受けつけています。オフィスの構想や働き方にあわせた製品の選択、レイアウトなどをプロが提案してくれるため、理想的な休憩スペース、オフィスづくりが可能です。
編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2024年8月9日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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