会社が扱う書類は、自社規定で管理方法を定めているものから法令で保管が定められているものなどさまざまです。本記事では、社内での書類管理を行っている方に向けて、書類ごとの保管年数や保管の基本的な流れを解説します。あわせて、書類管理を効率的に行えるオフィス家具も紹介しているので、文書保管を実行する際の参考にしてください。
会社で取り扱う文書の保管方法は、紙によるものと電子データによるものの2種類に分けられます。特に、労務・総務・経理関係に関わる書類などは、会社法や労働基準法などの法律に則った保管方法・期間を順守する必要があります。
一方、書類をデータ化して保存したり、データのまま発行・受領したりする場合には、電子帳簿保存法に則って保存・保管しなければなりません。
書類保管、データ保管ともに、セキュリティの確保が欠かせません。書類については鍵付きの棚やキャビネットなどによる保管が基本です。
保管期間は短いものから永久保管まであります。また、会社によって保管に関するルールが異なる場合も少なくありません。法令を遵守するためには、保管年数を知り、年数別に整理して保管する工夫が必要です。ここでは、会社で保管が必要な重要文書について、法的に保管期間が設定されている書類を中心に、一部抜粋して列挙します。
法令で永久保管が義務化されているわけではないものの、文書の性質から永久保管が必要であると考えられる書類です。会社の定款や株主名簿など、事業を行う上で重要性の高い文書が含まれます。
会社ごとに、永久保管の書類について保管のルールを設けているケースもあるため、管理にあたっては規約などの確認が必要です。
・定款
・株主名簿など株に関する書類
・社規・社則に関する通達文書
・官公署への許認可関係の届出書類
・登記・訴訟に関する書類
・労働協約や従業員の権利に関する書類
・重要な人事に関する書類
・権利や財産に関する書類
・商品開発や設計に関する文書
以下に、5~10年の法定保管期間が設定されている文書の例を挙げます。会社法関連は10年、経理・税務関係は7年、人事・総務関係は5年前後の年数であることが多いです。
【10年保管】
・株主総会、取締役会、監査役会などの議事録
・製品の製造から販売までの記録
・会計帳簿類
このほか、継続が終了した契約書や重要会議の議事録なども、法的に10年という定めはないものの実務上は10年が望ましいとされています。
【7年保管】
・決算書類や仕訳帳など取引に関する書類
・従業員の各控除などの申告書
・源泉徴収簿
【5年保管】
・事業報告
・従業員の身元保証書
・労働者名簿
5年未満の法定保管期間が設けられている書類は、人事・庶務・経理などに関するものが多いです。
【3年保管】
・労働保険の徴収、納付などに関する書類
・労災保険に関する書類
・派遣に関する管理台帳
【1~2年保管】
・自己株券買付状況報告書
・雇用保険に関する書類
このほか、業務内の通知書類や調査書類などは、法的な定めはないものの、実務上は1年の保存が必要であると考えられています。
書類管理で大事なのは、まずは目的とルールを明確にしておくことです。会社ごとに文書管理の目的は異なりますが、法律順守の観点から保管年数ごとに分類することが基本的な方法です。ここでは文書の保管から廃棄までの一般的な流れを解説します。
書類管理でまず実施するのが、「分類」です。法令順守の観点から、保管年数(1年~永久保管)による分類から始めましょう。保管期間を過ぎている書類はそのままにすると量が増えすぎて管理できないため、速やかに廃棄する必要があります。
その後は次に示すカテゴリーでさらに分類します。
・書類の種類
・取引先
・年度
・月別
・50音
書類管理は継続的なチェックが必要なので、分類は細かくなりすぎないようにします。保管する際には発行日(受領日)順に整理しておくと、検索が容易なだけでなく、廃棄までの流れもスムーズです。
分類した書類は、ファイル(バーチカルタイプ・バインダーなど)やフォルダ(個別フォルダ・クリアフォルダなど)にとじます。保管する場所や書類の大きさ・形状によって、使用するものも変わります。
このとき、保管した書類を判別しやすくするために、ラベルやシール、クリップなどのアイテムを活用すると便利です。たとえば、ラベルは取引先の区別に使ったり、シールは書類の重要度に合わせて色を変えて使ったりできます。
書類を保管する場所は、次の点に注意します。
・直射日光があたらない場所
・温湿度の変化が少ない場所
・セキュリティを確保できる場所
・業務の遂行に影響しない場所
紙の書類は、紫外線や温湿度によって劣化します。永久保管が必要な書類もあるため、劣化しない場所を選定してください。
個人情報や社外秘情報が含まれる書類など特に重要な書類に関しては、鍵付きのキャビネットやロッカーに保管することがおすすめです。
通常の業務で頻繁に使う書類はデスクの近くに保管するなどして、業務に影響が出ないように配置を工夫しましょう。
書類はファイルやフォルダを利用して、縦置きや垂直に保管します。横置きで山積みしてしまうと整理が行き届かず、内容を把握できません。不要な書類が混在する可能性もあります。
ロッカーや引き出しのない棚などに収納する場合は、ファイルを用いて縦置きするのが一般的です。ファイルの背にラベルをして内容を明記しておくと素早く探せます。一方、引き出しに収納する場合は、個別フォルダなどを使用して垂直に保管します。この場合もラベルで内容を明記しておきましょう。
保管した書類は一覧表や管理台帳に整理して記録しておくと、書類の取り出しや廃棄の際に効率よく行えます。
また、書類を安易に持ち出せる状態は紛失や情報漏洩などのリスクがあります。持ち出し者の氏名・理由・日時を記録させる、必ず上司の許可を得るなど、持ち出しのルールを決め、徹底させましょう。名札やスタンプを活用するのも有効です。
保管期間が過ぎた書類や、不要になった書類は、自社にとっての重要な情報や個人情報を含む書類もあるため、速やかな処分が必要です。
特に、マイナンバーが記載されている書類は、政府のガイドラインにより、事務処理が不要になったもので保管期間が過ぎた書類は速やかに廃棄することが定められています。
参照元:個人情報保護委員会| 特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)32ページ
処理にはシュレッダーにかける方法と、業者に依頼し溶解処理する方法があります。
その都度シュレッダーにかける方法が手軽で一般的な方法です。ただし、裁断のサイズが大きいと機密情報の漏洩リスクがあり、廃棄量が多いと時間がかかります。そのため、状況に応じて専門業者のサービスを利用することをおすすめします。
適切に書類を管理するには、書類の性質や使い方などに合わせて使い分ける方法が有効です。以下では、書類保管に活用できるオフィス家具を厳選して紹介します。
扉のないシンプルな収納ラックです。横幅750mmのスリムなデザインで場所を取らず、収納力もあります。サイズバリエーションも豊富(1・2・3・5段)なため、スペースや用途に合わせて利用できます。棚のピッチを16mm単位で変更できるため、ファイルの大きさに合わせて高さを調整可能です。
■本体価格(2024年11月時点)
¥26,000(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
扉のないシンプルな収納ラックです。横幅750mmのスリムなデザインで場所を取らず、収納力もあります。サイズバリエーションも豊富(1・2・3・5段)なため、スペースや用途に合わせて利用できます。棚のピッチを16mm単位で変更できるため、ファイルの大きさに合わせて高さを調整可能です。
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シリンダー鍵付き扉のついた収納力抜群のシンプルな収納ラックです。扉はラッチ機構でカチッと閉まり、横に連結した状態でも180度開きます。色はホワイトとブラックの2色でオフィスの雰囲気に合わせて選べます。重要書類などセキュリティ対策が必要なものの保管にもおすすめです。
■本体価格(2024年11月時点)
¥35,300(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
シリンダー鍵付き扉のついた収納力抜群のシンプルな収納ラックです。扉はラッチ機構でカチッと閉まり、横に連結した状態でも180度開きます。色はホワイトとブラックの2色でオフィスの雰囲気に合わせて選べます。重要書類などセキュリティ対策が必要なものの保管にもおすすめです。
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中が見える透明の引き出しと、可動板に仕切られた棚を設けたキャビネットです。2タイプ(浅型、深型)の引き出しがあり、数も多いため、書類を種類ごとに分けて整理できます。まだファイリングしていない書類の一時保管や、各種カタログ・帳票などの保管場所としても便利です。中央部分はバインダー型ファイルなどを置くことができ、アイデアによってさまざまな使い方ができます。
■本体価格(2024年11月時点)
¥111,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
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シリンダー錠のついた引違い扉付きのキャビネットです。引違い扉でスペースをとらないため、コンパクトなオフィスでも設置できます。収納力も高く、書類の保管以外でも文房具や備品などを入れておくことも可能です。高さは2段と3段、色はホワイトとブラックの4タイプのバリエーションをそろえています。
■本体価格(2024年11月時点)
¥32,100(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
シリンダー錠のついた引違い扉付きのキャビネットです。引違い扉でスペースをとらないため、コンパクトなオフィスでも設置できます。収納力も高く、書類の保管以外でも文房具や備品などを入れておくことも可能です。高さは2段と3段、色はホワイトとブラックの4タイプのバリエーションをそろえています。
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書類やファイルを横方向に立てて保管できるラテラルキャビネットです。目線より下になるため、分厚い(重い)書類を収納するのに適しています。引き出しが3段あるため収納力が高く、書類が多いオフィスにおすすめです。
■本体価格(2024年11月時点)
¥109,900(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
書類やファイルを横方向に立てて保管できるラテラルキャビネットです。目線より下になるため、分厚い(重い)書類を収納するのに適しています。引き出しが3段あるため収納力が高く、書類が多いオフィスにおすすめです。
■本体価格(2024年11月時点)
¥109,900(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
6つの鍵付きスペースを設けたロッカーです。重要書類の収納のほかに、個人用ロッカーとして私物の管理にも利用できます。フリーアドレス制のオフィスなどでの備品管理にもおすすめです。ほかのジャスタスシリーズと連結できます。
■本体価格(2024年11月時点)
¥115,100(税込)v
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
6つの鍵付きスペースを設けたロッカーです。重要書類の収納のほかに、個人用ロッカーとして私物の管理にも利用できます。フリーアドレス制のオフィスなどでの備品管理にもおすすめです。ほかのジャスタスシリーズと連結できます。
■本体価格(2024年11月時点)
¥115,100(税込)v
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
天板とシリンダー錠のついた両開き扉のキャビネットです。天板があるため、同じ高さのジャスタスデスクとつなげれば作業スペースを拡張できます。両開きなので書類の確認も容易です。本体と天板の色を組み合わせることで4種類のカラーバリエーションが選べるため、いろいろなオフィスのインテリアにもマッチします。
■本体価格(2024年11月時点)
¥84,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
天板とシリンダー錠のついた両開き扉のキャビネットです。天板があるため、同じ高さのジャスタスデスクとつなげれば作業スペースを拡張できます。両開きなので書類の確認も容易です。本体と天板の色を組み合わせることで4種類のカラーバリエーションが選べるため、いろいろなオフィスのインテリアにもマッチします。
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¥84,800(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。
会社で扱う書類は、法律や自社のルールに基づく保存が求められます。重要書類は永久保管や5010年の保管が必要です。保管には分類やファイリング、適切な保管場所の選定が重要で、セキュリティ対策も欠かせません。また、保管期間が過ぎた書類は速やかに廃棄することが必要で、シュレッダーや業者による処理が推奨されます。
書類を保管する際には、書類の性質や使い方などに合わせてキャビネットやロッカーなどを使い分けましょう。適した商品の選定やレイアウトにお困りでしたら、アスクルのオフィスづくりサービスにご相談ください。
編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2024年11月14日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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