上の写真は、取材で訪問した ネントリーズ株式会社の執務スペースを撮影したもの。
ネントリーズ株式会社は、トラック買取販売サイト「トラック王国」を運営していて現在急成長中。社員もこの2年間で倍増したこともあり、新オフィスに移転してきたとのこと。
執務エリアにはグレーカラーのオフィス用スチールデスクが並ぶ。
効率的に業務ができるようPCディスプレイは2台設置、デスク幅は1200mmを確保。広々と仕事ができるスペースが確保されている。
オフィスデスクについて尋ねると、稲葉製作所のCirc(サーク)を多く使用しているとのこと。
6年ほど前から使い始め、現在、製造終了になってしまったため、今では同製品の中古品を探して購入しているという。
そこまでして選ばれ続ける稲葉製作所のワークデスクCirc(サーク)には、どんな魅力があるのだろうか。
一見したところでは、オフィス家具メーカー各社から発売されている、一般的なスチールオフィスデスクのようなのだが...。何か他のデスクに代えがたいポイントがあるのではないかと、こちらのデスクを選定された ネントリーズ株式会社 取締役の宮田さんにそのあたりを尋ねた。
このデスク、運びやすいんです。デスクの奥のほうに車輪がついているんで、ストッパー外して、ポッと机を傾けて、コロコロ~と運べるんで。こういうのは、ほかにないんですよね。
(ネントリーズ株式会社 取締役 宮田さん)
オフィスデスクに車輪? このデスクの後脚をアップしてみると、
写真は後脚のアップ。デスクとして使用するときに固定するための車輪ロック機構もついている。
移動用ローラーがあるのは後脚だけで、前後方向にしか回転しないため、車輪ロックすれば通常のデスクと変わらない安定感、固定感がある。
(注)Circは、こちらで紹介した、後脚が車輪になっている「ローラー」のタイプと、後脚が固定の「グライド」の両方が製品として用意されている
実際に動かしてみると、
デスクの後脚ローラーのロックを外して、デスク天板の先の部分を持ち、数センチくらい持ち上げて、後ろに引く。すると、デスクをスーッと前に引き出すことができる。
(写真は、動かしたところをわかりやすくするため、スローシャッターで撮影したものを合成した)
一般的なスチールデスクであれば、重量もあり、幅・奥行があるので、移動させるとなると大人2人は必要になる。デスク両側から2人で囲むように立って、持ち上げなければならない。1台を動かすだけでも大変である。
ところが、後脚に移動用ローラーがついているこのデスクであれば、1人でデスクを移動させることができるので、机のレイアウト変更も簡単になる。
動かせる机といえば、キャスター付きテーブルが一般的で、会議室でよく使われる。しかし、オフィス用スチールデスクとしてのしっかりとした安定感がありながら、車輪のロックを外せば大人1人で動かせるというデスクはあまりほかに見ない。事業急成長によるオフィスの拡張のための引越しが多かった同社では、このデスクを選び続けるのも納得がいく。
引越しだけじゃなくて、社内の机の配置換えもよくするので、1人で簡単に動かせるのは便利なんですよね。一度、他社のオフィスデスクを購入したんですが、社員からは動かすのが重いと不評で、それ以降は全部Circ(サーク)です。
(同)
確かに、1人で簡単に動かせるデスクは引越し時に便利なだけでなく、机の配置換えにも活躍できる。事業急成長中の企業では、会社規模が急拡大するので、組織変更が頻繁に行われることになるが、組織体制が変われば、机の配置も変える必要がある。机の配置を変えるときに、この後輪ローラー付きのCirc(サーク)は威力を発揮する。
オフィスデスクの堅牢さ、安定感がありつつ、組織変更に合わせて大人1人で簡単に机の配置を変えられる柔軟性。それを両立しているデスクということで、稲葉製作所のCirc(サーク)が選ばれていた。製造終了となっているのが惜しまれる。
移動しづらいがガッシリしたオフィスデスク+キャスター付きテーブル=移動も可能なオフィスデスクという解
オフィス家具を少し詳しく知っていると、ワークスペースには、移動はしづらいがしっかり安定感のあるオフィスデスク、移動させたいならキャスター付きテーブルと、二者択一で考えてしまう。オフィスデスクはなるべく動かさず固定しておいて、人が動いて対応するものと考えがちだ。他方、キャスター付きテーブルも近年改良が進んでいるが、オフィスデスクとして使う場合の安定感は専用のオフィスデスクと比べて今一歩の感がある。こちらのオフィスデスクは、その両方の機能性を兼ね備えていて、第三の選択肢になっていることに驚かされた。
また、このデスクは天板前部をつかんで持ち上げて移動するという使われ方に対応して、デスクの構造を強化しているようだ。デスクの天板は、通常の使用環境下では、手やひじで体重をかけて押し下げられるので、それに抗するように天板を支えるフレームが作られている。ところが、移動のために天板の前側を持ち上げられると、通常の押し下げとは逆方向に引っ張られる。こうした両方向への負荷のかかり方に対してフレームの剛性がかなり高められているように思われた。後部ローラーと前部アジャスター脚を支える脚台がアルミダイキャスト製であるのも、おそらくフレーム剛性を上げるためだろう。外観は一般的なオフィスデスクの形状ではあるが、構造に強度を高める工夫がありそうだ。
製造: 株式会社稲葉製作所
参考価格: 55,650円(税込) 「ローラー W1200 D700 H700(mm)」
※イナバオフィスシステムカタログ2012-2013 (製造終了品です)
URL: https://www.inaba-ss.co.jp/office/lineup/circ/index.html
「みんなの仕事場」調べ
トラック・重機・バスなど商用車の買取・販売。「トラック王国 」の運営。
[社長に質問] ネントリーズで大切にしていることは何ですか?
笑顔ですね。企業理念である笑顔。
一緒にやっている仲間たちと笑いながら仕事ができるかとか、お客さんからも笑顔もらえるような仕事ができるかということです。
(ネントリーズ株式会社 代表取締役 津島一夫さん)
オフィスに特化したインテリアデザインの構築を行う。
※こちらのオフィスはCanuch Incによるデザイン
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2016年11月8日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
こちらからご確認ください。