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コロナ対応、DX化に伴い急速進展するオンライン株主総会

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コロナ対応、DX化に伴い急速進展するオンライン株主総会


新型コロナ感染拡大で、オンラインで株主総会を開催する企業が増えている。2021年6月の法改正により、経済産業省などの確認を得ればオンラインだけで実施できる特例を設けられた。新型コロナウイルス感染防止に加え、株主の利便性向上のために、定款を変更し、完全オンライン形式の株主総会を検討している企業が相次いでいるという。


今回は、完全オンライン総会を実際に開催したユーグレナ、オンライン株主総会支援サービス「Sharely」を提供するコインチェックを取材した。



■対話型の株主総会が求められている背景


「株主総会」というと、株主と企業側が緊張感をもって対面し、株主が質問や動議を提出して決議に向けた審議が行われるイメージがあるが、昨今では決議に向けた審議よりも、株主や顧客と良好な関係を構築する対話の場としての「開かれた株主総会」が増えている。総会当日までに議案賛否の結論が事実上判明している意思決定機関という特殊なあり方に基づき、企業側が動画などを活用して事業戦略の説明を行ったり、株主総会後に株主懇談会を開催したりすることが多い。


そうした中で、2018年から経済産業省ではオンライン化も含めた制度づくりが検討されてきた(経済産業省「さらなる対話型株主総会プロセスに向けた中長期課題に関する勉強会」[外部リンク])。



経産省「さらなる対話型株主総会プロセスに向けた中長期課題に関する勉強会 とりまとめ(案)~ハイブリッド型バーチャル株主総会に関する論点整理」より

経産省「さらなる対話型株主総会プロセスに向けた中長期課題に関する勉強会 とりまとめ(案)~ハイブリッド型バーチャル株主総会に関する論点整理」より



「バーチャル株主総会」はインターネットなどの手段を用いて、遠隔地から参加または出席できる株主総会のこと。物理的な会場と遠隔地より参加および出席を行う「ハイブリッド参加型」、「ハイブリッド出席型」、物理的な会場を設けない「バーチャルオンリー型」に分類される。



・ハイブリッド参加型バーチャル株主総会

リアル株主総会の開催に加え、リアル株主総会の開催場所に在所しない株主が、株主総会への法律上の「出席」を伴わずに、インターネット等の手段を用いて審議等を確認・傍聴することができる株主総会をいう。当日、オンライン上では議決権の行使はできない。議決権行使を希望する場合は、事前行使が必要。



・ハイブリッド出席型バーチャル株主総会

リアル株主総会の開催に加え、リアル株主総会の場所に在所しない株主が、インターネット等の手段を用いて、株主総会に会社法上の「出席」をすることができる株主総会をいう。オンライン上で出席している株主も議決権行使や質問が行える。



・バーチャルオンリー型株主総会

リアル株主総会を開催することなく、取締役や株主等が、インターネット等の手段を用いて、株主総会に会社法上の「出席」をする株主総会をいう。オンライン上で出席している株主は議決権行使や質問等が行える。


従来は会社法の規定によって、株主総会は物理的な会場で開かなければならず、会場とオンライン中継を併用する上記の「ハイブリッド出席型」までしか実現できなかった。しかしこの6月に「改正産業競争力強化法」が参院本会議で成立し、「バーチャルオンリー型株主総会」が開催できることになった。さらに2年間は定款を変更しなくてもバーチャルオンリー型の総会を開催できる(2年経過後もバーチャルオンリー型を開催する場合には定款変更が必要。経過措置により開催するバーチャルオンリー型総会では「場所の定めのない株主総会」とする旨の定款変更はできないため、定款変更するにはリアル、もしくはハイブリッド型の株主総会を開催する必要がある)。


アメリカではすでにバーチャルオンリー型株主総会がかなりの割合を占めるが、日本でも8月に株式会社ユーグレナが開催し、今後、freee、Zホールディングスなどが実施する予定だという。


※なお、本記事では、新聞等で用いられる「(完全)オンライン株主総会」という用語を用いる。



■日本初の完全オンライン総会を開いたユーグレナ社


8月26日、日本で初めて完全オンラインの臨時株主総会を開催したユーグレナ。取締役らが同社本社内で配信を行い、スマートフォンやパソコンなどを通じて全国から約550人の株主が出席した。管理部euglee課の薗田玲子氏に開催までの経緯などを伺った。



薗田玲子氏(株式会社ユーグレナ管理部euglee課)

薗田玲子氏(株式会社ユーグレナ管理部euglee課)



――従来の株主総会で課題になっていたのはどんなことでしたか?


従来の株主総会では、当社グループの紹介イベント等もあり、ご出席の株主様との接点づくりとして内容的には良かったと思いますが、会場が東京でしたので、遠方からご出席することが難しいのではないかと思い、常々、もっと多くの株主様にご出席いただきたく思っていました。



2019年定時株主総会の様子(※)

2019年定時株主総会の様子(※)



――昨年は、会場とオンラインを併用するハイブリッド型の開催だったのですね。


ハイブリッド型で開催することによって、リアルの総会よりも地方の株主様の割合が増えたので、今年も同じハイブリッド型を予定していました。



――それが今回、完全オンラインに変更した経緯は。


7月初旬まではハイブリッド型の予定で準備していたのですが、7月に入ってから、定款変更せずとも所定の手続きを踏めば完全オンラインで開催できると6月に法律が変わったという情報が入りました。完全オンラインにすることで、より多くの株主様が物理的な距離や時間の制限なく当社株主総会にご出席いただきたけるのではないかと考え、日本で初めてでもあるので、挑戦しようということになりました。


経産大臣および法務大臣の確認を受けていないと開催できない一方で、総会の予定は8月26日に決まっていたので、招集通知を提出するまでに決めなければならないという状況でした。ハイブリッド型と完全オンラインでは招集通知の内容がかなり変わりますので、2パターン準備し、日程を逆算し作業を進めました。経産省から確認のご連絡があったのが7月20日でした。だから準備期間は1ヶ月半ほどでした。


通常の株主総会の準備は大体5ヶ月くらい前からスタートし、2ヶ月半くらい前から本格的に準備がはじまります。今回は臨時株主総会で準備期間は定時より短めだったこともあり、日本初ということで、経産省へ書類提出したり、法律の解釈や招集通知の書き方もマニュアルがなく外部の弁護士に確認していただいたり、従来に比べて大変でした。



――Lumi社のバーチャル株主総会システムを採用していますが、決め手になったのは?


昨年のハイブリッド型総会開催の際に、証券代行からLumi社をご紹介いただき、実績もあり採用させていただきました。昨年時点ではまだLumi社しかなかったように思います。


システムは1~2回説明していただいただけですぐに慣れました。その場で賛否を問わなければいけないときに議案をすぐに作れる機能などもあり、今回は必要ありませんでしたが、いざという時に役立ち、優れていると思いました。準備サイトと本番サイトがあり、事前に準備サイトで試してから本番サイトに移行するという仕様になっていて、2つ画面があったのは良かったですね。


株式会社ICJがLumi社の販売代理店ですが、ICJさんは経産省とオンライン総会の制度を作るプロジェクトにも参加されていました。当日まで何度も打ち合わせの時間を割いていただいたり、サポート面も非常に充実していました。シナリオを通しで行うときの管理画面の動かし方の確認に何度も立ち会っていただいたり、当日もスタンバイしてシステム障害に備えた体制をとっていただけました。


日本初ということで色々と準備は大変でしたが、様々な方から全面的にサポートしていただき一つひとつ解決することができました。



――準備など、これまでとはかなり違いましたか?


完全オンライン開催は、ハイブリッド型と違ってリアル会場がありませんから、通信回線を絶対に担保しておかなくてはいけません。通信障害のバックアップの準備など、万が一の障害発生時のシナリオを作り、顧問弁護士と幾度となく読み合わせをし、何度もリハーサルを行いました。


また、動議の取り上げ方がリアルとはかなり異なります。リアルではご提出いただいたときに内容を確認できますが、バーチャルの場合はテキスト形式なので、確認の仕方のシナリオを作り、模擬リハーサルをしました。そうした手順を一から想定して考えるのも大変でした。





弁護士やICJに確認し、推敲を重ね、社内テストを繰り返すなど、シナリオづくりには1ヶ月ほどの時間を費やしたとのこと。通常は何かしらのマニュアルがあるものだが、今回は前例がまったくないということで、この「シナリオづくり」はかなり重要なもののようだ。



■予想の3倍の出席者、コスト的なメリットも

2021年開催の臨時株主総会会場の様子(※)

2021年開催の臨時株主総会会場の様子(※)



――開催を終えてのご感想は。


リアルやハイブリット型なら株主様の反応を見ることができますが、完全オンラインでは表情が見えないので、どのように受け取られているのかわかりません。アンケート結果が出るまでは少し不安でした。


ただ社内では、トップや役員を含めて新しいことに挑戦しているという一体感があり、運営自体はやりやすい雰囲気でスムーズに行えました。



――予想していなかったようなことはありませんでしたか。


昨年の定時株主総会では461名のご出席で、通常、臨時総会はそれよりも少なくなりますので、今回は150名ほどを予想していましたが、予想よりもかなり多い562名にご出席いただきました。日本初ということで注目していただけたこともありますが、定時より臨時のほうが多かったのは良い意味での驚きでした。



――完全オンライン開催のメリット・デメリットは?


コスト面が会場費と運営費を含めて半分くらいになったことはメリットです。やはり会場費は一番コストがかかりますから。デメリットとしては、システム面やネットワークなど通信面の準備が大変だったことです。ただ当社の場合は、日頃から個人投資家の皆様向けにライブ配信やオンラインセミナーも行っているので、元々、配信もできる回線を引いており、ネットワーク環境は揃っていたというアドバンテージがありました。





ユーグレナ社では、昨年のハイブリッド型総会から、終了後にオンライン販売会を開催している。開発した社員が商品の開発秘話を交えながら説明してくれるもので、株主にも好評だという。今後も同様のイベント等を企画し、株主とのコミュニケーションを図っていくそうだ。



■出席者の99.5%が高評価

株主側の画面(※)

株主側の画面(※)



――株主様からの評価はいかがでしたか。


終了後に画面でアンケートにご回答いただくのですが、出席者562名のうち8割近い447名の株主様から回答いただけました。バーチャルオンリー株主総会の開催を評価するという回答が99.5%あり、ようやく開催して良かったと思いました。出席に問題なかったという回答も95%で、配信自体にもご満足いただけたと思います。投票画面が少しわかりにくいというご意見もありましたが、おおむねスムーズで何も支障はなかったというご意見が大半で、本当かなと思うほど高評価だったので、何度も集計しなおしてしまいました(笑)。「他の役員が画面に映っていなかったので、他の役員の発言も聞きたかったと」いうご意見もあり、今後に生かしていきたいと思います。


端末はパソコンが76.5%、タブレット・スマホが23.5%、出席した場所は8割がご自宅でした。若い方がお気軽にスマホでご出席いただくのも大歓迎です。



――来年もオンラインで開催する予定ですか?


私たちもリアルでお会いしたい気持ちもありますので、それは未定です。「バーチャルも良かったけれど、出雲社長の声を直に聞きたかった」「画面越しで拍手をしたけれど、拍手が届かなくてもどかしかった」というご意見もありました。コミュニケーションについてはさらに強化していきたいので、初めからオンラインと決めることはせず、今後も新たな挑戦をしながら、株主様にご満足いただける株主総会を開催していこうと思います。



――オンライン総会を検討している企業にアドバイスはありますか。


予備の回線準備は必要不可欠ですね。通信障害に備えて別日の予備日を設定すること。コストはかかってしまいますが、その予備日にも配信業者を手配しておくことをおすすめします。それから、総会終了後に議事録や報告書を提出するのにオンライン出席者の数え方が難しかったです。これも前例がないので弁護士さんに確認しました。当社の今回の臨時株主総会の場合は、


事前行使済/当日ログインした/賛否を表明した → 出席
事前行使済/当日ログインした/賛否を表明なし → 欠席(事前行使が有効)
事前行使なし/当日ログインした/行使をした  → 出席
事前行使なし/当日ログインした/行使をしない → 出席(あえて棄権した)

ということがわかりましたので、ご参考にしてください。


ハイブリッド参加型は、視聴のみで議決権行使システムを揃える必要がありませんので、運営面では完全オンラインよりハードルが低いと思います。



薗田玲子氏(株式会社ユーグレナ管理部euglee課)





オンライン総会に対しては、企業側が不都合な質問を意図的に排除する「チェリーピッキング」が起こりやすいという懸念が指摘されている。ユーグレナ社では弁護士とも相談し、どんな質問がきてもすべて公表する方針で臨んだ。当日は16個の質問があり、重複や運営時間の関係から事前質問全5問、当日質問3問を取り上げて回答。答えられなかった質問については後日ホームページで回答することにしたという。



■オンライン株主総会のサポートサービス


オンライン総会の需要は高まっているものの、初めて検討する企業にとっては機器や設備の準備などの課題、通信障害などの不安はまだ大きい。オンライン株主総会支援サービスも多数登場しており、セキュリティや操作性などの機能面、事前や当日、アフターなどのサポート、ネットワーク環境や機材の3つが比較ポイントになりそうだ。今回は2020年から「Sharely」を提供しているコインチェックの大島啓司氏(Sharely事業部部長)にお話を伺った。



大島啓司氏(コインチェック Sharely事業部 部長)

大島啓司氏(コインチェック Sharely事業部 部長)



――コインチェックが株主総会のサポートサービスを提供しているのは意外でした。


当社では、投資初心者の方でも簡単に暗号資産取引ができるサービス「Coincheck」を提供し、お客様が暗号資産投資に興味を持つきっかけを作ってきました。事業の多角化を図るため、コインチェックの前身の会社で提供していたSTORYS.JPというWebサービスとCoincheckのノウハウと技術を活かしたサービスとして、オンライン株主総会の開催を支援する「Sharely」が誕生しました。株主総会に参加するハードルを下げ、株主総会への参加をより身近なものと感じていただき、資産運用や投資を始めるきっかけをご提供していきたいと考えています。ただし、当社では株主総会そのものを滞りなく成功させることを重視しておりますので、オンラインでもリアルでも、お客様の株主総会を成功させることを目指しています。



――今、オンライン総会の需要が高まっているのはなぜでしょう。


従来の株主総会では、複数の企業の株を持っている人にとって株主総会の日程が重なり参加できない、遠方に住んでいたり高齢のために株主総会の会場に行けないという課題もありました。このような課題をDXで改善する動きとコロナ禍が時期的に重なり、オンライン総会の需要が高まってきたわけです。だから、オンライン株主総会はコロナ禍によるものと思われがちですが、日本はDX化の面で遅れをとっており、海外では以前から実施されていました。ただし、コロナ禍がなければオンライン総会が本格化するのはもう少し先になっていたかもしれません。



――オンライン株主総会のメリットは?


オンラインなら地方や海外の株主も参加できて利便性を向上できるのが一番のメリットです。コロナ感染のリスクを抑えて株主総会を開催できる点もメリットですね。またコスト面でも、会場費・控室・お土産代・警備費・運営人件費など、従来かかってきた費用を考えるとかなり削減できます。



――コロナ収束後もオンライン総会は定着するでしょうか。


日本の株主総会は、淡々と議案が可決される一方通行で進められてきました。対話型の株主総会は以前から求められており、開かれた株主総会を実現しなければいけない流れになっています。コロナウイルスの感染拡大によりあらゆる分野においてデジタル化が進み、株主総会においてもオンライン化が浸透しはじめ、株主側と企業側の対話のハードルを下げるオンライン総会は今後定着していくと思います。



――「Sharely」について教えてください。


「Sharely」は招集通知から投票結果集計、当日の総会シナリオ・オペレーションの設計支援までオンライン総会のすべてをサポートするシステムです。議決権行使や質問ができるクラウドシステムに加え、シナリオ作成や当日までの運営などもサポートします。



「Sharelyp」サービスサイトより(※)

「Sharelyp」サービスサイトより(※)


「Sharely」画面(※)

「Sharely」画面(※)



これまでお客様向けのサービスを手がけてきましたので、「Sharely」でも株主様の操作性を意識して設計しました。また、SharelyでもCoincheckとまったく同じレベルでシステムリスクのモニタリングをしています。


議決権行使については、信託銀行と連携し、事前の議決権行使を促しながら、当日の会場集計分もSharelyに登録することで、リアルとオンラインを問題なく連携可能です。たとえば万が一、事前に議決権行使を行ったお客様が当日にも議決権行使を行うと、事前の行使分を無効にする機能なども備えています。


システムだけをパッケージで販売するのではなく、企業様のご要望・課題を解決できるようにその企業様に合せてオリジナルサービスで対応しているところが当社サービスの特徴です。


――サポートについては。


当社では、会場下見から行います。会場は多種多様ですから、ネットワーク機器や座席配置、照明などを確認し、リハーサルをして株主総会の流れをひと通り行います。通信障害のリスクを想定し、システムを落とさないようにする対策、万が一落ちてしまった場合のバックアップの対策などもフォローします。


自社の会議室で行う場合など回線速度が出ないような場合も、バックアップの用意やネットワーク機器を当社で手配しますので、大がかりな工事は必要ありません。



――導入して企業の反応はいかがですか。


「配信も議決権行使もワンストップでお願いできるのはSharelyだけだった」「Web操作に慣れていない株主様でも簡単に利用できるシンプルなインターフェースが良かった」「会場の最適な配置やリソースの割き方など設営関することまで手厚いサポートだった」など、大変光栄なお言葉をいただいています。株主様の側からも、わかりやすくて使いやすいという声があったと聞いています。


システムの使い勝手、セキュリティの万全さなど、お客様目線で設計しているので、使いやすいという声は嬉しいですね。企業様側の使い勝手の良さはもちろんですが、実際にそれを使用される株主様の操作性はとても大切ですから。



――検討中の企業にアドバイスをお願いします。ずばりポイントは?


まず、信託銀行や印刷会社との連携です。名簿管理や議決権行使などのシステム面や招集通知におけるオンライン株主総会箇所のレビューなどの部分で、従来の株主総会運営でお付き合いのある信託銀行や印刷会社と連携できるオンライン株主総会支援サービスを活用すると良いでしょう。


2番目は、議決権行使の扱いです。ハイブリッド出席型バーチャル株主総会およびバーチャルオンリー型株主総会では、オンラインで参加する株主も議決権を行使できます。事前に議決権行使を行っていた場合でも、当日にも議決権行使を行うケースがあることを想定しておくことが必要です。


3番目は通信障害があった場合の対応です。株主総会の配信中に通信障害が発生した場合の対応について事前に取り決めておく必要があります。



大島啓司氏(コインチェック Sharely事業部 部長)



■オンライン総会はスタンダードになるか


ユーグレナの株主総会では、従来のリアルでも今回のオンラインでも、株主が経営者を激励する場面があるそうで、企業と株主が対話する理想的な株主総会を実施してきたという。総会のときに限らず、日頃から株主との接点を持つようにしているから、株主も応援したい気持ちになるのだろう。


従来のハイブリッド型総会を開催した企業からも、株主の対話が深化するとの意義がコメントされている。Zホールディングスでは、リアルの総会では1時間45分程度で11~13問が標準だった質問数が、1時間27分で20問に増えたという。


オンライン株主総会をきっかけに、今までの株主総会に対する考えを変える時期に来ているのかもしれない。






取材協力

株式会社ユーグレナ

藻類の一種であるユーグレナ(和名:ミドリムシ)を中心とした微細藻類に関する研究開発、生産管理・品質管理、関連商品の製造・販売などを行うバイオベンチャー。ユーグレナが59種類の栄養素を持つことを生かし、健康食品や化粧品の製造・販売を行う傍ら、バイオ燃料の研究開発を行っている。

コーポレートサイト https://www.euglena.jp/ [外部リンク]


コインチェック株式会社

2014年8月に暗号資産取引サービス「Coincheck」の提供を開始し、金融リテラシーにかかわらず、誰でも使いやすいサービスによって「新しい価値交換」を身近に感じられる機会を提供。暗号資産やブロックチェーンにより生まれる「新しい価値交換」、またその次に現れる新しいテクノロジーにより実現される変革を誰もが身近に感じられるように、より良いサービスを創出している。

コーポレートサイト https://corporate.coincheck.com/ [外部リンク]

バーチャル株主総会支援サービス「Sharely」 https://sharely.app/ [外部リンク]

「Sharely」資料ダウンロード https://sharely.app/document/service [外部リンク]




編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2021年8月31日・9月3日

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