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専門家に聞く!

元議員秘書の「勝たせ屋」が語る"天職"の見つけ方 ~InStyle代表取締役 鈴鹿久美子氏インタビュー

鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)

鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)



元衆議院政策担当秘書、現在は「政治家のためのブランディング戦略家」であり、国会議員への議員秘書専門の人材紹介事業を行う株式会社InStyle代表取締役の鈴鹿久美子氏。議員立候補者を当選させる選挙コンサルティングでは勝率88%を誇る、通称「勝たせ屋」。政治家を育て、選挙に勝たせる仕事とはどのようなものか、伺いました。



■成り行きで訪れた選挙事務所



――鈴鹿さんはもともと弁護士を目指されていたそうですね。


はい、司法試験の勉強をしていました。


学生時代に先生から勧められて傍聴してきたある裁判がとても印象深いものでした。


酒乱の息子が連日酔っては暴力をふるい、泥酔し失禁して眠りに落ちた姿を見て、80才になる年老いた母親が「この子を産んだのは私。私の責任」と、寝間着の腰ひもで首を絞めて殺した事件でした。


世の中にこんな悲しい事があるのだろうか、このおばあさんに、声をかけたり、助けてくれたりする人は誰もいなかったのだろうかと思いました。弁護士の「この体の弱った小さな母親を誰が責めることができるでしょうか」と法廷で涙ながらに訴えていた姿が目に焼き付いています。小さな法廷にはすすり泣きの声が響いていました。誰もが悲しんでいるのに誰も助けられなかったのはどうしてだろう。私はこういう人を助ける存在になりたい、と痛烈に思ったのがきっかけです。そしてこの思いは議員秘書になってからも同じでした。



――そして司法試験を目指されたのですね。


そうです、勉強したかったですね。ただ、もう大昔のことになりますが(笑)、当時女子は20才から24才で結婚することが「常識」の時代。女の子が弁護士を目指すなんてアフリカでターザンになると言っているようなものだと、親族に諭されたのを覚えています。その環境から自由になりたくて私は「結婚」を選びました。



――結婚後は、主婦業と勉強の日々を過ごされ、育児が落ち着いてから司法試験を受けられた。


はい、結婚後も「旺文社ラジオ講座」で勉強は続けていましたが、子どもも生まれて忙しい日々でした。それでも諦めることができず、紆余曲折しつつも司法試験は上の子が高校生のときに受験することができました。それから自分では「完璧な計画」を立て勉強と子育て、そして自立への道を目指し5分でも時間があったら定義を覚えるなど勉強に邁進しました。今年こそはと願った3年目にもあえなく落ちてしまいました。その時は茫然自失という言葉を絵に描いたような顔をしていたと思います。目標も、すべきことも、貯金も全てを失いました。朝起きて子ども達を送り出し、読むあてもなく習慣で開いた新聞に、知り合いが選挙に出馬するという記事を見つけました。他にやることも、行く場所もない私は、何となく選挙事務所とやらに行ってみようと、出かけて行ったのです。




■日本一の選挙参謀について全国行脚した日々


鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)



――その訪問が分かれ道になったのですね。


たどり着いた事務所は、真っ暗でひと気もありませんでした。誰もいないのかと思って帰ろうとした時、暗がりの奥から「何をボーッと立っているんだ!さっさとそこの机を運んで!」と怒鳴られたんです。ビックリして思わず「はい!」と答えてしまい(笑)、たくさんあった長机を運び、並べました。それが終わってボーっと立っていると、同じ怒鳴り声で次の指示が飛んできました。気づいたら外は真っ暗。子ども達の夕食をつくらなきゃと慌てて帰ろうとした時、その強面の男性から「あんた、明日は何時に来るんだ」と言われ、思わず「7時半には来られます」と答えてしまったのです。ここから現在に至るのです(笑)。あとでわかったことですが、その指示をしていた方は、超有名議員の政策秘書でした。



――成り行きで選挙のお手伝いをすることになって、いかがでしたか。


それが、楽しかったんです。ある日、候補者と同行していたスタッフが体調を崩し、私が代わることになりました。その日から全国行脚です。飛行機に乗って新幹線に乗って、とにかくメガホン持って候補者の名前訴えてチラシ配って。朝早くから夜遅くまで、きつかったし、嫌なこともありましたけど、初めてのこともあって楽しかったのです。


私に最初に声をかけた政策秘書は、他のどのスタッフより働いていました。ものすごく疲れているはずなのに、何かがあると候補者を庇うのです。スタッフが候補者のことを「わがまま」などと言おうものなら、「候補者が一番つらくて一番疲れているんだ!身内がそんなことを言ってどうする!」と怒って、スタッフ一同ビシッと気が引き締まりましたね。


あとで分かったのですが、その方は日本一の超有名選挙参謀でもありました。私はその方から何もかも初めて叩き込まれたので、選挙の本質を知ることができたのです。選挙は、民主的な殺し合いです。そして、「勝つためには、身を盾にして候補者を守る」。これが選挙なのです。



――そして、選挙後、正式に秘書になられたのですね。


私は自分が秘書になるなんて最後まで想像もしていませんでした(笑)。ただ選挙中は、司法試験に落ちたことをすっかり忘れるほど充実していました。選挙後は、愉快なお祭りが終わったみたいな感じでしたが、その選挙参謀の方に「あんた、議員秘書に向いているよ」と声をかけて頂き、ビックリしましたが、立法府で働くのも楽しそうだと思い、お受けすることにしました。



――国会議員の政策秘書とはどのようなお仕事でしょうか。苦労もあったと思いますが。


議員秘書の仕事というと、華やかな印象をお持ちの方もいると思うのですが、日中は事務所の来客や電話対応、会議出席、議員のお伴で外出と、とにかく忙しい。ですから、委員会質問の準備などは、議員が事務所を出た後、夜間の仕事になります。これまでの法改正の履歴を読んだり、問題点を整理したり、政党の方向性と議員の希望をすり合わせて、どこを論点とするのか、獲得目標として、大臣や官僚から「ではこれをやりましょう」というはっきりした方向性を表明してもらったりとか。私は司法試験の勉強をしていたこともあり、法律用語も身近でしたから、その仕事は楽しかったですね、落ちてはいましたけど(笑)。夜中まで残って仕事をしてもそれ自体には何の苦もありませんでした。


「この秘書がいなかったら困る」と思われたくて、とにかく必死で働きました。今思うと、議員秘書の仕事の基礎の大半は、そこで学びました。事務所に入って1カ月もしないうちに委員会質問を任され、他の国会議員に「鈴鹿さんは学びが早いね、この間の委員会質問準備はとても良かったよ、ポイントをついていた」と言っていただきました。嬉しかったことを覚えています。



――議員秘書というのは、どのような立場なのでしょうか。


公設秘書は、国会議員ひとりにつき、政策秘書、公設第一秘書、公設第二秘書と3人認められています。衆議院または参議院が秘書を雇用し、議員が採用するという形態です。いつその議員が選挙に負けるか分かりませんから、身分は不安定かつ、議員事務所の中はその3つの公設秘書の椅子取りゲームなんです。


議員に媚びたり、足を引っ張り合ったりなどは日常茶飯事。政策秘書として採用されても、すぐに意地悪されましたね。女性で政策秘書の資格を持っている方はたくさんいますが、その中でも、当時、政策秘書として登録されて国会議員要覧に名前が記載される女性はとても少なかったです。嫉妬されて足を引っ張られる立場でした。資料を隠されたり、議員のスケジュールを間違って伝えられたり。気づいたらあっという間に髪が抜けて、頭の右側に禿が22個もできました。お手洗いで血を吐いたこともあります。でも子どもとの生活もありましたから、辞めることはできませんでした。



――それから15年の間に、6人の国会議員に仕えられています。


はい、選挙のタイミングで移動したことが一番多いのですが、他の議員事務所から「うちに政策秘書としてきてくれないか」と声がかかって移ったこともあります。あまり好きな議員ではなくて(笑)、迷ったりもしましたが、その議員の取り組む政策が、弱い人を救うとても素晴らしいものが多かったことが魅力で、移籍を決意しました。これは、私が司法試験を目指した原点でもあり、とてもやりがいを感じることができました。




■「熱中症」は、議員の「調べといて」から始まった


鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)



――今では誰でも知っている「熱中症」という言葉を周知させたのは、鈴鹿さんが仕えていた議員だそうですね


議員は地元の冠婚葬祭に行くことが多いのですが、あるお葬式に行ったことがきっかけです。「亡くなったのは子どもなんだよね、熱中症という事故だそうだけど、『熱中症』ってよくわからない」というのです。「熱射病ではなくて熱中症ですか?」と聞いたら、「熱中症って言ったと思う。調べといて」と。そこから始まりました。



――「調べて」のひとことですか。


議員は問題点を拾い上げ、考え悩むのが仕事です。秘書はメモ代わり、さしずめ外付けハードディスク(笑)。1日に100回くらい「調べといて」、「覚えといて」です(笑)。


それで、さっそくこの「熱中症」を国会調査室や国会図書館で医学論文にも当たりましたが、あまり数が出てこないのです。誰かに「学校で起こった事故なら、学校保健協会の記録をあたってみたら」と言われて、調べてみました。それでも数件しか出てこなくて、こんなに出てこないなんておかしいと。



――おかしい、ですか?


ありがちな状況で起こった事故なのに、件数が少なすぎるんです。こんなに出てこないなんておかしい、そんなに稀な事故ではないんじゃないだろうかと。


屋外で日に当っていてそのような症状になったら「日射病」なのですが、夏に体育館で運動をしていたら具合が悪くなり、横になって休んでいるうちに亡くなったというのです。当時、陽に当たっていなければそのような重篤な症状になることはないと思われていたのです。


そのような場合は多臓器不全とか心不全、子どもなら突然死と死亡診断書に書かれるそうです。だから発覚しないことが多い。調べて行くうちに、「熱中症」とは屋内で陽に当たっていなくても、暑いところで汗をかいて体温調整ができなくなり、具合が悪くなり、放っておくと1時間半で死にいたるという大変なことだと分かりました。


「これって、おそらく暗数がたくさんあるね」という、議員の言葉でスイッチが入りました。暗数というのは実際の数字はあるはずなのに、統計に表れないものです。なかなか実態が分からない。そこで、熱中症の認知度を上げ、事故防止をすることでこんな哀しい事故を減らそう、と国会の委員会での質問を作ることになりました。



――委員会質問の結果はいかがでしたか。


「熱中症ってご存知ですか」という質問から始めました。担当の政府答弁者も「熱中症」を知らず、「何かに夢中になることだと思っていた」などという始末でした。ですが、ここでやっと大問題であるという認識を持っていただき、「これから『熱中症』という言葉を広めましょう」、となって、その結果、「熱中症」の知識が広まり、予防のためには水分だけでなく塩分も摂ることが必要だという対応策を、学校の先生方にも周知することができました。


委員会の日、亡くなられたお子様のご遺族にも国会にいらしていただきました。そのご遺族とは今もお付き合いがあります。「これであの子が亡くなったことに意味ができた」と言って涙をこぼされた姿が今もくっきりと残っています。



――素晴らしい功績ですね。


私ではなく議員がやったことです(笑)。それが政治家の仕事です。ちょっとした出来事を拾いあげ、納得のいかないことを納得するまで調べ、思い悩み、解決策を見つけだすこと。これができる議員につくことができて、私は本当に幸運でした。



――議員ご自身に、何かピンとくるものがあったということですか。


先程も申し上げましたが、政治家は問題点を直感的に見抜く力が必要です。これで、問題点が制度や法律になり、国の在り方が変わるのです。ワクワクするでしょう。



――それができない、向いていない政治家もいると思いますか。


いますよ。沢山(笑)。国民のためになくてはならない立派な政治家もいますけれど、いなくてもいい政治家もいます。今の選挙制度の問題もありますが、運だけでうっかり当選してしまったなんて、よく聞く話です。




■国のためになるかを見抜く「勝たせ屋」の眼


鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)



――その後、議員秘書を辞められ、選挙コンサルティングを起業されました。「勝たせ屋」と呼ばれているそうですが。


候補者になりたい方が「自分をプロデュースして勝たせてください」と来たら、私は、その方を見た一瞬で、お受けするか断るかを決めます。一秒考えたら間違えます。それは、お引き受けしたらその分会社の利益になりますから、多い方が売り上げは上がるのですが、それでは私がこの会社を興した意味がない。自分の金銭欲に支配されているだけになってしまいます。


政治家は良い人である必要はありません。清濁併せ呑むのが政治家。いろいろな考え方があって良いと思っています。もちろん、思想信条は私自身と合っていなくても全く関係ありません。それは有権者が決めることですから。改憲派でも憲法守る派でもどちらでもいい。それも有権者が選ぶことです。私の仕事は、その人を「伝えたいことを伝わるようにできる政治家」「有権者に選ばれる政治家」に育てることです。


政治家に大切なことは「決断力」とよく言われますが、私は思い悩む力も大切な要素だと思っています。悩む力のない人が政治家になると、過去を踏襲するだけの、ただ漫然と受け入れる国になってしまう。これまで断ってきた方はどなたも「悩む力」のない人に見えたからだったと思います。



――ご自身の思想信条と反対の立場の議員についたこともあったかと思います。


秘書時代は、私の思想信条は外に出してはいけないと思っていました。有権者はこの候補者が良いと思って票を入れる。結果10万票以上の票を集める、つまりその議員には10万人以上のYESが貼りついていることになるんです。その有権者の意思のために働くのですから、秘書である私個人の思想など、仕事の場ではどうでもいいこと。なくしはしませんが外に出すものではありませんでした。



――委員会質問でダメだと思う政治家はいますか。


声を大にして言いますが、委員会質問の数が多いのが良い政治家というわけではありません。


厚生労働委員会、経済産業委員会など、10個の委員会があったとして、議員が10人しかいない小さな政党なら、全員がどこかの委員会に入り、そこで必ず質問の順番が回ってきます。実力じゃなくて、政党の仕事で質問しているのです。だから数が多ければよいというのは大きな間違いです。



――国会ではどんな質問があるべきだと思いますか。


たとえば海外視察についてなら、費用をかけた海外視察がけしからんとか、そんな質問はポイントを外していると思うのです。ここで注目すべきは「海外視察に行った、それで?」ということです。問題は費用ではなく、何を学び、私たちのために何を取り入れるのか、異なる環境下での諸国の政策を、どうとらえ、今の日本にどう反映させるのか。ここを問いたださなければならないのです。使った費用と時間が、私たちのためになりますか?ということです。帰りの空港で免税品を物色していたという程度のことに、目くじらを立てて、本質を見失うのはあまりに残念です。



――国会議員の待遇についてはどう思われますか。


国会議員の給料、少なすぎると思っています。ざっくりですが、歳費として年間2500万円ですが、私はこれが少なすぎると思うのです。なぜなら、ここには議員本人の給料だけではなく、事務所経費すべて含んでいます。つまり「年商2500万円」と考えると個人商店程度の売り上げです。ここから家賃や人件費、事務所経費などを出すのです。歳費が少なすぎると議員の質が下がる危険も大きくなると思っています。


マスコミの言い方に惑わされないでほしいです。サイボウズの青野社長のような方が国会議員になれば、未来はどんなスピードで変化してゆくのかと思うとワクワクします。このままでは、有能な人材が国会に来なくなってしまいます。


そして公設秘書も、どんなに長く勤めても優秀でも、年中無休で早朝から深夜まで働いても、お給料は年間1000万円どまりですが、大企業でも優秀な人材は年間1000万では働かないでしょう。私は、もっと国会議員と公設秘書に費用を費やすべきだと思っています。 日本の若手の優秀な起業家に、2期でいいから国会議員やってほしいですね。今の若手の起業家の方々は行動力も実現力もあるし、世界をよく知っている。何よりも、ものすごく働く!ベンチャーのトップの働き方は、会社でいうとウルトラブラックですよ(笑)。国会も働き方はプラチナブラックですけどね(笑)。


それと、秘書の仕事ですが、選挙活動と政治活動では、秘書も分けるべきですね。選挙活動はプライベートでやるものですから、個人のお金ですべきことです。でも政治活動は国の仕事、国民のための仕事なのですから国の歳費で秘書をつけるのが正しい在り方だと思います。




■国全体で子供を育てる社会を。「日本フランス村」構想を実現したい。


鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)



――政治家を育てていらっしゃいます。今の日本の政治には、どのような政策が望ましいでしょうか。


今の日本では、待ったなしで強力なインパクトのある人口増加対策を打ち出さなければなりません。


私の周りには、ずっと仕事をしていて35歳を過ぎてから慌てて不妊治療に走った女性たちがたくさんいます。日本では、「卵子には期限がある」という事実をどこでも教えません。子どものいる人生を送りたいなら、20代でパートナーをみつけるか、独身でも子どもを産むという選択肢をとるか、どちらかとなる、と教えるべきです。キャリアと成長のためと、仕事に没頭し、30歳を過ぎる頃に子どもが欲しいと気がついて結婚し、なかなかできなくて不妊治療。これがどれだけ辛いことか。これは日本の風土の影響も大きいと思うのですが、女子は中高生のうちに、一度卵子について考えるチャンスを与えるべきだと思っています。自分は子どもを欲しいのか欲しくないのか。欲しいなら、自分の卵子があるうちに生んだ方が良い。当たり前のことのように聞こえますが、考えるきっかけをつくるのが教育。だったらこれは、自分の人生を考えるスタートラインでもあるのではないでしょうか。


日本は、自由に子どもを産み育てることができる社会とは言いにくいものがあります。でも私は、学生であろうが未婚であろうが、産みたいなら誰にも非難されず出産を選ぶことができる社会にならないといけないと思います。何より、この風潮が子どもを産むこと、子どものいる人生を消極的にならしめている元凶なのではないかと。


人口が減っていくということは納税者が減る、つまり社会保障制度の根幹が失われるということ。30年前からこの国は知っていたのですが、実効性のある人口増加策には手を打ってこなかった。


結婚は制度ですから、使っても使わなくてもいい。利用するかしないかは私たちが決めることです。そこをシングルマザーに制度上だけでなく、精神的に不利な社会は変えるべきです。



――「日本フランス村」構想についてお伺いします。フランスの人口増加政策を日本で実現するために、まずは「日本フランス村」という地域を作ろうとする試みですね。フランスの政策が手本になるでしょうか。


フランスも日本と同じく人口減少の国でした。しかしフランスの人口増加策は成功しています。子ども産むと国中で「エライ!」(笑)と言ってもらえた気分になる制度があります。子どもは国全体で育ててくれる。手当てが大変充実していて、例えば子どもが3人以上の世帯への諸所割引制度や、年金の優遇措置もあります。


私は自治体の政策アドバイザーも仕事としています。「日本フランス村構想」を実現したい方は、ぜひご連絡ください。この記事を読んでくださった方で意識の高い方にはぜひ立候補してほしいです。子どもを持つ女性がのびのびと働き、行政だけでなく、周囲が細やかに手を差し伸べる。産みたいときに産み、皆で育てる制度と風潮が満ち溢れている村。ここに日本中のシングルマザーに集まっていただき、仕事をつくり、シェアハウスや集合住宅で助け合いながら育み暮らすフランス村。ぜひ一緒に実現しましょう。



――鈴鹿さんご自身が選挙に出ないのはなぜ?


なぜ政治家にならないのか、とよく言われます(笑)。私はそもそも政治家には向いていないと思っていますが、何より私が政治家になっても議席ひとつだけじゃないですか。やる気のある方で、政治家への道のりが見つかっていないだけの人はもっとたくさんいると思います。地方議員となったクライアントはどんどん増えています。どなたも生き生きと仕事をしていますよ。



――最後に、天職はどうやって見つけるべきでしょうか。それが「一生の仕事」かどうか分かるものですか。


分かります。それは、そのことを考える時にワクワクするかどうか、時間を忘れて没頭することができたら、それが天職です。私は委員会質問の準備をしているときは時間を忘れてワクワクしていました。


今ワクワクするのは、政治家志望者に会った瞬間です。「この人を選挙で勝たせてくれ」と預けられた人を見て、「はい!」と言った瞬間、その人が当選して輝いている姿が見えた瞬間です。ゾクゾクっとします。一見ダメそうな人であればあるほど、「私がついてるから大丈夫!絶対勝つから」と(笑)。



――その中の誰かが、いつかこの国の首相になる日も来るような気がします。


来るでしょうね(笑)。近いところまで行っている方もいます。


私にとっても、あなたにとっても、今日が人生で一番若いのです。


「今さら」じゃなくて、「今から」。デキない言い訳を考えている暇があるなら、どうやったらできるかを考えつくすことです。




鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)

鈴鹿久美子氏(InStyle 代表取締役)







「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」などと言われます。パワフルな鈴鹿さんの口からは「選挙は民主的な殺し合い」という過激な言葉も飛び出しましたが、鈴鹿さんの眼力で選ばれ、最強の選挙戦略で勝ち抜くことができた候補者は、国を大きく動かすゆるぎない政治家に育ってゆくのだろうと思いました。


政治家の卵を生み出す選挙戦略家という存在は、まさに国を動かす原動力であるということを感じさせられた時間でした。







プロフィール


鈴鹿 久美子(すずか くみこ)

株式会社InStyle 代表取締役

国会議員秘書の人材紹介の会社を経営。

ボスが選挙で負けた悔しさから、勝因敗因を徹底的に分析研究し、勝つためのノウハウをブランディング戦略として体系化。同時に、勝率88%を誇る「勝たせ屋」の手法を用いた選挙コンサルティングでも高い評価を得る。独立後に関わった政治家は、衆参国会議員、知事、市長、地方議員等を網羅。個別コンサルティングで、全くの素人から育て、当選を果たした政治家は60名を超え、講演会・セミナーでは3,000名を超す政治家にノウハウと政治家たる心構えを指南。

現在は、政治家だけでなく、エグゼクティブを「勝つリーダー」へと一気に成長させる手法を求めて、大手医療機関や弁護士事務所、外資系企業などからもオファーが絶えない。

自ら主宰する「鈴鹿塾」では、自称「クミ員」の塾生から「クミ長」と呼ばれる。


株式会社InStyle[外部リンク]


著書

たった30秒で人の心をつかむ 最強の自己紹介」(株式会社マキノ出版)[外部リンク]

会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方」(大和書房)[外部リンク]





編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2020年3月17日

         

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