みんなの仕事場 > オフィス家具の選び方 > オフィスの適切な通路幅は? 人が通れる最低寸法と幅確保のコツ

オフィスの適切な通路幅は? 人が通れる最低寸法と幅確保のコツ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オフィスの適切な通路幅


オフィスレイアウトを決める際、建築基準法などの規定や、人がギリギリ通れる幅についての疑問がわくかもしれません。本記事では、スムーズな動線を確保するために適切な通路幅はどのくらいなのか、場所別に解説します。狭いオフィスにおすすめのコンパクトな家具や便利なサービスについても紹介するので、参考にしてください。





■知っておくべき「基準寸法」と「建築基準法」

一般的に、日本人の成人1人が通行する幅としては60cm以上必要とされています。これに基づいて考えると、人がすれ違うのに必要な最低幅は120cmです。実際、JOIFA(一般社団法人 日本オフィス家具協会)では、地震に備えた安全なオフィスづくりとして、避難経路の幅は120cm以上を確保するよう推奨しています。


参照元:JOIFA「地震に備えた安全なオフィスづくり オフィスの地震対策」



また、人が座ったときに必要な幅は約40~50cm、横向きで歩く場合は45cm以上必要とされています。


さらに、バリアフリーのオフィスで車椅子での通行も考慮するなら、車椅子の幅はJIS規格で70cm以下であり、国土交通省の資料によると車椅子で通過できる幅は80cm以上です。


参照元:国土交通省「2部3章 基本寸法」p3、4



では、通路に関して法律の規定はあるのでしょうか。建築基準法では通路の幅は規定されていないものの、廊下の幅は120cm以上(両側が居室であれば160cm以上)確保するよう規定されています。


消防法では避難経路を確保するよう求められていますが、オフィスにおいては建築基準法を守っていれば廊下の幅が問題になることはないでしょう。ただし、家具などで廊下を一部でもふさいでしまわないように注意しなければなりません。


参照元:建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第119条(廊下の幅)




■【場所別】オフィスの通路幅目安

上記の基準を参考にして、オフィスの場所別に通路幅の目安を解説します。オフィスでよく用いられるレイアウトも取り上げつつ解説するので、自社のオフィスに近いものを当てはめてみてください。



●メイン動線の通路幅

執務室のメインの通路は、多くの人が頻繁に行き来することになるので、人がすれ違うのに必要な幅である120cmは最低限必要です。可能であればもう少し余裕をもって140~160cm程度にすると、複数の人がストレスなく行き来できます。特に出入り口付近はスペースに余裕をもたせ、出退勤時や休憩時、非常時の混雑を防ぐようにしましょう。



●デスクとデスクの間の通路幅

座席に座る人同士が顔を向かい合わせる対向式のレイアウトで、デスクとデスクの間に通路を設ける場合は、幅90~120cm程度が目安です。人通りが多いなら120cmにすると、自由に行き来しやすくなります。


対向式では、グループごとに複数のデスクで島を作るレイアウトがよく用いられます。互いの様子が見えるためコミュニケーションを取りやすく、チームワークで行う仕事に向いているレイアウトです。



●座席と座席の間の通路幅

座席に座る人同士が背中合わせになる背面式のレイアウトで、座席と座席の間に通路を設ける場合は、デスクとデスクの間を160~180cmほどにします。座席1人あたり40~50cmが2人分、その間を1人が通るのに最低60cm、さらに座席の人が動くことも考えるとこのくらいが妥当でしょう。


背面式のレイアウトは、他の社員と顔を合わせないため1人で集中して作業しやすく、それでいて必要なときは背後や隣の人に話しかけやすい距離感になるのが特徴です。



●座席とデスク・壁の間の通路幅

座席に座る人が同じ方向を向く同向式(並列式とも呼ばれる)のレイアウトでは、位置関係や人の通行を想定するかによって通路幅の目安が異なります。


同向式で座席の後ろに壁がある場合、デスクと壁の距離は100~120cmが目安です。座席の人40~50cmの幅に、1人が通行できる幅を加えます。


座席の後ろが壁で、人が通ることを想定しない場合、デスクと壁の距離は70~80cm程度でも十分です。座る人の40~50cm幅に加えて、座っている人が立ち上がって移動できるスペースを加えます。職務内容上、他の人に通行してほしくない場合にはあえてスペースを狭くして通りにくくしたほうがよいこともあります。


座席の後ろにデスクがある場合、人があまり通らないならデスクとデスクの距離は80~90cm、通ることが多ければ壁があるとき同様100~120cmを目安にします。


同向式は、隣の人以外には話しかけにくい状態になるため、コールセンターなど基本的に単独で業務を行うオフィスで用いられることの多いレイアウトです。



●座席と収納の間の通路幅

座席の後ろにキャビネットなど収納スペースを設ける場合は、150~180cmが目安です。


座る人が40~50cm、キャビネットの扉の開閉にも40~50cm、人が1人通るのに最低60cm必要だからです。なお、キャビネットは扉のないものやスライド式の扉のものを選べば、扉の開閉スペースを計算に入れなくてよくなるため、120cm程度でも許容範囲になります。



●会議室の通路幅

会議室の通路幅は、テーブルの側面と壁の間は60~90cmが目安です。


座席の後ろに壁がある場合は、テーブルと壁の間を90~120cmほどにします。人が座っている状況で後ろを通る必要がないなら、70~80cmでも許容範囲でしょう。


動線は、100~120cmの幅を確保すると移動しやすくなります。




■オフィスが狭い...「人がギリギリ通れる幅」は?

成人1人がギリギリ通れる幅は60cm、2人がギリギリすれ違える幅は120cmです。ただし、通路が狭すぎると、振り返ったり腕を動かしたりといったちょっとした動きで人にぶつかりかねず、またすれ違う際に相手との距離が近すぎて緊張を感じることもあります。そういったストレスが積み重なると、生産性にも悪影響をおよぼしかねないので注意が必要です。


オフィス空間が限られていると、レイアウトを考える際に通路幅を削りたくなることがありますが、上記の場所別目安の10%減程度までにとどめておくようおすすめします。




■狭いオフィスの通路幅を確保する家具の選び方

狭いオフィスでもゆとりのある通路幅を確保するには、コンパクトな家具の選定が鍵となります。狭いオフィスでの家具選びのコツや、コンパクトな家具の例を以下で紹介します。



●コンパクトなデスク・チェアを選ぶ

オフィスの主な家具であるデスクは、一般的なサイズが幅120cm×奥行70cm、コンパクトなサイズは幅100cm以下×奥行60cmです。


デスクには、下までの引き出しがない平机、片側に引き出しがある片袖机、左右両側に引き出しがある両袖机の3種類があります。省スペースにするのに最も向いているのは平机で、脚部が広いチェアでも収納しやすくなります。


片袖机の場合、チェアの脚部サイズのチェックが必要です。デスク下の空間の幅が最大脚部幅より数cm大きければ、チェアを収められます。オフィス用のチェアはキャスター付きのものが多く、脚部が座面より大きいことが多いためサイズに注意して選びましょう。


チェアはひじ掛けが付いていると、座面などがコンパクトでもデスクにチェアが入らず、省スペースに収まらないことがあります。ひじ掛けが付いているほうが疲れにくいメリットもあるので、コンパクトなひじ掛けや収納できるひじ掛けが付いている製品を探すのも一案です。



Y2K コンパクトデスク

Y2K コンパクトデスク

幅120cmと一般的なデスク幅を確保しているため、隣の人との適度な距離感を保って作業できます。それでいて奥行は50cmとかなりコンパクトなので、省スペース化も図れます。
背面式や同向式のレイアウトで座席の後ろが通路になる場合でも、通路幅を確保しやすいでしょう。すっきりした見た目の平机で、チェアを入れやすくなっています。



■本体価格(2023年12月時点)
¥19,640(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから


Y2K コンパクトデスク



幅120cmと一般的なデスク幅を確保しているため、隣の人との適度な距離感を保って作業できます。それでいて奥行は50cmとかなりコンパクトなので、省スペース化も図れます。
背面式や同向式のレイアウトで座席の後ろが通路になる場合でも、通路幅を確保しやすいでしょう。すっきりした見た目の平机で、チェアを入れやすくなっています。




■本体価格(2023年12月時点)
¥19,640(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから



コクヨ オフィスチェア ピコラ

コクヨ オフィスチェア ピコラ

コンパクトで邪魔になりにくいひじ掛けが付いているのが特徴です。省スペースながらも、長時間のデスクワークでも疲れにくい工夫がされています。アーム高さは58cmで脚部幅は55cmなので、引き出し付きのデスクでも高さ59cm幅56cm以上の空間を確保できればチェアを収められます。



■本体価格(2023年12月時点)
¥36,113(税込)30.0%OFF
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから


コクヨ オフィスチェア ピコラ



コンパクトで邪魔になりにくいひじ掛けが付いているのが特徴です。省スペースながらも、長時間のデスクワークでも疲れにくい工夫がされています。アーム高さは58cmで脚部幅は55cmなので、引き出し付きのデスクでも高さ59cm幅56cm以上の空間を確保できればチェアを収められます。




■本体価格(2023年12月時点)
¥36,113(税込)30.0%OFF
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから



●引き戸式やオープン式の収納を選ぶ

ものを取り出す際に前側にスペースが必要な開き戸式や引き出し式の収納よりも、引き戸式やオープン式のほうが省スペースで済みます。収納を選ぶ際は、中に入れるもののサイズに合わせた奥行サイズにするため、入れたいもののサイズと収納の内寸サイズを必ず確認してください。引き戸式の場合、引っかかりを防ぐため数cmの余裕をもったサイズにしておきましょう。



コクヨ エディア 2枚引き違い戸

コクヨ エディア 2枚引き違い戸

省スペースで利用できる引き違い戸の収納です。奥行は外寸32cm、内寸26.2cmとスリムで無駄な場所をとりません。フラットなデザインで、見た目がすっきりするのはもちろん、服などが引っかかりにくい実用性も備えています。シリンダー錠が付いているので、大切なものの保管にも向いています。



■本体価格(2023年12月時点)
¥52,686(税込)34.1%OFF
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから


コクヨ エディア 2枚引き違い戸



省スペースで利用できる引き違い戸の収納です。奥行は外寸32cm、内寸26.2cmとスリムで無駄な場所をとりません。フラットなデザインで、見た目がすっきりするのはもちろん、服などが引っかかりにくい実用性も備えています。シリンダー錠が付いているので、大切なものの保管にも向いています。




■本体価格(2023年12月時点)
¥52,686(税込)34.1%OFF
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから



スマイル スチールストレージ

スマイル スチールストレージ

幅60cm、奥行35cmのコンパクトなオープン式のスチール書庫です。扉がないため、通路幅をあまり必要とせず、頻繁に出し入れする書類などを保管するのに向いています。



■本体価格(2023年12月時点)
¥23,100(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから


スマイル スチールストレージ



幅60cm、奥行35cmのコンパクトなオープン式のスチール書庫です。扉がないため、通路幅をあまり必要とせず、頻繁に出し入れする書類などを保管するのに向いています。




■本体価格(2023年12月時点)
¥23,100(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから



●机周りのデッドスペースを活用する

効率よく作業するには、デスク周りの収納力を上げることも必要です。通路を圧迫しないためには、机上台やデスク下ラック(アンダーデスクキャビネット)などのアイテムを使って空間を有効活用するのもおすすめです。



【関連記事】
デスク周りをスッキリ整理!アスクルで買えるデスク周り収納家具8種類を紹介



リヒトラブ 机上台 引き出し付

リヒトラブ 机上台 引き出し付

幅59cmある机上台の上にはPCモニター、下にはキーボードを置ける上、引き出し内にも細々としたものを収納できます。デスク周りがすっきりして、コンパクトなデスクでも常に作業スペースを確保できます。引出しには穴が空いていてケーブルを通すことも可能です。



■本体価格(2023年12月時点)
¥4,385(税込)32.4%OFF
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから


リヒトラブ 机上台 引き出し付



幅59cmある机上台の上にはPCモニター、下にはキーボードを置ける上、引き出し内にも細々としたものを収納できます。デスク周りがすっきりして、コンパクトなデスクでも常に作業スペースを確保できます。引出しには穴が空いていてケーブルを通すことも可能です。




■本体価格(2023年12月時点)
¥4,385(税込)32.4%OFF
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから



アスプルンド サイドキャビネット

アスプルンド サイドキャビネット

幅70cm×奥行35cm×高さ70cmのキャスター付き2段キャビネットです。アンダーデスクキャビネットとして利用可能ですが、使用するデスクの高さ(天板の下の高さ)を確認する必要があります。可動棚はフック式で簡単に動かせて、16段階の高さ調整が可能なので、収納するものにぴったり合わせられるのが便利です。



■本体価格(2023年12月時点)
¥9,752(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから


アスプルンド サイドキャビネット



幅70cm×奥行35cm×高さ70cmのキャスター付き2段キャビネットです。アンダーデスクキャビネットとして利用可能ですが、使用するデスクの高さ(天板の下の高さ)を確認する必要があります。可動棚はフック式で簡単に動かせて、16段階の高さ調整が可能なので、収納するものにぴったり合わせられるのが便利です。




■本体価格(2023年12月時点)
¥9,752(税込)
※製品本体の価格です。カラー・オプションの有無などによって、価格は変動します。



→商品詳細はこちらから



■おわりに

オフィスの適切な通路幅は場所や人通りの多少によっても変わりますが、メインの通路では人がすれ違える120cmの幅が必要です。狭いオフィスで通路幅を確保するには、コンパクトな家具を利用するとよいでしょう。


アスクルでは、機能面や快適性、各種サイズまで様々な種類のデスクやオフィスチェアを取り扱っています。通路幅を考慮し、安全性を兼ね備えたオフィスレイアウトを実現する家具を探すのであれば、ぜひアスクルをご活用ください。




編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 
制作日:2023年12月28日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
こちらからご確認ください。

オフィス家具を探す

家具カテゴリー トップはこちら 家具カテゴリー トップはこちら