今回の取材は、外資系のPR会社 エデルマン(Edelman)の日本オフィスを訪問してきました。
ワールドワイドに展開しているPR会社のエデルマン(Edelman)は、1952年アメリカ・シカゴにて創業し、「THE HOLMES REPORT」の発表するPR会社ランキングで毎年1位にランクされる最大手PRエージェンシーです(*1)。
*1) PR業界の情報プロバイダー THE HOLMES REPORTによる純利益によるランキング。
TOP 10 GLOBAL PR AGENCY RANKING 2017 (THE HOLMES REPORT)
Edelman Japan株式会社は、ワールドワイドに展開するエデルマンの日本法人で、2005年に設立されています。
今回取材したオフィスは、2015年に移転し、その年の「第28回 日経ニューオフィス賞」(*2)を受賞したオフィスなので期待が高まります。
*2) 第28回 日経ニューオフィス賞 Edelman Japan株式会社オフィス
同社のオフィスは、東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」に直結している泉ガーデンタワーに入居しています。雨の日にも濡れずにオフィスに到着できるのがいいですねー。ちなみに、赤坂や六本木も徒歩圏内という立地の良さです。
では、さっそくオフィスを訪問していきましょう。
エレベーターで入居するフロアに上がり入口まで。
ブラックでシャープな印象の受付です。
こちらの受付電話で担当の方を呼び出します。
エントランスから奥を見ると、左側がブラック、右側がホワイトと黒白でスッキリとまとめられています。奥に見えるのが執務スペースに入るドア。同社の社名のEDELMANがあしらわれていておしゃれ。
写真右側に見える表彰楯は?
キャンペーン・アジアパシフィック主催の「PRエージェンシー・オブ・ザ・イヤー」など各種受賞の表彰楯が飾られています。さすが世界最大のPR会社の日本法人ですね!
この表彰楯の後ろに見えるガラスパネルの先が執務エリアになっています。セキュリティの関係で音は漏れないよう防音ガラスになっていますが、エントランスからオフィスがちらりと見えてオープンな作りです。
会議室の名前は、エデルマンが世界に展開している都市の名前がつけられています。こちらはアメリカの本社のあるニューヨーク(NEW YORK)。
ちなみに、アメリカの本社はニューヨークとシカゴの2拠点に本社があるダブルヘッドクォーター制とのことです。
会議室「ニューヨーク(NEW YORK)」はホワイトを基調にした部屋になっています。
手前の壁はホワイトボードに。奥のロゴ風のマークは吸音効果のあるフェルトパネルをロゴ風にあしらったもの。チェアはハーマンミラーのセイルチェア。
会議室「ニューヨーク(NEW YORK)」の向かいにあるのが、もう一つの本社のある「シカゴ(CHICAGO)」。
こちらは先ほどとは逆にブラックを基調にしたシックな部屋に。奥のロゴ風のマークも、吸音機能のあるフェルトパネル。チェアは、コクヨのM4。
ほかにもイギリスの支社のある「ロンドン(LONDON)」。
少人数用の会議室です。
こちらのSFチックなかっこいいチェアは、イタリア・マジス社のチェアワン(CHAIR_ONE)。アルミダイキャストで形成された幾何学模様が素敵ですね。これでちゃんとスタッキングできるというのが驚き。
ではそろそろ執務エリアに入っていきましょう。
執務エリアには、坪庭として個性的なエリアが作られていて、フロア内のアクセントになっています。
エントランスから見えた、ロゴをあしらった鉄の扉を開けると、
こちらは、ログハウスのような遊び心のあるデザインの空間になっています。
景色がきれいな空間で、カウンター席やミーティングにも使えるテーブルが用意されています。
こちらでランチを食べて休憩したり、集中して1人で仕事をしたいときにやってきたり、カジュアルなミーティングをしたりなどできるエリアになっています。
眺めの良いところにカウンター席があります。
窓から建物裏手にある泉ガーデンギャラリーの緑が見えるので、その景色を活かしてこの空間を作ったとか。春は桜がきれいとのこと。いい眺めです。
こちらもツリーハウスエリア。
収納を兼ねた、カウンターになっています。 ウッド調パネルでテーブルとしても使えます。
このツリーハウスエリアで、毎月第三金曜日に社内パーティが開かれているとのこと。このカウンターでワインテイスティングしたりして盛り上がるそう。いいですね!
執務エリア全体を撮影。
フロアは背の高いパーティションで仕切られることなく、オープンなつくり。収納もローキャビネットにして視界を確保しています。
デスクの配置は、基本的にコの字配置の背面式デスクレイアウトになっています。座席は固定席制で、サービスごとに、チームで集まって座っていて、振り返ればすぐにミーティングできるように、こちらの背面式レイアウトを取っているとのこと。
こちらの島は、中央にテーブルを置いて、ミーティングや資料を見やすいようにしています。ちなみに、執務用チェアはハーマンミラー社のアーロンチェア。
こちらは照明のランプを特徴にした「ライトハウス (Light house)」と呼ばれているエリア。ハイテーブルとハイスツールになっていて、デザイナーチームが執務中。チェアはヴィトラ 04. ハイスツール。
フロア中央付近にはコーヒーカウンターが!
仕事にコーヒーは欠かせません。
こちらも、通路を広く取り、背面式レイアウトの一種になっています。
収納はフロアを見渡す視界を遮らないよう、コピー機や事務用品のあるユーティリティエリアとを区切る通路にローキャビネットにしてレイアウトされています。
壁に社内のデザイナーさんが和っぽいアートを飾っていました。ときどき模様替えをしているとのこと。
右側が社内会議室、左側に社長室。どちらもガラス張りでオープンな作りです。
こちらはちょっとしたミーティングや仕事に使えるファミレス型のエリア。 ちょうどエントランスから見えるところにあります。
フロアの中ほどの壁側にあるのが「ステュディオ (Studio)」と呼ばれるエリア。
こちらはリラックスして打ち合わせできるよう、クッションやスツール、大きなホワイトボードが置かれています。テーブルは立って打ち合わせもできる上下昇降テーブル。こちらで、仕事したり、ブレインストーミングしたりできるエリアです。
また、ここでは社員全員が参加する、オールスタッフミーティングが開かれるとのこと。部屋奥の壁が全面ホワイトスクリーンになっており、外に向かって角度をつけて開くようなステージ型なので、社内フロアからこちらをステージにできるようになっています。
こちらは和をイメージして作られたエリア。
個室感覚で少人数のミーティングをしたり、集中して仕事をしたりできる場所として、撮影時はこちらで集中してお仕事されていました。
上の方に赤LEDのティッカーサインが流れるこちらは、デジタルチームが執務しているクリエイティブニュースルーム。ニュースのモニタリングをしたりするため、柱に取り付けられた複数のモニターが表示されています。まるでテレビ局の報道スタジオみたいですね! ちなみにティッカーには、同社の企業理念が流れているとのこと。
こちらは先ほどのクリエイティブニュースルーム近くのワークスペース。こちらも基本的にコの字の背面レイアウト。ガラスパネルで区切られているのは、ファイナンスチームの執務エリアになっています。
これでオフィス一周です。
執務用に使われているオフィスチェアを紹介します。
ハーマンミラー アーロン (Herman Miller Aeron)
社内の執務用チェアのほとんどがこちら。素敵ですね!
コクヨ ミトラ (KOKUYO Mitra)
こちらは「クリエイティブニュースルーム」で使われているチェア。コクヨのミドルクラスチェアです。
ヴィトラ 04. ハイスツール (Vitra 04. )
こちらは、「ライトハウス」で使われているハイスツールです。
2015年2月に虎ノ門から、六本木一丁目に移転してきた同社。移転の理由は、事業成長に伴う人員増により手狭になったからとのこと。
移転に際して、プロジェクトチームを作って進めたとのことで、同社オフィスマネージャー 大野 貴美子さんに話を伺いました。
Q.移転プロジェクトはどのように進められたのですか?
当時のオフィスが手狭になったので移転することになったのですが、社員の各人からいろいろな要望が出ました。例えば、北欧スタイルがいいとか、和の部屋が欲しいとか、座席はフリーアドレスにしたい、逆にフリーアドレスにしたくないなどです。
そうしたたくさんの要望を取りまとめるために、各部門から移転に関する代表者を出してもらって、その代表者が集まって移転プロジェクトチームを作って進めていきました。
それぞれの代表者が各部門の意見をまとめ、それをオフィス移転を統括してくださったゲンスラー(Gensler)さん(*3) に相談し、半年ほどかけてすり合わせをしていくのが大変でした。全員の意向をくんで、ニーズに合ったスペースを考えるのが難しかったですね。
(Edelman Japan株式会社 オフィスマネージャー 大野 貴美子さん)
*3) ゲンスラー (Gensler)
1965年創立。アメリカ・サンフランシスコに本社を置き、世界各国に44の拠点、5,000名を擁する大手建築デザイン事務所。
Q.オフィスのテーマを決められたと聞きましたが?
いろいろ議論し、デザイナーさんにも相談した結果、テーマを「坪庭」としました。
要望の出ていた、それぞれのニーズに合わせて、独りで働きたいこともあれば、コミュニケーションを取って働くこともできて、自分で働きたい場所を選べるようにオフィスフロア内に、いろんなスペース(坪庭)を作ろうと、最終的にまとめることができました。
(同)
Q.移転していかがでしたか?
移転前は、あまりスペースに余裕がなかったのですが、移転してからコミュニケーションスペースがかなり多く取ってあって、仕事が進めやすくなりました。
例えば、「ツリーハウス」というエリアでは、パーティもできるようになり、また、独りで集中して仕事をできたり、働きやすくなりました。
移転の中で一番嬉しかったのは、移転してきて、みんなが初めてオフィスを見たとき、すごく喜んでくれたことです。
(同)
社員のみんなの要望をかなえるために取りまとめるのはかなり大変だったご様子。でも、その結果、こんな素敵なオフィスが出来上がり、社員のみんなから喜んでもらい、日経ニューオフィス賞(2015年)受賞となると、その苦労が報われますよね。
日本におけるPRの役割の重要性が高まるにつれて、同社の日本での存在感も増している様子です。大きなプロジェクトも進行し、2015年の移転時には40名ほどだった社員数も、現在では70名を超えたとのことで、増床を予定しているとのことでした。増床されるオフィスはどのような形になるのか楽しみですね!
世界65都市以上に拠点を構える世界最大のPR会社の日本法人。最先端のコミュニケーション手法を用いた活動のご提案や、国内外でのコミュニケーション活動支援を展開。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2017年6月8日
世界中のデスクワーカーが称賛するハーマンミラーの代表的ワークチェア。ビル・スタンフ、ドン・チャドウィック デザイン。
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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