株式会社KiteRaのオフィス
前編にひきつづき、企業の規程業務を効率化するSaaSサービスを提供する株式会社KiteRaの青山一丁目オフィスをご紹介します。対応くださったのはHRユニット人事統括ゼネラルマネージャーの小林眞理さん、HRユニットカルチャー推進グループの橋本菜穂さんです。
前編
・青山一丁目のランドマークのあるオフィス
・働き方激動時代の社内規程業務をサポート
・赤坂方面を一望しながらランチができるラウンジ
・ローマン&ウィリアムスのデザインに合わせた内装を居抜きで
・イベントに活用できる広いラウンジエリア
後編
執務エリアに案内していただきました。
取材日は月曜だったのですが、全員出社の曜日ということで、席はほぼ埋まっている状態でした。
ラウンジエリアにも会議室が7室ありましたが、このエリアにも3室あるそうです。
小林さん 移転前は週2日出社・週3日リモート可としていましたが、移転をきっかけに、週3日出社・週2日リモート可にしました。また月曜は全社出社日として全員が顔を合わせることにしました。7月からは全日出社が基本になる予定です。
― 賑わってますね。最近はテレワークの会社が多いので、賑わっているオフィスというものを久しぶりに見た気がします(笑)。
壁際にはオンライン商談用の席が並ぶ
― 営業スタッフのスペースが一番広いのですね。
小林さん 組織図としてはレベニューユニット、プロダクトユニット、コーポレートユニット、デザイングループ、HRユニットに分かれていますが、その中でもレベニューユニットの割合が特に高く、半分以上を占めています。
執務エリア奥から。手前がレベニューユニットで、中央がコーポレートユニットとHRユニットとデザイングループ、入り口近くがプロダクトユニットというレイアウト
― 営業重視ということですか?
小林さん SaaSプロダクトの提供モデルでは、市場を作るマーケティング、アポを取るインサイドセールス、オンラインで商談するフィールドセールスの3つの部署があります。また我々のビジネスモデルは売って終わりではないため、カスタマーサクセスの部署にも10名近くいます。カスタマーサクセスグループも含めてレベニューユニットなので、セールス関連部署のボリュームが大きくなっているわけです。
― 活気が感じられるのは、営業が活発だからということもあるでしょうね。
小林さん ものを作るプロダクト部門も積極的に頻繁にミーティングしていますが、作り込みは個々の作業が比較的多くなります。ちょうどご見学いただいたタイミングは静かだったのかもしれません(笑)。
― このオフィスで働き方が変わったりしたことはありますか?
橋本さん まず出社日が週3日になり、全員出社の日もできたということですね。それによってラウンジエリアなどでのコミュニケーションが増えました。テーブルでお昼を食べたり、すぐ会議を始めたりできりなど、すぐにメンバー同士の接点が持てる環境ができました。あとは基本として、全員分の席ができたのは大きいですね。
― 全員出社の日を決めたのは、働き方として、対面コミュニケーションにこだわりがあるからでしょうか。
小林さん おっしゃるとおりです。我々はスタートアップとして、プロダクトで世の中にない価値を提供していく会社です。それまでは規程をクラウドで管理する世界観そのものがありませんでした。お客様の課題を解決するプロダクトをスピーディに生み出していくためには、一人ひとりのメンバーが良質なコミュニケーションをとっていく必要があります。リモートワークにももちろん利点はありますが、コミュニケーションの質ということで言えば、やはり対面コミュニケーションの方が圧倒的に情報量が多いですから、我々はそこを大切にしています。
― 席はフリーアドレスですか?
橋本さん 部ごとに方針を決めていて、固定席の部署もあれば、部署内で自由に座れるエリアを決めている部署もありますが、大体は固定で座っています。人が増えているので、固定席だと座席表で顔の名前を一致させられるというメリットがあります。
― なるほど。リモートでは顔と名前をなかなか覚えられませんが、昔ながらの座席表にはやはり意味があるのですね。
橋本さん マスクを外すことができるようになり、ようやくみんなの顔がわかるようになったという声が多いです。
小林さん 毎月1日に5、6名が入社してくるペースなので、入社まもない方は先輩やチームメンバーがサポートしてオンボーディングを済ませ、なるべく早く活躍できるようにする環境を作るためにも、今はユニットごと、グループごとに席を決めている感じですね。
― かなり席が埋まりつつあるようですが、次の移転も意外とすぐに来るかもしれませんね。
小林さん 次の移転を検討するのは2024年になってからですね。まだスペースの使い方を工夫できると思うので、それまではこのオフィスをしっかりと活用していきます。執務エリアとコミュニケーションのためのラウンジエリアという分け方も少し変えていくことを検討しています。
― ところで、どこかで「大人スタートアップ」という言葉を見た気がするのですが、社会人としての経験が豊富なメンバーが集まったということでしょうか。
小林さん そうなんです。スタートアップというと20代の大学生が起業するようなキラキラしたイメージですが、植松は創業当時で42歳で、しっかり社会人経験を持ったメンバーで創業し、ジョインしてきた方も30代、40代が多かったんですね。どの部署もその分野での経験者を採用しているので、そういった意味でも社会経験を積んだ者が多いのでしょうね。ただ、この1年で20代、30代のスタッフも増えていますので、平均年齢で30代半ばほど、ボリュームゾーンは30代になりました。
― 落ち着いた雰囲気ということですかね。
小林さん スタートアップのイメージって体育会系でがむしゃらにぶつかっていく感じよね? 当社においてもあらゆる意思決定はSpeed感があり、プロダクトの成長に合わせて組織を変化させていくのはスタートアップならではです。我々のカルチャーとして特徴的なのは、従業員ひとり一人が互いにRespectをもって、KiteRa ALLの精神で部門間のコミュニケーションを大切にしているところです。お客様の課題解決のためにしっかりと対話するということにおいては、「落ち着いている」という印象はあるかもしれません。ただ、社内行事のときなどは割と皆はじけてますよ!
橋本さん メリハリがあるんです。目的をすり合わせるときにはしっかり会議をし、交流会などで楽しむときは思いきり楽しむという。
― 橋本さんはカルチャー推進グループの所属とのことですが...
橋本さん 人数も80人を超え、年代もバックグラウンドも違うメンバーが増えているので、今年1月に私と小林でカルチャー推進グループを作り、KiteRaのカルチャーを受け継いでいこうという部署です。
当社のミッションは「安心して働く世界を実現する」ということで、そのために「Wow」「KiteRa All」「Ownership」という3つのバリューを大切にしています。
課題を掴んで期待を超え驚きを生む「Wow」、自分ごとの姿勢で向き合う「Ownership」、そして全社員で結束する「KiteRa All」という3つのバリューを行動指針にして成長していくということです。
そのためのスピリットがFocus・Speed・Survive・Respect・Happyです。本質的な目的を見据えて、良質なコミュニケーションによって意思決定のスピードを上げ、生き残るために挑戦する。メンバーやプロダクト、世の中の人すべてにリスペクトをもち、お客様を笑顔にするために自分を幸せにするということです。
― なるほど。
橋本さん 年齢層が幅広いので、新しい取り組みやチャレンジも活発です。カルチャー推進担当としてみんなをどんどん巻き込んでいこうと思っています。
― このオフィスを今後どのようにしていきたいですか?
橋本さん 今後、また働き方が変わっていくと思うので、ラウンジエリアの家具やレイアウトを整備して、働くメンバーが自由に働く場所を選べるようにしていきたいです。また、社内コミュニケーションの場としてだけでなく、コロナも落ち着いたので、採用イベントや社労士様向けの対面イベントなど、社外の方とのコミュニケーションの場としての活用も検討していきたいです。
小林さん 代表の植松も「オフィスは出会いの場所」といつも言っていますので。
橋本さん 代表の植松は以前から、「せっかくオフィスに来るなら出会いの場所にして、コミュニケーションもイノベーションも大事にしていきたい」と言っているんです。社内もそうですし、社外の方ともコミュニケーションをとれる接点の場にしたいと思います。
― コロナ禍が終わり、そういうことにオフィスを使えるようになって、楽しみですね。
小林さん この4月から始めた試みとして、応募前・選考中の皆さんにオフィスにいらしていただき、代表やKiteRa社員とのざっくばらんにお話いただく「オフライン座談会」があります。当社のことを知っていただく機会として、参加者からも「就労イメージが持てた!」と好評です。
―最後に、今後の事業の方向性を教えてください。
小林さん 今後は社内規程のみならず、規定周辺領域の分野においてもお客様の課題解決できるよう、プロダクトを成長させていくことで、当社のMissionである"安心しては働ける世界"の実現を目指してまいります。
― 今日はありがとうございました。
※
昨今のように働き方が激変する中で、規程関連業務のサポートはまさに時宜を得たサービスと言えます。オフィスで働く人びとの活気からもそのことが伝わってきました。毎月というペースで行われている「月例会」も、猛スピードで成長をとげるスタートアップならではの重要なイベントであることが伺えました。丹念な意識合わせを欠かさないことがその成長の秘密と言えそうです。今後はさらに事業領域を広げていくという同社ですが、専門家の知恵を強みにする「大人スタートアップ」がどのように成長していくのかとても楽しみです。
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取材協力
「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、安心して働くためのルール(仕組み)である社内規程をTechnologyの力で簡単に正しく運用できる社内規程作成クラウドサービス、社労士向けの「KiteRa Pro」と企業向けの「KiteRa Biz」を展開しています。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2023年5月22日
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