株式会社KiteRaのオフィス
企業の規程業務を効率化するSaaSサービスを提供する株式会社KiteRaは2022年8月に本社を移転。今回は青山一丁目にあるそのオフィスを訪問しました。対応くださったのはHRユニット人事統括ゼネラルマネージャーの小林眞理さん、HRユニットカルチャー推進グループの橋本菜穂さんです。
前編
・青山一丁目のランドマークのあるオフィス
・働き方激動時代の社内規程業務をサポート
・赤坂方面を一望しながらランチができるラウンジ
・ローマン&ウィリアムスのデザインに合わせた内装を居抜きで
・イベントに活用できる広いラウンジエリア
後編
株式会社KiteRaのオフィスは地下鉄「青山一丁目」駅から直結の青山ビルヂングにあります。青山一丁目のランドマークとして歴史のある建物ですね。
エレベーターで7階に上がると、すてきなエントランスが迎えてくれました。
こちらのオフィスはエントランスから左右に延びる長方形で、左手がラウンジエリア、右手が執務エリアとなっていました。
ホテルのような落ち着いた内装に期待が高まる
KiteRaは企業の規程業務を効率化するSaaSサービスを提供しているスタートアップ企業です。社労士向けのKiteRa Proと事業会社様向けのKiteRa Bizの2つのプロダクトを提供しており、就業規則をはじめとする社内規程をクラウド上で作成・編集したり、社内共有したり、社労士が顧問先企業と共有したりできるほか、労基署への届出申請等もワンストップで行えるサービスです。労基署への届出申請等もワンストップで行えるサービスです。社内に有資格者の社労士チームがいて、法改正などの情報を逐次反映させていること。専門家が品質を担保していることを強みとしています。
社労士向け、事業会社向けの2つのプロダクトを展開(同社サービスサイトより)(※)
それではさっそくお話を伺っていきます。
― コロナ禍や働き方改革によってテレワークが導入されたり、交通費の考え方が変わったり、副業が解禁されたり、企業では規程改訂が必要な場面が増えていますよね。
小林さん おっしゃるとおりです。創業まもなくしてコロナが感染拡大し、世の中が「テレワークを始めるにあたって「社内に規程がない」「在宅勤務規程を作りたい」「就業規則を改正しなければならない」という流れになり、お問い合わせをいただく事業者様が急激に増えました。
小林眞理さん(HRユニット 人事統括 ゼネラルマネージャー)
― コロナ自体は現在終息しつつありますが、それを契機にさまざまな働き方の選択肢が生まれ、規程関連をサポートしてくれるサービスの需要は今後も高いと思います。
小林さん 最近は毎年のように働き方に関する大きな法改正があります。2022年ではハラスメント関連、育児休業関連の規程に関するルールが大きく変わりました。労働社会保険諸法令の改正があると、内容によっては就業規則も改定作業が必要になると思います。ちょうどこの4月にも、時間外労働の割増賃金率の中小企業の猶予が終わり、従来1割2分5厘で定めていた割増賃金率を1割5分に変更するという作業を各社で行っていました。
― このビルに移転されたのは2022年8月とのことですが......
小林さん 2021年2月から1年半ほど赤坂のIPIAS Aoyamaにおりまして、そこからの移転です。はじめに会社を登記した外苑前のコワーキングスペースから数えると移転は今回で3回目になります。
― 今、人数はどのくらいですか。
小林さん 約80名超です。移転前は40名後半だったので倍増ということで。
― 移転のきっかけは人数と面積の問題ですか?
橋本さん そうですね。当時のオフィスは席数が20名分しかなく、全社員の座れる席がなく困っておりました。
橋本菜穂さん(HRユニット カルチャー推進グループ)
小林さん ビル共通の会議が1つあり予約制で使っていたのですが、それではとても足りず、また十分な商談スペースも確保できない状況であったことから、事業成長のスピードを落とさないためにも移転を決めました。
― コロナ禍の中での移転ということですが、当時の働き方は?
小林さん 週2日出社・週3日リモート可としていましたが、人が入りきらないので出社日を部署で分けなければなりませんでした。そういう働き方では良質なコミュニケーションがとれず、スピーディな課題解決も難しいために移転することになりました。
― 移転はプロジェクトチームを組んだのでしょうか?
橋本さん 2023年1月に移転が決まってすぐにプロジェクトチームを組みました。2月から物件を探し始め、このビルに決まったのが5月、デザインが決まったのが7月、入居が8月という約7ヶ月のプロジェクトでした。代表や他のメンバーからも声をもらい、主に動いたのは当時総務グループだった私と上長、デザイン担当者の3名ほどでした。
― 窓からは青山から赤坂方面が一望できますね。
橋本さん そうですね。メンバーにも景色が良くなったと好評です。
小林さん 私は創業時からこの会社にいるのですが、当時は4人でコワーキングスペースからスタートしましたので、「こんな広いところで働いていいのかしら」と思いました(笑)。執務エリアとラウンジエリアがあって、赤坂を見渡せるようなラウンジでお昼を食べられるような贅沢をできるなんて、と(笑)。
橋本さん まだ什器が入っていないときにプロジェクトメンバーで見学に来て、「広いですね」「頑張っていこうね」と言い合いましたね。
― こちらのオフィスには居抜きで入られたそうですね。
橋本さん 元テナント様の内装やレイアウトを活かしながら、レイアウトや家具を選定しました。一部の家具は旧オフィスから持ってきたものです。元のテナント様と打ち合わせをした際、ここの内装のコンセプトについて聞いたのですが、この青山ビルヂングは1972年3月に竣工し、2018年9月にフルリノベーションされて1階の飲食店も入れ替わったそうです。内装を決めたのはニューヨークのローマン&ウィリアムスというデザイナーで、このオフィスもその世界観と合わせてデザインされたものだそうです。ビルの内装と統一感をもたせたお洒落なデザインということで、天井を塗ったり、あえて柱を設けたりして世界観を保っているということのようです。
ラウンジの照明はとてもおしゃれ
― たしかに1階エントランスもクラシックな雰囲気でした。そういう大人っぽいホテルのような感じを反映しているのですね。
橋本さん そうですね。おっしゃるとおりだと思います。
黒いレンガ調の壁が、ヴィンテージなビルの雰囲気にマッチする
― KiteRaという会社のイメージにもマッチしていると判断されたのですか?
小林さん 採用の際、「イケてるスタートアップ」というイメージを持っていただきたいということは考えました(笑)。対面でのコミュニケーションを重要視している当社にとっては「出社したくなるオフィス」と感じていただけるかは大事なポイントでした。
橋本さん 横長の長方形でラウンジエリアと執務エリアが分かれていて、働きやすく、動きやすいという判断もありました。2フロアに分かれていたりすると、顔を合わせる機会が減ってすれ違いが起こったりすると思います。このビルでも14階だと正方形なので、外の景色は良くてもオフィスとしてはちょっと使いづらいという判断で、この7階になりました。
― こだわったエリアはありますか?
橋本さん 居抜きで使うという前提で、ちょっとした遊び心で会議室ごとに椅子の色を変えています。
― コクヨのAnywayですね、色違いで揃えたのですね。
ラウンジエリアには、同じ仕様で椅子の色を変えた会議室が5室ある
橋本さん 執務エリアでも、メンバーの場所によって椅子の色を変えたりしています。一部のテーブルは可動式のもあり、組み合わせたり、円卓にできるものを選定しました。セミナー用の会議室では折りたたんで移動できるテーブルを使ったり、少しずつですが、KiteRaのメンバーが働きやすい環境に合わせて家具を選定しています。
― ラウンジの使い方は?
橋本さん ランチしたり、雑談をしたり、ミーティングにも使えたりする、コミュニケーション促進のためのスペースです。
小林さん ラウンジエリアをフリーの広場として使えるようにして、毎月「月例会」という全体会議としてもラウンジを活用しています。スクリーンを使用し、新入社員の紹介、代表からの全体方針と事業進捗の共有、各グループからの発表・報告などを2時間ほどかけて行います。代表の想いを共有したり、他グループの動きを知って、お互い刺激し合える場になっています。
ラウンジエリアを活用して行う全体会議(※)
― 月に1回、2時間とは、かなりしっかりやるんですね。全員で共有することを大切にしているのが伝わります。
小林さん そうですね。その後は交流会となり、ケータリングを入れて親睦を深める場にしています。
月例会後は交流会に(※)
交流会時に大活躍するカウンター
― なるほど、そういうスペースとしてラウンジエリアを活用しているわけですね。
橋本さん 忘年会などもここで行います。昨年はお鮨屋さんを呼んだところ、すごく人気でみんなその場から動きませんでした(笑)。
小林さん そういうイベントスペースとして使えることがこのオフィスの良いところだと思っています。
橋本さん 今は大勢が集まる会議は全体会議だけですが、ゆくゆくはお客様も呼んだオフラインのイベントなども行っていくことを検討しています。
こちらは2022年のFamily Dayの様子。メンバーの家族やパートナーを招待し、会社について知ってもらう取り組み(※)
― 全員が集まることができる広いラウンジスペースをもつこと自体が、ひとつのこだわりなのですね。
橋本さん そうですね。今後も人が増えて働き方が変わっていったりするので、その時の状況に合わせた家具を追加していけるように、あえて全部揃えず、ちょっと余白を作るということが移転のコンセプトのひとつでした。
落ち着いてミーティングできそうな円形のソファ席
こんな感じで憩える(写真は人事グループの方たち)(※)
この大きなテーブルはランチテーブルや作業台にもなるが、なんと卓球台としても活用されているそう
※
前編はここまで。後編では執務エリアをご紹介いただきます。お楽しみに!
取材協力
「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、安心して働くためのルール(仕組み)である社内規程をTechnologyの力で簡単に正しく運用できる社内規程作成クラウドサービス、社労士向けの「KiteRa Pro」と企業向けの「KiteRa Biz」を展開しています。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2023年5月22日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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