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話題の退職代行会社が挑む、日本のビジネス慣習の壁 ~EXIT株式会社 共同代表 新野俊幸氏、岡崎雄一郎氏インタビュー~

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EXIT株式会社共同代表 岡崎雄一郎氏(左)、新野俊幸氏(右)

EXIT株式会社共同代表 岡崎雄一郎氏(左)、新野俊幸氏(右)



なかなか消えることのないブラック職場の話題とともに、「退職代行」というサービスが注目されています。そのトップランナーとして知られるEXIT株式会社を運営する、ともに平成元年生まれの二人の若い共同代表の新野俊幸氏、岡崎雄一郎氏に、日本のビジネス社会が抱える問題、その解決に向けた思いを語っていただきました。「会社を辞める」という一面ネガティブなアクションに関わる中で、お二人はどんな問題意識を抱くに至ったのでしょうか。



■自ら実感した「会社を辞める難しさ」の中で


――斬新なビジネスとして注目を集めている「退職代行」は、どういうきっかけで始められたのでしょうか。


新野俊幸氏(以下、新野) 僕自身が、これまで3度の退職を経験しているんです。そのいずれも大変な労苦を伴い、ビジネス慣習の中で自分の意思を通して会社を辞める難しさ、煩わしさを感じました。これを誰かにお願いして、円滑に会社を辞めることができたら、と考えたのがそもそもの始まりです。



新野俊幸氏

新野俊幸氏



――どのような苦痛を感じたのでしょうか。


新野 大きくは2つです。ひとつは上司が非常に高圧的で、辞めたいという僕の意思を封じ込めようと迫るということでした。「お前は考えが甘い。外では絶対通用しないぞ」「お前を採用するのにいくら金を使ったと思ってるんだ」と、退職が犯罪であるかのように決めつけて、プレッシャーをかけてくるわけです。



――ブラックな職場ではよくある聞く話のようですね。


新野 家族や先輩に相談しても、思いとどまるよう説得する意見が多く、ずいぶん苦しめられました。結局、いくら退職の経験がない人に相談をしても、否定的な考えしか出てこないわけです。最終的には、上司や人事に何度も自分の考えを説明し、意志がかたいことを伝えて、辞めることができました。この間に使ったエネルギーは大変なものでした。



――もうひとつの苦痛とは?


新野 最後に辞めた会社は、僕を取り立ててくれたんです。仕事も任されて上司との関係もよく、それを振りきってまで辞めることに対する罪悪感がありました。先に述べたネガティブなプレッシャーではなく、よく処遇してもらったことに対する、自分の中での葛藤が大きかったです。しかし、やりたいことを我慢して自分に合わない仕事を続けるのは結局苦痛だという思いが勝って、退職に至りました。



――良きにつけ悪きにつけ、フラットな気持ちのまま会社を辞めることは難しいのですね。


新野 そういう苦い思いをせずに会社を辞められるように、第三者にお願いできたらいいのに、という実感から、それを自分にできないかという考えに至ったのです。



岡崎雄一郎氏(以下、岡崎) その点、自分はサラリーマン経験がないこともあって、仕事を辞めることにあまり負担を感じたことがありません。そんな中、新野と仕事の話をする機会があり、「会社を辞めることの大変さ」を聞かされ、それを助けるというビジネスコンセプトを語られて、「いいかも、やってみようか」という話になりました。



岡崎雄一郎氏

岡崎雄一郎氏



――お2人のそもそものご関係は?


岡崎 小学校の同級生です。5年生から6年生にかけて親しくしていて、その後も、会う回数は減ったもののつき合いが続いていました。



新野 新しいビジネスを一緒にやろうというところまで話ができたのは、古くからつき合いがあったことが大きいと思います。



■「2人であること」の貴重さ


――アイデアをお持ちになったのは新野さんですが、実際に代行業を始めたのは岡崎さんが先だったとか。


岡崎 やろうという話になった後、新野が会社を辞められずにいたのです。自分はこの新しいビジネスにある程度の可能性を感じていましたので、先に個人事業で始めてしまったということです。その2週間後には新野が合流し、現在のEXITの前身である「センシエス合同会社」という会社の設立に至りました。



――そして2018年のEXITの立ち上げに至ったと。代表が2人いらっしゃるというのはあまり例がないと思うのですが。


新野 たいしたことではないです。企業化するのに、僕は「アイデアを出したのは自分だから僕のほうが偉い」と。



岡崎 こちらは「実際にサービスを始めて、手応えをつかんだ俺の方が偉い」(笑)。



新野 どちらにも言い分はあるから、じゃあ共同代表でいこうかという話になったわけで。



――代表が2人いるとメリットがありますか。


新野 一番感じるのは、「同じことを考える頭脳が2つある」ということです。多くの場合、経営者はひとりですから孤独です。大事な意思決定を迫られ、ひとりで判断を下すのは大変でしょう。2人なら、その負担が半分に軽減される。一方、決定に至る過程で出るアイデアは2倍ですから、多面的に検討した上で決定を下せるというメリットもある。



岡崎 デメリットもあります。案件に対して2人の考えが食い違ったときは、立ち止まる局面も出てきます。



――そんなときはどのように解決するのですか。


岡崎 たとえば一定のお金をかけて何か新しいことをしようというときに、自分は「こうしよう」と言い、彼は「そうじゃない方がいい」と言う。そんなときは、最終的な結論として「どちらもやってみる」、あるいは「どちらもやらない」の2択になります。お金がかかる話では、おおむね後者の結論になりますが、そのために機会損失してしまう可能性もある。これが一番わかりやすいデメリットでしょう。



――それでも2人制を続けているのは、やはりメリットの方が大きいから?


新野 そう考えています。同じ案件を2人で考え、意見を戦わせて決定できるというのは、今のところ得がたいメリットと感じられていますから。



■労使の双方が「退職のルール」を知らないという問題

新野俊幸氏、岡崎雄一郎氏



――EXITの退職代行サービスを利用するユーザー層は、どのような方たちですか。


新野 年齢は20代半ばまでの人が多いですね。入社半年から3年くらいまでの間に行きづまってしまった人たちです。



岡崎 男女比で言うと7:3で男性が多いです。想像つくと思いますが、女性ではセクハラが関わる案件が多いです。2人だけの会議室で突然抱きつかれたとか、通常では考えられないような事例も少なからずあります。



――年配の利用者もいますか。


新野 30~40代、まだあまり件数は多くありませんが50代の方からの依頼もあります。



――退職を希望する理由の主なものは。


新野 まず、過酷なブラック企業の労働環境に耐えられないというもの。もうひとつ、じつはこちらの方が多いのですが、社内、とくに直の上司との人間関係の悪さですね。むろんその両方というケースも少なくありません。年齢性別にかかわらず、これは共通しています。



――対象となっている会社の業種には特徴がありますか。


新野 建設関係の中小企業、飲食関係、あとは介護関係が多いですね。



――退職代行サービスが成り立つのは、組織や上司との軋轢のない第三者が事務的に進める方が、結果として退職の権利が守られるという背景があるからですね。



新野 民法と労基法の定めで、退職意思を通知されたら、企業は一定の期間内にそれを受け入れなければならないこと、また退職を理由に不当な処遇をしてはならないことが明記されています。その通りにいかないのは、とくに中小企業の場合、会社側も退職者側もそのことを知らないからです。



岡崎 「辞表を持っていったら課長が受け取ってくれず、それどころか説教をされて終わってしまった」。本来こうしたことは許されないのですが、退職者もそこであきらめてしまい、引き下がってしまうわけです。もちろん会社側の対応に問題があるのですが、退職希望者に少しでも知識があれば、そういうことにならないですむ。



――そこで、御社が両者の間に入って仲立ちをするわけですね。


新野 サイトにも載せていますが、弊社は電話をはじめ、メールやLINEを通して依頼を受けています。依頼者の意向を会社にそのまま伝える一方、依頼者自身に退職届や保険証、会社所有の備品等を会社宛に送付してもらっています。



――会社側とトラブルになることはありませんか。


新野 訴訟になるようなトラブルはありませんね。依頼を受けたすべての案件で退職が実現しています。法に照らせば当然のことで、とくに弊社の手柄とか、優れているといった意識もありません。



岡崎 ただ電話口で、数十分にわたって強烈な説教をされることはあります。本来はそんなものを聞く必要ないのですが、電話の相手は会社側の連絡担当者ですから、まあ、聞かないとまずいのですね。



――感情的というか、けんか腰の言われ方だったり。


岡崎 そうなりますね。そういうときに思うのは、第三者、しかも初めての電話の相手であるわれわれをここまで罵倒できるということは、本人にどれだけ強く当たっているか、想像がつくということです。端的に、「そりゃまあ辞めたくもなるよね」と思って聞いています。



新野 よくあるのが、われわれに対して退職希望者を誹謗する内容を口にするケースです。たとえば「どうせアイツは使えないやつだから、いいんだけどな!」という感じですね。そんなことを毎日、直接上司から聞かされていたら、本人は仕事など手につかないじゃないですか。



――たしかに。


岡崎 先ほど、法の定めを知らない点では労使双方に問題があるといいました。僕個人は、会社側が勉強をして、正しい手続きを理解して履行し、それに沿った管理者教育をすべきだと思いますが、その一方で、個人が学んで自分の権利を知って行使する方が問題の解決には早いと思っています。個人が悪いとは言いませんが、会社や組織が変わるのには時間がかかります。



新野 僕自身、これまでに結構な大企業を渡り歩いてきているのですが、いざ退職ということになると大変な苦労をさせられました。弊社の受ける案件の多くは中小・零細企業のものですが、経験上は、大企業にも同じような問題点はあると感じています。



――引き継ぎもなく会社を辞められ、残された同僚、ひいては会社が大きな迷惑を被っているという批判もあります。


新野 退職に至る過程で、いなくなったら困るような、退職者しか知らないことを情報として残してほしい、という要請を企業から受けるケースはあります。弊社は代行として本人との直接連絡はご遠慮いただいていますが、本人との間を仲立ちして必要な情報をやりとりすることは行っています。



岡崎 伝言ゲームですので、まどろっこしい感はあると思いますが、会社にも家族にも告げずに失踪してしまうような事案や、本人の自殺にまで至るようなこともあるわけですから、それにくらべればお互いにずっといいと思います。



新野 本人が辞めた後で「丸投げじゃないか」と非難するのは、会社側の体制にも問題があるのではないでしょうか。1人が辞めても問題なく事業が運営できる状態をつくるのが、健全な経営だと思います。



■退職代行はグレーゾーンのビジネスなのか

新野俊幸氏



新野 弊社のサービスがメディアで何度も取り上げられたために、連絡を入れると「おたくのことは知っている。とうとうウチにも来たか」という反応をされることも増えてきました。



――胡散臭い、危ない、違法なビジネスではないかと訝る声もありますね。


岡崎 そういう主張をされる弁護士さんもいますからね。



新野 法的に焦点となるのは、先ほどからお話ししている「連絡」の域を踏み越えて、会社との「交渉」をしてはいけないという点です。「交渉」は、弁護士法で「非弁行為」として禁じられていますから、踏み越えてはいけない重要なラインになります。



――それ以外に、プロである弁護士が異議を唱えるような問題はないのでしょうか。


岡崎 すべての弁護士がこのビジネスに異を唱えているわけではありません。非弁行為だと指摘する弁護士さんもいますが、この範囲であれば非弁行為とは言えないのではないか、という意見の弁護士さんもいます。また、異議を唱える弁護士さんの中には、弊社が「交渉」まで行っていると勘違いしてらっしゃる方もいます。



新野 最近退職代行の会社は増えていますから、その中にはあまりよろしくない業者もあるのではないかと推測しています。そういった業者が淘汰されていかないと、業界全体が怪しいと思われてしまいます。それは懸念しています。



岡崎 パソコンや携帯端末で依頼を受けて、会社に電話で連絡するという業務スタイルは、「誰でもできる」と解釈されて、新しい競合を生む背景となっています。しかし、ちゃんと勉強して足元をかためておかないと、業者の方が法を破ってやぶ蛇になる事態も起こり得る。これは、ある程度予測できることです。



――依頼の実行に失敗して、法的トラブルになる業者もいるのではないかと。


新野 あくまでも推測ですが、イージーに参入してくる業者が増えれば、中には問題を起こすところもあるんじゃないかと。弊社は顧問弁護士の指導・教育で、退職に関する法的背景や非弁行為の線引きを徹底しています。トップランナーとして、業界イメージを向上させる責任を強く感じているのです。自社の発展、業界の発展のために、先頭に立つのは僕たちだと思っています。



■リモートワークと「怒らないマネジメント」で社内活性化を推進

岡崎雄一郎氏



――EXITは社員の働き方にも特徴があるそうですね。


新野 弊社は「週3日出社」がノルマで、それ以外は本人の意思で出社すればいいようにしています。もちろん3日しか働いていないわけではなく、リモートワークで仕事をしてもらっているわけですが。出たい人は5日出てもいいという体制です。



岡崎 先ほども話したとおり、パソコンと電話があればできる仕事ですから、毎日出勤する必然性はない。ちゃんとすることをしているなら、社員を縛るような勤怠システムに固執する必要もないわけです。



新野 当初はもっと緩くて、週1回の会議にだけ出ればあとはフリーという仕組みだったんですよ。



岡崎 それではさすがに仕事の進捗管理が難しくなるし、極端な話、生存確認もできないということで(笑)、現在の形に落ち着きました。



――とても自由度が高い働き方ですね。


新野 また、これは制度でなく僕が励行しているレベルですが、社員に対して「怒らないマネジメント」を心がけています。たとえば、メンバーの中にニート上がりの若い子がいるのですが、ある日3時間遅刻した。ふつうなら大目玉というところでしょうが、僕は怒らない。それまでの本人の生活環境を考慮して、強く言わないことにしました。



――他の社員に示しがつかないということはありませんか。


新野 重視しているのは、社員が自由にものを言い合う環境をつくることです。上位者が下位の者を管理する仕組みは、必ず下の者を「沈黙」に追い込みます。それが一番まずいと考えているのです。怒らないことで自由に話し合える空気を醸成し、互いに軽口も交えながら積極的な提案をしてもらうことが大切。よく言われる「フラットな組織」を作るための、僕なりのトライアルです。



――「この会社を辞めたい」ということも自由に言える環境を作る?


新野 そういうことです。現に何人かの社員は弊社を去っていますし、一方で募集もしていないのに面接を希望して訪ねてくる人もいます。ありがたいことに、ツイッターで声をかければ志望者が大勢集まります。そういう人たちが働きやすい環境にするのはトップの責務です。今していることが正しいかどうかはわかりませんが、ひとつの試みとしてそれもありではないかと考えているのです。



■悪しき日本の文化とルールを破壊したい

新野俊幸氏



――これからのビジネスパーソンの働き方はどのように変わっていくでしょうか。


新野 健康で働く意欲のある人が組織の中で頑張るのはいいことです。一方で、仕事や組織になじまない人、働きにくさに耐えられない人は、もっと簡単に会社を変われるようにすべきだと思います。現状は、自力では組織から離れられないほど退職希望者に対して厳しい。そこで立ち止まり、苦しんでいる人のお手伝いをするのが弊社です。とにかく、退職をポジティブに考えてほしい。何も辛いことでも怖いことでもない。



岡崎 それを実感していただくために、EXITを使っていただきたいですね。



――「働き方改革」で働きやすくすることについてはいろいろ言われますが、会社を辞めることに関してはあまり何も聞こえてきませんね。



岡崎 改革はよかれと思って進めていることだと思いますが、やや表層的というか、退職することまで含めた「働き方」を考えると、問題の根は非常に深くて、法律や規則を少しぐらい変えただけでは追いつかないのではと感じます。



――というと。


岡崎 何百年もの間、日本人の生活は地縁や血縁という閉じたコミュニティの中だけで営まれてきました。農民は移住を許されませんでしたし、江戸期の武士にとっては脱藩は大罪でした。所属するコミュニティから抜け出すことを忌み嫌う文化が日本にあって、それが現代の企業組織にまで影を落としているのではないかと思うのです。



新野 類似する話ですが、学校では部活を辞めるのは"悪いこと"になっていませんでしたか? 自分に合わなかったり、人間関係がなじまないと思ったら、違う部活に入り直せばいいだけのはずですが、そういう発想をする者はあまりいない。そんな環境の中で育てられてきたことも、自力退職を難しくしている一因のように思えてなりません。



――頑張るだけでなくリセットも必要なのに、歴史的な慣習でそれが軽んじられていると。


新野 弊社のサービスを利用する方は、退職して自分のキャリアを問い直すことに強い負い目を抱き、怖いと考えて思考停止してしまっています。かつて僕自身もそうでした。しかし実際にはそんなことはありません。一度退職してみればわかります。組織の中にいづらいのは、本人の能力や性格のせいではなく、企業とのミスマッチが生まれてしまった結果なのです。だとしたら、そのような関係は一度断ち切って、新しいことに取り組むこと、あるいは、すぐにそうできなくても、ひとりで自分を見つめ直す時間を持つことがとても大切だと思います。



岡崎 日本には、組織との関係性において明らかに悪い慣習や伝統があると思います。これを打ち破るのも、自分たちの役目だと考えています。時間はかかるでしょうが、これは絶対にやるべきことです。時代がそちらに向けて動いている。



――EXITで退職した方は、その後どのような人生を歩んでいるのでしょう。


新野 退職後に再就職した同業の会社で人間関係が非常によく、「御社のお世話になって本当によかった。もっと早く決断するべきだったのにもったいなかった」というお礼をいただいたことがあります。われわれも意を強くさせられました。



――何度も転職を繰り返してしまうような事例はありませんか。


岡崎 一部、リピーターになっている方もおられます。弊社は「ネクストサポート制度」という、リピーターの利用価格を引き下げるサービスを実施しています。基本、自分の居場所が合わないと感じられるのであれば、何度でもリトライしていいと考えていますので、再度EXITの手助けが必要なのであれば、それはやっていこうと思います。



岡崎雄一郎氏



――これから目指していることは。


岡崎 繰り返しになりますが、日本の悪しき文化に基づいて作られた非合理的なルールや慣習を何とかしたいと考えています。今日明日の話ではありませんが、少しずつでも状況を変えていくことは、何によらず大切なことだと思っています。やめることをポジティブに考えるきっかけを作ることを目指して、自社メディア「REBOOT」も運営しています。



新野 今のようにEXITが注目され、ニーズも高く、スタッフ希望者も多いということは、そこに一種の社会病理というか、自力で解決できない軋轢がある証左だと思います。偉そうな言い方ですが、弊社はそこへ斬り込む一種の先兵だと思っています。EXITが発展することによって不適切な雇用契約は減り、人を大切にしない企業は淘汰されていくでしょう。転職ももっと自由にできるようになり、労働市場の流動性も高まる。これらの結果として、健全な働き方がより進展していくことを望んでいます。



新野俊幸氏、岡崎雄一郎氏

EXIT株式会社共同代表 新野俊幸氏(左)、岡崎雄一郎氏(右)








ビジネス社会に対するおふたりの問題意識はホットで、「あくまで事務的な連絡を行うだけ」というメディアの短い報道にとどまらないものでした。インタビューの後でオフィスを拝見すると、たまたまスタッフのひとりが電話でやりとりをしているところでした。もちろん内容までは聞き取れませんでしたが、丁寧で礼儀正しく、冷静な会話の様子に、スタッフ教育の浸透ぶりを感じさせられました。聞けば、8名のスタッフが毎月300件もの事案を処理しているとのこと。いまだ話題の渦中にある退職代行のトップランナーが今後どのように発展していくのか、引き続き注目したいと思います。







プロフィール


岡崎 雄一郎(おかざき ゆういちろう)

EXIT株式会社代表取締役。スキル:とりあえずやってみる

平成元年京都生まれ。私立開成高校を卒業後、アメリカの州立大学に留学したが、ボクシングに熱中し中退、帰国。解体工、型枠大工、歌舞伎町キャバクラでの勤務を経て、2017年にスキルを発動し、個人名義で退職代行事業を開始。同年、センシエス合同会社を設立し事業を継続。2018年にEXIT株式会社を設立。「やめること」が得意と自称する。


新野 俊幸(にいの としゆき)

EXIT株式会社代表取締役。スキル:目の付け所がシャープ

平成元年神奈川県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科を卒業後、ソフトバンク、ニート、フリーター、リクルートテクノロジーズ、サイバー・バズとキャリアチェンジする中で、会社を辞める際の煩わしさに触れ、スキル発動。「退職代行」のコンセプトを産み出す。2017年にセンシエス合同会社、2018年にEXIT株式会社を設立。この世から退職できずに悩む人をなくしたいと願う。




EXIT (サービスサイト)


「やめる」をポジティブに考えるメディア REBOOT(メディアサイト)


EXIT株式会社 (コーポレートサイト)






編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2019年3月1日




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