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働き方改革に効果抜群!フレームワークの活用法 [ビジネスのコツ]

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働き方改革に効果抜群!フレームワークの活用法

画像提供: Greyscale / PIXTA(ピクスタ)(※)


■フレームワークを活用すれば、職場の生産性は高まる

「仕事を早く終わらせるべき。でも、仕事量は減らせない。いったいどうすればいいの?」

部下がそんな悩みをもっていたらどうしますか?

生産性を上げるということは、投下する時間やコストを減らしつつ、一方で成果を高めていくということ。

働き方改革は、生産性を上げることと表裏一体です。

職場の生産性を上げるためには、部下にどんなアドバイスを与えるべきでしょうか。


仕事ができる人の多くは、便利なツールとして「フレームワーク」を使いこなしています。

たとえば、「5W1H」「3C」「4C」「AIDMA」「PEST」「VRIO」といったフレームワークが有名です。

フレームワークは、基本的には思考を補助するツールと言われています。

フレームワークによって、思考する前に情報を収集、整理(インプット)しやすくなり、また同時に、思考や創造(アウトプット)の質を高めやすくなるのです。

さらに、共通したフレームワークというフォーマットを用いることで、他人と情報を共有しやすくなり、コミュニケーションが効率的になります。そのことから、自分の時間も、他人の時間も節約することにもつながるのです。



■フレームワークの用途を「インプット用」と「アウトプット用」に分けてみる

なんとなく「フレームワークは便利なんだろうけれど、難しそう」と思って、今まで敬遠していた人も多いと思います。

そこで、この記事では、フレームワークを仕事に取り入れやすくするために、フレームワークの用途や役割を「インプット用」と「アウトプット用」に分けて紹介してみようと思います。



ここでいう「インプット」とは、情報を収集して整理して頭の中に入れて理解する作業のこと。「アウトプット」とは、思考して問題の解決法を考えたり新しいアイデアや結論を導く作業のことを指します。


では、さっそく、3つのフレームワークについて、具体例を交えながら、「インプット用」と「アウトプット用」の使い方を紹介していきましょう。


では、さっそく、3つのフレームワークについて、具体例を交えながら、「インプット用」と「アウトプット用」の使い方を紹介していきましょう。



■フレームワーク例(1)「5W1H」

「5W1H」は、What(何を、何が)、Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)という単語のそれぞれの頭文字をとった代表的なフレームワークです。



たとえば、次のような業務上のミスが発生したとします。


中堅社員のBさんが小麦粉を発注するのを忘れてしまった


このケースで、ミスの実態を把握したり報告したりするために、「5W1H」をインプット用のフレームワークとして使って、情報を収集、整理してみると、どうなるでしょうか。


このケースで、ミスの実態を把握したり報告したりするために、「5W1H」をインプット用のフレームワークとして使って、情報を収集、整理してみると、どうなるでしょうか。


次に、このような問題の再発を防ぐ方法を考えるために、「5W1H」をアウトプット用のフレームワークとして使ってみましょう。


具体的には、「5W1H」のいずれかを変更することで、ミスの発生を防ぐ方法を考えることになります。


具体的には、「5W1H」のいずれかを変更することで、ミスの発生を防ぐ方法を考えることになります。


もちろん、これだけですぐにベストな問題の解決策が出せるとは限りませんが、フレームワークを使うことで問題を分解、整理することによって、冷静になることもでき、一つひとつの項目を精査しながら解決策を導いていくことができそうです。

少なくとも、やみくもに思考を重ねるよりも、はるかに効率的であることが理解していただけると思います。



■フレームワーク例(2)「PEST分析」

「PEST分析」はPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)という単語のそれぞれの頭文字をとったフレームワークです。おもに事業を取り巻く環境を分析したり将来を予測するときに使います。



PEST分析
Politics(政治的環境) 法律・法規制・判例・税制・金利・政府の成長戦略・予算配分・優遇産業など
Economic(経済的環境) 景気・平均株価・物価・為替・海外資本・業界再編・企業設備投資
Politics(政治的環境) 法律・法規制・判例・税制・金利・政府の成長戦略・予算配分・優遇産業など
Social(社会的環境) 人口動態・世論・流行・メディア・ライフスタイル・自然環境
Technology(技術的環境) 技術革新・イノベーション・特許・新エネルギー・インフラ・コスト変化


具体例として、次のようなケースでPEST分析をしてみましょう。


具体例として、次のようなケースでPEST分析をしてみましょう。


このケースの外部環境についての情報を「PEST分析」で収集・整理してみると、このようになります。


このケースの外部環境についての情報を「PEST分析」で収集・整理してみると、このようになります。



では、続いて、自動販売機設置後の普及のためのアイデアや、将来発生する可能性がある問題といったアウトプット要素を「PEST分析」で考えてみましょう。


では、続いて、自動販売機設置後の普及のためのアイデアや、将来発生する可能性がある問題といったアウトプット要素を「PEST分析」で考えてみましょう。


「PEST分析」を応用すれば、このようにさまざまな範囲まで思考のポイントを広げることができます。「もっと視野を広く!」と言われたことのある方は、ぜひ試してみることをお勧めします。



■フレームワーク例(3)「製品ライフサイクル(PLC)」

経営分野で活用されるフレームワークのほとんどは、経営学者や大手コンサルティング企業などが長年に渡って多くのケースを分析して、その共通点から導き出しています。

「製品ライフサイクル(PLC)」もその一つで、ある製品がどのような時期を経てその一生を終えるのか、ということを「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」という共通パターンとして導き出したものです。多くの研究によって、「製品ライフサイクル(PLC)」に沿った基本セオリーが確立しているので、新製品を市場に投入してから普及させていくまでの道しるべとして、それぞれの段階で打つべき施策をグループ内で共有するのに役立ちます。



製品ライフサイクル(PLC)
導入期 ... 売上は少なく製造コストも高く利益は出にくい。市場形成のための広告費などの先行投資がかさむ時期。市場にライバルが少なく競争はほとんど起きない。採るべき戦略としては基本的な単一商品ラインに絞り、ひたすら製品認知と試用促進にコストを集中させ、限られた流通チャネルで展開するのが基本セオリー。
成長期 ... 市場に受け入れられると売上が急上昇し、製造コストも下がる。それにつれ利益も増えてくる。顧客は新しいものに比較的敏感な意味的アーリーアダプターが中心。競合も増え、新たな選択基準が必要となってくる段階。戦略としては、この時期に市場シェアを最大化させ、その後の利益の最大化を図る。製品ラインを拡張させ、サービスや保証を付加しながら、できれば市場浸透価格でシェアを拡大させる。一般的にはマス広告を中心に展開し、時間がかかる接近戦での販促の比率は減らしていくべきとするのが基本セオリー。
成熟期 ... 売上は微増もしくは横ばい。コストが下がるので高収益。普通のユーザーが普通に購入している光景が見られる。競争勢力との力関係も安定している。守りの戦略を採用し、ブランドやモデル、流通チャネルを多様化させたり、競争価格で市場シェアを防衛していくと同時に、競合からのブランドチェンジを促すマーケティング施策として、ブランド差異やベネフィットの認知などを積極的に促すのが基本セオリー。
衰退期 ... 売上高は下降する。コストはかかりにくいが利益も出にくい。市場に製品が行き渡った状態。競合も見切りをつけて撤退もしくは放置するので競争は少ない。さらなる低コスト化を図り、過去に培ったブランドによる恩恵を享受する。製造コストや在庫リスクがある場合は、売れない商品ラインナップを減らし効率化し、価格もニーズによって引き下げながら、市場の延命を図る。コアユーザーへの広告活動だけは低予算で継続。低採算チャネルからは撤退し、販促活動も縮小させるのが基本セオリー。


では、具体的なケースで「製品ライフサイクル(PLC)」の有効性を考えてみましょう。


では、具体的なケースで「製品ライフサイクル(PLC)」の有効性を考えてみましょう。


まずは「製品ライフサイクル(PLC)」をインプット用のフレームワークとして使って情報を収集、整理してみます。


まずは「製品ライフサイクル(PLC)」をインプット用のフレームワークとして使って情報を収集、整理してみます。


このように「液体洗剤A」のライフサイクルをイメージします。


次に、基本セオリーに従って、打つべき施策についてのおおまかな仮説をアウトプットしてみましょう。


次に、基本セオリーに従って、打つべき施策についてのおおまかな仮説をアウトプットしてみましょう。



■フレームワーク活用のススメ

3つのケースで見てきたように、フレームワークは情報を整理する(インプット)だけではなく、何かを創造すること(アウトプット)にも使えます。


インプットする段階からフレームワークを用いて情報を収集・整理すると、情報の抜け漏れに気づきます。その抜け漏れを埋める作業の過程を経て、情報量が増えていくことになります。情報量が増えると、必然的に、発想もより豊かになります。情報量が少ないと発想は広がりません。インプットの質はアウトプットの質に直結するのです。


「製品ライフサイクル(PLC)」は、過去のパターンから導き出された製品や人々のおよその動きを予測したもので、パターンモデルとも呼べますが、こうしたフレームワークは、未来予測にも使えることがわかっていただけたと思います。


いくら「アイデアを出せ」と叫んでみても、成果が高まることにはならないでしょう。時間ばかりかけて、質が伴わなければ、仕事量や仕事時間を減らすことは難しいと思います。 そんなときに「このフレームワークで整理してみては?」というようなヒントを与えられる上司は、部下からも尊敬されることになるかも?!


もし、あなたのオフィスにフレームワークを活用する習慣が定着していないのであれば、まだまだ働き方改革として仕事時間を短縮化できる余地があるかもしれませんね!





編集・文・図:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
制作日:2018年3月29日




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