今回は、株式会社インターオフィスの東京本社 (東京 青山) を訪問してきた。
株式会社インターオフィスは、USMやヴィトラ(Vitra)といったヨーロッパ製のオフィスファニチャーの輸入販売を主軸とし、オフィスデザイン、内装工事、ファシリティマネジメントまで一貫して行うことで、デザイン性高いオフィス空間を日本に送り出している業界のリーディングカンパニーだ。現在はオフィスに留まらず公共スペースや学校、個人邸宅などの設計も手掛けている。
今回取材した同社のオフィスは、2017年6月に移転したオフィスで、1フロア844平方メートル(255坪)、社員95名(2018年5月現在)が勤務するオフィスになる。移転前は3フロアに分かれ、営業、デザイン、管理部門が分かれていたのを1フロアに集約し、部門間のコミュニケーションをしやすいオフィスに変えたとのことだ。
また、こちらはオフィスとしてだけではなく、ショールームも兼ねているところが特徴。同社の取り扱う家具を実際に使いながら展示している「ライブオフィス」なので、家具の使い方、レイアウトなど、リアルな使い勝手も見学できることも魅力だ。
USMハラー(USM haller) やヴィトラ(Vitra)といった高級オフィス家具領域での存在感が強い同社のショールームということで、訪問前から期待が高まる。
では、ショールームを兼ねたインターオフィスのライブオフィスへ出発しよう。
【編集注】本記事で紹介している同社のオフィスは2018年5月31日時点のものです。
現在のオフィス内容と異なっている場合があります。
同社オフィスの入居するビルは、東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目駅」から徒歩1分の距離にある。ほぼ駅直結に近い位置にあり、周辺には、道路を隔てて赤坂御用地も存在し、都心ながら緑の多い青山のおしゃれな環境だ。
所在地: 東京都港区南青山1-2-6 ラティス青山スクエア6F
最寄駅: 東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目駅」から徒歩1分
営業時間:平日 午前10時~午後6時(予約制) ※定休日: 土・日・祝
Tel. 03-5771-7631 / Fax. 03-5771-7636
※ライブオフィスのため見学には予約が必要です。
サイト: https://www.interoffice.co.jp/about
展示製品: 家具
ビルの6Fに上がるとエントランスになる。廊下の壁は一面ブラックでシックな雰囲気。あくまでこちらはオフィスのため、エントランスは通常のオフィスと同様。
【編集注】ショールーム見学は必ず事前の予約が必要です。
こちらのインターホンで予約していた担当の方に来てもらう。
ちなみに、電話の置いてあるこのテーブルは、イトーキと同社のコラボレーションブランド、アイプラス(i+)の、テレフォンスタンド。小さいが安定感と存在感があるデザインだ。
インターオフィスは、家具の輸入販売に留まらず、オフィス家具メーカーと組んでデザイン家具を送り出すなど、とてもユニークな存在で知られている。
エンスランスを入ってすぐのところはオフィスフロアの中央にあたり、広々としたイベントスペースが作られている。
取材時は、ちょうどイベントスペースにて、ヴィトラ(Vitra)の企画展の開催中で、様々なカラーのチェアの生地が天井から掛けられて展示されていた。(イベントは取材当時。)
窓側にはヴィトラ(Vitra)を中心とする各社のデザインチェアが展示されている。 この椅子の紹介だけでも1記事になってしまいそうなので、今回は要所をかいつまんで解説していきたい。
では執務フロア内を紹介して行こう。
まずは執務フロアを入って右手側へ。
中央のエントランス入って右手の執務フロアを奥まで撮影。
写真の左手は、窓側の明るさを活かして、通路兼オープンミーティングスペースとして使われている。写真右手が執務デスクを配置した執務エリアとなっている。両者の仕切りとしてフルハイトのガラスパネルを使っているが、両者を完全には仕切らず、部分的にガラスパネルを配置することで、オープンさを保ちながらゾーンニングを明確にしている。こういったゾーニング方法も参考になりそうな作りだ。
写真手前に見えるのはオープン会議スペース。手前側のチェアは、ミッドセンチュリーの名作の1つでもある、イームズ アルミナムグループ チェア (Eams Aluminum Group Chair) 。テーブル向こう側のチェアは、現代のデザイナー アルベルト・メダによるメダチェア (MEDA CHAIR)。テーブルも、同じくアルベルト・メダによるメダモルフォ(MEDAMORPH)が使われている。
このオフィスには同社の扱う家具がそこかしこに置かれているので、フロア内はヨーロッパを中心とするハイクオリティ家具ですごいことになっている。家具マニアにとっては垂涎のショールームだ。
どんどん奥へ進んでいきたい。まずは窓側のエリアを紹介していく。
先ほどの写真で白い背面が見えていたローキャビネットはこちら。
USMハラーのキャビネット。トレー棚は専用オプションなのでサイズぴったり。
ちなみに、「ローキャビネット」と一般的なスチール収納家具に合わせた名称で紹介したが、USMハラーシステムは、モジュールを組み上げて作るので、高さは自由に作れる。ローキャビネットと言われる高さ1m前後の収納はフロア内に視界を妨げずに設置するのにちょうど良いのだ。
こちらのソファによるミーティングスペースは、フリッツ・ハンセン (Fritz Hansen)のソファ。3人掛けがPK31、1人掛けPK22、テーブルはPK61。デザイナーはポール・ケアホルム。
フロア内に直立するガラスパネル張りの立体は、フィンランドのフラメリー社のフラメリー・キュー (Framery Q)。2人が入って話せる個室空間で、防音になっている。
今、オフィス空間をオープンな空間に作るのがトレンドとしてあるが、こちらはそのオープンな空間の中に個室が作れる家具になる。これの1人用も後で登場する。
こちらにもソファスペースがあり、左の3人掛けソファが、ウォルター・ノル (WALTER KNOLL)のフォスター512 (FOSTER 512)、1人掛けソファ ジャアン780アームチェア(JAAN 780 Armchair)と、右側の3人掛けソファは、ジャアン780 3シーター (JAAN 780 3seater)。
この辺りは、応接として使える空間になっている。
窓側の棚に並んでいるのは、
窓際に見えたこちらは、ヴィトラ・ミニチュア・コレクション(Vitra Miniatures Collection)。
名作チェアを1/6スケールで再現したもので、素材まで忠実に再現されているところがポイント。チェア好きにはたまらない。
フロアの奥の一画を占めるデスクは、ウォルター・ノルのエグゼクティブデスクシステム CEOO。まさにCEOのための堂々たる貫禄のデスクだ。
フロアの端まで来たので、先ほど後回しにした執務エリア側を見て行こう。
こちらの執務エリアのデスクはUSMハラーデスク。
海外ドラマに出てくるオフィスの雰囲気を醸し出している。手前に見えるイエローとグリーンのカラフルなチェアは、ヴィトラのパシフィックチェア(PACIFIC CHAIR)。すっきりとした見た目で、様々な機構が目立つチェアと一線を画すデザインがポイントだ。
デスクをアップで撮影。
USMハラーシステムの特徴であるステンレスのシャープなフレームが光を反射させて美しい。デスク下には、同じくUSMハラーのロールボーイデスクワゴン。
同社提供写真(※)
もう少し詳しく見たい、ところだが、執務中で社外秘の資料など机にあったりするため撮影が難しいので、竣工後写真を借りてきた。こちらは先ほどの執務フロアの反対側からの風景になる。
壁側は一面USMハラーのキャビネットですっきり収納。デスク脇にもUSMハラーのローキャビネットを配置。こちら側のデスクは連結型で天板が木のタイプ。USMハラーのテーブルもいろいろなバリエーションがあって実物を確認できるのはいい。
同社提供写真(※)
奥には会議室もある。撮影時、会議室は使用中のためこちらは借りてきた竣工後写真。テーブルは、イトーキと同社のコラボレーションブランド、アイプラス(i+)。ほかにもホワイトボードやハンガーも同じくアイプラスになっている。
チェアはヴィトラのソフトシェル・チェア 4 star base (SOFTSHELL CHAIR 4 star base)。
ガラス張りの白を基調とした会議室の隣は会長室になっている。
こちらもガラス張りでオープン。先ほどとは対照的に黒で整えられている。
こちらはブラックで統一されていておしゃれ。
手前のソファは、クラシコン (ClassiCon)のサテュロス(SATYR)。奥に見えるデイベッドは、同じくクラシコンのウリセ デイベッド (ULISSE DAY BED)。
執務エリア中ほどにあるコーヒーサーバ前のミーティングスペース。
執務フロアこちら側はこの辺りでおおよそ紹介したので、反対側のオフィスフロアへ移動したい。また中央のイベントスペースに戻る。
中央のイベントスペース、先ほどの反対側、入って左側の執務スペースへ進んでいく。
写真の中央のポスターはヴィトラの企画展パネル。
先ほどのエリアが堅めの雰囲気に対して、こちらはカジュアルな雰囲気で構成されている。
通路を兼ねたオープンミーテイングスペースが奥まで広がっている。
こちらは、ファブリックとウッドを中心に、パステルトーンで柔らかくまとめられた空間。こういうカジュアルな空間をオフィス内に作るのも現在のトレンドだ。カジュアルでも佇まいが素敵なのはさすがデザイン家具だけはある。
こちらは広めのテーブルがあり、大き目の打ち合わせや、仕事もできるようなスペース。グリーンも多く配置されている。
窓側に見えるパネルは何かというと、
パネルで囲まれた半個室になっている。ヴィトラのワークベイズ(WORKBAYS)。
内部を撮影。ちょうど良い個室感。
立つと頭が出るけど、座ると隠れるというパネルの高さで、適度な囲まれ感がある。高さや大きさのバリエーションもあり、これより大きめの1人席や2人や4人のミーティング用のタイプもある。
こちらはヴィトラのアルコーブ・キャビン(ALCOVE CABIN)。
ふかふかのファブリック感のあるパネルがかわいらしい。こういったセンスはさすがヨーロッパ製。
ここで会議をするのは楽しそうだ。
こちらも1人用から3人掛けまでいろいろなバリエーションがある。
こちらは先ほど出て来たガラスパネル張りの個室の1人用、フラメリー・オー (Framery O)。携帯で電話するのに良さそう。
同社提供写真(※)
こちらの執務エリアも、執務中で撮影が難しいため、竣工後写真をお借りした。
デスクはアイプラス(i+)のミーティングテーブル。こちらは表面がオリーブ色のリノリウム材によるもの。リノリウム材は亜麻仁油、木粉、コルク粉、石灰岩などから作られる天然素材のマットのためリサイクル性などの観点からも人気が出てきている。手に馴染む感触があり、文字を書きやすいというメリットがある。
チェアは、ヴィトラのオールスター(ALLSTAR)。ポップでカジュアルな空間づくりに一役買っている。壁側はUSMハラーのキャビネット収納。
こちらのフロアの端にもダイニングチェアやラウンジチェアの展示がある。
こちらは、造作のキッチンカウンター。ステンレスの天板をスライドさせると、IHクッキングヒーターが出てくる。
さらに奥には会議室がある。
使用中のため写真をお借りした。
同社提供写真(※)
キッチンカウンター席、テーブル席、奥に会議室とつながっており、奥の会議室は可動式パーティションで部屋にしたり、つなげてオープンにしたり、フレキシブルに使えるように作られている。
同社提供写真(※)
こちらが奥の会議室。チェアはヴィトラ社AC4。テーブルはメダモルフォ(MEDAMORPH)
以上で、インターオフィスのオフィスフロアを一周してきた。
その感想は一言で言うと、圧巻、だ。
ヨーロッパ製を中心としたハイクオリティオフィス家具がここまで数多くレイアウトされて、実際に使われている姿はまさに圧巻で、デザイン性ある家具の力をここまで感じられるオフィス兼ショールームはほかにないのではないだろうか。デザインオフィスに関心のある方には必見と言えるだろう。
所在地: 東京都港区南青山1-2-6 ラティス青山スクエア6F
最寄駅: 東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目駅」から徒歩1分
営業時間: 平日 午前10時~午後6時(予約制) ※定休日: 土・日・祝
Tel. 03-5771-7631 / Fax. 03-5771-7636
※ライブオフィスのため見学には予約が必要です。
サイト: https://www.interoffice.co.jp/about
展示製品: 家具
1983年創業。USMやVitraといったヨーロッパ製のオフィスファニチャーの輸入販売を主軸とし、オフィスデザイン、内装工事、ファシリティマネジメントまで一貫して行うことで、デザイン性高いオフィス空間を日本に送り出している業界のリーディングカンパニー。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2018年 5月31日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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