やよい歯科医院
外観
シンプルな外観と、自然光が降り注ぐやわらかな空間のコントラスト
もし、その先に思いもよらない空間が広がっていたら、今まで抱いていた不安や恐怖感は振り払われ、気持ちは軽くなります。そして、そのしつらいが柔らかい光注ぐ整然とした佇まいなら、信頼と安心感につながります。そのような心理的スイッチを空間表現することを意図しました。
外観からは、中のデザインを想像することができないほどシンプルにしています。患者さまが室内へ入った時の別世界への驚きを期待したことと、建物そのものが目印になるようにという考えがもとになっています。
やよい歯科医院の設計は、「第2回インテリアプランニング アワード2012」 で、医療・福祉施設のカテゴリーで唯一 の、優秀賞を受賞いたしました。受診者の立場に立って考えたデザインは、医療空間における新たな空間づくりとして注目を浴びています。
（撮影/白鳥美雄）
KEYWORDS:
COLOR:白
診察スペース
手漉き紙の空間に包まれた医院
診療室は天窓から差込む自然光が空間を柔らかく包み込んでいます。目前に広がる特注手漉き紙の迫力に、診療ユニットに座った受診者は、きっと浮遊感を感じるでしょう。
特注手漉き紙は、環境保護を視野においた、フィリピンのフェアトレード事業のひとつである手漉き紙を使用しています。原料は廃棄処分するバナナの葉や茎の繊維等で、加工に使われる材料も蒟蒻のりや膠などの天然素材です。無数の円が交差する模様は現地の職人の手作業によるもので、素朴感や温かみが、受診者の緊張を解きほぐす役割を果たしています。
地球や人に優しいこの素材は、穏やかな院長の人柄にもマッチしていることから選定しました。
受診者が、治療を受ける気持ちへ自然に切替わる心理的スイッチがＯＮになれば、ドクターとのコミュニケーションが確かなものになります。やよい歯科医院はそれを実現できる医院になりました。
（診察スペース 写真1・3撮影/白鳥美雄）
KEYWORDS:
COLOR:白
この仕事場をデザインした会社
