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「管理ゼロ」は働き方改革の最終形か~ISAO、ソニックガーデンが実践するオープンでフラットな組織

画像:WrightStudio / AdobeStock (※)

画像:WrightStudio / AdobeStock (※)



IT技術やブロードバンドネットワークの普及を背景に、社員の管理を行わない「管理ゼロ」や、部長、課長、係長といった管理職を廃止する「バリフラット」を打ち出す企業が注目されています。今回はそんな2社に、その狙いや仕組み作りについて伺いました。




■管理職が連なる日本的な組織を改革し、オープンでフラットな会社に

東京都台東区に拠点を構えるISAOは、2010年2月設立(創業1999年10月)のIT企業です。社員は120名ほど。コミュニケーション型目標達成サービス「Goalous(ゴーラス)」の他、ワークスタイルイノベーションサービス「Mamoru Biz(マモル ビズ)」など、ITサービスの企画・開発を手がけています。


同社のビジョンは「我々のサービスで『働く』を楽しくすること」。新しい考え方やITの力を使って、仕事を楽しくしていこうというコンセプトです。経営面では従来型の組織を大改革し、「役職ゼロ、階層ゼロ、部署ゼロ、情報格差ゼロ」の4つのゼロを目指す「バリフラットモデル」を掲げ組織を改革。結果として業績面でもV字回復をとげました。


社長としてバリフラットを打ち出した中村圭志氏に、その背景や目指すところ、バリフラットを支える制度について話を聞きました。



中村圭志氏(ISAO 代表取締役)

中村圭志氏(ISAO 代表取締役)



――ホームページで、バリフラット(バリ=超、フラット=階層のない組織)を掲げていますね。その背景を教えてください。


中村 私がISAOに来たのは2010年で、完全にバリフラットという形になったのは2015年10月です。もともとISAOは、トラディショナルというか、典型的な階層型の組織で運営されていました。現場にはグループ長がおり、その上に部長、事業部長、取締役、そして社長がいるというレポーティングラインが長く複雑な組織でした。



――多くの会社は大体そういった組織形態ですよね。


中村 そんなに大きな会社でもないのに大会社なみのレポーティングラインになっているのは効率が悪いと感じたのが発端です。


もうひとつは、とにかく部署間のコミュニケーションが難しいということ。部署が閉じていて、他部署が何をしているのかよくわからない。だから噂が飛び交ったり、強い情報を握っている人が権力を持ったりして、非常にアンフェアな状態を生み出していました。それでは社員が力を発揮できません。それを解消するために何かやらなければいけないという問題意識がありました。



――ポストに就いた人に権限が与えられているので、部長が部長の顔ができるわけですよね。


中村 特定の誰かがいばっている状態に、何の意味があるのかという話です。



――中村さんはどういうポストでISAOに入ったのでしょう。


中村 前の社長がつなぎで半年ぐらいいて、それを引き継ぐ形で、最初から代表取締役として入りました。親会社から経営者として送り込まれたというか、出向ですね。当時のISAOは赤字で調子の悪い会社でしたから、それをなんとかするというミッションを持って来たわけです。



――それで2015年にバリフラットを掲げた。


中村 そこまで一気に変わったわけではありません。効率が悪く、情報もちゃんと流通していない状況に対して最初に行ったのは、事業の数字など会社の情報をしっかりみんなに伝えていくことでした。後に開発した社内SNS「Goalous」により、社内の情報をオープンにし、同時に無駄な階層をなくしていく作業も徐々に進めました。2014年頃には部長を残して階層を廃止し、その部長の役職も最終的に全部取り払ったのが2015年10月。徐々にオープンになり、徐々にフラットになり、最終的にフルオープン、フルフラットになったというのがこれまでの流れです。



■必要に応じて立ち上げ、解散するプロジェクトで仕事を進める


――仕事もプロジェクト単位で進めるように改革されたのですね。


中村 以前は部署単位で仕事を進めていましたが、その時どきで必要なプロジェクトを立て、必要な時期だけそのプロジェクトを継続させ、必要なくなったら解散するようにしました。また、誰もが複数のプロジェクトに関わることを徹底しました。一般の会社では複数の部署に関わることはできませんが、ISAOでは以前からそれを奨励していまして。以前はいちいち部門間で調整しなければなりませんでしたが、それがなくなりました。社員がある程度の経営観をもって自分で判断していくように変えたかったのです。



――プロジェクトはいくつぐらいあるのですか。


中村 数はカウントしていませんが、大きいので15~20、小さいのも入れると60~70あります。すべてがプロジェクトになっており、事業のプロジェクトだけでなく、経営もプロジェクト、人材採用や広報もプロジェクトという考え方です。



――プロジェクトリーダーはどのように決めるのでしょう。


中村 いろいろな形があり、柔軟に決めます。小さいプロジェクトならプロジェクト提案者がリーダーになり、必要な人やリソースを集めて走ります。本当にガッツリやらなければいけないプロジェクトでは、誰がリーダーになるか参加者全員で話し合います。ベテランがリーダーになるということでもありません。若い人がリーダーになり、そこにシニアのメンバーが加わることもよくあります。


たとえば、今私がこうしてインタビューを受けているのも、ブランディングプロジェクトという活動の一環なのですが、このプロジェクトは若い女性社員がリーダーで、私はメンバーです。彼女はブランディングプロジェクトのグランドストラテジーを考え、そこにメンバーが集まって役割を果たしていきます。



――プロジェクトリーダーは管理職ではない?


中村 はい、管理職ではありません。プロジェクトの責任を持ち、最終的な判断をする役割の人です。管理職には、評価を通じて人を管理する意味が含まれていますが、プロジェクトリーダーは人の評価は行いません。



――中村さんご自身はいくつのプロジェクトに参加しているのですか。


中村 つねに入っているプロジェクトは4~5個。経営プロジェクトがメインですが、そこに充てるリソースは30~40%ぐらい。その他に採用とブランディング、あとは先述した「Goalous」のプロジェクトが割とメインで、営業としてかなりのリソースを割いています。ただ、経営以外のプロジェクトでは、私はリーダーではありません。



■オープンな経営を支える社内限定のSNSサービス「Goalous」


――「Goalous」について教えてください。


中村 「Goalous」は社内限定のSNSサービスです。通常のコミュニケーションサービスとは異なり、各自が仕事の目標をオープンに掲げ、毎日の活動を写真でシェアするというコンセプトになっています。


たとえば今私は取材を受けていますが、我々はこれをアクションと呼んでおり、コーポレートブランディングの目標に向かう活動のひとつと捉えています。そしてお客さん(取材者)と一緒に写真を撮ってもらい、「Goalous」に投稿して社内でシェアするわけです。 もちろんチャット機能もありますし、社内のお知らせや案内なども全部「Goalous」の中で行います。


2016年頃に有料化しましたが、800チーム以上が登録しています。



「Goalous」の画面(※)

「Goalous」の画面(※)



――「Goalous」というのはどういう意味ですか。


中村 「ゴール(目標)がいっぱい」というような意味です。正式名称はコミュニケーション型目標達成サービス「Goalous」。導入いただいている企業は、IT系以外にも多岐にわたっており、小売チェーンなど営業的な会社や、複数のステーションを持っているガソリンスタンドなどもあります。



――ISAOでは「オープン」ということも掲げていますね。


中村 「オープン」が一番の基本で、「フラット」は副産物です。「オープン」はスピードと信頼を生み、リテラシーを高めます。従来型の組織では、取締役が部長に情報を伝え、部長が課長に伝え、課長が全員を集めて伝えます。これ、早いですか。情報は公開範囲を限定せず、皆に伝えればいい。そうすれば皆の知識も高まります。さらに「Goalous」でどんどんコミュニケーションすれば、さらにスピードが上がります。毎月の決算や社員の給料情報も「Goalous」でオープンにしているので、社員のビジネスリテラシーも上がっていきます。



■オープンにすると、規律が効いてくる


――ISAOの給与体系はどうなっていますか。


中村 給与は11段階あり、その人の能力や実績に応じて決めるシステムです。もちろん評価がありますが、評価者は自分で選びます。自分のことを評価すべき人を自分で選ぶ。「Goalous」には自分の目標がオープンに掲げられており、毎日の活動が掲載しています。その目標に対してどういう活動をしたかが全部参照できますので、評価者に指定された人はそれを見て評価していくことになります。



――仲の良い人を選んで、甘い評価をしてもらうことにはなりませんか?


中村 クローズにしているとそういうことも起こるかもしれませんが、評価のコメントもオープンになりますから、特別に甘い評価をすると、評価者がビジネスのプロフェッショナルとしての視点が欠けていると見られてしまいます。



――評価される人も評価されるような。


中村 評価の評価はしていませんが、オープンにしているので皆が評価を見ています。すると規律が効いてくる。経費なども皆が見ているから、私も含めて理由のない領収書は出せません。こうして皆がちゃんと会社のことを考えて行動するようになっていくというところが、「オープン」が行き着くところだと思います。



■従来型の組織を変えられなかったことが日本企業の敗因


――この10年足らずでISAOの組織は大きく変わりましたね。


中村 講演などでもよく話すのですが、日本は、この失われた30年の中でいろいろなことに立ち遅れてしまいました。最大の敗因は従来型の組織を変えられなかったことだと思います。90年代までは、世界中の企業が非効率でしたので、従来型の組織で日本はリードできた。それが21世紀になってITが普及すると、もっと効率的に皆の力を出せる組織運営になっていったのに、日本だけはそうしなかったのです。従来型のガチガチに非効率な組織が残ってしまった。そういう組織で経営を続けていくのでは、いつか行き詰まると思います。



――意味があるのは、「上にいる人」にとってだけですよね。


中村 そう、既得権益を確保するという意味しかない。会社としてパフォーマンスを出すために、それは意味があるのかと問うべきです。会社として最高のパフォーマンスを出せる仕組みを作り、運営するのが経営者の仕事です。自分の既得権益にしがみつくのは経営者の仕事ではありません。会社を変えるには、まず会社で実権を握る社長や取締役が率先して改革を行うことが大事です。そしてその変化を継続して良い形にしていくのが社員の仕事でしょう。



中村圭志氏(ISAO 代表取締役)



■管理や数字でプレッシャーをかけても売上が上がるわけではない


次に、東京都世田谷区のソニックガーデンにお話を伺いました。


同社は、2011年7月に大手IT企業の社内ベンチャーから独立。社員42名のうち、プログラマーが39名を占めるプログラマーのための企業です。創業当時からプログラマーが働きやすい環境づくりを進めており、現在では完全リモートワークに移行。社員の所在地は全国にまたがっていると言います。


「管理ゼロ」も創業当時からのもので、倉貫義人社長には、以前、「みんなの仕事場」でもインタビューを行いました。



生産性を高める選択「管理しないマネジメント」とは?~株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長 倉貫義人氏インタビュー



今回は創業メンバーで副社長の藤原士朗氏に、管理ゼロを打ち出した狙いや、これまでの会社の歩み、管理ゼロで効率を上げていく仕組みなどについて伺いました。



藤原士朗氏(ソニックガーデン 副社長)

藤原士朗氏(ソニックガーデン 副社長)



藤原 役割上は総務部長、経理部長、そして営業部長でもあります。社長の倉貫も、社長業務と、会社の認知度を上げるマーケティングの仕事をしています。『管理ゼロで成果はあがる』(技術評論社刊)という著書を書いたりしているのもその一環です。簡単に言うと、緊急かつ重要なのが私の仕事で、重要だけど緊急ではないものが倉貫の仕事ですね。



――「管理ゼロ」を打ち出した理由は。


藤原 結論から言うと、生産性が高いからです。「管理ゼロ」の概念を明確に打ち出したのは1年前ですが、じつは創業当時からすっと続けていることです。


ソニックガーデンがまだIT企業の社内ベンチャーだったとき、私は倉貫のもとで自社サービスを販売する営業をやっていました。当時は大企業の社内ベンチャーだったこともあって目標達成のプレッシャーがきつかった。サボっていたわけではないので、数字だけで管理されても売上は一向に上がらず、むしろやる気が削がれる一方でした。


そこで、「このサービスはすぐには売れない。でも今のお客さんは本気だから、私は売上を無視してでもお客さんを応援する」と倉貫を説得しました。倉貫も「わかった、なんとか上に説明する」と言ってくれて、営業のスタイルがガラッと変わりました。


私は自分が応援したい人を手伝うのだから、マネジメントは要らない。お客さんを応援するためにあの手この手を考えて、結果的に大手企業に導入されました。お客さんもすごくファンになってくれて、事例を含めていろいろなことに協力してくれるし、新しいお客さんも紹介してくれるなど、ファンがファンを呼んで売上拡大に結びつきました。


そして営業マンである私は、何ら管理されることなく高いモチベーションで働くことができた。これが管理を手放すことで生産性をあげることができることを学んだ最初の機会でした。



■「一人前」のプログラマーに裁量権を与え、上司への報告も不要に


――社内ベンチャーが独立して、ソニックガーデンを創業したのですよね。プログラミングで得意な領域などはあるのですか。


藤原 私たちが特化しているのは新規事業です。今どき、新しい事業を始めるに当たり、システムを作らないことは考えにくい。新規事業のシステム開発の特徴は、答えがない、正解が分からないということです。学習しながら事業を進めていく必要がある。



――料金は月額固定になっているそうですね。


藤原 そうでなくてはできませんでした。一般的なシステム開発では、要件を全部洗い出して見積りをすることが前提条件です。しかし新規事業では、お客さんもどうやればうまくいくか分かっていませんので、要件を洗い出すことなんてできません。無理やり決めてもらったとしても、いわばそれは妄想であって、エンドユーザが必要としないものができてしまう可能性があります。


これに対して、ソニックガーデンのビジネスモデルは最初に見積もりをせず、月額定額でプログラマーが開発を継続的に実施します。事業の内容によらず主担当は1名から始まって、一定スピードで開発を進めます。主担当は、要件の定義から画面設計、開発と運用までカバーできる「一人前」と呼ばれるプログラマーが担当します。



――それではフリーランスのプログラマーと変わらないのでは?


藤原 私たちは新規事業のプロジェクトに特化して、プロジェクト運営を洗練させていることが特徴です。成果を出すのはプログラマですが、成果を出すためのプラットフォームを会社として磨いています。それがフリーランスにはない、私たちの価値です。



――そもそも、「管理しない」とはどういうことなのでしょうか。


藤原 上司への報告の必要がないということです。私たちの場合は主担当が全責任を負い、お客さんの要望への対応可否や実現方法の裁量権も持っていますから、上司に報告する必要がありません。もちろん、技術や進め方で困ったときには他のメンバーに気軽に頼ることができますが、それは相談で、報告ではありませんから。


出来上がりは、毎週、成果を見せ、「次はこれをやりましょう」「わかりました」という形で、ある意味、毎週納品、毎週検収することでお客様に管理してもらっているわけです。



――経費などの管理に困りませんか。


藤原 経費の事前承認も必要ありません。経費は誰でも全員分が見えるようにしているので、自制心が働きます。他人がマネジメントをするのではなく、セルフでマネジメントしている形です。


売上の数字も含めて会社の情報を仮想オフィス上で共有していますから、自分が売上を上げられないと皆に迷惑がかかるので頑張ろうというモチベーションにもなります。



■「ふりかえり」によって、セルフマネジメントの力を養う


――新卒採用は行っていますか。


藤原 行っています。文系の新卒もいます。新卒は初めからお客さんを担当できませんから「一人前」になるまで時間をかけて育てていきます。中途採用も採用活動に1年間ぐらい時間をかけて、自社の価値観に合うかを慎重に見極めつつ、同時に自社プロダクト開発などでスキルを高めてもらいます。本採用後もメンターをつけて教育を継続します。



――どんな教育をしていますか。


藤原 社内のOJTで行いますが、その間にセルフマネジメントができるようになってもらいます。具体的には、主に「ふりかえり」です。KPT(Keep:続けるべきこと、Problem:課題になったこと、Try:どう改善するのか)と呼んでいますが、毎週のように話をして、働き方を変えていきます。ゴールは、誰かに「ふりかえり」をしてもらわなくても、自分で常時「ふりかえり」ができるようになることです。


最初は「頑張ります」「注意します」「努力します」というふりかえりが多いのですが、そういう精神論ではなく、具体的な解決策を考えて提示することが大事です。「ふりかえり」のレベルが上がったと私が感じるのは、「やりたくない」と言い出した時ですね。「嫌だ」ということを言えるのは大事なことなのです。



――普通の会社では、「やりたくないと言ってはいけない」と育てられますね。


藤原 やりたくないということは、その人がその仕事に向いていないという以上に、やり方が良くなかったり、目的が伝わっていなかったり、やる意味がなかったりするということがあります。上司が思いつきで言ったことや、他のメンバーが「やったら?」と言ったからやったけれど全然効果が現れない、だからやりたくないということもあるでしょう。



――「ふりかえり」というのは、何かのメソッドなのでしょうか。


藤原 ソフトウェアのプロジェクトマネジメントの手法に定期的に、「ふりかえり」をするという仕組みがあります。それをビジネスに取り入れたわけです。全員プログラマーですから、自然に受け入れられました。



■仕事を早く終わらせるインセンティブは時間的な余裕


――「ボーナスは山分け」とのことですが、評価によって変わるのですか?


藤原 「一人前」の人のボーナスは山分けです。もちろん上限はありますが、評価によってボーナスの額が変わることはありません。そもそも評価自体ありませんし。月額報酬は年次昇給しますが、評価によるのではなく、毎年勝手に上がっていきます。長くいてくれた人に報いるということです。



――倉貫社長の著書に、仕事を早く終えた人にさらに次の仕事を与えれば会社全体の売上は上がるが、それはやらない、と書いてありました。


藤原 はい、やりません。



――仕事を早く終えれば、その分、自由な時間が持てると。


藤原 はい。それが報酬という考え方ですね。




倉貫義人社長の著書「管理ゼロで成果はあがる」(技術評論社刊)(※)

倉貫義人社長の著書「管理ゼロで成果はあがる」(技術評論社刊)(※)




――もっと働いて給与を上げたいという人はいませんか。


藤原 その場合は副業を勧めます。会社の仕事を仕上げていれば副業もOK。本業以外に会社を持つとか、本を書くとか、家族との時間に充てたいなら、それでも構いません。 時間という自由を渡すから、その中で何をやるかは本人の判断で行ってください、という方針にしています。




■オープンな経営が働き方改革、生産性向上の切り札に


経営コンサルタント藤田勝利氏のコラム「管理職の仕事を勘違いしていませんか」(日経ビジネスオンライン)は、米国の大学院でピーター・ドラッカーから直接指導を受けたという設定の老教授と、大手企業で管理職を務める40歳代の悩めるマネジャーの対話で進む興味深い内容です。


ドラッカーは、ご存じの通り、欧米や日本の企業人や経済学者に多大な影響を与えた経済学者。話の筋は、マネジャーが「社員が自分の頭で考え実行する力が足りない」と悩み、コストをかけて管理を強めようとしているのに対し、老教授がドラッカーの著書を引用しながら留まるように諭していきます。


藤田氏は、そもそもマネジメントを日本語で「管理」と訳してしまったことが誤りであり、「人間の内部に眠る『創造性』『創発性』を引き出し、組織の目標に向けて束ねていくのがマネジメントの本質」と指摘します。


知識労働者はコストのように考えて管理を強めると、かえって成長性を損なってしまう。知的労働者はコストではなく資本財なので、増やすことを考えなくてはならないと藤田氏は結論づけています。


今回、ISAOとソニックガーデンを取材しましたが、リモートワークの導入の度合いなど働き方には異なる点もあったものの、管理職のいない風通しのよい経営ということで共通していました。その最終目標は、ドラッカーがマネジメントの本質として挙げているポイントと似通っているように思われます。


また、社内SNSを活用したオープンな経営という共通点も示唆的です。社員が会社の情報を共有することによって、経営への参加意識が高まる。SNSの中で自分の働き方が可視化されているので、セルフコントロールできるようになるとともに、仕事の効率も上がるわけです。


少しサボりたい、手を抜きたいという人にとっては厳しい環境かもしれませんが、働き方改革が叫ばれる中で、「管理職ゼロ」は生産性を向上させる今後の切り札となるものかもしれません。







取材協力

ISAO

ソニックガーデン




編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局(※印の画像を除く)
取材日:2019年11月25日・27日

         

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