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コロナ時代(ウィズコロナ)のオフィス

淡路島におけるパソナグループの地方創生 ~地元・企業・自然が融合した豊かな創造の未来図[後編]

パソナが淡路島に建設した座禅リトリート「禅坊靖寧」(※)

パソナが淡路島に建設した座禅リトリート「禅坊靖寧」(※)



前編はこちらから

「淡路島におけるパソナグループの地方創生 ~地元・企業・自然が融合した豊かな創造の未来図[前編]」





■質の高い生活から質の高い仕事が生まれる

広報の諏訪ほのかさんに案内していただき、アニメ×テクノロジー×自然がテーマのテーマパーク「ニジゲンノモリ」、フランス料理と宿泊が楽しめる滞在型レストラン「オーベルジュ フレンチの森」、座禅リトリート「禅坊靖寧」などの施設を見学しました。保育所やインターナショナルスクール併設のオフィス「パソナファミリーオフィス」では、子どもたちが元気に英語で授業を受けていました。



神戸新聞NEXTより(※)

神戸新聞NEXTより(※)



今年3月に完成したレストラン「海神人(アマン)の食卓」に隣接するオフィス「グローバルハブスクエア」で、パソナグループ総務部門を見ている大日向由香里さん(パソナグループ 常務執行役員)にお会いし、パソナの狙いなどをお聞きしました。大日向さんは上記の「禅坊靖寧」をはじめとする施設を運営するawajishima resortと、空間デザインを行い、学びやイベントやPRをプロデュースするPasona art nowの代表も兼ねています。



大日向由香里さん(常務執行役員、awajishima resort代表取締役社長、Pasona art now代表取締役社長)

大日向由香里さん(常務執行役員、awajishima resort代表取締役社長、Pasona art now代表取締役社長)



― 淡路島での大日向さんのミッションは何でしょうか。


私たちはコロナの感染状況が拡大する時期に淡路島に入り、社員のために社員が過ごしやすく働きやすい環境を作ってきました。東京にいなくてもリモートで仕事はできるので淡路島に来れば幸せになれますよ、と推進している部署です。


私たちはアドミニストレーション(総務部門)ですので 、スタッフの快適な住居を作るなど福利厚生を充実して社員に喜んでもらうことが仕事です。3年後には、もっと多くの方がこの淡路島というすばらしい環境ですばらしい仕事をし、心豊かに生活していただけるようにしたいと思っています。


― コロナ禍で本社機能移転のプランが変更を余儀なくされたことはありませんか。


まったく当初から変更されませんでした。この地での社員にとっての幸せや働きやすさを追求した結果が社会につながったり、課題解決に結びついたりしています。移住先の住まいも東京より暮らしやすい環境を作っていますし、コロナ禍で弱ったり困ったりした人に夢を持っていただき、心豊かになっていただくことを常に考えています。


― 淡路島に移転することに不安はありませんでしたか?


淡路島は人口も少なく、東京から来た者としてはこれまでほとんど馴染みがありませんでした。でも、実際に来てみると、逆に何もないところがすごくいいと思いました。これから作っていける喜びがありますから。淡路島には本州と四国をつなぐ橋がありますので、まったく不便なく暮らせます。島の北部は神戸から30分、大阪から1時間、徳島も近いです。


私は2020年に東京の本社総務部から淡路島に来たのですが、今では東京の総務部には3人ほどを残して、全員が淡路島に来ています。パソナグループには多くの関連会社がありますが、総務はカンパニーで1つだけなので、海外もふくめて全グループの総務業務をすべて淡路島で行っていることになります。コロナの影響でリモートで行う業務も増えましたが、ここ淡路島でも何の支障もなくできています。


(ここで小学1年生の息子さん登場)


この子は「パソナファミリーオフィス」の一番初めの子なんです(笑)。


子育てをしている女性社員たちに、どうしたら淡路島に来たいと思っていただけるか知恵を絞りました。


小学1年生は午後2時40分に家に帰ってきますから、いわゆる「小学校の壁」問題で、働いていると何もできないので、子育てかキャリアかを選択しなければなりませんでした。それを両方できる、むしろ子どもの暮らす環境や子育てを優先させられる環境を作りたかったんです。ある意味で東京以上の教育環境を揃えたことで、価値観がまったく変わりました。


オフィスと保育園、スクールを一体化させ、学校までバスで送迎したり、地元の食材で地元のお母さんが作ったお弁当をいただけるようにしました。スクールでは英語を取り入れていて、アップ社に委託して平日には塾も運営しています。コロナ禍で海外等から淡路島に移住してきたバレリーナや空手、ダンス、音楽家の先生方から一流の学びを得られます。様々なことを経験できる高品位な教育です。


この教育があるから淡路島で働きたいと思っていただけるようになりました。子どもたちはその様々な経験の中から好きなものを選択できる。あのオフィスからそういう機会が生まれるといいなと思っています。





パソナファミリーオフィスでの風景(※)

パソナファミリーオフィスでの風景(※)



― 単なる企業内保育にとどまらない環境づくりですね。


さらにこれからは「メタバース」の時代になり、仮想空間で過ごしたり遊んだりすることも当たり前になりますから、タイピングやプログラムなどのSTEAM教育をできる講師も集めて教えていただいています。お母さんたちは本当に喜んでおられます。


― 次世代の「教育」を実践しているのですね。


社員やスタッフの協力も大きいです。東大卒のスタッフなどが勉強を教えているので、淡路島に来てから小学生たちの成績が伸びました。「教え方」によって学びがまったく変わることを感じました。それを全社で継いでいきたいですね。パソナの子どもを自分の子どもだと思って、しっかりした教育を実現していきたいと思います。


― 地方移転の課題は、移転先の「教育」と「医療」だと言われますが。


そうですね。教育、医療、そして介護できちんと良いものを用意すれば、地方にも人は集まります。それ以外のことでは、地方には良いことしかありません。家賃が安い、おいしい食材が安くて豊富にある、神戸まで30分で行ける。何の不便もありません。教育・医療・介護の課題をクリアにして、仕事があれば、絶対に地方にも人は集まります。


― 淡路島移転の眼目のひとつにはBCPがあると思いますが。


東京でも災害対策はしており、BCPにおけるバックアップオフィスとして淡路島に限らず全国に業務を振り分けています。淡路島では、飲食施設の食材や水の備蓄をローリングストックとして災害時に地域の人や社員が利用できるようにしています。また非常時には蓄電器需要が高まるので、電気自動車を増やして調理などに使えるように備えていきます。淡路島は駐車場料金も安いので、それが可能なのです。



■優先すべきは、そこで働く社員の生活と仕事の質を確保すること



― セールスアドミ部の笠谷さんの話では、みんなオフィスに集まって来るとのことでしたが。


総務部でも、地元の良さをどう生かすのか、どのように住みやすくするのかということを通じて、働きながら「まちづくり」を学んでいます 。東京では直接「まちづくり」に関われる機会など普通ないですよね。「地方創生」にしても、「DX」にしても、この淡路島ならすぐに実地に移せます。その場で取り組み、その場で結果が出るので、身の丈に合った試行ができるのです。


そうした試行を繰り返す中で、全員のレベルも上がりました。2025年には大阪・関西万博もありますので、さらに本気で取り組んで、淡路島にも様々な需要を惹き起こしたいと感じています。南部靖之代表も「淡路島と夢洲(万博会場)を結びたい」と言っています。


― パソナは、ステークホルダーの中でも社員・従業員のプライオリティを非常に高く設定しているのですね。


私も含めて、当社には子どもを持つ女性社員や役員がたくさんいます。「女性の活躍」や「何のための仕事か」という課題を追求していくと、みんなが毎日健康で楽しく働くことが一番という結論にたどり着きます。だからここでは切磋琢磨して仕事をこなしながら心豊かに楽しく働く人が多いんです。


その象徴が「禅坊靖寧」という場所です。山の稜線を越えない高さに木造で作った建物で、風が心地よく、鳥のさえずり、虫の声も聞こえて、自然との調和の中で自分自身を見つめ直せます。東京から来たメンバーに、この感覚をぜひ感じてほしくて作りました。「禅坊靖寧」で禅やヨガなどに親しんで、また明日からがんばって新しいことをやろう、と自分自身を見つめてほしい。コロナ禍で疲弊した心身にはそうした癒しが大切だと信じています。



「禅坊靖寧」(※)

「禅坊靖寧」(※)



― 高品位な福利厚生は、社員だけでなく、淡路島の人にとってもプラスになりますね。


自分がやりたいことやみんなが喜ぶことは何か、という感覚を特に大切にしながら企画をスタートさせています。「禅坊靖寧」が完成したときも地元の方々に本当にすごく喜んでいただけました。


また、自分たちの子どもがパソナで働くために淡路島に帰ってきたことを喜ぶ声もたくさん聞いています。建築や空間デザイン関係などのクリエイティブな仕事を創造し、多くの地元の人がその分野で働いています。


― これから地方移転を考える企業は、どのような備えをするべきだと思いますか。


優先すべきは、子育て、教育、医療、介護やインフラ関係を整え、そこで働く社員の生活と仕事の質を確保することです。私たちは島内に社有車やバスも整備し、住みやすくするための補助制度や福利厚生も整えました。自分なら欲しくなるようなサービスを社員に寄り添って考えています。


もとより仕事がなければ生活はできません。でも、質の高い生活によって質の高い仕事が生まれると信じて、先に生活に投資してきました。その優先順位でなければ、本当の意味での地方創生にはつながらないと思います。


― それをなしとげたパソナとは、どんな会社ですか。


パソナは社員と役員が近いので、若い社員からアイデアを引き出す土壌があります。社員の自主性を重んじて、自分の働きたい場所や部署、働き方を選べる「オープンポジション」という制度もあります。一人ひとりが希望したところで人生を謳歌して学びを咲かせることで成長している会社です。


― 最後に、大日向さんの一番好きな場所を教えてください。


「禅坊靖寧」です。坂茂さんが設計したデッキに座って、360°広がる淡路島の自然を楽しむのが日課です。「ファミリーオフィス」も好きな場所です。子どもたちがいる環境もすべて自分で設計し、デザインしました。地元の方々とお話ししながら転用・活用した場所も多く、どの施設も好きで、愛着があります。




淡路島には都会にあるものがなく、都会にはないものがありました。


パソナグループは地域の課題を全て「楽しく」解決し、具体的なデザインとして設計し、形にされていました。そこで暮らすすべての人たちがにこやかに楽しく働き、学んでいます。海と山をはじめとする豊かな自然、そこに住む人たちとの豊かな関係と、楽しく学び真剣に遊ぶ人たちを見ました。


明るい陽光、爽やかな風、鳥や虫の声、豊かな一次産品と潮の香り。


そこには五感のすべてに響くものがあります。人にとっての本当の「豊かさ」や「幸せ」というもののひとつの回答を得たように思います。


ここで暮らして働くことで、新しく面白いセレンディピティ(偶発的で素敵な出会い)もたくさん生まれています。


パソナグループがデザインし、ソリューションし、創造し続けている光景は、わたしたちの働き方のひとつの未来図だと確信できました。






取材協力


パソナグループ[外部リンク]



編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2022年5月19日

         

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