当サイト「みんなの仕事場」を運営するアスクル株式会社は、ニューノーマル時代における新しい働き方の実現に向けて、2021年4月に本社オフィスを全面リニューアルしました。今回はそのオフィスを写真で紹介しつつ、リニューアルプロジェクトがどのように進められたかをインタビューでお届けします!
新型コロナ感染症拡大に伴って、2020 年 2 月から従来のテレワーク制度を全社的に拡大したアスクル。新しい働き方でより高い生産性を実現するための仕事場の在り方について検討する中で、 6 月にオフィスリニューアルに向けた"ミライベースプロジェクト"を発足し、新しいコンセプトを掲げたオフィスを完成させました。
本記事「オフィスツアー編」ではこのオフィスを写真で紹介し、続く「コンセプト編」ではリニューアルプロジェクトを統括した人事総務本部のインタビューを掲載します。
それでは、まずはリニューアルされたオフィスを見ていただきましょう。
江東区にあるオフィスビル、豊洲キュービックガーデンをエレベーターで11階まで上り、エントランスに足を踏み入れてみると、そこはグリーン豊かな空間に生まれ変わっていました。
「Earthling Junction」と名付けられたこの空間を監修したのは「そら植物園」代表でプラントハンターの西畠清順氏。室内環境でも長く生き抜くという多様な原種植物を中心にエントランスを彩っています。
この植物たちはアスクル社内に設立された「エンゲー(園芸=エンゲージメントの意味)部」がメンテナンスを行っています。リニューアル当日には、西畠氏とエンゲー部員 33 名(吉岡社長含む)が自ら植栽を行い、ご覧のような緑あふれる新しいエントランスが生まれたそうです。
空間が表現しているのは、2020年12月に策定されたアスクルのパーパス&バリューズ。
このパーパス&バリューズをどう表現するか、社内ではさまざまな議論があったとのこと。最終的には未来と生命力が感じられる表現ということで、地球の尊さや自然の生命力を感じられる植物を中心にすることになり、西畠氏に依頼することが決まったそうです。
AIサウンド生成システムによる「地球の明日の365曲」が流れている。
さてエントランスを抜けて中に入りましょう。
お客様をお出迎えする「アスクル坊や」(アスクルのコーポレートマークである)の傍らに、シーズナルツリーが設置されています。
シーズナルツリーは季節に応じて、例えば春は桜の木などになるという。四季を感じられる仕組み。
アスクルのオフィスは11階と12階に分かれています。
この11階は、フロア中央に立ち話や議論のためのコミュニケーションを重視したゾーンが設けられ、そこを奥に進んでいくと、集中して作業ができる静かなゾーンに続いています。
森のエントランスをまっすぐ抜けていくと、ロハコの環境配慮型商品、サプライヤーとの共創商品などの展示ゾーンが設けられていました。
立ち話もできる「クロッシング」。周りには打ち合わせ用のファミレス席が。
今回のリニューアルのテーマは「ASKUL CROSSING」。
「リアルでもオンラインでも集い、結びつくことができる仕事場」が目指されています。 この「Crossing」という場所は、カフェ風のハイカウンターでコーヒー片手に立ち話をしたり、ファミレス席で打ち合わせたり、多様なコミュニケーションのニーズを満たすゾーンです。
コミュニケーションを活性化する工夫は、例えば「Zoom rooms(Online to offline)」というゾーンにも見られます。ラウンドソファに座った出社したメンバーと、画面の中にいるオンライン参加者が、お互い一緒にいるように感じられる配置がなされているのです(くわしくは「コンセプト編」をお読みください)。
ZoomRoomsの機能を使ってダブルモニターになっている。
リラックスしながら打ち合わせができるスペース。知的な空間でアイデアも浮かびそうだ。
通路を挟んで集中用の「Quiet」スペースが並ぶ。
さらに進んで、集中作業用のゾーンに入ります。
半密閉ルームと完全個室ルームがあり、静かにひとりで集中して作業できるようになっています。密閉性の高いテレカンポッドはWeb会議にも最適です。
このゾーンでは奥に行けば行くほど静かな集中用スペースになっていました。
窓際にも採光の良い集中スペースが。ひと段落したときに豊洲の景色を一望できる
従業員の働き方としては、11階または12階のそれぞれのホームゾーンで好きな席に座り(フリーアドレス)、WEB会議の際にはテレカンポッドに入ったり、集中作業をしたいときには半密閉ルームなどを利用します。もちろん、ちょっとした打ち合わせならホームゾーンでも可能です。
眺望抜群のカフェスペース
こちらはもともと食堂として使われていたスペース。「仲間と集うオアシス」というコンセプトで、テレワークで顔を合わせる機会が減った仲間とリラックスできるスペースにリニューアルし、座席の間隔なども広げたそうです。窓の外の眺望が開放的で素晴らしいですね。
11階と12階は、エレベーターホールまで出なくても、オフィス内の中階段で行き来できるようになっています。中階段を用いたコミュニケーションの活性化にはこだわりがあり、このビルに移転する前の旧本社でも中階段を採用していたそうです。
階段踊り場から。
階段室から出ると、ウィズコロナの「新しい働き方」を提案するアスクルの家具のショールームが広がっていました。
オフィスづくりのヒントが見つけられそうな家具ショールーム。
デスクなどの定番商品からカタログ掲載の全チェア、フリーアドレスのためのデスクやモバイルロッカー、ファミレス席ソファなどの打ち合わせコーナー用家具などが展示されています。
こちらは午前9時~午後5時30分まで解放されており、電話での予約をすれば自由に見学できます(詳しくは下記のリンクより)。
東京豊洲 家具ショールームのご紹介
https://www.askul.co.jp/f/services/furniture/showroom/
展示商品リスト https://www.askul.co.jp/sf/kagu_showroom/00/0/
歩き疲れたらひと休みできるゾーンも。ショールーム来場者との商談もここで。
12階の執務席はバックオフィス系部門が多く配置されています。リニューアルにあたって一部の組織は11階に移動し、空いたところにマルチスペースが設けられています。窓際の見晴らしのいい場所にはリクライニングのソファもありました。
導入が増えている「ABW」では、好きな場所で働く従業員がしばしば「行方不明」になることも。このオフィスでは、オフィス位置情報アプリ「Beacapp Here」(株式会社ビーキャップ)を導入し、各エリアに設置されたビーコン端末によって、会社が貸与したスマートフォンを所持する従業員の位置情報をオフィスマップに表示しています。この情報は各人のスマホアプリでも表示可能で、探している人を見つけたら、タップして直接電話もできます。出社メンバーのリアルなコミュニケーション促進、オフィスの「密」状況の回避および有効利用促進ツールとして役立っています。
各ブースの情報を一覧できるモニター。
最後に、12階フロアの一角を占めているのはコールセンターでした。
こちらはセキュリティ上の理由で中には入れませんでしたが、外にはロハコの商品がきれいに整理されていました。問い合わせを受けて商品の実物をすぐに確認できるようになっているとのことです。
コールセンターのオペレーターは人数も多く、出社率も高いという課題がありました。席数もかなり多かったそうですが、防疫対策を徹底してデスクを550席入れ替えて席間のディスタンスも確保したそうです。
※
駆け足ではありますが、以上でリニューアルしたアスクルのオフィスをひとまわり見ていただきました。
続く「コンセプト編」では、今回のリニューアルプロジェクトをどのように実現していったかを、仕事場改革を担当されている人事総務本部のプロジェクトリーダーに伺っていきます。
ぜひあわせてお読みください。
アスクル流オフィスリニューアル! リアルとオンラインがシームレスに働く仕事場へ[コンセプト編]
編集・文:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2021年9月27日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
こちらからご確認ください。