今回は、インテリアデザインと施工を手掛ける株式会社コスモスモアの本社オフィス(東京 港区)を取材してきました。
株式会社コスモスモアは大和ハウスグループのグループ会社で、株式会社コスモスイニシアの100%子会社です。リクルートグループの工事管理事業を独立する形で1990年に設立され、以来「満足を超える感動を」をモットーに、オフィス、商業施設、マンションギャラリー、住宅の設計・施工など幅広い分野で空間づくりを手掛けています。
同社の現在の本社オフィスは、2013年3月に一期工事を行い移転オープンしたことから始まります。その後、事業成長に伴う増員によって手狭になったため、2017年4月に二期工事を行い、増床していて、現在は1335平方メートル(404坪)に、約180名が働いています。
商業施設やオフィスデザインを手掛ける同社のオフィスは、社員の働き方に合わせてさまざまな工夫が施されていると聞き、いったいどのようなオフィスが出来上がっているのか期待しながら、取材に向かいました。
移転の経緯や、オフィスフロアの作り方などについて、同社デザイン設計部 グローバルデザイン&マネジメント課 課長 武田 透 さん、同課 佐藤 瑠美子さん、同課 望月 蘭さん、同社ファシリティ事業部 ファシリティ2課 課長 中村 正典さん、同社デザイン設計部 デザイン設計1課 武田 健太郎さん、の皆様にお話を伺うことができました。
では、さっそく株式会社コスモスモアのオフィスを紹介して行きます!
同社のオフィスは、最寄駅が都営三田線「三田駅」になります。三田駅A5出口直結なので、雨の日も濡れずに済むアクセスの良さです。また、JR田町駅からも徒歩3分の距離なので、駅からの近さも通勤には嬉しいですよね。
建物の6階へエレベーターで上がると、同社のエントランスが見えてきます。
こちらが受付。
印象的な2つのペンダントライトは、パテラ(*1)。
奥に見えるかわいらしいデザインのチェアは、スワン(*2)。
*1) 「パテラ (Patera)」
デンマークの照明ブランド「ルイス・ポールセン(Louis Poulsen) 」から発売されているペンダントライト。デザイナーは、オイヴィン・スラート (Oivind Alexander Slaatto)。フィボナッチ数列にもとづく螺旋のパターンは見る角度によって様々な表情を見せる。
*2) 「スワン (SWAN)」
デンマークの家具ブランド「フリッツ・ハンセン (REPUBLIC OF Fritz Hansen)」から発売されているラウンジチェア。デザイナーは、アルネ・ヤコブセン (Arne Jacobsen)。1958年にSASロイヤルホテルのためにデザインされたチェアで、すべて曲線のみで構成されている特徴を持つ。
柔らかい印象を与える雰囲気のある受付は、商業施設も多く手がける同社ならでは。
カウンターにある電話で担当を呼びだす仕組みです。
ではオフィス内に入ります!
エントランスから入ると、まず目前に広がるのが、ラウンジスペース。
こちらは予約不要で、簡単な打合せに使用することが多いようです。
こちらにはステージにもなる小上がり。
ラウンジスペース全体は、音響施設やプロジェクターもありイベントスペースとしても使えるように作られています。その場合、こちらがステージとして使える仕掛けとのこと。
ステージ上にはソファセットが。こちらで電話をしている人も多いとか。
ステージの手前はクッションシートになっています。
ある種、洋風の小上がりのように使えユニークな一角に。ファブリック感が不思議と面白いですね。
こちらはベンチシートにテーブル席。少人数で打ち合わせしたり、気分を変えて独り仕事をしたりできるようになっています。
こちらのラウンジスペースは従来のオフィスらしからぬ、レジデンスライクな魅力的なデザインになっています。その狙いを尋ねました。
もともと2014年の一期工事のときは、フリーアドレスやグループアドレスといった最新のワークスタイルを取り入れたオフィスの考え方をライブオフィスとして見せようと思い作りました。
その後3年ほど経つと事業の拡大に伴い、より多くの企業から弊社オフィスにお客様が訪れるようになりました。もともと手掛けていた住宅のマンションギャラリーやオフィスのほかに商業施設など多種多様な案件を手掛けるようになり、オフィス然としたものをお見せするよりは、現在私たちが手掛けていることを感じていただけるオフィスにしよう、という思いでデザインしました。ホテルらしさやレジデンスっぽさを狙い、余裕のある空間づくりを心掛けました。
特に、一期工事で仕上げたオフィス部分についてはテクスチャーや素材感を打ち出していないのですが、そこがかえってお客さまにとっては親近感がわくようです。二期工事の増床部分については、素材や空間の魅力も見ていただけたら、と考えてデザインしています。今は、お客様の側もオフィスとしての機能だけじゃなくて、素材感や、光の感じも大事にされるクライアントが増えてきたので、オフィスもプレゼンテーションの一部として捉えています。
(同社デザイン設計部 グローバルデザイン&マネジメント課 課長 武田 透さん)
確かに、最新のオフィスでは、従来のオフィスっぽくない、素材感を重視した内装で、レジデンスライクな雰囲気のあるオフィスも増えています。まさにそうしたトレンドに沿った作りと言えますね!
こちらはラウンジエリアに面した会議室。
印象的なペンダント照明、天井の板張り、深紅のビロードのカーテンがシックな雰囲気を漂わせています。
ラウンジスペースの端には、個室のスタディルームが並んでいます。
中を撮影。スタディルームは、最大2名まで入れる個室で、使われ方を伺うと、次の3通りで使われているとのこと。
スタディルームの3通りの使い方 |
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・建築系の会社として資格取得を推奨しており学習室として ・独りで仕事を集中して行う集中スペースとして ・社員とマネージャーとの1対1の面談スペースとして |
スタディルームの利用は予約制ですが、日中はあまり混んでいないとのこと。集中して仕事に取り組んだり、資格取得の勉強部屋に使える場所が社内にあるというのは魅力的ですね。
では、スタディルームの前を抜けて、一期工事で作られているオフィスエリアに向かいます!
こちらを通り抜けると執務エリア。
通路横の棚には、グッドデザイン賞を始め、数々の受賞楯が飾られています。
通路右側には会議室が並んでいます。
会議室には世界各地の都市の名前がつけられており、各都市の特徴が図案化されています。
こちらはチェコの首都 プラハ(Praha)。
会議室には大型モニター設置、壁は全面ホワイトボードになっています。
部屋の隅にはハイレゾの自然音が流れるサウンドマスキング装置も設置されています。
そして、オフィス内には「社内バー」が!
オフィスの社員入口近くにある社内バースペース。
バーカウンターとソファ席があり、社員入口近くにあるため、社員の皆さんが何かと立ち寄る場所になっています。出先から戻ったときにタッチダウン席として利用したり、お昼時にはここでランチしたり、と多目的スペースとして活用されています。
こちらにはソファ席。
ノートPCに接続できるようモニターも設置されており、ちょっとした打ち合わせにもよく使われているそうです。
バーカウンターを正面から。
本格的なバーカウンターの作りになっているので、気分を変えてこちらで仕事をしていると、他部署の上長が気軽に話しかけてきたり、立ち寄った仲間と話が盛り上がったりなど、まさに社内バーとして機能しているそうです。夜は何人かが集まって自然と飲み会になることもあるとか。
社内バースペースの5つの機能 |
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・ランチや休憩などのスペースとして ・出先から戻ったときのタッチダウンスペースとして ・思い立ったらすぐ使える打合せ場所として ・気分を変えて独り仕事をする場所として ・気軽なコミュニケーションスポットとして |
社内バースペースの先には執務エリアが広がっています。
「働き方に合わせた独自のワークプレイスづくり! 空間デザイン・施工を手掛ける株式会社コスモスモアの本社オフィス訪問 【後編】(オフィス訪問[2])」
大和ハウスグループ、株式会社コスモスイニシアの100%子会社で、リクルートグループの工事管理事業を独立する形で1990年に設立された。以来、オフィス、商業施設、マンションギャラリー、住宅の設計・施工など幅広く空間デザイン、施工を手掛けている。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2017年7月14日
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