ペーパーレス化が進み、紙資料はずいぶん減ったのが現在のオフィスだが、まだ紙資料を必要とする仕事もある。デジタル化でも残る紙資料をどう整理すればよいのだろうか。
仕事柄、資料が多そうな仕事ということで、企業のオフィスデザインなどの空間デザインを手掛ける株式会社デザインユニット代表 小泉さん の仕事場を訪ねた。
約30平米のデザインオフィスが仕事場で、壁面いっぱいの収納棚が作られている。空間デザインの設計はpc上で行うものの、どうしても紙で残る参考資料や
建材カタログを棚に収納している。
壁面収納の前にある、一見シンプルな丸テーブル。こちらはテーブル面の高さを変えられる上下昇降テーブルになっている。最近は上下昇降テーブルをよく見かけるようになったが、その前から使われていたもので、最大高さ100cmまで上げると、スタンディングテーブルに変化する。
資料を何冊か取り出して内容を比較検討したいとき、デスクまで持っていって見るのは、デスクと書棚の往復が無駄だ。テーブルだと座らないと見づらいが、頻繁に座ったり立ち上がったりするのはつらい。
そこでスタンディングテーブルを書棚前に置くと、資料を立ったまま、いくつか取り出して広げて読むことができるので、検討作業がとてもやりやすくなる。
上の写真は実際に小泉さんに資料を棚から取り出してもらったところを、スローシャッターで撮影したものだ(わかりやすくするために複数のショットを合成している)。資料を取り出して読む動作が最小になっていることがわかる。
書棚前にスタンディングテーブルを使うことで、立ったままで資料を並べて読むことができるので、仕事がとてもはかどるのだ。とはいえ、熟読するときは座って読みたい。そういうときは、普通の高さまでテーブルを下げて読むことができる。もちろん、普段はミーティング用のテーブルとしても使える。使い回しが効いて、省スペースなので、これは便利だ。
記事に登場の上下昇降できる丸テーブルはこちらの商品
ラ・パルマ ブリオ (lapalma BRIO )
製造: ラパルマ社 (lapalma)
デザイナー: ロマーノ・マルカート (Romano Marcato)
発表年: 2001年
※ 上下昇降タイプだけでなく、固定高さのものもあります。
「みんなの仕事場」調べ
向かって左側の棚が、IKEAのモジュール式収納(IKEA PS 2014)。1モジュールが60×30x35cmの大きさで モジュールの向きを変えて組み合わせることができるユニークなもの。
右側の棚(写真正面)は、一般的なオフィス用スチール書庫をアスクルで購入したもの(調べたところ現在は販売しておらず)。大きさは幅90cm 高さ185cm 奥行40cmが3点。棚の扉にグレー色のフィルムを貼る程度のアレンジのみでほぼ購入したときのまま。
どちらもリーズナブルなプライスの棚が、空間デザイナーの手にかかると、とってもすっきりとかっこよく収まるのを見ると、収納ってデザインセンスだなあと実感する。
そのポイントをピックアップしたので読者の参考に。
これだけでずいぶんかっこよくなるハズだ。
壁面収納はシンプルですっきりしていながら収納力があり、書棚前の上下昇降テーブルは資料探しがやりやすい機能的なアイディアで、まさに空間デザイナーの仕事場だ。
DESIGN UNITS Inc. | 株式会社デザインユニット
オフィス空間、商空間の空間デザインを手掛ける。
空間デザインで心がけていること
「デザインの引き出しを常に多く持つようにして、クライアントのニーズを魅力的なものに変換して提案することを心がけています。」(代表 小泉さん)
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2016年10月12日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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