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経営者に聞く!

自分が欲しい女性向けライフスタイルメディアを実現!ミーハーに生き、アイデアを活かす"適想適所"の起業とは?〜アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲氏インタビュー〜

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏



働き方改革の一環で、ビジネスパーソンの起業への関心が高まっています。いきなり会社を辞めるのではなく、勤めながら副業の形で起業したいと考える人も少なくないようです。OLをしながら食のメディアを立ち上げ、独立して女性向けライフスタイルメディアを運営するアイランド株式会社の代表となった粟飯原理咲氏。ビジネスアイデアを見つけるコツ、事業立ち上げのエピソード、起業家に必要なことなどを伺いました。



■女性向けライフスタイルを提案する3サイトで、月間2600万PV超え!


――アイランド株式会社について教えてください。


アイランドの主な事業内容は、女性向けライフスタイルメディアの運営で、設立と同時に立ち上げたのが、日本最大級のお取り寄せの情報ポータルサイト「おとりよせネット」です。その後、料理ブログのポータルサイト「レシピブログ」、朝のライフスタイルマガジン「朝時間.jp」と続けて立ち上げました。このメインの3つを合わせて、月間2600万PV超になります。



――「お取り寄せ」という言葉をWEB上に広めたのは、おとりよせネットだそうですね。


そもそもは、「おいしいお取り寄せグルメの口コミが集まるサイトを作りたい」というアイデアから始まりました。当時勤めていた会社でオンラインショッピングの開発事業に関わったり、個人的に食べ歩きのサイトを運営したりしていたときに、「お取り寄せ」という分野が伸びるのではないかという気がしたのです。


立ち上げ当時の2003年は、まだ、「お取り寄せ」という言葉も普及していませんでした。「食品通販」とか「ネットショッピング」という言葉より、「お取り寄せ」という言葉の方が特別感や生活を豊かにしてくれるイメージがありますし、女性のライフスタイルに入りやすい言葉の響きだと思いました。「おとりよせネット」のユーザーは女性が9割で、30〜40代のダブルインカムで収入に少し余裕がある人たちが中心です。



――続いて、2005年に立ち上げたのが「レシピブログ」。


これは「料理ブログのポータルサイト」というコンセプトで作りました。私自身、料理ブログを読むのが好きだったのですが、前年の2004年がブログ元年と言われていて、当時のブログは、まずヤフー、アメーバ、Gooなどのポータルサイトにアクセスしなければなりませんでした。そこで、料理ブログの情報が一か所にまとまっていれば便利なんじゃないかと思いました。そんなサービスがなかったので、自分たちで始めることにしました。自分が欲しいものを作った感じですね。



――それにくらべると、次の「朝時間.jp」はコンセプチュアルなサイトですね。


「朝時間.jp」のスタートは2006年でした。1日の始まりである朝を楽しく過ごせると毎日が楽しくなるんじゃないか、という発想から生まれました。当時は「ロハス」という言葉が流行っていて、もっと心地よく毎日を生きようというブームでした。その後にリーマンショックがあり、自立して自分をマネジメントしようという空気感が生まれた。そこで、前向きに生きたい人に新しいライフスタイルを提案したいと思って立ち上げたものです。



――その後、「フーディストナビ」「クッキングラム」を立ち上げ、イベントスペースもオープンしています。


「レシピブログ」から、数百万部のベストセラーを出す人気料理ブロガーさんが誕生したり、レシピ開発などの依頼が企業から来るようになりました。そこで、ソーシャルメディアに強い料理家さんと企業をつなぐというコンセプトで2016年に始めたのが「フーディストナビ」です。


イベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」は2012年にオープンしました。以前から、食や暮らしに関連するサービスを提供する会社として、キッチンを中心にユーザーが集まれる場を作りたいと思っていました。Webメディアというのはユーザーと直接お会いする機会がなかなかありませんが、ここでキッチンイベントなどを行うことで、私たちもより身近にユーザーを感じることができます。


「クッキングラム」のスタートは2015年です。インスタグラムで料理について発信している方々をクッキングラマーと名づけて、今、1万人ほどの皆さんが参加しています。月間総リーチが3億を超える日本最大級の料理インスタグラムコミュニティとして、運営3年目に入りました。



■新規事業の立ち上げは「適想適所」で!

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏



――会社を設立するまでは、普通にOLだったのですよね。


キャリアとしては、NTTとリクルートで新規事業開発に携わっていましたが、自分自身があったらいいと思う事業、自分が欲しいサービスを開発したいという気持ちがどんどん強くなっていきました。


リクルートにいたときには、インターネット上で寄せ書きができる「よせがきコム」というサービスサイトを仲間5人で資金を出し合って作ったり、NTT時代には、OL仲間5人で週1回、「OL美食特捜隊」という食べ歩きメルマガを発行していたこともあります。このメルマガは読者が3万人ほどいて、書籍化されてAmazonランキングで1位になりました。そんな具体に、思いついたことを仲間と一緒に実現して楽しんでいたんです。



――副業が起業に発展していったのですね。


たしかに「OL美食特捜隊」の仲間5人のうち4人が独立していますね。リクルートも自由な社風で、会社経営であれば副業を認めるという規定があったと思います。私自身もまだ20代で、やりたいことがいっぱいあって、自分が好きなことに夢中になっていたから、OLをしながら会社経営できたんだと思います。ただ、会社で新規事業に関わって感じていたのは、事業は適材適所ではなく、「適想適所」だということです。



――初めて聞く言葉です。


NTTやリクルートの新規事業開発部署にいた頃は、つねに新しいアイデアを考え、プレゼンすることを求められました。当時部署でよく言われていたのは、「それはNTTでやる必要があるのか?」ということです。「それは化粧品会社でやるべきことなのでは?」「個人レベルならいいけど、リクルートのスケールでやることではないのでは?」などと言われました。アイデアの規模や業種、種類などによって、それを実現するには、ふさわしい場所というものがある。逆に言うと、その場所で実現しなければせっかくのアイデア、発想自体も活きないわけです。そういうことに気づいて、会社で事業化することがしっくりするものは会社として行い、「OL美食特捜隊」のような個人で行うことに向いているものは個人で、と自分の中で差別化して、プロジェクトを進めるようになりました。



■立ち上げ当時はオフィスがなかった

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏



――自分の実現したいプロジェクトに適した場所として、アイランドを立ち上げたわけですね。


資金は十分ではありませんでした。オフィスを借りるのがもったいなくて、創業メンバーの自宅やファミレス、ファストフードなどで会議をしていました。コピーはコンビニ、FAXはキンコーズから送っていました。会社に勤めていた時には当たり前のように使っていたそういうインフラが、起業すると一から準備しなければいけないと気づきました。総務、経理といった様々な部署が会社に必要な理由も、体験として理解できましたね。


人を雇う余裕もありませんでした。自分に給与を払うよりも、会社の口座にお金を残すことを優先していましたし。個人的な買い物をするぐらいなら、そのお金をユーザーへのプレゼント商品を買うことに回したかった。当時はかなり切りつめた生活を送っていましたが、それもまた楽しかったですね。



――業務は全部一人で?


最初に立ち上げた「おとりよせネット」の制作は、友人たちがボランティアでライティングやデザインなどを担当してくれました。勤めていた会社の同僚、一緒に「OL美食特捜隊」をやっていた人など、20代に知り合った人たちにすごく助けられて、これはもうひたすら感謝しました。立ち上げから15年経った今でも、何かと助けてもらっています。もちろん今ではギャラも払えるようになりましたが。その後は大きなトラブルにも巻き込まれず、現在30人の社員が働いています。



――順調に成長していますね。


ゆっくり成長してきた感じです。急成長してひずみが起こることもなく、身の丈にあった成長をしてきた分、金銭トラブルに遭うことなくやってこられたのかもしれません。じつは私の父も事業をしていて、中高校生の頃は手伝いをしていました。バブル時期には金銭トラブルもありましたから、リスクの気配がわかるようになったのかもしれません。



――お父様は何の事業を?


大阪で、グラフィック・デザイナーの個人事務所を経営していました。子どもの頃から父の働く姿を見ていた経験が、自分が起業してからも役に立っています。一匹狼だった父の仕事は過酷でしたから、自分は仲間と仕事をしたいという気持ちがありました。「アイランド」という社名には「創造の宝島」という意味をこめているのですが、もともとは父が屋号として使っていたものです。その屋号を受け継いで、資本を足し、東京で新しい会社としてスタートしました。



好きなことを追求する。人から刺激を受ける。ミーハーに生きる!

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏



――成功できた理由はどこにあると思いますか。


アイランドの強みは、ニッチな領域で、他にはないサービスを提供しているところです。たとえば「おとりよせネット」の場合ですが、食品EC業界には、ヤフーや楽天のようなモールか、モノを売るショップの2種類のプレーヤーしかいませんでした。「おとりよせネット」は、そのどちらでもなく、おとりおよせをテーマにしながら、一切商品を売っていない口コミサイトという立ち位置です。そういうサイトは他にありませんから、オリジナルな立ち位置で、ニッチな領域をつきつめているから、多くのユーザーに受け入れられたのだと思います。



――ビジネスを拡大する方向には、あえて進まなかった。


一見、売上につながらないと思われることをやれるのも、私たちの強みかもしれません。「おとりよせネット」でも、自分たちでモノを売った方が事業規模は大きくなりますが、あえてそこはやらない。なぜなら、もともとおいしいものを紹介するのが好きで、発掘・発見に徹するということがベースにあったからです。


「朝時間.jp」などは、事業を大きくしたい企業にとってはニッチなテーマですよね。自分たちが好きで追求したいことのオリジナルマーケットを見つけ出すことが強み、とも言えるかもしれません。



――アイデアや新しいマーケットを見つけ出すコツは?


私は外山滋比古氏の『乱談のセレンディピティ』という本が好きで、その本に書かれていることが自分のやっていることに近いと感じています。自分とは異なる専門分野の人と知的な雑談をしていて、ふと思いついたアイデアこそが本質的なものである、ということが書かれているのですが、私も、自分とは遠いジャンルの人や視点の異なる人となるべく会って、喋って、そこから気づきをもらってアイデアにしていくのが得意なタイプなんです。面白い話を聞いて脳が興奮して、その後、帰り道で良いアイデアが急に浮かんだりする。人から刺激をもらうこと、ミーハーに生きることが、私にとっては大事ですね。



――"ミーハー"というのは、好奇心旺盛に流行を追うことを大切にすること?


はい、「OL美食特捜隊」の仲間5人に共通していたのは、みんなミーハーだけど論理的だったという点です。ミーハーであることは起業家に必要な資質かもしれません。



■「明かりを灯している」という感覚

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏



――今、働き方改革によって、起業を考えているビジネスパーソンも多いと思います。起業に向いているのはどんなタイプの人でしょう?


「失敗しても、その中から光を見出せる人」ではないでしょうか。自分も含めて、人は日々いろいろな失敗をしますが、繊細すぎる人だと、そこでくじけたり立ち直れなくなったりしてしまいます。ところが、そんなときに失敗の中にヒントを見出し、そこに光を当て、未来を見る人がいます。そういう人が成功するのだと思います。


たとえば、大学1年の秋、父の大反対を押しきってタイに旅行に行ったら、仕送りを止められて、自分で生活費を稼がなければならなくなったことがありました。家庭教師、選挙のウグイス嬢、スーパーレジなど20種類以上のアルバイトを体験しましたが、その結果、自分に向いている職種がわかり、またお金を稼ぐことの大変さも理解できました。海外旅行に行ったために仕送りを止められるという「理不尽」も味わえました(笑)。その後、バイトと就活を両立するのはきついから、仕送りを再開してほしいと頼んだら、なんと父は仕送りを止めていたことを忘れていたんですよ。さらなる「理不尽」を体験しました(笑)。 この体験は失敗ではありませんが、失敗ではなく理不尽なことに出会っても、すべてのことはプラスに変えていけると思えると強い。私はそれに早く気づくことができてよかったと思っています。



――プラス志向ということですね。


あと、起業して経営を続けていくためには、抽象的な言い方ですが、自分の中にいつも「明かりを灯している」という感覚が大切だと思います。情熱が"炎"になりすぎると、燃え尽きてしまって続きません。"明かり"というのは、信念のようなもので、事業をやる理由や意義を、絶えず明かりのように灯しながら仕事をするというイメージです。



――最後に、粟飯原さんのモットーは?


「地に足のついたミーハーでいること」です。何を持っているか(having)、何をやっているか(doing)ということよりも、どうあるか(being)を大事にした生き方をしたいんです。いつもユーザーたちと触れ合えている状態であること。私たちのサービスが社会に貢献していると思える状態であること。新しいことを思いついたとき、相談して一緒にやれる仲間がいる状態であること。組織、チーム、個人において、いつもそういう状態であり続けることがモットーです。


人に体調があるように、会社にも"体調"があります。絶好調のときもあれば、風邪をひいたり、悩むこともあったりしますが、どんな局面でも、つねにより良いあり方を模索していきたいです。




■お気に入りの記事はこれ!


――アスクル みんなの仕事」でお気に入りの記事を教えてください。


働き方改革と業績向上をしっかり両立している事例として、ランクアップ代表取締役 岩崎裕美子さんの記事が勉強になりました!


社員がほぼ17時に退社する100億円企業!元ハードワーク女性社長が挑む「超ホワイト環境」とは? ~株式会社ランクアップ代表取締役 岩崎裕美子氏インタビュー~



アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏

アイランド株式会社 代表取締役 粟飯原 理咲(あいはら りさ)氏








朗らかでインタビュー中も始終にこやかだった粟飯原さん。会った人には、「エネルギッシュな人かと思ったら、意外と普通ですね」「起業家らしくない」などと言われるとのこと。自分が興味のあることを軽やかに追求しながら楽しそうにビジネスしている印象ですが、苦労知らずで「運がいい」と思われる反面、苦労している姿を人に見せたり、弱音を吐いたりするのが苦手という強さも感じました。これからもミーハー精神と持ち前のプラス志向、ユニークな発想力を武器に、ユーザーが求めるサービスをどんどん世に送り出していかれることを期待します。







プロフィール


粟飯原 理咲(あいはらりさ)

1974年大阪府生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。NTTコミュニケーションズ株式会社先端ビジネス開発センター、株式会社リクルート次世代事業開発室・事業統括マネジメント室勤務、総合情報サイト「All About」マーケティングプランナーを経て、2003年7月よりアイランド株式会社代表取締役。「おとりよせネット」、「レシピブログ」、「朝時間.jp」などを立ち上げ、運営を手掛ける。2012年、イベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」をオープン。

アイランド株式会社(コーポレートサイト)
おとりよせネット」(サービスサイト)









編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2018年12月18日




         

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