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時間と場所をこだわらない働き方へ、クラウドセキュリティサービス「HDE One」の本社オフィス訪問【後編】 (株式会社HDE オフィス訪問[2])

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時間と場所をこだわらない働き方へ、クラウドセキュリティサービス「HDE One」の本社オフィス訪問【後編】 (株式会社HDE オフィス訪問[2])

(株式会社HDE 5階フロア)


※前後編記事 前編はこちら「時間と場所をこだわらない働き方へ、クラウドセキュリティサービス「HDE One」の本社オフィス訪問【前編】 (株式会社HDE オフィス訪問[1])」。同社の執務チェアを集めた椅子コレ記事はこちら



時間と場所をこだわらない働き方へ、クラウドセキュリティサービス「HDE One」の本社オフィス訪問【前編】 (株式会社HDE オフィス訪問[1])」からの続き。


後編では、増床後、コラボレーションなどのエリアにリニューアルした5階フロアを紹介して行きたい。



■5階の執務フロア

5階の執務フロアは、増床後、2017年5月にリニューアルオープンしたエリアで、全体がフリーアドレスのラウンジとして使えるよう明るく広々としたフロア設計になっており、コラボレーションエリア、IoTラボ、ノマディックエリアという3つのゾーンが作られている。


写真のエリアは大きなテーブルカウンター
みんなで集まって実験したり、話したりしているところ。



■コラボレーションスペース全景

広々とした明るいフローリングに、スチールケース(Steelcase)社のビー・フリー・ラウンジ(B Free Lounge)のソファが点在する。こちらにやってきて、思い思いに腰かけて打ち合わせしたり、仕事をしたりする環境になっている。

広々とした明るいフローリングに、スチールケース(Steelcase)社のビー・フリー・ラウンジ(B Free Lounge)のソファが点在する。


こちらにやってきて、思い思いに腰かけて打ち合わせしたり、仕事をしたりする環境になっている。


コラボレーションスペース奥から。こちらは3~4人席のテーブルが点在するゾーン。

コラボレーションスペース奥から。
こちらは3~4人席のテーブルが点在するゾーン。


異形天板のテーブルで、真正面から向き合わず、くだけた感じで話せるつくり。

異形天板のテーブルで、真正面から向き合わず、くだけた感じで話せるつくり。


冒頭のカウンターは、飲料コーナー前にある大テーブルで、交流が盛ん。

冒頭のカウンターは、飲料コーナー前にある大テーブルで、交流が盛ん。


こちらは、先ほどのところよりも、もう少ししっかりと話ができるよう、長方形のテーブルが並ぶゾーン。

こちらは、先ほどのところよりも、もう少ししっかりと話ができるよう、長方形のテーブルが並ぶゾーン


フロアを仕切るのは、草のオリジナルパーティション。キャスター付きで移動可能。フロアのオープンさは失わず、座っている人の視線を少し遮るように作られている。

フロアを仕切るのは、草のオリジナルパーティション。キャスター付きで移動可能。フロアのオープンさは失わず、座っている人の視線を少し遮るように作られている。


窓際には集中ブースが設置。

窓際には集中ブースが設置。


集中ブースはこのようになっていて、このラウンジ内で、独り集中できるように設置されている。スチールケース社 ブロディ・ワークラウンジ (Brody WorkLounge)。

集中ブースはこのようになっていて、このラウンジ内で、独り集中できるように設置されている。スチールケース(Steelcase)社 ブロディ・ワークラウンジ (Brody WorkLounge)


こちらの窓際には、セミクローズドな打ち合わせができるよう、ファミレススペースが設置されている。

こちらの窓際には、セミクローズドな打ち合わせができるよう、ファミレススペースが設置されている。


柱のデッドスペースを活かして設置されていて省スペースでもある。

柱のデッドスペースを活かして設置されていて省スペースでもある。



■IoTラボ

このフロアにはIoTの実験や研究をするラボも設置。中ではラボメンバーが活動中。

柱このフロアにはIoTの実験や研究をするラボも設置。中ではラボメンバーが活動中。



■コミュニケーションの使い分けができるフロア内のゾーニング

フロア自体は大変オープンで、明るく、コミュニケーションが盛んになるよう作られている。興味深いのは、だんだん奥に入るにしたがって、きちんとしたタイプの打ち合わせやコミュニケーションが作られている点。


オーブンな中でゾーニングがあり、気楽な打ち合わせはハイカウンターや異形天板のテーブルで行い、もう少ししっかり打ち合わせするのはフロア奥の打ち合わせスペースや、ファミレススペースへと使い分けができるように作られている。その間を仕切るのは、オリジナルの草のパーティションという風に、壁ではなくグリーンだ。


他方、コミュニケーションが中心のコラボレーションスペースに対して、静かに仕事に集中したいこともある。それに対応して、次のスペースが同じフロア内に作られている



■ノマディックエリア

ガラスから見える先がノマディックエリア。コラボレーションエリアとはガラスで仕切られている。

ガラスから見える先がノマディックエリア
コラボレーションエリアとはガラスで仕切られている。


中に入ってみよう。


ノマディックエリア全景。

ノマディックエリア全景。


こちらは静かに仕事をするエリア。照明も暖色系で雰囲気が変えてある。


壁際はカフェのソファのような小テーブル席が並ぶ。

壁際はカフェのソファのような小テーブル席が並ぶ。


中央付近は丸テーブル。こちらはミーティングというよりも、カフェ風に仕事をするように作られている。電源が4人分確保。椅子はヴィトラ社のティップトン。

中央付近は丸テーブル。こちらはミーティングというよりも、カフェ風に仕事をするように作られている。電源が4人分確保。椅子はヴィトラ(Vitra)社 ティップトン(Tip ton)


こちらにはテーブルタイプの座席も。

こちらにはテーブルタイプの座席も。


壁際には集中ブースを設置。

壁際には集中ブースを設置。


中はこんな感じで個室感がある。

中はこんな感じで個室感がある。


奥のエリアはモニター完備の執務スペースが作られている。フリーアドレスなので、こちらにやってきて仕事もできる。

奥のエリアはモニター完備の執務スペースが作られている。フリーアドレスなので、こちらにやってきて仕事もできる。


ノマディックエリアの執務用チェア。イトーキ サリダチェア YL5。

ノマディックエリアの執務用チェア。イトーキ サリダチェア YL5



以上、5階の執務エリアは、コラボレーションエリアで仲間と打ち合わせしながら仕事、ノマディックエリアで独り集中して仕事、といった形で働く場所を使い分けられるように作られている。同社の社員の場合、11階で仕事をしたり、5階に来て仕事をするなど自由にできる。



5階にはほかにも設備があるので紹介しよう。



■休憩用小部屋

こちらは長ソファにマッサージチェアがあり、昼休みなど人気のスペース。休憩だけではなく、ちなみに、大型テレビにゲーム機も設置されているので、仲間で集まってゲーム大会などしている社員の人もいるとのこと。

こちらは長ソファにマッサージチェアがあり、昼休みなど人気のスペース。
休憩だけではなく、ちなみに、大型テレビにゲーム機も設置されているので、仲間で集まってゲーム大会などしている社員の人もいるとのこと。



■会議室

こちらは、5階にある、とっても和な会議室。

こちらは、5階にある、とっても和な会議室。


その中の一室。本格的な和室だ。こちらは、以前こちらのフロアに入居されていたあるインターネット系の会社の会議室を、せっかくなのでリニューアル時にもそのまま残して利用されているとのこと。

その中の一室。本格的な和室だ。


こちらは、以前こちらのフロアに入居されていたあるインターネット系の会社の会議室を、せっかくなのでリニューアル時にもそのまま残して利用されているとのこと。





■オフィスの段階的な進化

以上、同社のオフィスを見て回ってきたがいかがだったろうか。


ハード面でも魅力的な空間づくりをされているが、ワークスタイルは、運用面もポイントになる。どのような経緯を経て今の形に至ったのだろうか。


同社のオフィスは初めからフリーアドレスではなく、段階的に変化を遂げている。もともとは固定席制を採用していたのを、昨年2016年8月に、11階のメインとなるオフィスをフリーアドレス化し、収納面もキャビネット全廃へと進めた。その約1年後、今年2017年5月には、5階(2016年に増床)をリニューアルし、コラボレーションエリアなどを作り、フリーアドレスをさらに進化させたフロアに変更している。


簡易的に表にまとめると以下のようになる。

2015年以前 固定席制 社員数~約130名
2016年 11階フロアのフリーアドレス化に踏み切る (5階増床)
2017年★現在★ 5階フロアのリニューアル(フリーアドレス化)
2020年(未来) 社員数250~300人想定


■急成長から「時間と場所をこだわらない働き方」へ

このようにオフィスの改造を進めているのは、同社のクラウドセキュリティサービスの急成長が背景にある。2013年には社員60名になり、当時のメインの執務フロアである11階オフィスが満席となり、10階に増床した。


その後、社員数130名へさらに増員したことを踏まえ、2020年に事業規模を2015年比で10倍、社員数250~300人、海外と国内比率5:5となることを想定し、最大300人が収容できるよう、2016年に5階フロアに空きが出たタイミングで増床した。


しかし、人員増=増床としていくことに対して、同社自身がクラウドサービスを提供し、海外進出と人財のグローバル採用など本格的なグローバル化を進めているだけに、日本の渋谷にある本社内に300人以上の席を作ることは効率が良くないのではないか?と考えるに至り、2016年にはフリーアドレス化に大きく舵を切ったオフィス作りに切り替えた。現在はまさに「時間と場所をこだわらない働き方」を目指して邁進中だ。



■空間を変えて生産性を上げる

社内の執務空間づくりでは、「2時間単位くらいでリフレッシュできるような点在できる場所を用意している」(同社高橋氏)とのこと。「息が詰まる空間で仕事をしていたら、それは仕事の本質とは違うストレスなので、空間を変えて生産性を上げることを目指して、ハイカウンターや、ソファ席などいろいろなタイプの執務環境を用意した」(同)。

社内の執務空間づくりでは、「2時間単位くらいでリフレッシュできるような点在できる場所を用意している」(同社高橋氏)とのこと。


息が詰まる空間で仕事をしていたら、それは仕事の本質とは違うストレスなので、空間を変えて生産性を上げることを目指して、ハイカウンターや、ソファ席などいろいろなタイプの執務環境を用意した」(同)。



■リモートワークの導入はマネージャーから

同社は、10~19時を標準の勤務時間とするフレックス制を採用している。リモートワークも積極的に行っている。リモートワークを推進するコツを前出の高橋氏に伺った。



リモートワークの導入は、まずはマネージャーから進めました。週1日、マネージャーが会社に来ないで仕事をする日を作りました。そうすることで、チームの仕事スタイルが変わります。また、マネージャー自身がやることで見本になります。こうした制度改革は、上からやることが大事です。


(同社 高橋氏)



■さまざまな業務でリモートワークを導入

そのようにしてリモートワークを推進した同社だが、それによってロールモデル的な社員の方も出てきている。


以下は、同社のサイト内の記事だが、シングルファーザーで育児をしながら時短かつリモートワークでセールス業務を行う方や、女性で育児をしながら在宅で総務庶務業務を行う方、台湾でセールスを行う女性の方の例が出てきている。


HDE社員の多様な働き方をご紹介しますnewwindow」(株式会社HDEサイト) 外部ページ



エンジニアに限らず、セールスや、バックオフィス(企画・総務・人事)など今まであまりリモートワークがされていなかった様々な業務でも積極的にリモートワーク導入を進めている。時短でリモートワークにすることで、従来、制約条件のために働けなかった優秀な人を採用することができるとのことだ。


HDE自体がクラウド化を推進するサービスを提供していることもあり、業務のクラウド化で、実際に導入して運用することで、何が課題になってくるのか、自社を実験場として社員が働く「場」づくりに努めている」(同社高橋氏)。



■エンジニアの残業はほぼゼロへ

現在、社員の6割が開発・エンジニアであり、4割が営業・バックオフィスになる。残業時間についても全社平均で10時間程度、エンジニアはほぼゼロという。

現在、社員の6割が開発・エンジニアであり、4割が営業・バックオフィスになる。残業時間についても全社平均で10時間程度、エンジニアはほぼゼロという。



■海外展開・グローバル人財活用

海外展開では、現在、タイに3人、台湾に4人おり、海外の現地採用は2014年から開始し、台湾、ベトナム、インドネシアなどで行っている。開発メンバーのグローバル人財活用も積極的に進めていて、優秀な人財を求め、インドネシアのトップクラスのバンドン工科大学をはじめ世界中から20名以上(社員の15%にあたる)採用するなど、社員面でもグローバル化が進んでいる。そのため、社内公式アナウンスは英語で行われており、社内でも、1人でも日本語が苦手な人がいたら英語で話すルールになっている。




■終わりに

ラウンジ、ノマディックエリア、コラボレーションエリアなど、オフィス内に様々な働き方ができる場所づくりに留まらず、クラウド化によるリモートワークの推進、グローバル人財活用といったハード・ソフト両面による同社の働き方の進化は、まさに「時間と場所をこだわらない」スタイルで、今後の私たちの働き方の一つの形を示しているように思われるオフィスだ。










取材先

株式会社HDEnewwindow

同社の主力サービスの1つである「HDE One」は、2011年に発表以来、クラウド・セキュリティ分野で市場シェアNo.1 を6年連続で獲得するなど、普及が進むクラウド時代に対応したセキュリティを提供している。



取材協力

Canuch Inc.(株式会社カヌチ)newwindow

オフィスに特化したインテリアデザインの構築を行う。
※こちらのオフィスはCanuch Incによるデザイン





編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2017年7月7日




アスクル商品情報のスタイル

  • 腰への負担を軽減するランバーサポート付き。背は通気性の良いメッシュ素材。背・座が連動して可動するシンクロロッキング機構で、自然なリクライニングができます。フローリングなどに適したウレタンキャスター。

    イトーキ サリダチェア

    腰への負担を軽減するランバーサポート付き。背は通気性の良いメッシュ素材。背・座が連動して可動するシンクロロッキング機構で、自然なリクライニングができます。フローリングなどに適したウレタンキャスター。

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2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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