今回は、株式会社LIGの新オフィスに行ってきました。
2018年にオフィスを移転した株式会社LIGは、2007年の創業以来、オウンドメディアの先駆者として高い知名度を誇るWeb制作会社ですが、実は海外も含めた複数の拠点を持ち、ゲストハウスやコワーキングスペース運営、スクール運営、飲食店事業、地方創生事業など多様な事業を展開しています。
2018年10月29日に移転した新オフィスは新御徒町の一角にあり、その名も「LIGビル」。前オフィスと同様、台東区内からの移転ですが、珍しい一棟貸しのオフィスです。ビル丸ごとを借り受けて、自分たちに合うように徹底的にDIYしているユニークなオフィスを今回は紹介していきます。
それでは、さっそく新オフィスに行ってみましょう!
新オフィス「LIGビル」は、にぎやかな上野や御徒町からもほど近く、オフィスやマンションが並ぶ住宅街エリアにあります。都営大江戸線・つくばエクスプレスが通る最寄り駅「新御徒町」(徒歩1分)の駅前は清洲橋通りと春日通りが交差し、飲食店で賑やかですが、中に一本入るととても静かな雰囲気です。JR上野駅からもほど近く、東京メトロ銀座線「稲荷町駅」からも徒歩8分、JR「御徒町駅」からも徒歩11分という好立地です。
新御徒町駅からわずか徒歩1分、駅裏手の道を曲がるとすぐにLIGビルが見えてきます。
正面から。
外からは、WEB関係の会社オフィスにはとても見えません。おしゃれな雑貨屋かカフェという雰囲気です。
ビルの入り口にはBMWミニクーパーが停めてありました。これも、おしゃれなお店のエントランスに置かれたオブジェ代わりのように見えます。
LIGが運営・プロデュースするコ・ワーキングスペース「いいオフィス上野」も、こちらに移転しました。
サインを見ると、「いいオフィス」以外にも、「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」「MeRISE英会話 上野校 by LIG」(*1)など、LIGが展開するビジネスがこのビルに集約されていることがわかります。
*1) 2019/4/9より「START-UP ENGLISH 上野校 by LIG」は「MeRISE英会話 上野校 by LIG」へ名称変更されています。写真は取材時(2019年1月23日)のものです。
外から中を窺ってみます。この手作り感、やはり会社のオフィスには見えません。
中に入ってみましょう。
入って正面に受付があります。
こちらは入って左手の壁。壁にはLIG社員の画家 田中ラオウ氏による絵が描かれ、グリーンが豊かな空間になっています。
全体的に感じられるのは、通常のオフィスにはない手作り感ですね。特に、取材時は、まだオフィスを作り上げる途中に伺ったため、一部にラフさを見せるDIYからは「作業中」という現場感が伝わってきて、それが、まさにどんどんビジネスを拡大していくLIGという会社のエネルギッシュな成長のイメージと重なります。(現在では、完成されているとのこと。)
入こちら側は、セレクトショップ「PORT」。LIGの日本各地や海外に広がる各拠点から、食品、雑貨、アパレル、飲料など、その土地ならではの品々を社員の方が厳選して紹介するセレクトショップ「PORT」になっており、気に入ったものがあれば実際に購入することができます。
長野、京都、広島、長崎、大分など、LIGが展開する各事業の拠点がある地域の産品が並びます。
こちらで受付してもらいます。LIG、「いいオフィス」、「デジタルハリウッドSTUDIO上野 by LIG」、「MeRISE英会話 上野校 by LIG」の総合受付です。
受付の隣にはキッチンカウンターが見えます。
自炊もできる大きなキッチンです。LIG社員以外にも開放されており、コワーキングスペース「いいオフィス上野」の利用者も自由に使えるとのこと。
キッチンには社員やコワーキングスペースの利用者も集まり、自然にコミュニケーションが生まれます。社員にはお米やパスタなどの食材が福利厚生として会社から提供されており、料理が得意な社員がふるまったりも。
キッチンカウンターを抜けると、やはり手作り感満載のオープンスペースがどーんと広がっています。
奥に進んでみましょう。
こちらは、LIG社員と「いいオフィス」の共用スペースになっています。
テーブルやラグでゆるくゾーニングされていて、気分と用途によって好きな場所を選べるようになっています。窓の外には通りを行き交う人の姿も見えます。テラス席もあり、暖かい季節には外の風に当たってリラックスできそうです。
こちらで「いいオフィス」の利用者とLIG社員が混じって仕事をしたり、打ち合わせしたり、休憩したりしており、意外なイノベーションが生まれそうな雰囲気が漂っていました。
代表取締役の吉原 豪さんのインタビューもこのスペースの一角で行いましたが、吉原さんいわく「空間は育てていくもの」。DIYでどんどん作り変えていく「作業中」の雰囲気は、まさに「空間を育てている途中」だったわけですね。
全体は80名を収容できるイベントスペースとして、セミナーやカンファレンスなど様々なイベントを開くこともできます。
「いいオフィス」は 2名用の個室や個人用のコワーキングスペース、着席で80名収容のイベントスペースを完備しており、大きなキッチンを使うこともできます。美味しいコーヒーを飲んだり、好きな料理を作ってみたり、まるで家にいるように落ち着き、カフェで仕事をするようにくつろげて、しっかり仕事にも集中できる空間です。
大小様々のテーブルがありますが、天板には古材が使われており、さまざまに異なる色合いが、あたたかい手作り感をかもしだしています。
こちらはカウンター席。1人で集中作業するのに向いた席です。
奥の壁一面には、LIG社員の画家 田中ラオウ氏によるキリンとアフリカの風景が描かれていました。照明の効果もあり、雄大な空気感を感じます。
窓の外には、ビル前の自転車置き場が見えます。
LIGは、移転前から自転車通勤の社員も多いそうです。
こちらには複合機、スキャナーなどのあるスペース。
コワーキングスペースではあまり文具が置いてなかったりしますが、こちらにはツールワゴンに満載でした。必要になりそうな文具は全部揃っています。
では、2階へ上がってみましょう。
こちらは1階のオープンな雰囲気とは変わり、「いいオフィス」の集中スペースや専用スペース、「MeRISE英会話 上野校 by LIGSTART-UP ENGLISH」の教室、会議室、LIG撮影室など配置された静かなフロアになっています。
階段を上ると(エレベータもあります)、廊下の奥にLIGのサインが見えました。
ここは「いいオフィス」利用者が使える集中スペースや個室、会議室があります。「MeRISE英会話 上野校 by LIG」のレッスンルームもこちらです。
多くの事業を展開しているLIGですが、主軸事業は創業当時からのWeb制作です。創業時から主軸事業はWeb制作事業。最先端のデザインや開発技術を提供し、ビジネスを加速させる"イケてる"WebサイトやWebサービスは、多くのデザインアワード受賞しており、ここに賞状が展示されています。
まずは、フロアの左側へ。
ブラックフレームの透明間仕切りで仕切られた個室が連なっています。
左手は「MeRISE英会話 上野校 by LIG」の個人レッスンルーム、右手は「いいオフィス」利用の方やLIG社員の方が使うの会議室です。
会議室は、予約して時間借りできるシステムです。当日利用(ドロップイン)の方も利用可能で1時間3,000円とのこと(2019年5月時点)。
透明のブラックフレームパーティションで区切られていてオシャレです。
中はこんな感じ。モニターとホワイトボードが完備されています。
「いいオフィス」会議室の向かい側は、英会話スクール「MeRISE英会話 上野校 by LIG」のプライベートレッスンルームです。フィリピンのセブ島から来た先生から個人のレベルに合わせたカリキュラムでマンツーマンレッスンを受けることができます。
レッスンルームの中。
廊下を抜けると、「いいオフィス」の集中スペースになっていました。皆さん、集中して仕事をしています。
壁には時計と黒板。ちょっと学校のような雰囲気です。
こちらも「MeRISE英会話 上野校 by LIG」のレッスンルーム。
LIGブログのコンテンツが生み出されている撮影室を覗いてみましょう。
中に入ると、ホリゾントや機材もある本格的な撮影室でした。広さも十分。LIGブログの面白コンテンツがここで撮影されているのだと思うと、ちょっとどきどきします。
さて、ここまでは2階のフロア左手。
入り口まで戻って、フロア右側へ。
2階右側は、コワーキング専用スペースです。
それぞれ契約された部屋が並んでおり、プライベートスペースのため撮影はここまで。取材日現在では、満室で契約は空き待ちとのこと。
その近くには、ビルの共用階段とは別の階段があり、3階に上がれるようになっていました。
ちょっと秘密基地のような空間。階段沿いのシェルフは漫画のライブラリーで埋めつくされていました。
思わず手にとって読み始めたくなってしまいます。
階段上から見下ろしで撮影。
フロアを見渡して。
天然木とスチール脚のオリジナルデスクと収納が、ここでも手作り感をかもしだしています。
チェアはハーマンミラーのセイルチェア (Herman Miller Sayl) です。
「長時間座っていても疲れない、体に優しい」という観点から選ばれたとのこと。いいですね!
デスクには収納がありません。私物は個人ロッカーにしまうルールです。
こちらにもオリジナルの大きなデスクが置かれています。
窓際はカウンター席になっています。磨りガラスで外の景色は見えませんが、外光を感じながら仕事ができます。
反対側から見たところ。
4階にやってきました。
こちらは、LIGの執務スペース以外に、「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」が入っています。
廊下には、パレットで作られた男前なデザインのソファベンチが置かれています。このベンチはLIGビルのあちこちに置かれています。
写真左奥に見えるドアが、「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」の教室。生徒の皆さんが休憩できる場所になっています。
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」は、7万人のWebデザイナーとクリエイターを輩出するデジタルハリウッドと、LIGが業務提携し、運営しているクリエイター養成スクール。「Webデザイン」に加え、今後のWeb業界に必要な「編集」「ライティング」「撮影」を学べるLIGだけのオリジナル講座もあります。LIGのクリエイター陣が働くすぐ隣という環境で、クリエイティブな実践的なスクールになっています。
スクールは授業中でしたので、邪魔をしないように外から。
「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」を覗いてみました。生徒さんが課題に取り組んでいる様子。
やはり邪魔をしないように、LIG執務エリアのほうへ移動。
壁沿いがカウンター席になっています。
ここで気になったのは、壁に空いている横長の窓。これは何でしょうね?
答えは、「デジタルハリウッドSTUDIO by LIG」とLIG執務室をつなぐ窓でした。
向こう側にいる生徒さんが、実際にWebを制作しているLIGの現場を覗けるようになっているわけです。まさに現場の空気を感じながら学べるスクールですね。
スクールを卒業して、LIGへ入社した方もいらっしゃるようです。
奥からのフロア全景。
4階のロッカースペース。休憩スペースになっており、大きな冷蔵庫が設置されていました。会社から支給される食材はこちらの冷蔵庫に入っているとのこと。
5階に上がってみると、急にマンションっぽいドアが現れました。
このエリアは、元から居抜きの住宅部分が残っています。海外や地方から出張してきた社員が宿泊するためのエリアとして使われているそうです。
吉原社長によれば「ここで暮らせるぐらい」とのことですが、広報の方からは「東京の社員が泊まるのは非推奨です」。
さて、まだ階段は続きます。じつは屋上も使えるのです。こうした空間はオフィスとしては珍しく、一棟借りならではのメリットといえます。
階段を上がり、ドアを開けると、
このあたりは高層ビルも少ないので、遠くまで見晴せます。東京スカイツリーも見えるとのこと。
それにしても見覚えがあるような......と思ったら、ちょくちょくLIGブログに登場している場所ですね。ここに限らず、LIGブログにはLIGビルの随所が背景として映っています。バラエティに富み、通常のオフィスにはない非均質な空間が、そんなところにも活かされているということを感じました。
筋トレのマシンが置かれていました。
屋上の全景です。かなり広い空間で、暖かい季節には気持ちがよさそう。
これでLIGビルを一周してきたことになります。
次の記事では、この手作り感に満ちたユニークなオフィスに込めた思いや、LIGならではの仕事観などについて、同社代表取締役 吉原 豪さんに伺っていますので、ぜひご一読ください。
オフィス空間は働く人が育て、最適化していくもの~コワーキングスペースやスクールを社内に設けた新しいコミュニティオフィス~(オフィス訪問[2])
2007年の創業以来、オウンドメディアの先駆者として高い知名度を誇るWeb制作会社。「Life is Good」の理念のもと、海外も含めた複数の拠点を持ち、ゲストハウスやコワーキングスペース運営、スクール運営、飲食店事業、地方創生事業など多様な事業を展開中。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2018年1月23日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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