今回はKDDIグループの一員で、「auスマートパス」をはじめとしたメディアを担う株式会社medibaの新オフィスを訪問しました。
株式会社medibaはau関連サービス運営の他、国内外にてカルチャー・ゲーム・子育て等、幅広い分野でサービスを展開しており、ユーザーがインターネットを通じて必要な時に必要な情報にアクセスできる環境づくりのためのサービスを提供しています。
2019年1月、渋谷ヒカリエから、六本木グランドタワー 39階・8階にオフィスを移転しました。執務スペースは39階にあり、8階は商談、打ち合わせ、1人仕事、イベントに使用可能な専用社内カフェ「8cafe」や会議室という2フロア構成のオフィスです。
新オフィスのテーマは、「SHI-GOTOBA」。これは、私事・仕事・志事、という3つの意味が込められているそうです。
新オフィスのある六本木グランドタワーは、東京メトロ南北線 六本木一丁目駅に直結。六本木一丁目駅以外にも、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線「六本木駅」5番出口から徒歩5分、東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王駅」13番出口から徒歩8分と、徒歩圏内に4線の地下鉄駅があり、六本木ヒルズや赤坂にも歩いて行けるアクセスの良さも大変魅力です。
それでは、まず8階の「8cafe」に入ってみましょう。
六本木グランドタワーのテレビ東京側の入口から入り、エレベーターで8階に上がります。
こちらがカフェのエントランス。ガラス越しにカフェの中が見えます。
計算された空間デザインで、入る前からわくわくしますね。
入ってすぐ左側が受付コーナーになっています。
このタブレットで、訪問先の担当者を呼び出すシステムです。
(mediba社員の皆さんは、受付の向かいにあるスキャナーにIDカードをかざすと入れるようになっています)
おおー。これはお店を超えるレベルのカフェ空間ですね。天井を取り払ってスケルトン化することで高い天井高を確保、奥行き感のある空間設計、窓の外には六本木の街並みが広がり......! これは普通に入れるカフェなら連日満員になりそう。
入り口右手にカフェのカウンターがあり、常駐するカフェスタッフに注文できるようになっています。
とにかく圧倒的なデザイン性。什器、壁、天井と、さまざまに木目を使い分けていて、美しさが目をひきます。
カフェカウンターを正面から撮影。バランスの美しさを堪能できますね。
空間の中央では、ハイとローのロングテーブルがクロスして置かれていますが、どちらもキャスター付きで、移動可能です。このカフェは、ホール、イベントスペースとして使えるように、フロア内のテーブルは簡単に動かせるようになっているんですね。左手はライブラリを兼ねたひな壇になっています。
一部に天井がデザインされているのが面白いところです。こちらのカフェスペースは、天井を取り払い、スケルトン化することで天井の高い開放感のある空間になっているのですが、人によっては高すぎる天井は少し居心地の悪さを感じることがあるため、一部にデザインされた天井をあえて設けて、好みによって落ち着ける場所が選べるようにしているのでしょう。
イベント時に活躍する演台もちゃんとこちらに。プロジェクターで投影できるように、ここはあえて白い壁になっています。
テーブル席が数多く並びます。撮影時は夜だったため空いていますが、社員の方で昼間は賑わうとのこと。
社内の打ち合わせや、外部パートナーとの打ち合わせもここで行われます。
ひな壇はこんな感じに伸びていて、窓側のエリアと中央のエリアを区切っています。手前部分には腰掛けることもできます。ひな壇はホールにもなる社内カフェには、ほぼマストのアイテムになりつつあります。
演台に近い奥のコーナーには、ソファベンチシートが。ケイブ(洞窟)型の掘り込んだデザインがおしゃれです。ソファベンチシートは、少し奥まった感じで落ち着いて過ごせそうなデザインです。
こちらは、ハイカウンターの打ち合わせスペースです。大型モニター付、スタンディングの打ち合わせもOK。
ちなみに、右側のガラスの扉の奥に会議スペースがあります(後で紹介します)。
少しアップで撮影。
無垢板を使って、コバ部分もデザインされ、しっかりとした存在感のある美しい造作家具です。屋根がついているので、オープンなのに山小屋のような雰囲気を漂わせているのも楽しいですねぇ。
窓側のエリアを進んでいきます。夜の撮影だったので、キレイな夜景が楽しめましたが、昼間の景色も良さそうです。
ここは少し段になっていて、カフェのフロアの中でもゾーニングされた空間です。 手前にはソファ席が並びます。
奥に進むとカウンター席がありました。天井から吊られたペンダントライトが人数分並んでいてちょっとかわいい。
ここでもニュアンスの異なる木目がふんだんに活かされていて、さまざまな雰囲気をかもしだしています。ひたすらカッコイイです。
チェアは、おおよそブラックに統一されていました。
さらに奥に進むと、足を伸ばせるソファ席が。
いやー、カッコイイ。ひたすらカッコイイ。
続いて、壁沿いにベンチソファが並んでいます。
これでようやく、カフェの中を左回りに一周したことになります。
左奥の壁に空いた窓の向こう側に、先ほど入ってきたエントランスが見えています。
この8Fは、カフェの奥に会議スペースが作られています。
先ほどのハイカウンターの打ち合わせスペースの奥が会議スペースです。セキュリティドアで区切られています。
さっそく入ってみましょう。
まずはファミレス席。
背中のクッションは吸音も兼ねていますが、天井まで伸びているデザイン。なんともかわいいですねぇ。
ここの木目もさまざまなバリエーションがあってリズミカルでひたすら美しい。
ファミレス席の隣はテーブル席になっていました。その隣はまたファミレス席です。
空間の中央には、オープンな感じのソファ席がありました。こちらはカーテンで仕切ることもできます。
カーテンを閉めたところ。
空間に面して、部屋タイプの会議室も並んでいます。
リズミカルに壁に空いている窓が面白いですね。ドアの木目がまた印象的です。
会議室の中はシャープな作り。
テーブルはオカムラ 「プリシード (PRECEDE)」。
通路を奥に進みます。
こちらはユーザーインタビューのための部屋です。
medibaでは、作り手の思い込みを排除し、つねにユーザーの視点に立って設計を行う「ユーザー中心設計」の思想が行き渡っています。それに欠かせないのが徹底的なユーザーインタビュー。今回のオフィス移転に伴い、自社で専用のインタビュールームを設けたとのこと。
なお、この新オフィスのコンセプトも、medibaで働く人々に徹底してインタビューし、ユーザー中心設計で導かれたものです。くわしくは次回でお届けするインタビュー記事をご覧ください。
8階は、これで以上になります。
いやー、圧倒的なデザインパワーに満ちた空間の連続でした。
思わず引き寄せられてしまいますね!
では、続いて39階の執務フロアへ上がってみましょう。
こちらは、フロアの約半分を使用しています。
エレベーターで上がると、入口はいくつかあるのですが、これはその1つ。
来客受付は8階のカフェに集約されていますので、この39階は基本的に社員の方しか出入りしません。
ここから入ると――
こちらにも、魅力的な空間が広がっていました!
執務スペースはグループアドレスになっているので、私物などは出入口近くに配置された個人ロッカーに入れます。
この個人ロッカーも木目の美しい側板、天板を取り付けてアレンジすることで柔らかな雰囲気を演出しています。
それでは、フロアの端の方から、順に進んでいきましょう。
目についたのは、フロアの端の一画の小上がりスペース。
移転前のオフィスにも靴を脱いで上がれる小上がりがあったそうです。同じスペースが新オフィスにも欲しい!というリクエストがあり、設けられたとのこと。リラックスできそうですねー。
壁奥に掘り込まれたソファは小部屋のようです。なんだか秘密基地っぽい空間で、ワクワクします。見ていると、入りたくなります。
窓側は建物のデザインでこんな感じに傾斜しており、ソファが並んでいます。昼間には眼下に39階からの眺望が広がります。
大型モニター付きのオープンミーティング席です。
執務エリアと通路はライブラリ棚で隔てられていました。中にはたくさんの書籍が並んでいます。
執務スペースの一画です。
フロアは、部署ごとにエリアを決められたグループアドレスになっていて、部署単位ではフリーアドレスとのこと。
こちらのテーブルは、どの部署の人でもフリーで使えるテーブル。
注意して見ると、ペンダントライトが吊られており、床も濃いグレーにゾーニングされ、中央にはグリーンが配されて、他のスペースとは異なるフリースペースであることが感覚的にわかるようになっています。
ちなみに執務チェアは、オカムラ「シルフィー (Sylphy)」。機能充実で人気のミドルクラスチェアです。
どんどん進んでいきましょう。
こちらもオカムラ製ですが、特注のデスクのようです。こちらがグループアドレスになっています。
その奥に見えるのは......
こちらにもファミレス席がありました。
8階にあったファミレス席とはまた違ったテイストで、ペンダントライトのデザインと合せ、格子の壁がちょっと和の雰囲気になっています。
全体を振り返ってみます。
右手に見えるのが、先ほどの和の雰囲気のファミレス席、左手がグループアドレスの執務席です。ちなみに、人があまりいないのは、今回は終業後の夜に撮影しているためなのです。
さらに奥へ進んでいきましょう。
壁が一角丸ごとホワイトボードになっていました。イマジネーションが活発化しそうな空間です。その前にはキャビネットを活用した立ちミーティング席があります。スチールのキャビネットも木の側板や天板で、グッと家具らしくなるんですね。スペース効率も良くて一石二鳥です。
その近くに、フリーで使えるデスクスペース。
やはり、先ほどと同じように、濃いグレーのカーペットとペンダントライトでゾーニングされています。グリーンが癒やしてくれそうです。
移転前のオフィスではミーティングスペースの不足が問題になっていたので、新オフィスではオープンなミーティングスペースを多く設けたそうです。
こちらは柱の一角をホワイトボードにして、立ちミーティングできるようになっています。角がホワイトボードになっているのは面白いですね。
執務スペース全体、柱が木目調になっており、いわゆるオフィスのような無機質さを感じさせません。全体的に、有機的な雰囲気になっているのです。
この隣には......
先ほどの柱のホワイトボードの前にあるのが、書庫 兼 立ちミーティングスペース。
スチールのキャビネットに、造作で天板と側板を付けてあります。一見するとキャビネットに見えません。
随所に設けられたオープンミーティングスペースが中心ではありますが、壁のある会議室も用意されています。
ここでも窓が特徴的なアクセントになっていますね。
中はこんな感じになっていました。
さらに進んでいきましょう。
ラウンジのような空間に出ました。ここはライティングも暖色系になっています。
この空間も、オープンミーティングスペースです。
こちらはマグネットスペース的な人が集まるカウンター席。大型モニター付きで、ミーティングもできます。
奥には電子レンジなどが備え付けられています。
こちらにも小さめのカウンター席がありました。
その奥に見えるのは......
小上がりスペースにあった、壁をくり抜いたようなソファ席がここにもありました! わくわくしますねぇ。
このエリアの壁は、グレー系の縦の板張りになっています。リズムがいい感じです。
その手前にはテーブル席が並んでいます。
フロアのところどころにデザインチェアが置かれています。こちらは比較的新しい、ヴィトラ社 「ベルヴィル アームチェア(Belleville Armchair)」。ブルレック兄弟のデザインです。
さらにその近くにはロッジ風の会議室がありました。
ここでも窓がアクセントになっていて、かわいい。ちなみにこの会議室の名前は「Kotsu-Kotsu」とのこと。
「Kotsu-Kotsu」の中から撮影。
まだまだ進みます。
窓際に集中席がありました。
すべて大型モニター付きです。脇は、座った時に隠れる高さの仕切り。
アップで撮影。目の前には東京の夜景が広がります。
まだまだあります。
こちらの大きめなカウンターテーブルも、立ちミーティングスペースです。
やはり大型モニター付。スツールもあるので、座って打ち合わせることもできます。
その奥には、ふたたび、和のテイストのファミレス席。
そして、執務デスクです。
窓際にはリラックスして話せるソファ席もありました。
その奥の柱のところには......
柱にベンチがつけられていて、ちょっと座って話せるようなスペースが用意されています。柱周りはデスクも置きづらく、通路にも邪魔だったりなかなか活用しづらい空間ですが、ベンチ席が設けられると目印に集まりやすい場所になりますね!
これでオフィスを一周したことになります。
圧巻のオフィスでした。
この39階の執務スペースは「グループアドレス」がポイントになっていますが、その代わりに、フリーで使えるフリーデスクが随所にあり、しかもそれが直感的にすぐに分かるような工夫が凝らされています。
会議室だけでなく、オープンミーティングスペースがたくさん作られていましたが、スタンディングあり、ソファ席あり、ファミレス席あり、カウンター席あり、ケイブ(洞窟)型ベンチありと非常に多彩で、気分や目的によって、お好みの場所を選べるようになっています。
この新オフィスのデザインテーマは「コミュニケーション・プラネット」だそうです(くわしくは、次回掲載の担当者インタビュー記事をぜひご覧ください)。まさにコミュニケーションを重視し、働き方の中心に置いた空間づくりになっていることを実感できました。
KDDIグループにてauスマートパスを中心としたau関連サービス運営の他、国内外にてカルチャー・ゲーム・子育て等、幅広い分野でサービスを展開し、ユーザーがインターネットを通じて必要な時に必要な情報にアクセスできる環境づくりのためのサービスを提供。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2019年4月4日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
こちらからご確認ください。