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保育・介護・福祉分野の人材サービスで急成長 株式会社ウェルクスの新オフィス訪問【前編】(オフィス訪問[1])

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今回は、株式会社ウェルクスの本社オフィスを訪問した。

今回は、株式会社ウェルクスの本社オフィスを訪問した。


株式会社ウェルクスは、保育士・幼稚園教諭専門の就職支援サービス「保育のお仕事」を始めとして、インターネットで保育、介護、福祉といった専門分野に特化した人材サービスを展開して急成長中の企業だ。


今回取材した同社のオフィスは、2017年12月に移転した本社オフィスで、1フロア1,058平方メートル(360坪)、東京本社で約150名 (2018年5月現在) が勤務するオフィスになる。ちなみに、東京本社以外には、大阪、名古屋、福岡にも事業所を展開している。



■移転は急成長による社員急増から

保育士・幼稚園教諭専門の転職支援サービスと求人広告サイトを2013年にスタートした同社は、そのサービスのヒットを足掛かりに、保育・介護・福祉といった専門領域でのキャリア支援事業へ事業拡大し、年々急成長を続けている。


事業拡大に伴い採用も強化しており、社員数も急増。それによる執務席の確保、会議室の圧倒的な不足、増床によるオフィスフロア分散でのコミュニケーション問題などの各種の課題が移転前は顕在化していたという。そうした課題を解決するため、今後の成長も見越して、2フロア約500平方メートル(150坪)のオフィスから、1フロア約1,057平方メートル(320坪)、2倍の広さのオフィスに移転を決定した



■移転準備タスクフォース

画像提供: jesadaphorn / iStock (※)

画像提供: jesadaphorn / iStock (※)


急成長中の同社では移転も急ピッチで進められた。移転先の物件が見つかったのが2018年春。そこから同年12月の移転を目指して、社内に移転準備タスクフォースが作られた。


移転にあたり同社三谷社長の掲げたポイントは次の3点


(1) 1フロアであること
(2) 社員採用に効果が出ること
(3) 会社の成長を感じられるオフィスであること


逆に、この3点以外は三谷社長には強いこだわりはなく、実際に業務を行う社員に委ねる方がよいオフィスができると考えて、移転準備を部門横断的に集めたメンバーで構成されたタスクフォースに任せたという

(※同社では、会社が抱えている問題に対してボトムアップ式に解決していく部門横断プロジェクトを近年毎年組織しており、移転準備タスクフォースもその1つ)。


移転準備タスクフォースは、リーダーも含めて8名。しかし、「誰も移転を経験したことがないメンバー」(同社移転準備タスクフォース) だったとのことで、開始当初は移転のイメージが湧かず、「本当に手探りで、大変でした」(同)とのこと。


手探りの中、メンバーは分担して情報収集やオフィス見学に当たり、また、社内から移転での希望アンケート実施、必要な会議室数の聞き取りなどを進め、協力デザイン会社と緊密に連携しながら、社員満足の高い新オフィスを作るべく奔走したとのことだ。



移転準備タスクフォースメンバーの活躍の甲斐あって、予算やスペースの制約もある中、社員の希望も盛り込み、会社としての課題を解決したオフィスが仕上がっている。今回の取材ではそうした工夫にスポットライトを当てていきたい。



では、早速、同社の新オフィスへ!



■最寄駅は「上野広小路駅」と「御徒町駅」

同社の入居するビルは、上野フロンティアタワーだ。同ビルは、松坂屋上野店南館の跡地に誕生した最新鋭の超高層複合ビルで、低層階に商業施設である松坂屋上野店、パルコヤ、映画館TOHOシネマズなどが入居し、高層階がオフィスフロアという構成で、上野・御徒町エリアの新たなランドマークとなっている。新ランドマークとなるビルに入居することで、現在、社員採用にも大きな手ごたえが得られているとのこと。


最寄駅は、東京メトロ 銀座線「上野広小路駅」より徒歩1分、JR山手線「御徒町駅」より徒歩3分となるが、ほかにも徒歩圏内の駅は多く、都営大江戸線「上野御徒町駅」より徒歩4分、東京メトロ 日比谷線「仲御徒町駅」より徒歩6分、千代田線「湯島駅」より徒歩6分など交通アクセスは抜群だ。



■エレベーターホールから受付へ

エレベーターで同社の入居するフロアに上がる。

エレベーターで同社の入居するフロアに上がる。


こちらはビルの1フロアすべて同社オフィスになる。



■エントランス

オフィスエントランスがこちら。

オフィスエントランスがこちら。


壁のレンガタイル、床のフローリングともにナチュラルカラー、明るい照明と併せて、明るく温かみがあるエントランスだ。



ステンレスサインによる同社ロゴがフェイクグリーンの中央に浮かんでいるデザイン。壁はレンガタイル張り。凸凹があり石積み風タイルにすることで、堂々とした雰囲気を持たせつつ、明るいトーンでインパクトのあるエントランスになっている。

ステンレスサインによる同社ロゴがフェイクグリーンの中央に浮かんでいるデザイン。


壁はレンガタイル張り。凸凹があり石積み風タイルにすることで、堂々とした雰囲気を持たせつつ、明るいトーンでインパクトのあるエントランスになっている。


グリーンが印象的だが、その点を伺うと、事前に移転先のオフィスへの希望を取ったアンケートから緑を多くしてほしいという要望が多く、同社三谷社長も植物好き、コーポレートカラーもグリーンということから、オフィス内に緑を多く取り入れて会社の象徴としてアクセントにしているとのこと。また、会社がどんどん成長していくというイメージを、植物の持つグリーンのイメージに重ね合わせてもいる。



■受付

ロゴ下のカウンターに、受付電話が設置されている。こちらから担当の方を呼びだす仕組み。

ロゴ下のカウンターに、受付電話が設置されている。こちらから担当の方を呼びだす仕組み。



■エントランスが伝える企業イメージ

エントランスには、入ってきて真正面に、企業理念、ミッション、ビジョンを掲げたガラスパネルを配置している。来訪者に強く印象付けるものだ。

エントランスには、入ってきて真正面に、企業理念、ミッション、ビジョンを掲げたガラスパネルを配置している。来訪者に強く印象付けるものだ。



エントランスエリア全体を見ると、同社のエントランスを通して来訪者に伝えたいメッセージが浮かび上がってくる


明るくかしこまらないカジュアルな雰囲気、グリーンも多く、それが若さや成長を象徴し、理念、ミッション、ビジョンもパネルで明確に示されている。


従来のオフィスのブルーやグレーカラーの事務的な雰囲気とは対極にあり、かといって身の丈を超えたオシャレさ追求しているわけではない。


ビジョンやミッションはエントランスにはっきりと掲げられ、自分たちがどういう会社なのか、どういう会社の雰囲気で何を成し遂げたいのかを、来訪者に率直に伝えようとしている



最近取材する新しいオフィスで、このように、"ある種等身大のオシャレ"なオフィスをしばしば見かけるようになった。1つのトレンドのように思われるのだが、それは、従来の画一的な「働く」から、企業ごとに全く違うライフスタイルとしての「働く」、それを表現するオフィスという風に、現代の働き方そのものが大きく変わりつつある象徴なのではないだろうか。



さて。奥へ進もう。



セキュリティドアに入る前に、ウェルカムスペースというミーティングスペースが作られている。



■ウェルカムスペース

エントランス入ってすぐのところには、ウェルカムスペースが設置されている。

エントランス入ってすぐのところには、ウェルカムスペースが設置されている。


造作のファミレス席を全4ブース配置してあり、オープンな打ち合わせエリアになっている。



こちらでは主に、現在、積極的に進めている採用面接をしているとのこと。

こちらでは主に、現在、積極的に進めている採用面接をしているとのこと。


1日平均4~5件(取材時)とのことで、かなりの数だ。



ボタンタフティングされたソファがかわいい。

ボタンタフティングされたソファがかわいい。


明るいフローリング、ソファはコーポレートカラーのグリーン。カジュアルで落ち着いた雰囲気だ。こちらは採用面接で使うための工夫が凝らされている。


初めて同社を訪れた候補者の方に、個室に案内してしまうのではなく、開放感のあるカジュアルなファミレス風なミーティングスペースに案内し、リラックスして話してもらえる雰囲気づくりをしている


また、プライバシーにも配慮して、それぞれのブースでの話が聞こえづらいよう、ボックス席同士の間を造作の本棚を入れて大きく距離を取っている



■造作の本棚

かなりスペースを取って設計していることが分かる。

かなりスペースを取って設計していることが分かる。


造作の本棚には、表側はマガジンシェルフになっており、社内報が飾られている。待っている間に読んで会社の雰囲気を知ってもらうなどできる。


ちなみに、この本棚は内部が収納になっていて、スペースの無駄がない。



企業ロゴ、グリーン、社内報と、候補者に同社の雰囲気を伝える空間づくりだ。何気ないが、初めて面接のために会社に訪れる人には、同社のイメージはエントランスからウェルカムスペースに至る空間がほぼすべてと言えるわけで、会社のイメージを候補者目線で分かりやすく伝える空間づくりだと感心した。

企業ロゴ、グリーン、社内報と、候補者に同社の雰囲気を伝える空間づくりだ。何気ないが、初めて面接のために会社に訪れる人には、同社のイメージはエントランスからウェルカムスペースに至る空間がほぼすべてと言えるわけで、会社のイメージを候補者目線で分かりやすく伝える空間づくりだと感心した。



さらに進むと、来客用会議室も用意されている。



■来客用会議室

オープンなウェルカムスペースに続いて、来客用会議室が3室配置。

オープンなウェルカムスペースに続いて、来客用会議室が3室配置。



1つの来客用会議室を撮影。こちらは8人用の部屋。

1つの来客用会議室を撮影。こちらは8人用の部屋。



では、セキュリティドアを抜けて執務エリア内へ進んでいこう。



■一望できる1フロア執務空間

執務エリアに入ると、執務フロアが一望できる見晴らしの良い作りになっている。このフロアで約150名(2018年5月現在●)執務している。

執務エリアに入ると、執務フロアが一望できる見晴らしの良い作りになっている。


このフロアで約150名(2018年5月現在)執務している。



1フロア1,058平方メートル(360坪)あり、執務フロア中央部分には柱が見当たらないことも特徴だ。最新鋭ビルの無柱空間設計のため、フロア内はオープンで開放感があり、柱は建物の壁の内周側に配置されている。


執務フロアがこのように一望できるのは、新オフィスの狙いでもある。移転前が2フロアに分かれ、コミュニケーションに問題が生じていたことは既に述べた。そこで新オフィスでは、働くメンバー全員が遮るもののない1フロアで執務できるよう、見通しの良い大きな空間を最初に執務スペースとして確保し、その周囲に会議室、ファミレス席等の機能性エリアを配置するレイアウトにしているための、一望できる1フロア執務空間なのだ。



ちなみに、執務エリア入ったところには、フロアの端側で社内会議室のゾーンがあるので先に紹介してしまおう。



■社内会議室

このような形で社内会議室が並ぶ。フルハイトのガラスパネル、どれも透明でオープンな作りだ。

このような形で社内会議室が並ぶ。フルハイトのガラスパネル、どれも透明でオープンな作りだ。



内部を撮影。こちらは10人用。

内部を撮影。こちらは10人用。


会議室のテーブルとチェアは華美に走らずシンプルなものを採用している。



ちなみに会議室の名前は草木の名前が花言葉とともに付けられており、同社のグリーンの世界観で統一されている。



会議室名のパネルを6室分(全8室)。杉板パネルというのもこだわりだ。

会議室名のパネルを6室分(全8室)。杉板パネルというのもこだわりだ。



■会議室が足りない!その解消

移転前は、会議室2室と小部屋1室、どうしても足りなくてリフレッシュスペース内に2室増設するなど会議室不足に悩まされていた同社では、新オフィスで会議室の拡充が急務だったとのこと。


事前に社内の各部門リーダーにアンケートを取り、週次、月次の会議の種類と参加人数を集め、そこから必要室数を割り出したとのことだ。それにより、新オフィスの会議室は、4人用4室、6人用1室、8人用1室、10人用1室、12人用1室の計8室を設けることとなった。


また、それ以外に、執務フロア内に予約不要で使えるファミレス席を4人用4セット、6人用2セットの計6セット配置、スタンディングミーティングを1つ配置している。


これにより会議室不足はほぼ完全に解消したとのことだ。やはりきちんと、何人の会議室が何室必要かを事前に細かく調査しているところがポイントではないか。


また、柔軟な対応ができるよう、予約不要のファミレス席を執務エリア内のデッドスペースを活用して多く設置しているところも注目だ。



それでは執務エリアの紹介へ進もう。




後編に続く

保育・介護・福祉分野の人材サービスで急成長 株式会社ウェルクスの新オフィス訪問【後編】(オフィス訪問[2])










取材先

株式会社ウェルクス (コーポレートサイト)newwindow


保育士・幼稚園教諭専門の就職支援サービス「保育のお仕事」を始めとして、インターネットで保育、介護、福祉といった専門分野に特化した人材サービスを展開して急成長中。



保育のお仕事 (サービスサイト)newwindow




編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2018年 5月 8日

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