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エントランスや会議室でオリジナルのメッセージを発信する株式会社アシロの新オフィス[後編]

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社長室に置かれた「知恵の輪」イメージのアート。旧オフィスでは会議室「倫理観」に設置されていた。

社長室に置かれた「知恵の輪」イメージのアート。旧オフィスでは会議室「倫理観」に設置されていた。


引き続き、株式会社アシロの新オフィスをご紹介します。お話しくださっているのは、オフィス移転プロジェクトの選抜メンバー、鈴木史俊さん(リーガルメディア事業部のディレクションチーム)と山崎優華さ(リーガルメディア事業部 営業チームリーダー)です。



前編はこちら








■機能性を重視した執務エリア

左が鈴木史俊さん、右が山崎優華さん。

左が鈴木史俊さん、右が山崎優華さん。



― オフィス全体の工夫についてお聞かせください。


山崎  まずビジターエリア(エントランスと会議室)では、エントランスのインパクトを重視しました。流れる映像や音楽によって来客にリラックスしていただける効果を意識しています。基本的にクラシック音楽を流しているのも、お客様の心地よさという観点からです。「関わる人を誰よりも深く幸せにする」という会社の基本理念を伝えています。


鈴木  執務エリアのほうは、日々ベストなパフォーマンスを発揮できるように、華美な装飾はせず、クロークの設置やフォンブース増設などを通して、利便性を高めることを意識しました。リフレッシュルームは旧オフィスにもありましたが、ここではモニターを設置して自社の株価を見られるようにしました。コミュニケーションしてもらえるようにゲーム機も置いています。



リフレッシュスペースには自社の株価ボードが映写されている。四半期ごとの全社定例ミーティングでは、ここに中山博登社長が立ち、フロアを見渡して話すとのこと。

リフレッシュスペースには自社の株価ボードが映写されている。四半期ごとの全社定例ミーティングでは、ここに中山博登社長が立ち、フロアを見渡して話すとのこと。



執務エリアは部署ごとの固定席制になっている。出社は原則として週2日で、リモートワークとのハイブリッドだが、オフィス移転後、出社率は上がっているとのこと。

執務エリアは部署ごとの固定席制になっている。出社は原則として週2日で、リモートワークとのハイブリッドだが、オフィス移転後、出社率は上がっているとのこと。



ビデオ会議用のフォンブースも充実している。

ビデオ会議用のフォンブースも充実している。



執務エリアには、社員たちの顔をあしらった「常に前進しつづけよう」というメッセージが。

執務エリアには、社員たちの顔をあしらった「常に前進しつづけよう」というメッセージが。



― 社員の皆さんの反応はいかがでしょうか。


鈴木 当然のことですが、我々はこのオフィスに誇りをもっています。直接プロジェクトに携わってない人にとっても、うちの会社のオフィスはこうなんだよと見せたくなるオフィスにできたと思います。お客様がいらしたときも、会議室名がアイスブレイクの材料になります。


山崎  会社の基本理念を浸透させる良い機会を作れたと思います。たとえば旧オフィスでは会議室名は「行動力」、「愛」、「倫理観」の3つでしたが、「行動力」とはどういうことをいうのかということまでは表現できていなかった。このオフィスでは、「行動力」は「やるか、やりきるか」というテーマに、「倫理観」は「私心なかりしか」というテーマになりました。ピンポイントで理念を示していますので、会社が大切にしていることはこういうことだったな、と認識してもらえていると思います。


鈴木  会議室は予想を越えていろいろな使い方がされています。会議や来客時はもちろん、一人で集中したいときに使っている人もいます。「私心なかりしか」は全体が木材をイメージした部屋ですが、あえて部屋を暗くして使っている人もいます。コンセプトをバラバラにして良かったと思います。




■オフィスは会社の理念を形で示すもの



― プロジェクトを振り返って反省点などはありますか?


鈴木  内装のデザインも大切ですが、配線や配席などのこまごまとしたこと、各部署とのコミュニケーションが大事でした。ネットワークなど、早い段階で管理部門を巻き込んでいけばよかったと思います。


山崎  何を優先するのかを決めておくべきでした。例えば椅子なども、最初はアートに合わせてカクカクした感じの椅子だったのを、座りやすさを重視して変更しました。結果、会議室のテーマとは関係ないものになりましたが、それは会議のしやすさ、ここで過ごす人の過ごしやすさを優先的に重視したからです。そんなふうに判断を迫られるシーンが多々あるので、優先順位を最初の段階で決めておくといいと思います。


提案していだいたプランを囲んで皆で考え、最終的に覆してしまったこともありました(笑)。例えばアートも、床・壁の一面・天井のコの字型に色を付けて装飾しましたが、最初は全面の壁でした。その部屋らしさを重視していたのですが、予算なども考慮した結果、壁4面ではなく1面のみになりました。


鈴木  ただ、今にしてみると良い選択だったと思います。壁だけをアートにしても違和感あるし、壁4面はやり過ぎかと。退去するときにも原状回復費用がかかりますし。


変更した後で、まだ元に戻ったプランもあります。当初、会議室の壁は全面ガラス張りにする予定でしたが、それではテーマが半端になることから、工夫を重ねて、今の近未来っぽくもあり、海底でもあるような感じに仕上げていただきました。


― 無事に移転プロジェクトを終えて感慨はありますか?


山崎  移転したばかりですが、すでに席が足りなくなる未来が見えています。会社がどんどん成長していることを改めて実感しています。1年半ほどしたらまた移転するという話も出ていますので、今回の知見を活かしていけるように次の世代に伝えることが課題ですね。


― もう次のオフィス移転が視野に・・・


山崎 次回もかかわるとしたら今回の反省点を活かしたいですね。とにかく期間がタイトでした。内装会社さんに「時間が足りない」とコンペ参加を断られたりしていましたから。もっと早く動き出すこと、もっと早く人数を確保すること。次のオフィスは面積がさらに倍になるかもしれませんから、少なくとも1年以上はかけてやりたいですね。ビルには細かいルールもあります。例えばお客様用のエントランスがどこかを案内する看板を発注するタイミングとか、そういうことも確認して動く必要があります。


― 次はどんなオフィスを作りたいですか。


鈴木  時間と予算にもよりますが、やってみたいことはたくさんあります。昼寝できるスペース、芝生のエリアとか。今回は左右非対称の間取りで設計したので、次はシンメトリーにするのも面白いと思います。


今回、会議室の配置などはコンペで提案していただいたのですが、各社まったく違う図面が並びました。似た雰囲気のものもなかった。あれはもったいなかったですね。不採用になったところにも、またお声掛けしたいです。


鈴木  会社の理念は、基本的には行動で示すものですが、オフィスはそれを形で示すものでもあると思います。これからも規模が大きくなって見た目が変わったり新しい機能が備わっても、アシロの理念は一気通貫で変わらず展開していきたいと思います。







会議室名というものは、社員が毎日のように口にするものでしょう。社員に日頃から意識してほしい理念を盛り込み、さらにアートを施すというのは、非常にユニークな施策だと感じました。また、アートがひとつあるだけで会議室の空間はまったく違うものになります。後日、会議の内容を思い起こすときに「あのアートがあったな」という記憶のアクセントにもなるのではないでしょうか。


従来の働き方を快適にするだけでなく、意識向上にもつながるアシロの新オフィス。早くも次回の移転も視野に入れていらっしゃることが印象的でした。






取材協力


株式会社アシロ

2009年創業。2012年より「離婚弁護士ナビ」を開始。以降、弁護士とユーザーをつなぐメディアサイト事業を拡大するとともに、法律問題から派生して生じるニーズを捉えたメディアサイトの運営を行っている。近年はインターネットメディア事業に加えて、人材紹介事業など他分野にも進出。売上成長の高さから、「テクノロジー企業成長率ランキング 日本テクノロジー Fast 50」(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)を3年連続受賞(2019・2020年・2021年)。


株式会社アシロ会社 コーポレートサイト[外部リンク]


編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2022年11月22日

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