みんなの仕事場 > オフィスデザイン事例 > エントランスや会議室でオリジナルのメッセージを発信する株式会社アシロの新オフィス[前編]

エントランスや会議室でオリジナルのメッセージを発信する株式会社アシロの新オフィス[前編]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

株式会社アシロの新オフィス(※)

株式会社アシロの新オフィス(※)


会議室名といえば、無機質な記号などを付している会社が多いのではないでしょうか。しかし、先日記事掲載したTHECOO株式会社が音楽ジャンルで会議室を名付けていたように、会議室の名前やインテリアで、会社としてのメッセージやスタンスを表現することもできます。会議室のみならず、オフィスそのもののメッセージ性を多くの会社が活かしています。今回訪問した株式会社アシロでも、ベンチャー企業ならではのユニークな視点でオフィスのメッセージ性を活かしたオフィス作りをしていました。








■エントランスは海の底

株式会社アシロは法律・弁護士業界とインターネットを結びつけた事業を展開し、成長を続けているベンチャー企業です。デジタル技術やウェブマーケティングノウハウを活用し、インターネット上で法律情報や弁護士情報を提供するリーガルメディアサイトの運営を主要事業としています。


そんな同社が、10月17日に、「非日常」や「インパクト」を意識したエントランスと 「機能性」を重視した執務スペースを両立した新オフィスに移転したと聞いて、さっそく見学させていただくことになりました。





アシロが入居している新宿アイランドウイング。東京メトロ丸の内線「西新宿」駅直結の超高層ビル群「新宿アイランドタワー」の一角にあるオフィス です。



こちらはビル1階の共用スペース。大変きれいです。

こちらはビル1階の共用スペース。大変きれいです。



エレベータで4Fに上がり、こちらがオフィスエントランス。





壁一面に、季節を表現した巨大インスタレーション・アートの映像が流れる空間です。


圧倒されている私たちを、オフィス移転プロジェクト選抜メンバーの山崎優華さんが出迎えてくれました。


山崎 いらっしゃいませ。



山崎優華さん(株式会社アシロ リーガルメディア事業部 営業チームリーダー)

山崎優華さん(株式会社アシロ リーガルメディア事業部 営業チームリーダー)



― 今日はよろしくお願いします。素敵なエントランスですね!


山崎 主に四季折々の風景の映像が流れますが、就活時期には採用に関連した動画を流す予定です。スクリーンが青になると、壁にそれが反射してエントランス全体が「深海」のような空気になります。


― 深海・・・?


山崎 はい、弊社名の「アシロ」は、世界最深地点で生存が確認された「ヨミノアシロ」という深海魚から来ています。だから、天井の白い装飾も深海を思わせるモチーフになっています。



天井の装飾。海面にさんざめく白波のよう。

天井の装飾。海面にさんざめく白波のよう。



― なぜ深海魚から社名を付けたのでしょう?


山崎 「世界中の誰よりも深くユーザーとお客様を幸せにしたい」「社会基盤となりうる水準までサービスを深化させたい」という思いをこめています。


そして、さっそく会議室へ案内していただくことに。



通路に並んだ丸窓が船のキャビンを思わせる

通路に並んだ丸窓が船のキャビンを思わせる



― 船内通路みたいな雰囲気ですね。


山崎 通路の丸窓から各会議室のアートが見えるようになっています。どの会議室からも、他の会議室の様子が見えるようになっているのですが、完全には向かい合わせにならないように計算して配置しています。


― アート・・・?


エントランスに一番近い会議室にご案内していただきました。


入室時にドア横のプレートを見ると、「燃え盛れ」とあります。はて、これは会議室名なのかな・・・


今回のオフィス移転プロジェクト選抜メンバーである、鈴木史俊さん(リーガルメディア事業部ディレクションチーム)がいらっしゃいました。



左が鈴木史俊さん(株式会社アシロ リーガルメディア事業部ディレクションチーム)

左が鈴木史俊さん(株式会社アシロ リーガルメディア事業部ディレクションチーム)



壁には巨大アートが飾られていました。

壁には巨大アートが飾られていました。



― 「燃え盛れ」というのは会議室名ですか。このアートから来ているのですか?


鈴木 はい。ここは一番大きい会議室なのですが、「燃え盛れ」というテーマです。この部屋のアートは社員がワークショップで作ったもので、それぞれが左官材を手にして思い思いに好きにやっています。


― 情熱あふれるという感じですね。


鈴木  新オフィスのデザイナーさんから、ワークショップをやらないかという提案があったんです。移転する1週間ほど前に社員40人弱が参加し、本職の左官職人さんにも立ち会っていただいてアドバイスをいただきながら、一つのアートを完成させました。皆で手袋して左官材を塗って、2時間半から3時間ほどかけて作りました。「熱量」がテーマですから、夢中で塗りたくってもらいました。




■会議室ごとのユニークな名前とアート

山崎さん「愛を持ってもらえるような、来たくなるような、会社が好きになるようなオフィスを目指しました」。

山崎さん「愛を持ってもらえるような、来たくなるような、会社が好きになるようなオフィスを目指しました」。



― それでは、今回のオフィス移転プロジェクトについてお聞かせください。


山崎 社員数はアルバイトも含めて64名ですが、旧オフィスが手狭になったため、オフィスを移転することになりました。新宿というエリアは決定していて、面積が倍ぐらいという条件で探して、丸の内線の駅に直結し、JRにも近いこのビルなら、社員の利便性も高いということで決まりました。床面積は旧オフィスの1.8倍になりました。


― プロジェクトメンバーは社内公募されたとか。


山崎  公募したほうが実際に働く社員の声を集めやすいという上の判断です。弊社には他にもいろいろなことを公募しているのですが、このオフィス移転プロジェクトは、特に応募数が多かったそうです。


― プロジェクトチームはお二方だけだとか。少なくないですか?


鈴木  最終的には、もっと人数がいればよかったと正直思いました(笑)。


山崎  最初は2人で頑張ろう!という気持ちでしたが、後半はやることが増えすぎて。もう2、3人いればよかったですね。


鈴木  内装や什器などの発注業務まではオフィス移転プロジェクトチームの3人とCFOの川村で行いましたが、移転に際しては管理部門に手伝ってもらいました。最終的には通信環境整備などの業務もあり、プロジェクトには10名ほどがかかわりました。


― 通常業務も続けながら移転プロジェクトにも携わるのは大変だったでしょうね。


鈴木  同僚にも都合をつけてもらったりしました。発注までは週に1、2時間の時間を作ってミーティングするくらいでしたが、発注後のオペレーションは忙しかったです。


― 3人の中での役割分担は?



山崎  個々に明確な役割を決めたわけではなく、作業ごとに分担してやっていました。たとえば内装会社のコンペでも、最終的には4社の候補となりましたが、当初は一人2社程度を担当窓口としてコンペを進めていました。



鈴木さん「『燃え盛れ』のアートは社員みんなで手袋して左官材を塗りました。本職の左官屋さんに立ち会ってもらったのですが、特に直されることもなくて(笑)」。

鈴木さん「『燃え盛れ』のアートは社員みんなで手袋して左官材を塗りました。本職の左官屋さんに立ち会ってもらったのですが、特に直されることもなくて(笑)」。



― 旧オフィスから大きく変わったところはどこですか?


山崎  エントランスですね。旧オフィスは会社のロゴが壁に配置されているといったいたってシンプルでイメージでした。


鈴木  旧オフィスは「無機質」がテーマだったのですが、今は正反対です。オフィス移転の前にアシロは株式上場して大きな転換を迎えましたので、より大きなインパクトのあるエントランスにしたいということでこだわりました。


― プロジェクトで苦労したところは?


鈴木・山崎  会議室名です(笑)。


鈴木 すべての会議室がワードチックな名前になっています。弊社代表の中山博登が大切にしてほしい指針が元になっており、テーマがすでに決まっていたので、それをどんな会議室名にするかと考えました。なかなかぴったりの言葉が出てこなくて、コピーライターさんにも依頼したり、社長のイメージもあったりして、3月にプロジェクトスタートして紆余曲折(笑)、最終的に決まったのは9月末でした。



ユニークな会議室名の数々。

ユニークな会議室名の数々。



鈴木  たとえば、この「燃え盛れ」という会議室名のテーマは「熱量」です。それをどんな会議室名にアウトプットするのか、いろいろなものが出ました。「43℃」なんて案もありました(人の体温の限界だそうです)。ほかにも偉人の言葉や造語など。


会議室名としては変わっていますが、社長の思いがかなり強く反映されています。「会議室どこだっけ?」「燃え盛れだよ」と日常の会話に出てくることで、社員のインナーマッスルが鍛えられます。


― 独特なセンスを感じます。


鈴木  言い回しや助詞の違い、漢字かひらがなかなどによって印象がすごく変わります。最後の調整は社長にしていただきました。


たとえば「すなおにまなぼう」は、あえてひらがなです。大人になってから言われる言葉ではないので、口にするたびにくすぐったい感じがありますが、一年ほどたてば馴染んでいくと思います。狙い通り、社員の皆は良い"違和感"を感じてもらっているようです。


― 結局、略称になったりしませんか?


鈴木  テーマの方で呼ぶ人もいますが、「この次の会議は『熱』です」と言うと、「ああ、『燃え盛れ』ね」とあえて訂正する人もいます。積極的に口にしよう、という空気があるんです。


― 使い心地はいかがですか?


山崎 ガチャガチャしているように見えますが、丸窓があっても外が気になったりはしません。会議室は予約で埋まっていることも多く、予約時間の終わりになると次の予約者が外で待っていたりするのですが、そんなときに「そろそろ終わるかな」と丸窓から中を覗けるので便利です。


― 社員の皆さんの反応はいかがですか。


鈴木 皆さん、気に入っている会議室が一つはあるようです。使いやすいとか、アートが気に入っているとか。


― どの部屋にもアートがあるのですね?


山崎  深海魚をモチーフにしている社名なので、デザイナーさんは深海をイメージしたオフィスのデザインを心掛けてくださったようです。それにプラスして会議室のそれぞれのコンセプトを際立たせるようなアートを入れてくださいました。


デザイナーさんに渡した新オフィスの要綱に、「愛を持ってもらえるような、来たくなるような、会社が好きになるようなオフィスにしたい」という指定があったので、そのへんを吸い上げてご提案してくださったのだと思います。



会議室「遅いことは誰でもできる」。照明もアートにピッタリ。

会議室「遅いことは誰でもできる」。照明もアートにピッタリ。



会議室「愛をこめて」。南国イメージの絵画にグリーンの装飾が施されている。グリーンの圧迫感がすごい。旧オフィスでは「愛」という会議室だった。

会議室「愛をこめて」。南国イメージの絵画にグリーンの装飾が施されている。グリーンの圧迫感がすごい。旧オフィスでは「愛」という会議室だった。



会議室「私心なかりしか」。禅の修行を思わせる書道のアートが。テーマの意味は、お客様のことを第一に考えて仕事をしているか自問自答せよ、という意味。ここは人気の会議室で、予約も多いそう。

会議室「私心なかりしか」。禅の修行を思わせる書道のアートが。テーマの意味は、お客様のことを第一に考えて仕事をしているか自問自答せよ、という意味。ここは人気の会議室で、予約も多いそう。



会議室「やるか、やりきるか」。右上がりの矢印が「行動力」を表しています。

会議室「やるか、やりきるか」。右上がりの矢印が「行動力」を表しています。



会議室「すなおにまなぼう」。子供心を忘れずに学び続けてほしいという願い。レゴブロックのようなおもちゃを思わせるアート。

会議室「すなおにまなぼう」。子供心を忘れずに学び続けてほしいという願い。レゴブロックのようなおもちゃを思わせるアート。



会議室「失敗しとるか 」。カーペットが暖かい雰囲気。アートには、子ども心を忘れずどんどんチャレンジしてほしいという意味が込められている。

会議室「失敗しとるか 」。カーペットが暖かい雰囲気。アートには、子ども心を忘れずどんどんチャレンジしてほしいという意味が込められている。



― 各部屋のアートの作家はどのように決めたのですか?


鈴木 アーティストを探した経験は誰も持っていなかったのですが、3人それぞれの探し方をしたと思います。僕は若手の作家を探したかったので、Instagramを見まくりました。





どの会議室も遊び心が満載で、ミーティングが楽しくなりそうです。後編ではビジターエリア以外についてもお話を伺っていきます。お楽しみに



後編へつづく






取材協力


株式会社アシロ

2009年創業。2012年より「離婚弁護士ナビ」を開始。以降、弁護士とユーザーをつなぐメディアサイト事業を拡大するとともに、法律問題から派生して生じるニーズを捉えたメディアサイトの運営を行っている。近年はインターネットメディア事業に加えて、人材紹介事業など他分野にも進出。売上成長の高さから、「テクノロジー企業成長率ランキング 日本テクノロジー Fast 50」(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)を3年連続受賞(2019・2020年・2021年)。


株式会社アシロ会社 コーポレートサイト[外部リンク]


編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2022年11月22日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オフィスづくりサービス ご相談はこちら オフィスづくりサービス ご相談はこちら