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フルリモートで気づいた「対面コミュニケーションの重要性」 ~イーストフィールズ株式会社 [後編]

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カウンターコーナーとソファコーナーを合わせた「フリースペース」

カウンターコーナーとソファコーナーを合わせた「フリースペース」


フリーランスと企業のマッチングWebサービス『Pro Connect』を運営するイーストフィールズ株式会社。2022年8月に移転した新オフィスのこだわりやコンセプトについて、代表の東野智晴さんに伺いました。



前編はこちら








■ディスカッションの質を上げるためにあえてデスクを密集させた

東野智晴さん(イーストフィールズ株式会社 代表取締役CEO)

東野智晴さん(イーストフィールズ株式会社 代表取締役CEO)



― オフィスを移転した経緯を教えてください。


東野さん  前のオフィスは定員20人程度のキャパシティしかなく、社員が増えたので、移転を決めました。バックオフィスのスタッフを中心に社員全員で、通勤しやすい山手線沿線でどこにするか意見を出し合い、一番希望者の多かった恵比寿に決めました。


― このオフィスでこだわったことは?


東野さん  まず会議室の数にこだわりました。これは『Pro Connect』に登録するフリーランスの方々にも利用してもらうためです。


― フリーランス用の会議室が3つあって、『Pro Connect』に登録いただき登録面談を終えた方なら誰でも自由に使えるそうですね。


東野さん  登録いただいているフリーコンサルタントの方々は大手有名コンサルファームの出身者が多く、弊社の合格率20%の審査を通った方たちです。面談を終え、仕事をお任せする前提で登録していただいているので、信頼関係が成り立っています。会議室の利用に関して利用者数、時間以外の制限などは特に設けていません。もちろん、フリースペースも自由に使っていただけます。


マッチングサービス『Pro Connect』を立ち上げたのは、まず働き方改革に伴うデジタルシフトや競争激化における成長戦略・実行などの支援を背景にコンサルニーズが高まっていること、そしてフリーランスを仲介するエージェントを活用すると情報の非対称が起こり、業界平均 30%〜40%もマージンが抜かれてしまう現状があるからです。弊社はマージンを明瞭にしており、業界最低水準の8%〜15%を実現しています。皆さん、専門性の高いハイクラスのフリーランスで、弊社のサービス内容や条件にも共感していただいています。


― 執務エリアは人数に対してかなり広めですね。


東野さん  私なりのコンセプトというか、デスクを密集させることにこだわりました。日常の業務は関わりのある社員が近くにいる方がやりやすいし、コミュニケーションもスムーズに取れますから。


― コロナ下では密集を避けるオフィスも増えましたが、あえて密集させたのですね。


東野さん  まず、コロナは一過性のものだと思っています。弊社の立ち上げはコロナ前の2018年10月ですが、当時からフルリモートを導入し、オフィスで仕事をしなくていいルールでした。しかしディスカッションのクオリティを高めるためには、表情や身ぶり手ぶりなどの非言語コミュニケーションが重要であることを次第に実感するようになり、対面でやりとりすることの大切さに気づいたのです。


前のオフィスでは作業場所は自分のデスクに限られていました。ところがここに引っ越してからは、面白いことに、フリーエリアのソファやカウンターなど自分のお気に入りの場所を見つけて作業する姿を見かけるようになりました。一人で会議室にこもって作業をするのが好きな社員もいます。


― 「オフィス内リモート」のような感じですね。


東野さん  オフィスの中で心地よく作業に集中できる場所をそれぞれが見つけているのでしょう。空間が気分転換に寄与しているというか、自分の居場所を選べる、ゆとりのあるオフィスならではの楽しさを感じているようです。そういう点では、旧来の執務室タイプのオフィスと今どきのデザインオフィスを融合させていると言えるかもしれません。


 

― 他にオフィスに対するこだわりはありますか?


東野さん  前のオフィスから踏襲しているのですが、ホワイトボードの活用です。ホワイトボードは議論に必須のツールと捉えていて、いつでもどこでもディスカッションで使えるように、会議室に限らず執務エリアにも配置しています。前のオフィスは窓がなかったので、壁一面がホワイトボードでした。今のオフィスはまだまだホワイトボードが足りないと感じているくらいです。


― ホワイトボードは東野さんのこだわり、と斎藤さんもおっしゃっていました。


東野さん  私自身がホワイトボード大好き人間で、電話をしながらホワイトボードに図をメモして、それを写真に撮って共有したりします。電話を切った後で、その件に関わりのあるスタッフをその場に呼び、ホワイトボードを見ながらディスカッションしたりすることもあります。


ホワイトボードは一人で自分の考えをまとめるためにも使います。私が書いたものをたまたま目にした他の社員が自分の意見を言って、それでディスカッションが始まったりすることもあります。


― そういったディスカッションが活発にできるのも、対面でコミュニケーションできるオフィスならではですね。




■社員が自分のスタイルで仕事ができるオフィス



― 東野さんはイーストフィールズ立ち上げ前に大手保険会社やコンサルタントファームの勤務経験をお持ちですが、それらのオフィスで感じたこと、気づいたことを今のオフィスに活かしているのでしょうか?


東野さん  両社とも、オフィスは実用性・機能性重視でしたので、何かもっと遊び心を持ち込めないかな、ということは考えました。


― 卓球台やゲームを置いているのはそういう遊び心から?


東野さん  そうですね。就業後に気分転換を図ってもいいし、就業中でも作業の効率が上がるなら仮眠用ソファを使っても構いません。社員それぞれが仕事のスタイル、やり方を持っているので、それを縛らないようにしています。今後社員が増えるとさらにスタイルも増えて多様化していくと思います。


― 自由な雰囲気の中で、社員が自分のスタイルで仕事ができるオフィスですね。


東野さん  実は以前、社内の人間関係がギクシャクして、会社が組織としてうまく回っていなかった時期があったのです。ただ振り返ってみると、当時はリモート会議で用件を伝えるだけで、社員とのコミュニケーションが足りず、会社への帰属意識のようなものも醸成されていなくて、組織としての雰囲気が暗かったことが遠因になったのではないかと反省しました。


― それで対面コミュニケーションの大切さに気づいたと。


東野さん  はい、組織作りに失敗したことに気づき、社員間の良好な関係性を築くためにはオフィスに定期的に集まることが大切だと考えるようになりました。対面のコミュニケーションを積極的に図ることで、今ではコミュニケーションが円滑な雰囲気の明るい会社になったと自負しています。


― リモートワークには弊害もあるのですね。


東野さん  リモートワークとオフィスワークの良いところを組み合わせた働き方を模索していくべきなのでしょう。会社のフェーズにもよると思いますが、特にこれから企業文化を築こうとするスタートアップにとっては、非言語的なものを含むコミュニケーションを図る場所として、あらためてオフィスの重要性が認識されるでしょう。コミュニケーションに設計デザインを振り切ったものが理想のオフィスになるのでしょうね。







コロナ下でリモートワークが進み、オフィスのあり方が問い直されています。東野さんが語ったように、企業文化を築くためにも、コミュニケーションを図る場所としてのオフィスの重要性は今後ますます浸透していくでしょう。イーストフィールズのオフィスには、理想のオフィス作りの大きなヒントが隠されていました。






取材協力


イーストフィールズ株式会社

2018年10月10日設立。代表は東野智晴氏。フリーランスと企業を結ぶWebサービス『Pro Connect』を運営し、独自のマッチングシステムによってフリーランス側、企業側の両者にとってベストな結びつきを実現している。 業界最低水準の8~15%のマージンを公開することで、より透明感のあるサービスを提供できるよう努めている。


イーストフィールズ コーポレートサイト[外部リンク]


編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2022年10月5日

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