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小さい事務所をおしゃれに見せるオフィスレイアウトのポイント

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小さい事務所では、事務所の賃料や事務所で使う用品にかかるコストを抑えられます。空間が限られているため、異なる色をバラバラに使うこともなく家具・内装などのイメージを統一しやすい、利用する社員の声を反映しやすいなどのメリットもあります。この記事では、メリットの多い小さい事務所をおしゃれに見せる方法を解説します。








■小さい事務所でのオフィスレイアウトのポイント

小さい事務所でも快適なワークスペースを確保するには、ポイントを押さえて事務所をレイアウトすることが大切です。最初に、一人分のワークスペースや、事務所内で各スペースに割り振るべき比率といった、事務所のレイアウトのポイントを解説します。



●まずは一人当たりに必要なワークスペースを知る

小さい事務所では、限られた広さのなかでも従業員一人ひとりに対し勤務に支障の出ない広さを割り当てなければなりません。事業者には、労働者一人ひとりに割り当てるワークスペースはどの位の広さなのかを確認し、その広さを守る義務があります。


「労働安全衛生法」の規定に基づいて定められた「事務所衛生基準規則 第二章 事務室の環境管理 第二条」を参考にすると、労働者を常時就業させる部屋は、労働者一人に対して容積が10立方メートル以上の広さにしなければならないと定められています。事務所の天井の高さを、多くの事務所で採用されている2.5メートルの高さに設定して計算すると、一人分の広さは1.21坪(4m²)と計算できます。



参照元:安全衛生情報センター「事務所衛生基準規則 第二章 事務室の環境管理(第二条-第十二条)」



一方、 日本ビルヂング協会連合会の「ビル実態調査」を参考にすると、小規模ビルで労働者一人に使われていた事務所面積は4.1坪(13.6m²)でした。



参照元:一般社団法人日本ビルヂング協会連合会「平成25年度ビル実態調査東京要約版」



これらの結果から、実際に稼働している事務所では「事務所衛生基準規則」で定められた広さの3倍以上の広さが使われていることがわかります。事務所の広さは、労働者一人分の広さだけを元にするのでなく、デスクのサイズや通路幅、収納やミーティングルームなどのオフィス機能分も用意しなければなりません。デスクや通路幅などを含めた一人分の広さは、この調査では約3~4坪(10~13m²)と判断できます。


部屋の広さを考えるときには、デスクや通路、さらにミーティングルームなどオフィス機能として欠かせない部分の広さまで判断材料に入れなければなりません。例えば、一人用デスクのサイズは、多くの事務所で使われている基本のサイズが幅1000~1200mm/奥行700mmです。事務所に必要な通路幅は、デスクの間・座席と壁面の間が最低でも900mm、座席と壁の間・座席と座席の間は1600mm以上、収納庫と座席の間は1500mm以上です。労働者一人が仕事をする場所の広さはデスクサイズと通路を足した広さを参考にできるため、上記のサイズから一人の労働者の労働に必要な場所の広さがわかります。デスク数とデスクの並べ方、通路の場所によっても、快適に仕事ができる広さは異なります。



●オフィス内での各スペースの理想的な配分を知る

小さな事務所では、スペース単位で理想的な広さを確認したうえで、限られた広さにどのスペースを配置できるのかを検討する必要があります。一般的に望ましいとされる事務所内各スペースの配分率は以下の通りです。ただし、部屋の形状や利用目的によってこの割合は変動します。



【事務所内のスペース割合】
・ワークスペース 50%(小規模オフィスでは60~70%の場合が多い)
・役員スペース 10%
・共有スペース 15%
・休憩室 10%
・収納 3%
・情報管理 10%
・通路 2%



家具の占有率が55%を超えてくると、部屋全体が狭く感じられるようになると言われています。


また一般的なオフィスにはあるが自社にとって必要ないスペースがあったり、逆に他社にはないが自社の業務に必要なスペースがあったりするでしょう。各スペースの配分率を考えるために、事務所のレイアウトを検討する前に、必要なスペースの項目を洗い出しておくことが重要です。




■小さい事務所を広くおしゃれに見せるコツ

小さい事務所を広くおしゃれに見せるには、コツを押さえてレイアウトを行うことが重要です。小さい事務所をレイアウトするおすすめの方法を紹介します。



●オフィス家具は目線を遮らないものを選定する

小さい事務所で目線を遮る背の高い家具を使っていると、部屋が狭く見えて窮屈に感じられます。常に目線を遮る家具で圧迫感を感じていると、事務所の環境が原因でストレスが生じる場合もあります。家具を選ぶときは、目線を遮らず圧迫感がない「眼の高さ(身長×0.9)」よりも低い家具を選ぶのがおすすめです。


一方、集中して作業する場所では、作業中の視界に他の人やモノが入って集中力が低下することを防ぐため、座ったときの目線を遮る高さがある家具を置きます。場所の用途によって、適度な高さの家具を設置することが大切です。


また小さい事務所に部屋を区切る背が高いパーテーションを置くのは、圧迫感が出るため適していません。置く必要がある際は、高さがあまりないタイプを選びましょう。もしくはラダータイプのものや、一部が透明・半透明になっているタイプのものなら圧迫感が出にくいため、小さい事務所で使うケースに向いています。



参考:トーカイスクリーン ブラックフレームパーティション

参考:トーカイスクリーン ブラックフレームパーティション



また空いている場所をうまく活用するには、パーテーションと収納家具が兼用できるタイプもおすすめです。



参考:アスプルンド システムシェルフ

参考:アスプルンド システムシェルフ



●ひとつのスペースに複数の機能を設ける

事務所の面積を効率よく使うためには、専用スペースを個別で設置せずに、ひとつにまとめて兼用スペースとして設けることがおすすめです。例えば、ミーティングルームとカフェエリア、ミーティングルームと応接室など、異なる目的で部屋を兼用できるエリアを設定すると、場所をとらずに1ヶ所のスペースで複数の用途に使えるようになります。


テレワークを導入している企業や、従業員の在席時間が短い企業では、出社していない従業員のデスクに使われていた場所を有効活用できます。また固定席を指定しないフリーアドレスデスクは、個人作業とミーティングに兼用できる点も魅力です。大きなフリーアドレスデスクの場合は、動かせるデスクトップパネルなどを使い、用途や人数に応じて好きな箇所で仕切るのもおすすめです。



参考:オカムラ VILLAGE VD-A ワークテーブル

参考:オカムラ VILLAGE VD-A ワークテーブル



●色の配置を意識する

インテリアの配色によっては、限られたスペースでも広く見せることができます。天井や壁紙、家具など、内装やインテリアに明るい色を取り入れると、圧迫感が軽減されて部屋が広く見えます。具体的には白、アイボリー、ベージュなどの明るい色や、ペールブルーなどの薄い寒色系の色を使うと部屋が広く見えるため、これらの色をインテリアなどに取り入れると効果的です。


また部屋全体に明るい色を使い、一部の家具などにアクセントカラーを取り入れると、空間にメリハリができて奥行きのある広い部屋に感じます。アクセントカラーに濃い色を取り入れる場合は、床や低めの家具など下の部分だけに取り入れるのがおすすめです。重厚感や奥行きがある落ち着きのある雰囲気に変えられます。


小さい事務所では、柄の入っていない壁紙を選ぶことも重要です。壁紙には、すっきり見えて空間を広く感じさせる無地のタイプが適しています。もし柄の入った壁紙にしたい場合には、天井が高く見える縦のラインが強調された柄を選ぶのがおすすめです。


小さい事務所を広くおしゃれに見せる事例として、下記記事もぜひ参考にしてください。


小さくてもオシャレで働きやすいオフィスにしたいときに意識したい7個のポイント~株式会社エスタイルのオフィスに学ぶ~ (オフィス訪問[3])



■おわりに

小さい事務所では、できるだけ広さを無駄にしないことが大切です。労働者が利用するワークスペースが不足していないかどうか確認し、事務所内の各スペースの理想的な配分を参考にすると、快適に業務ができる広さが計算できます。広さが決まったら、部屋が広く感じられる空間づくりを意識して家具などの設置場所を決めます。


小さい事務所を広くおしゃれに見せるには、部屋を区切り、狭く見せる高さのある家具ではなく、目線を遮らない高さの家具や、一部が透明になっているなどのオフィス家具を選ぶのがおすすめです。また、明るい色で圧迫感をなくしたり、アクセントカラーでメリハリをつけたりする方法でも、部屋をすっきりと広く見せられます。ぜひレイアウトの参考にしてみてください。


アスクルでもオフィスデザインや設計、施工、家具の納入までワンストップで請け負っています。面積が限られた小規模オフィスのレイアウトでも、必要スペースや通路などを確保し、建物のスペックを見極めながら、バランスのとれたオフィス空間を考えていきます。


狭くても工夫次第でおしゃれで快適なオフィスづくりは可能です。気軽に相談してみてください。



「アスクルオフィスづくりサービス」
https://www.askul.co.jp/f/services/furniture/construction/moving.html/




編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2022年12月16日

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