みんなの仕事場 > オフィスデザイン事例 > 執務スペースが休日は接客スペースに大変身! 店舗兼オフィスで1スペース2役のオフィス作り(株式会社アールキューブ オフィス訪問[3])

執務スペースが休日は接客スペースに大変身! 店舗兼オフィスで1スペース2役のオフィス作り(株式会社アールキューブ オフィス訪問[3])

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

rcube1612_3_1.jpg

店舗兼オフィスのレイアウトでは、平日に平均的に来店されるのであれば良いのだが、業種によって、お客様の来店が土日に集中するという場合、店舗スペースと執務スペースのレイアウト配分をどのようにするかが問題になる


土日の来店客数に合わせて店舗部分を広げると、平日はほとんど使われずに、もったいないことになってしまうからだ。


先日オフィスを取材した、会費制結婚式をプロデュースするRCUBE(アールキューブ)のオフィスは、お客様を迎えるラウンジ兼オフィスになっているのだが、その課題を見事なDIYアイデアで解決していたので紹介したい。


RCUBE(アールキューブ)は、ウェディングプロデュース業のため、結婚式の相談に訪れるお客様は週末に集中する。土日はお客様と結婚式の相談をするためのラウンジエリアが朝からフル稼働になる。他方、社内の制作スタッフは平日勤務のためオフィスエリアが週末は空いてしまう。


そこで、平日と週末で、ラウンジエリアとオフィスエリアの境界をフレキシブルに変えられるよう、両者を分ける「壁」を動かすことで対応している



■週末と平日でラウンジエリアとオフィスエリアの比率を変えられるフレキシブルなオフィス

rcube1612_3_3.gif

「壁」を動かしたところ。手前がお客様との接客を行うラウンジエリア。「壁」を動かして現れる奥がオフィスエリア。


敷居となっている壁を動かして、週末はオフィス側にシフトすることで、週末の繁忙期だけラウンジエリアを拡大している


この点について、発案者の株式会社アールキューブ 代表取締役CEO 山崎さんの説明を引用しよう。

rcube1612_3_4.jpg


ウェディングプロデュースという事業の特性上、平日のラウンジエリアは写真のようにガラガラですが、土日になると朝から晩までお客様の来店で満席になります。


週末には、結婚式相談のための接客スペースが多く必要なのですが、平日はそのスペースがデッドスペースになってしまうという課題がありました。平日の面積当たりの売上を計算すると無駄になっていることを何とかしよう、と。平日の接客スペースをギュッとタイトに絞って、逆に、社員の制作チームなどが広々と使う執務スペースにできないかと考えたんですね。


執務スペースと接客スペースのウエイトを普段は6:4なのを4:6に変わったりとか、こういうことができるオフィスはあまり聞かないですよね。効率化を図るにはどうすればいいか、かなり知恵を絞りました。


こちらのオフィスは2016年11月16日に引っ越しまして、前のオフィスが手狭になったことから移転してきたのですが、移転するかなり前から、ずーっとこのアイデアがあって、動かせる壁をどうやって実現しようかと考えていました。そんな中で見つけたのが、工事現場などにあるコンテナを運ぶパレットです。色々調べると、パレットを使ったオリジナルのDIYがあるとわかったので、具体化していった感じですね。パレットで壁を作れば、フックでディスプレイもできたり、そういうのもできるよねー、と。


(株式会社アールキューブ 代表取締役CEO 山崎さん)




こちらが平日のセッティング 接客のラウンジ側。

rcube1612_3_2.jpg


これをオフィスエリア側から見たのが下。

rcube1612_3_5.jpg

こちらは平日はオフィスエリアになっており、制作チームなどが執務をしている。



rcube1612_3_6.jpg

こちらは「壁」の一部を動かして、ラウンジ側とつなげてもらったところを撮影した。一見すると一体に見えるDIY壁だが、合計4つのユニットで構成され、それぞれ動かすことができる。週末は、4つのユニットから構成される「壁」を動かして、執務スペースをラウンジに変える。


ちなみに、執務用のテーブルは、ラウンジで使っても違和感のないデザインのものを使用しており、当初から共用を意識したものになっている。



■気を付けたいのが安全性

DIYで気を付けたいのは、安全性だ。社員だけでなく、お客様がいらっしゃるとなると最大限配慮したい。アールキューブでも、最も気を付けたのが安全性とのこと。



DIYするときに、ものすごく気を付けていたのは安全性です。社員に対してもそうだし、お客様もいらっしゃるので。特に、ラウンジエリアには、お子様もいらっしゃるので、安全ということは一番気にしました。


だから、この木製パレットで作ったDIY壁を作るときは、知り合いの一級建築士に、どのバランス、角度でやったら一番、重心が下がって安定するかというのを計算してもらいました。パレットの角度をどういう風にすると一番倒れにくいかと数字で出してもらって、それでも心配なので転倒防止のため、コンクリート製の重りもDIY壁には取り付けています。


またパレットは結構表面がささくれていたりするんですよね。お客様が触ってケガをすることのないように、徹底してヤスリがけして滑らかに仕上げました。


やはり、安全性に関しては一番気にしてやっていましたね。


(株式会社アールキューブ 代表取締役CEO 山崎さん)




rcube1612_3_7.jpg

DIY壁の重しとなるコンクリート製ブロック。


≪参考情報(消費者庁通達)≫

「本棚等の転倒防止策について(平成22年12月1日消費者庁より通達)」[PDFファイル]



■まとめ

執務エリアと接客エリアを繁忙に合わせてフレキシブルに場所の大きさを変えられるというのは、オフィススペースの効率が極めて高めることができる。必ずしもどの店舗兼オフィスで導入できることではないと思うが、同じように悩んでいるオフィスでは何かのヒントになるはずだ。



rcube1612_3_r8.jpg

(株式会社アールキューブ提供写真※)


「壁」を開き、オフィス内をすべて開放してパーティ開催の一コマ。

フレキシブルなため、オフィススペースを最大限活用できる。






取材先

株式会社アールキューブ コーポレートサイト

設立2006年。本社東京都港区神宮前。「経済的理由で結婚式を挙げられない人をなくす」をサービスミッションに、自己資金5万円から、あとは当日のゲストからの会費だけで一流会場(関東圏 約100会場)の結婚式を挙げることが可能な仕組みで、従来の結婚式の半額以下、後払いでokの支払いシステムなど、明朗会計で1,000組以上の婚礼を行う。


会費制の結婚式「会費婚 ®」サイト


※「会費婚®」は、株式会社アールキューブの登録商標です。





編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の写真を除く)
取材日:2016年12月22日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
こちらからご確認ください。

オフィス家具を探す

家具カテゴリー トップはこちら 家具カテゴリー トップはこちら