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働き方を考える

ワークもライフも含めた「働きがい」が企業のパーパスになる[後編]

赤木亜希子氏(アドビ株式会社 シニアHRビジネスパートナー)

赤木亜希子氏(アドビ株式会社 シニアHRビジネスパートナー)


前回・前々回のGTPWジャパンに続いて、「働きがいのある会社」ランキングに6年連続でベストカンパニーに選ばれ、中規模部門(従業員100~999人)でも11位に選出され、昨年より6位ランクアップしたアドビ株式会社の日本法人を訪ねた。


前編・中編はこちらから

「ワークもライフも含めた「働きがい」が企業のパーパスになる[前編]」

「ワークもライフも含めた「働きがい」が企業のパーパスになる[中編]」








■アドビ:People Centricの文化を軸にした「働きがい」とは

画像や動画編集のためのクリエイティブツールやPDFを中心とするドキュメントツール、そしてデジタルマーケティングのソリューションを提供し、デジタル体験で世界を変えるリーディングカンパニーのアドビは、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、日本オフィス独自で若手育成プログラムをはじめ様々な取組みを導入している。社内のコミュニケーションを活性化する施策や、社員の声を吸い上げる施策なども多数展開し、さらにグローバル全体で定期的な全社休日制度を導入するなど、すべての社員にとって働きやすい環境を生み出している。


対応してくださったのは、シニアHRビジネスパートナーの赤木亜希子氏、採用チームの大西せいら氏である。



赤木亜希子氏(アドビ株式会社 シニアHRビジネスパートナー)

赤木亜希子氏(アドビ株式会社 シニアHRビジネスパートナー)



大西せいら氏(同 採用チーム)

大西せいら氏(同 採用チーム)



― アドビの文化は「People Centric」だと聞きました。


赤木  はい、アドビは人材こそが中心という考えを持っています。これは単なるお題目ではなく、経営陣からマネージャーまでみんなが大事にしている理念です。


コロナ禍という今までにない環境が2年続いたことで、社員が知らず知らずのうちにストレスをためていたり、新たな困難にあたって悩んだりしているかもしれません。そうした「バーンアウト」を防ぐために、ウェルビーイングのセッションを以前より増やしています。


― コロナ禍の中でスタートした施策があるそうですが。


赤木  たとえばビジネスユニット・イントロダクション・セッション(BU Intro Session)もそのひとつです。感染拡大の中でアドビもオフィスをクローズし、フルリモートワークになりました。その中でもアドビは積極的な採用を続けてきましたが、新しく入社した社員が他部門のビジネスや組織について知ることが難しいという課題が生じていました。


社内には製品営業チーム、コンサルや開発のチームなど様々な事業部門があります。リモートで入社した社員は日々の業務を通じて自部門の業務については理解できても、他部門とは接点を持つ機会が限られていました。


そこで、新しいメンバーがアドビのビジネス全体をよりきちんとキャッチアップできるように、各部門の紹介セッションを完全オンラインで始めました。


各チームのリーダーが、どんな仕事をしているか、どんな体制でやっているかを説明することで、他部門と自部門がどう連携しているのか、どんなリーダーがいてどんなカルチャーなのかが、リモートでも把握できます。これはとても好評でしたので、出社も合わせたハイブリットワークになっている現在でも、毎月実施しています。




■ダイバーシティに基づくチームワーク



― グローバル企業としての、ダイバーシティに対する姿勢を教えてください。


赤木  入社した後、業務の研修だけでなく、アドビのカルチャーについても知ってもらいます。アドビでは、単に育休の取得制度があるというような福利厚生としてのダイバーシティではなく、社員一人ひとりに配慮する取り組みが基本姿勢です。ですから、ハイブリッドワークを開始した今も、全社一律の出社日を決めたりはしません。


日々の業務で実際に多様な社員に触れ合うので、相手にとって何が大事か、何が助けになるかと考えるマインドが醸成されます。さまざまな人と混じりあうことで面白いアイデアが生まれ、社員一人一人が小さな成功体験を積み重ねていくのです。


大西  アドビは多様性を受け入れる会社だと実感しています。日々の仕事では日本語と英語の両方でコミュニケーションしています。メンバーのバックグラウンドはそれぞれ異なりますが、バイアスなく意見を交換し、互いに理解しあることができれば、最高のチームワークを実現できます。


新しいことを試したり提案したりする機会、マネージャーやチームメンバーが相手を尊重して話を聞いてくれたり実行したりする機会にも恵まれています。経験が浅いメンバーでもリスペクトしてくれて信頼しあえる社風ですね。


赤木  社員550名ほどいるのですが、一般的な日本企業に比べフラットな組織だと思います。日本法人の社長や役員もフランクな人柄で、普段から役員と社員が気軽にコミュニケーションできるカルチャーがあります。社長以外には役員室はなく、社長室も社員と同じフロアの中央にあります。


私たちは定型的な作業を行うオペレーターではなく、クリエイティブな製品を作るクリエイターです。多様な視点、考え方を持っていることが、ビジネスの価値創造につながると考えています。


― ダイバーシティは、クリエイティブであり続けるための生命線のようなものなのですね。


赤木  私たちはアドビというひとつのチームをより活性化し、強くしていきたいと考えています。そのために社員一人ひとりの声を大事にします。人は、自分が尊重されていると感じるときに最大のパフォーマンスを発揮すると信じているからです。ただ、社員の事情を慮ることがすべてかというと、そうではありません。個々人のフレキシビリティも大事にしつつ、チームとして力を発揮することを目指しています。




■会社の魅力を拡散し、世界中のアドビ社員とつながる「アドビライフ」



― ワークとライフをあわせて「アドビライフ」と呼んでいるそうですが。


赤木  職場で仕事をうまく進めるだけではなく、社員が生き生きと輝き、日々ワクワクを感じるような生活も含めて「アドビライフ」と呼んでいます。仕事をしている間だけでなく、仕事とライフがともに充実してこそクリエイティビティが生まれ、それによって仕事もライフもさらに良くなっていくと考えているのです。


― アドビでは、3週ごとの金曜日に世界各国の拠点が一斉に休みになる「グローバルデイオフ」を2020年から始めました。正直なところ、業績に影響したりしないのでしょうか?


赤木  オペレーターの会社なら営業日数が減って業績も落ちるところですが、私たちは新しいものを作るクリエイティブな会社ですから、疲れた状態で週5日働くのと、週4日働いて金曜から3日リフレッシュして月曜から働くのと、どちらの生産効率が高いかを考えました。疲れても働き続けるより、メリハリつけて働いた方が生産性が高いのです。


それに、「3週間に一度休みがある」と聞けば「良い会社だな」と思ってもらえますよね(笑)。長く働いてくれたり、気持ちよく働いてくれたり、外からアドビに入りたいと思ってくれたりする。そういう人材を惹きつける効果もありますから、「グローバルデイオフ」は良い経営戦略だと思っています。


良い結果を出すには各個人が責任を持ってやることが前提になります。であれば、「みんなが休まないから自分も休めない」とプレッシャーを感じるより、みんなで1日休んだ方が良い発想が出る。会社として社員を信頼しているんです。その結果は業績にも表れています。


― グローバルデイオフにユニークな休日を楽しんでいる人も多いそうですね。


大西  たくさん遊んで、どんな楽しいことをやったかをSNSに投稿しようという「#アドビライフキャンペーン」をやっています。アドビの魅力がSNSで拡散し、世界中のアドビ社員とつながることができます。日本ではLinkedInはあまり広まっていませんが、大勢の社員がLinkedInシェアしてくれました。



「#アドビライフキャンペーン」で投稿されたSNS画像(※)

「#アドビライフキャンペーン」で投稿されたSNS画像(※)



赤木  社員がワクワクするようなイベントを社内で定期的に開催しています。それらを通じて社員がますますアドビのカルチャーが好きになり、LinkedInやFacebookで社外にも発信する。すると、会社のブランディングや将来の採用にもつながります。


― 最後に、社員の働きがいを向上させたいと考える企業にアドバイスを。


赤木  働きがいを向上させたいなら、まず社員が何を必要としているのか、何に困っているのか、声を聞いてください。そしてその声にすぐにアクションすることも大事です。制度化に時間をかけすぎて何ヶ月も放置していたら社員は出ていってしまうでしょう。アドビのグローバルデイオフも社員の声がきっかけで始まりました。社員と対話し、真摯にアクションすることが、会社として大事な姿勢ではないでしょうか。これはクリエイティブな業種かどうかなどとは関係ないことだと思います。




■帰属意識から働きがいへ

政府主導の働き方改革やコロナ禍の影響で、「毎日オフィスに出社し、固定席で仕事をする」以外の働き方が急速に広まった。働く人の意識も大きく変わりつつあり、かつてのような会社への帰属意識が希薄になった分、働きやすさを重視する傾向が強まっている。今後も働きがいが重視される流れは変わらないだろう。


一方、オフィスをコミュニケーションの場ととらえ、交流を目的としたおしゃれで快適な内装にリニューアルする企業も増えている。しかしながら働く人たちの意識が急な変革にいまだ追いついていないケースもあり、「テレワークでも仕事はできるけれども、やはり出社しないと落ち着かない」と感じる層も少なくないようだ。


働き方の過渡期といえる現在、「働きがい先進企業」がもっと増えていくことを期待していきたい。






取材協力


株式会社働きがいのある会社研究所(Great Place to Work® Institute Japan)

コーポレートサイト/[外部リンク]
2022年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100[外部リンク]


アドビ株式会社(日本法人)[外部リンク]


編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
取材日:2022年6月16日・7月29日

         

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