(Chatwork株式会社カフェスペース)
前記事「ビジネスチャットサービス国内最大級「チャットワーク」を提供するChatwork株式会社の東京オフィス [前編] (オフィス訪問[1])」からの続き。
5Fエントランスに足を踏み入れると、写真中央にバーカウンターを中心にカフェ空間が広がり、右手に会議室、奥のセキュリティエリア内に執務スペースが置かれている。
執務フロアの中央にカフェスペースが配置され、さらにその中心に位置するのがこちらのバーカウンター。人が集まる場所を真ん中に置くことで、人が集まりやすく、コミュニケーションが活発となるよう作られている。
カウンター内にはコーヒーなどのドリンクやがあり、電子レンジや冷蔵庫、ゴミ箱も設置されている。
カフェスペースを撮影。
天井はスケルトン化して開放感を持たせ、床は個性的な印象のヘリンボーン張りにしたフローリングにすることで、執務デスクのあるエリアとは雰囲気を変えてリラックスした雰囲気に仕上げている。
窓際には、窓からのグリーンや東京タワーが見える景観を活かしてカウンター席が設けられている。ここに来て1人集中して仕事をするのも人気とのこと。
カウンター席のチェアは、お気に入りの場所を見つけてほしいとのことから名作家具が並ぶ。
手前から紹介すると、マジス社の「サイボーグ ウィッカー エレガント (Cyborg wicker Elegant)」。その隣がフリッツ・ハンセン社「セブンチェア (Series 7)」。さらにその隣は、カルテル社の「マスターズ (MASTERS)」。その奥は...と続くが長くなるので省略。
カウンター席の手前にはオープンミーティング席も設けられている。クラシカルな大型ラウンドテーブルの周りにウインザーチェアの組み合わせ。ペンダントライトは、ルイス・ポールセン社のPH5。
さらに奥は執務エリアに。
こちらはセキュリティエリアとなっており、部外者立ち入り禁止のため、撮影もこちらから。執務デスクのあるエリアにもオープンミーティング席が随所に置かれている。
それでは少し戻ってバーカウンターの反対側を見てみたい。
こちらも同様にカウンター席がある。奥に見えるチェアは、カール・ハンセン&サン社の「Yチェア」。
カウンターもかっこいい。
さらに奥へ。
こちら側の窓際にもカウンター席が並ぶ。
名作チェアが並ぶ。一番手前に見えるのは、ヴィトラ社「パントンチェア (Panton)」。その奥は...とこちらも名作チェア続くが、長くなるので省略。
窓側のカウンター席の手前にはフルハイトのガラスパーティションで区切られた会議室が置かれている。
執務フロアの中央にバーカウンターがあり、その周囲に会議室が配置されている。人が集まる、出入りするところが中央付近に集められているのだ。
会議室の中を拝見。かしこまらない雰囲気で開放感ある会議室。コーポレートカラーの赤黒で揃えたチェアはヴィトラ社「HALチューブチェア」。
さらに奥へ進むと、こちら側も執務デスクのあるエリアになる。
こちらも執務エリア。
こちらは開発チームが多く、オリジナルの執務デスクが見える。
執務スペース内部はセキュリティの関係でこれ以上撮影できなかったが、同社から写真をお借りしたので、そちらを紹介したい。
執務デスクのあるエリア (同社提供写真※)
エッジが赤色でブラックのパーティション付デスクが見えるが、こちらは同社オリジナルのものでDIYにより作られたもの。
オリジナルの執務デスクは、執務に集中しやすいよう、パーティション付で、棚もつけられ社員が自分の「城」として使いやすいように作られている。キャスター付きで移動も簡単だ。
別な角度からもう一枚 (同社提供写真※)
同社では、独自の「椅子選択制度」があり、オカムラ「バロン (Baron)」、イトーキ「スピーナ (Spina)」、同「レビーノ (LEVINO)」、ハーマンミラー「セイル (Sayl)」の中から選ぶことが出来る。
イトーキ「スピーナ (Spina)」
オカムラ「バロン (Baron)」
ハーマンミラー「セイル (Sayl)」
イトーキ「レビーノ (LEVINO)」
【編集注】
椅子の撮影は同社エントランスで行いました。スロープ上での撮影のためわずかに傾いています。また、椅子の撮影は2018年11月28日の同社ロゴ変更前に行われたため、背景に旧ロゴをモチーフとしたアートワークが写っていますが、今後こちらは新しいアートワークに変更される予定です。
移転前のオフィスフロア。(同社提供写真※)
Chatworkでは今回の移転にあたり、ほぼ社員全員が参加してDIYでオリジナルのデスクを製作している(写真は同社提供)。オフィス移転前のフロアに、社員全員が入れ替わりやってきて交代で製作に関わっているというのはあまり例がないのではないか。
写真では、設計図面に合わせてカットされたデスクの板材が納入されて積み上げられており、それを社員で組み上げているところ。
こちらはほぼ組みあがった状態。(同社提供写真※)
デスクの内側。(同社提供写真※)
パーティションと一体となったデスクになっている。内側に左右どちらにも取り付けられる棚もついている。
デスクの内側。(同社提供写真※)
まずは板面を黒く塗装し、次に端面を赤色に塗る。黒と赤は同社のコーポレートカラーから。特に塗装は大変で、社員の多くで交代しながら塗ったとのこと。紫色や緑色はマスキングテープ。
DIYというと、手作りでお安くというイメージが一般的にはある。しかし、費用を安くしたいから、DIYでデスクを作るのは企業として考えづらい。というのも、社員が交代しながらとはいえ1週間近くかけて作ると、相当な人件費がかかるわけで、市販のデスクを購入したほうがよほど安くできる。あえてDIYをするというのは、もっと大事な意味が含まれているのだ。
1つは、企業が成長する中でオフィスの移転という社員にとって面倒に感じることを、ある種のイベント化して楽しんでしまう、成長そのものを楽しむという姿勢があると思う。
また、取材でも伺っているが、みんなでDIYに参加することで一体感が生まれ、自分たちで作り上げることで自分たちの会社へ愛着も生まれる効果もあるだろう。
さらに見逃せないのが、世の中にないもので自分たちに必要なら自分たちで作ってしまうという姿勢だ。
仕事をするのにこれだけのデスクの幅と奥行が必要だよね、集中するのにパーティションは欲しいよね、急成長で頻繁にプロジェクトやチームの編成変えがあるから移動できるようキャスター付きで、棚とか好きにアレンジできると良いよね、そんな希望をまとめていくと、自分たちで作るしかない、となるわけだ。それがDIYでデスクを作ることにつながっていく。
同社はビジネスチャットで今までの働き方を変えていこうとしていて、そのために必要なシステムは自分たちで作りあげるというカルチャーがある。自分たちの仕事をするのに最も働きやすいデスクを考えて、それが市販品にないのであれば、では自分たちで作ってしまおうというのは企業文化の表れでもあるのだ。
また、それはオフィスを社員にとって、どこよりも働きやすい場所にしようという同社の姿勢の表れでもある。デスクはパーティションで囲まれ、自分に使いやすいようにアレンジできる。椅子は椅子選択制度で疲れにくい有名チェアが選べる。デスクで集中して仕事をしたら、風景の良いカフェスペースでリフレッシュ。そこでも名作椅子を各種取り揃えてお気に入りの場所が見つけられるようになっている。仕事の後はシアタースペースで映画部の部活もできたりする。
会社の中に、社員にとって居心地の良い居場所をいっぱい見つけられるように作られていて、その環境で社員に最高のパフォーマンスを発揮してもらうことを願っているというわけなのだ。
では、次の記事では、そのオフィスに込められた思いについて、同社のデザインを統括する立場で、東京オフィス移転でもデザイン面で主導した同社デザインイノベーション室 マネージャー 新免 孝紀さんに、オフィスコンセプトやその狙いなどを伺った。
「「働き方をアップデートできるオフィス」Chatwork株式会社のオフィスの示す未来 ~インタビュー~ (オフィス訪問[3])」
2004年設立。国内最大級のビジネスチャットサービス「Chatwork (チャットワーク)」を開発・提供して成長中。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の写真を除く)
取材日:2018年5月11日, 2019年1月29日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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