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「働き方をアップデートできるオフィス」Chatwork株式会社のオフィスの示す未来 ~インタビュー~ (オフィス訪問[3])

Chatwork株式会社 デザインイノベーション室 マネージャー  新免 孝紀さん

Chatwork株式会社 デザインイノベーション室 マネージャー 新免 孝紀さん



ビジネスチャットサービス国内最大級「Chatwork」を提供するChatwork株式会社の東京オフィス [後編] (オフィス訪問[2])」の続きです。



Chatwork株式会社の東京オフィスは、成長による人員増のため、2017年10月に移転したオフィスで、約70名が在席し(2019年1月末日時点)、同社の複数あるオフィスの中で一番大きい拠点となっている (101平方メートルと、505平方メートルの2フロア)。


オフィスコンセプトは「働き方をアップデートできるオフィス」(同社)で、工夫が凝らされた執務環境になっており、前回の記事ではその点を写真とともに紹介してきたが、今回は、同社のデザインを統括する立場で、東京オフィス移転でもデザイン面で主導した同社デザインイノベーション室 マネージャー 新免 孝紀さんに、オフィスコンセプトやその狙いなどを伺った。








Chatwork株式会社 デザインイノベーション室 マネージャー  新免 孝紀さん



――初めに、現在の東京オフィスを作るにあたってのオフィスコンセプトを教えてください。


コンセプトを決める前、社員からその当時のオフィスが抱える問題点や要望を集めたのです。要望を集めたらそれがかなりの数になって、全部を実現するわけにはいかないので、コンセプトを決めて、要望に対して優先順位をつけてオフィスづくりの計画をしていったという感じですね。そのコンセプトが「働き方をアップデートできるオフィス」で、それを元に、デザインなどを考えていきました。



――どういった要望がありましたか?


社員の人数が増えてきたということもあって、会議室が少ないとか、オフィスが手狭になってきたということが大きかったですね。もともとオフィス内に休憩スペースを作ってはいたのですが、人数が増えるにつれて、社内で会議をしたり、休憩する場所もなくて、なかなかコミュニケーション取れるような場所がないねとなって、新しいオフィスでは解決しようとなりました。


また、会社の創業からしばらくは開発職やデザイナー職が当初多かったのですが、成長するにしたがってセールス部門ができて、職種が多様になってきたこともあります。セールスの人が社内で電話するのに、静かな中で電話するのは気を使う問題もあって、それも解決できるようにしようとなりました。



――コンセプトの「働き方をアップデートできる」とは具体的に


今の働き方や働く場所を自分たちでアップデートできるようにということです。例えば、レイアウト替えしたいのでそれが簡単にできるように、机にキャスター付けたり、会議からセミナー、部活などいろいろな使い方ができる場所としてシアタールームを作ったりとか、自分たちでアップデートできるようなオフィスは何かを考えて作っていった感じですね。



――デスクをDIYで作られているのが特徴的です


いくつか理由があるのですが、私たちに必要な机が市販品にはなかったことが大きな理由です。例えば、キャスター付きのデスクは市販品ではあまりないのですが、社内には部署やプロジェクトチームがいろいろあって、プロジェクトが変わったときに、レイアウトも変更するので、デスクを簡単に移動できるようにキャスター付きが欲しいといったことがあります。また、開発職は、キーボードなど自分のものが必要だったり、デスク周りのカスタマイズがしたかったりするので、そういうことができるように、自席を自分の城としてカスタマイズしていいように、ということも理由です。デスクは木製なので、自分の働き方に合わせてカスタマイズしやすいのです。自分用にカスタマイズした机はレイアウト変更時も持っていけます。ほかにも、集中スペースが欲しいという要望に応えて、自分のデスクで集中できるようにしようということでパーティション付きにしました。



DIYで作られた執務デスク (同社提供写真※)

DIYで作られた執務デスク (同社提供写真※)



――DIYはどんな形で進められましたか


今回、オフィス家具の組み立てをするのは初めてでしたが、そもそも私たちは作ることが好きなので、楽しく取り組みました。また、好きなことはやらせてもらえる会社だからこうした取り組みが出来たということもあります。デザイン部だけでなく、各部門から人を移転プロジェクトに出してもらって全社的に取り組みました。


デスクの製作はデザイン会社と協力して、約1週間かけて組立や塗装を自分たちで行いました。移転前の新オフィスを作業場に、社内の有志がかわるがわる来ては、机を自分たちで組み立てて、色を塗りました。結構みんなが交代で来てくれて、社員同士のコミュニケーションができたので良かったですね。普段と違って、部門を越えて会話が生まれたりして。みんなで作るというのは、自分たちで作ることで愛着を持ってほしいという気持ちもありました。



デスク塗装中。(同社提供写真※)

デスク塗装中。(同社提供写真※)



――執務フロアの中央にカフェスペースがあるのも特徴的です


カフェスペースは、休憩スペースと、社員コミュニケーションの場所として考えています。そのため、自然とみんなが集まってコミュニケーションする場所になるよう、執務フロアの中心にバーカウンターを置いて、皆が集まるところにしています。


私たちはビジネスチャットを開発している会社なので、普段は、隣同士でもチャットで会話していましてオンラインのコミュニケーションが盛んなので、それを補うためにも、リアルで話せる場所として作っています。



バーカウンター

バーカウンター



――あちこちに名作チェアがあります


オフィス内にデザインチェア(名作チェア)を選んで置いているのは、自分の好きな場所を見つけてほしい、という思いからです。椅子は結構それぞれ座り心地が違うのですが、その中で気に入った場所を見つけてもらって、会社に来たくなる、会社の中で自分の居場所づくりに活かして欲しいということです。


あとは、執務エリアとカフェスペースのメリハリですね。開発職の人は、椅子には結構こだわりがあるので、カフェスペースにも良いものを入れて、居心地の良い場所を見つけてもらいたいと言いますか。執務用の椅子も、「椅子選択制度」を設けていて、シルフィー、スピーナ、バロン、セイルチェアといったオフィス家具メーカーの有名なオフィスチェアの中から自分が使う椅子を選ぶことができます。椅子選択制度は移転前からありまして、僕はセイルチェアにしています。社内で選ばれているのは結構バラバラでみんな自分の気に入ったものに座っていますね。色だけは黒に統一しています。



カウンター席には名作チェアが並ぶ。

カウンター席には名作チェアが並ぶ。



――エントランス近くにDIYで作った椅子とテーブルがありましたが


エンツォ・マーリの椅子ですね。移転時は時間が足りず組み立てまでは出来なくて、デザイン会社さんに協力してもらい、自分たちは色を塗ったりしました。


エンツォ・マーリの椅子に込めた意味は「オープンソース」です。Webの世界では、 ソフトウェアのプログラムのソースコードが無償で公開されて誰もが自由に改良・再配布できるようにしているものをオープンソースと言います。この椅子も本などに図面が公開されていて、それを見れば自分たちで作れるオープンソース的なものなんです。オープンソースさの象徴的なものとして置いています。



エンツォ・マーリの椅子とテーブル

エンツォ・マーリの椅子とテーブル



――会社の中に映画館のようなシアタールームがあるのも印象的です


シアタールームを作った理由は、いろんなことが出来る空間を作りたかったということがあります。会議室は会議が無かったらデッドスペースで何も使われない空間になるので、会議以外でも使えるような空間を作りたくて。


例えば、シアタールームではチャットワークの使い方の勉強会やユーザー会、導入の説明会など、セミナーを開いています。移転前は、外部の会場を借りていたのですが、シアタールームができてからこちらでできるようになって、オフィス自体が営業ツールというわけではないですけど、活用できるようになりました。全社会議にもシアタールームを使います。社内の部活の映画部がここで映画を見て活動していますし、ワールドカップが始まるとみんなでサッカー見たり、防音もしっかりしているので、軽音部の人たちが楽器の練習したりします。仕事だけじゃなく、かなり多目的に使えるのがいいのですね。シアタールームには多目的に使えるのでコストをかけていますが、例えば室内の壁は装飾を省いたりしていて、お金をかけない場所も決めて移転は進めました。



シアタールーム

シアタールーム



――移転して社員の方の感想は?


移転後に感想をアンケートで取ったのですが、快適になった、というのが大半でした。


コミュニケーションスペースができて、いろんなコミュニケーションが社内に生まれてきたというのがありますね。それは例えば、カフェスペースだけじゃなくて、社内に部活がいろいろあるのですが、シアタールームを作ったことで、映画部の部活動が盛んに行われるようになったりなども理由の1つだと思います。



Chatwork株式会社 デザインイノベーション室 マネージャー  新免 孝紀さん



――理想とする働き方、オフィスのありかたはどういったものでしょう。


そうですね。今回のオフィスのありかた、理想的な使い方は、与えられたものをそのまま使うのではなくて、自分たちで工夫していろいろな使い方ができるオフィスになっていくことだと思っています。今が完成形ではないと思うので、ここからどんどんみんなで使いにくいところは使いやすくアップデートしてもらえばいいなと。自分たちで工夫できるようなオフィスの使い方、ありかたというのが理想ですね。



――オフィス出社を推奨しているとのことですが


Chatworkでは、リモートワークできる環境は整えていますが、オフィス出社を推奨しています。もちろん、やむを得ない事情がある場合、柔軟に在宅勤務に切り替えられる体制を取っています。


今は開発職だといろんな場所で働ける環境なのです。家で働いてもいいですし、外のカフェで働いてもいいですし。でも、なるべくオフィスに来てもらいたいというのがあります。また、セールス職の人はクライアント先に訪問するので外に出かけていくのですが、なるべくオフィスに帰ってきてもらいたい。そうなると、オフィスの中に自分の気に入った場所があって、そこで働けるということが必要で、気に入る場所は人それぞれの好みがあると思うので、自分のお気に入りの場所が作れるようなオフィスが理想という感じですね。


みんなと会いたいなと思って会社に来てくれる。会社ってそもそもそんなに来たい場所ではないと思うのです。会社を来たくなる場所にするというのは作る時意識しました。



Chatwork株式会社 デザインイノベーション室 マネージャー  新免 孝紀さん



――自社ではチャットをどういう形で使われていますか?


簡単な打ち合わせはチャットでやりますね。グループチャットがいろいろ作れるのですけど、その中で部署のグループチャットやプロジェクトごとにグループチャットがあり、そのグループチャットの中で話し合って決めていったり、相談して進めていきます。小さな相談はグループチャットの中で常時行われていますね。資料もアップロードできて、履歴が残るので便利です。


また、ビデオ会議もできるので、在宅勤務の人や、大阪や台湾オフィスの人も交えて会議するのはビデオ会議です。会社全体の会議が月に1回ありますが、こちらもビデオ会議を使います。外出している人も外からビデオ会議で入って参加します。


仕事以外では、社内の部活動も全部それぞれにグループチャットがあって、その中で活動を決めたり、相談したり、飲み会の相談もチャットでしています。


クライアントとも基本的にはチャットでつながってもらって、Chatworkを通じてコミュニケーションしています。だから電話やメールを使うことがほとんどないですね。名刺にも電話番号は記載してないのです。会社としての代表電話はありますが、社外とのコミュニケーションも基本的にチャットです。








■インタビューを終えて


ビジネスチャットを開発・提供している会社だけに、オンラインのコミュニケーションが盛んで、テレワークも他社に先駆けて対応済みというところはインタビュー前に予想していたが、話を聞いていくと、同社では、オンラインコミュニケーションが盛んなだけに、逆にリアルでのコミュニケーションを重視しているというのが予想外だった。


社内の執務フロアの中心にバーカウンターなどのカフェスペースを据えて、コミュニケーションが生まれる環境を作るだけでなく、執務用デスクはパーティション付きで自分の城を作って良い、椅子選択制度で好きな椅子が選べる、部活が盛んなどの施策が多く行われている。それらは、社員に社内を居心地よく感じてもらい、自分の居場所を作ってもらって、会社に来て仕事をするのが好きになるよう全力で取り組んでいることの一端なのだ。



少し前になるが、米IBMにおいて、在宅勤務制度を改めたことがニュースになった。それまで可能だった100%リモートワークを廃止し、オフィスに席を持ってリモートワークとオフィス勤務を併用する形に変更したというものだ。オフィスに集まって仕事をすることに価値を置くという点で同社の施策と米IBMの取り組みに共通するものを感じる。


今は働き方改革の掛け声の下、各社でリモートワークの導入が盛んになりつつある。もちろんその有用性は疑う余地がない。育児や介護などライフステージの変化にテクノロジーの力で柔軟に対応して、本当は働きたいのに出社と両立できないために離職するといった問題が解決できるようになるからだ。


しかし、リモートワークが当たり前に選べるような時代が到来したとき、もう一度みんなで集まって仕事をすることの価値を再評価する段階がやってくるような気がしてならない。そういう未来が訪れたとき「会社を来たくなる場所にする」(同社)ことは最重要の課題として浮上してくるのではないだろうか。同社の新コーポレートミッション「働くをもっと楽しく、創造的に」をまさに実践していると感じられた取材だった。










取材先

Chatwork株式会社 (コーポレートサイト)newwindow

2004年設立。国内最大級のビジネスチャットサービス「Chatwork (チャットワーク)」を開発・提供して成長中。


Chatwork (サービスサイト)newwindow





編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の写真を除く)
取材日:2018年5月11日, 2019年1月29日

         

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