多くの企業では生産性を上げる取り組みが行われており、その方法のひとつであるオフィス環境の改善にも注目が集まっています。しかし、具体的な改善方法に悩んでいる企業も少なくありません。
そこで本記事では、生産性の向上を目指したオフィス環境の改善アイデアを、実際の事例を交えながら紹介します。
・現代のオフィス環境における課題と、改善の必要性
・【ポイント別】 オフィスの環境改善アイデア6選
・生産性を向上!オフィス環境改善へ向けた、企業の取り組み事例
・オフィスの環境改善を成功させるコツは?
現代のオフィス環境は、単に仕事をする場所というだけではなく、従業員の創造性や生産性、モチベーションを刺激し、ワークライフバランスの実現を支援する重要な役割を担っています。
しかし、多くのオフィスでは、以下のような課題を抱えています。
・非効率なレイアウト(コミュニケーションがとりづらい、動線が悪い)
・Web会議等の音問題(Web会議や雑談の声が業務の集中を妨げる)
・環境ストレス(換気の悪さや自然光の不足、音等によるストレス)
・設備や家具が古い(身体に負担をかけるデスク・チェアや、実情に即さない収納)
快適で機能的なオフィス環境にすることで、従業員の生産性向上やイノベーションの促進、企業イメージの向上が実現できます。自社のオフィス環境に上記のような課題を感じているなら、改善を図ってみるのはいかがでしょうか?
今抱えている課題を解決し働きやすいオフィス環境を整えるためには、次のような方法でオフィスの改善に取り組んでください。
【課題】
レイアウトに問題があり、作業効率の低下や継続的なストレスの蓄積につながっていることがあります。例えば、チェアやキャビネットなど家具を移動させないと歩けなかったり、多くの人が利用する通路なのに人が行き違えるほどの幅がなかったり、といった状況です。
【改善策の例】
・デスクや棚などの配置や通路幅を見直し、スムーズな動線を確保することで、効率よく働けるようになります。
・部署ごとの業務内容や関係性などを考慮し、関係性が強い人を集めることで、コミュニケーションが活性化するようにデスクを配置します。
・音の発生源となる部署を離したり、静かな作業エリアを設けたりすることもできます。部署によっては頻繁に電話のやり取りがあるなど音が発生しやすい事情があり、お互いがストレスを感じないように物理的に距離を取ることは効果的です。
快適なオフィスづくりの例は、こちらの記事も参考にしてください。
【関連記事】:▼快適なオフィスレイアウトのパターン例とゾーニングのコツ
【課題】
ハイブリッドワークでは、コミュニケーション不足によるトラブルや生産性の低下が問題視されています。その一方で、オフィスで仕事をする場合、Web会議や周りの雑談などが騒音となり、集中力が低下するといった問題も指摘されています。
【改善策の例】
・静かに作業したい人のために集中ブースを設置することができます。個室タイプのブースだけでなく、パネルでデスクを囲ったような簡易的なブースを設けるのも効果的です。
・音や周囲の目を気にせず気軽に会話を交わせるコミュニケーションスペースや、疲れを癒すためのリフレッシュスペースを設けることも有効です。具体的には、カフェエリアやソファエリアなどを作ることができます。他の人からアイデアを得たり、気分転換をしたりすることで、生産性の向上を期待できます。
【課題】
照明は暗過ぎても明る過ぎても作業しにくくなり、従業員の集中力や生産性の低下を招く原因になります。騒音が気になる状況では落ち着いて作業できませんし、逆にあまりにも静かだと緊張してしまう恐れがあります。
【改善策の例】
・照明はできる限り自然光を取り入れることが大切です。背の高い家具を配置する際は自然光をなるべく遮らないような位置にする、家具の高さを低めにする、といった方法が考えられます。
・自然光が不足するスペースや時間帯については、その場所にあった照明を選択します。例えば、デスク周りには昼光色、会議室には昼白色、リフレッシュブースには電球色のLED照明を採用できるかもしれません。LEDは、ちらつきや色味が気になりにくいため集中力の低下を回避しやすく、省エネ性も高いので人気があります。
・照度の目安は、事務作業は500~700ルクス、集中力を高めたい場合は1000ルクス以上、リラックスしたい場合は200ルクス以下がおすすめです。
・壁や天井には吸音材を、パーテンションやカーテンには吸音効果のあるものを使用し、雑音が極力気にならない工夫を施しましょう。音響にはホワイトノイズを使用することで、無音による集中力低下を軽減できます。
【課題】
働き方改革でテレワークやハイブリッドワークなどの新しい働き方が推進されているのに伴い、レイアウトやオフィスの運用が従来のものでは合わなくなってきています。テレワーク導入で出社人数が減り、デスクの使用率が減っている場合もあるでしょう。
【改善策の例】
・固定席を廃止して、従業員が空いている座席を使うフリーアドレス制にすることができます。さらには、自宅やコワーキングスペースなどオフィス外も含めて働きやすい場所を自由に選べるABWの導入も検討しましょう。
・出社人数を考慮して、コンパクトなオフィスに引っ越すことも可能です。また、固定席を減らして空いたスペースをコミュニケーションスペースや集中スペース、リラックススペースなど、目的別の空間に整備することもおすすめです。
【課題】
都市化により自然に触れ合う機会が減少し、オフィス内も人工物ばかりで、心身共にストレスや疲労を感じやすい環境になっています。
【改善策の例】
最近注目されているのが、オフィスにバイオフィリアの概念を取り入れることです。ストレス軽減や疲労回復、集中力向上などの効果が期待できます。
・観葉植物やフェイクグリーンを置いたり、壁面を緑化したりして、自然を感じられるようにします。
・木目調のオフィス家具を採用するだけでもリラックス効果があります。
バイオフィリアについてはこちらの記事も参考にしてください。
【関連記事】:▼バイオフィリアとは?オフィスに取り入れて快適な空間を生み出そう!
【課題】
デスクやチェアが古く、体型に合わないものを使っていると、肩こりや腰痛、臀部の痛みなどにつながり、健康や生産性に悪影響が出てしまいます。収納も使い勝手が悪いと、生産性が下がったり、余分なスペースをとったりすることもあります。オフィス家具のデザインやレイアウト次第で見映えが大きく変わり、企業イメージも左右します。
【改善策の例】
・機能性や安全性を重視したオフィス家具を導入します。特に、長時間座るチェアなどは健康面や生産性への影響が大きいので、調整可能でそれぞれの体型にフィットしやすく、疲れにくいものにしましょう。
・オフィス家具のデザインも、オフィスのコンセプトや企業イメージに合ったものを選定します。おしゃれなオフィスで、従業員のモチベーションアップを図れます。
家具の選び方やその配置についてはこちらの記事も参考にしてください。
【関連記事】:▼機能的なオフィスはレイアウトのルールで 8割方つくれる/初心者でもプロっぽくできるオフィスレイアウト 第1回
私たち「us」にとってちょうどいい「just」を実現した「Justus」シリーズのオフィス家具は、ちょうどいいサイズ・機能性・価格が実現した商品です。
仕事に集中できるように設計されたデスクや長時間のデスクワークでも身体的負担を軽減できるチェア、周囲の視線を適度に遮れるパネル、省スペースでも導入できるコンパクトな収納など、充実したラインナップです。
デスクと収納の天板をつなげて一体化させることができ、スペースの無駄を省ける上、見た目もすっきりします。また、吸音パネルとデスクを組み合わせることで、コンパクトなWeb会議室や集中ブースを作れ、騒音問題の解消に役立ちます。用途やニーズに応じて自在に組み合わせられる、魅力的なシリーズです。
「PREDONA」は、機能性だけでなく、五感を刺激しポテンシャルを向上させる意匠デザインやレイアウトの自由度の高さを兼ね備えたオフィス家具です。自然とそこに居たくなるようなオフィスづくりを目指した本シリーズには、デスクやチェア、シェルフ、キャビネットなどの商品が揃っています。
シリーズを通してアースカラーと木目調が用いられていて、見た目にも優しい印象を与え、リラックスしやすい空間を演出できます。シェルフの脚は木目調ですがスティール製なので、耐久性が高く機能性にも優れています。
ここからはオフィス環境の改善に取り組む3つの企業の事例を紹介します。
お互いの顔が認識できるようにレイアウトされた開放的なオフィスは、コミュニケーションの活性化につながるメリットがあります。フレキシブルにオフィスのレイアウトを変えられるため、無駄なスペースをなくしスペースを効率的に利用できます。 空間が開放的だと、リモート会議や電話などの騒音が問題になりかねないですが、フルクローズ型の個室ブースを設置することで対応しています。
事例の詳細はこちらの記事を確認してください。
【関連記事】:▼働き方を多様化してオフィス面積を50%削減したぐるなびのオフィス革命
デスクにいながら植物や自然光を感じられるレイアウトになっていて、自然に触れながらリラックスして仕事ができます。ストレスが軽減し集中力が向上する環境であるため、生産性向上が期待できます。
事例の詳細はこちらの記事を確認してください。
【関連記事】:▼オフィス内に最高に集中できる環境を設けるジンズのThink Labのねらいとその仕掛け (オフィス訪問[2])
カフェカウンターやソファ席を配置し、デスクとは異なる環境にすることで、オンとオフの切り替えが容易になります。これにより心身をリフレッシュさせることができ、新しいアイデアを創出したり、ちょっとした会話からヒントを得たりすることが可能です。
事例の詳細はこちらの記事を確認してください。
【関連記事】:▼「Dr. 転職なび」を始め医師人材総合サービス事業を展開する株式会社エムステージの本社オフィス(東京 大崎)に行ってきました【後編】(オフィス訪問[2])
オフィス環境の改善を行う際は、普段からオフィスを利用している従業員の意見を取り入れることが大切です。
アンケートを用いるなら、広く意見を収集できるので、自社にとって本当に改善が必要な点を理解することにつながります。
環境改善のためにレイアウトや家具を変更したとしても、趣旨が十分理解されないこともあります。オフィスをこのように利用してほしいという意図を明らかにするとともに、必要に応じてオフィスの運用ルールを定め周知しましょう。
オフィスの環境改善に取り組むことで、従業員の生産性が向上し会社の利益につながります。レイアウトを見直したり、古くなった家具を更新したり、オフィス内にグリーンを取り入れたりすることを検討できます。 どのように変えたらよいか悩む場合や、自社に合ったレイアウトを知りたいと思う場合は、アスクルのオフィスづくりサービスのレイアウトサービスを利用してみることも一案です。
編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2024年8月19日
2016年11月17日のリニューアル前の旧コンテンツは
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