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リラックスと高揚感の両方を兼ね備えるエムステージのオフィスの秘密を探る【後編】~株式会社エムステージ 代表取締役 杉田 雄二 氏インタビュー~ (オフィス訪問[4])

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リラックスと高揚感の両方を兼ね備えるエムステージのオフィスの秘密を探る【後編】~株式会社エムステージ 代表取締役 杉田 雄二 氏インタビュー~ (オフィス訪問[4])

(同社執務スペース)



前回「 リラックスと高揚感の両方を兼ね備えるエムステージのオフィスの秘密を探る【前編】~株式会社エムステージ 代表取締役 杉田 雄二 氏インタビュー~ (オフィス訪問[3])」の続きです。


後編では、オフィスで、リラックスと高揚感の両方を兼ね備えるというユニークなポイントを伺うところから。




(インタビュー後編)



■リラックスと高揚感の両方を兼ね備えるオフィス

――オフィスづくりのときに、リラックスと高揚感を大切にされたと伺いましたが、詳しく教えてください


――オフィスづくりのときに、リラックスと高揚感を大切にされたと伺いましたが、詳しく教えてください


オフィスというのは、家庭とは違うのですが、でも、起きている時間で言えば、もしかすると家庭よりも長くいる場所なので、その場所のありかたについては、考えに考えました。


家庭であれば、リラックスを追求すればいいと思うのですが、オフィスはそれだけではないですよね。そこでオフィスに必要なのは何だろうと考えたところ、1つは、ストレス社会の中で、いかに自分自身が素でいられるか、リラックスできるかも重要ですし、もう一方で、仕事に向かう高揚感も必要だと思うのです。自分が価値ある仕事に向かっているという高揚感を感じて、プライドを持ってやるというのがすごく大事だと思います。言い換えると、プロ意識を持って、となるかもしれません。


リラックスと高揚感の両方を兼ね備えることを考えていくと、家具も、色は差し色のイエローカラーなどでリラックス効果は与えながらも、USMハラーシステムのグリッドのある家具で、テキパキした雰囲気や高揚感が同時に演出できるようなものを意識して、オフィスのデザインを決めました。


また、弊社は医療業界ということもあって、医療では安心や清潔感、規律性や誠実さが大事ですから、そういったことも大切にしたいということで、執務エリアはきちんとした印象になるようデザインしてもらっています。



■プロとして働く社員に対して最高の環境を提供したい

――システム家具が印象的なオフィスですがその理由はどういったところでしょうか


――システム家具が印象的なオフィスですがその理由はどういったところでしょうか


システム家具の「USMハラー (USM Haller) 」を選んだ一番大きい理由は、組み換えができることかもしれません。


我々は「持続可能な医療の実現」を事業ミッションにしているのですが、それを実現するためには、我々が持続可能でなければならないわけです。持続可能な組織は何かと考えると、世の中の変化に合わせて適応できることが大事だと思います。世の中の変化に合わせて、組織も変化し、社員の働き方も変化し、活かし方も変わっていく。同様に、オフィス家具も、組織の変化に合わせて、捨ててしまうのではなく、自在に組み換えが出来る、企業の成長や環境に合わせて変えていけるというのが選んだ理由の1つですね。


加えて、ただのトレンドではなくて、5年後も10年後もその先になっても良いと思えるものをちゃんと取り入れていこうということも選んだ理由です。このシステム家具は50年以上の歴史がありますが、良いデザインで長く愛され続けているものは、たぶん、50年後も廃れないんじゃないかと思うのですね。持続可能な組織のオフィスはそうあるべきだと思っています。


また、我々は医師というプロフェッショナルの方たちを相手にしているので、我々自身がプロフェッショナル意識を持って取り組んでいきたいと考えています。例えば、プロ野球選手が、ぼろぼろの設備でやっていることはないですよね。同じように、プロフェッショナルとして働く社員に対して、費用面の限界もありますが、その中で最高の環境を最大限提供していきたいと考えてオフィスを作っています。


社員が、日ごろから優れた製品や本物に触れていくことで、そうしたものに社員の目を向けて、自分たちのビジネスでも良いものを作っていく、ということがありたい姿だと思うんですよね。会社がそこに投資を惜しんで何か適当なものを使うよりは、すべてにおいてこだわりを持っていく。というのも、ビジネスは進める過程で障害が立ちはだかってくるわけですが、ともすると「これくらいでいいや」と妥協しがちじゃないですか。そうじゃなくて、良いものは良いという考え方で、良いものを追求していこうよ、と伝えたいのです。そういう考え方は家具選びにも現れてくると思うんですよね。もちろん費用がかかるので限界はあるわけですけども、そういう想いも込めています。



■本社で働くのも支社で働くのも会社にとって同じ社員なのだから公平であるべき

――全国に支社がありますが、そちらもデザイン性あるオフィスにされているそうですが


――全国に支社がありますが、そちらもデザイン性あるオフィスにされているそうですが


支社も、本社と共通のUSMハラーシステムの収納とデスクを取り入れています。地域によって、色を分けていて、例えば高松の拠点だとオフィスから街路樹が見えてきれいなので、オフィスの中も家具は緑色にして、外とのつながりを感じさせるデザインにしたり。沖縄支社だと、沖縄の海をオマージュして、オフィス家具に深いブルーをいれて、床は砂浜をイメージしているんです。支社では、支社のある地域の空気感を取り込んでいくことをしています。


オフィスは、東京の本社に資源を集中して、地方のオフィスについては妥協しがちなのですけども、会社にとって、どこの支社で働こうと同じ社員なんですよ。僕は、そういうところを公平であるべきだと思っていて、クオリティだけは絶対に同じにして社員のみんなには良いものに触れてもらおうと考えています。もちろん、支社だと本社ほどスペースはないので、本社にあるような畳の部屋は作れなかったりなどの限界はあるんですが。また、支社は、拠点ごとに移転のタイミングで、改修して、良いものを取り入れていくなどしています。



――社員の方のオフィスへの反応、感想はいかがですか


――社員の方のオフィスへの反応、感想はいかがですか


僕が答えるよりも...。どうですか?

(インタビューに同席している同社広報の社員の方へ尋ねる)



「私はこちらのオフィスが出来上がってから入社していて、初めからこのオフィスなので前との違いは分からないのですが、カフェカウンターで雑談のコミュニケーションから、そのまま流れで打ち合わせできるところとか、夕方になるとリフレッシュエリアに移動してくる人が結構いるとか、集中したいときにこちらに来たり、自分の中でもメリハリがついて、時間を意識して仕事ができるので生産性が上がる感じはあります。」(同社社員)




こちらのビルには4年前に移転して来たのですが、最初にカフェカウンターを作って、その後、ちょっとずつ、2年に1回くらいの頻度でオフィスを変えてきているんですよ。というのも、その2年や4年の間に、組織も変化するし、時代も変化していくので、それに合わせてちょっとずつ変化させていっています。今回は畳スペースを作ろうとなったんですが、これで完成みたいな形にはしたくなくて、予算という制約はありますが、また変化したいところがあれば変化させていければいいかなと思っています。


今、働き方改革が叫ばれていますが、労働人口がどんどん減ってきている中でどう働き手を確保していくのか、人が少ない中でどう生産性を確保していくのか、そういったことが弊社でも重要なテーマになっています。弊社では産業保健体制を支援していく事業を今進めているのですが、それをする会社が社員の健康や働き方、生産性がどうすれば向上するかに無関心であったら、その事業をする資格はないと思うんですよね。


うちではBGMなんか流して社員のリラックスを作っていこうとか、コミュニケーションの問題で言えば、いろいろな人と働くと、人間関係が悪いとそれがストレスになってくるので、社内のいろいろところで、ちょっと立ち止まったり、座ってコミュニケーションできるスペースを作って会話が生まれるようにしたりしているんですね。その一方で1人集中できる場所もあるとか、仕事をする上でストレスフリーなオフィスをどう作れるか、組織制度もそうですし、働く雰囲気、環境、いろんなものが、コストはかかっているけど、それがしっかりとした形になったり、その効果が生産性に現れるのだったら、それはどんどん推奨していって広めていきたいと思っています。



■今後の事業展開について~医療の持続性をテーマに~

――今後の事業展開について教えてください


――今後の事業展開について教えてください


現在の事業の柱は、医師に特化した転職とアルバイトの紹介事業の「Dr. 転職なび」「Dr. アルなび」といった、医師紹介サービスです。現在、新たな柱として、産業医紹介サービスに注力しています。


我々は医師に特化した人材紹介業を行っているんですが、もともと人材紹介業がしたかったからではなくて、医師不足という現状がある一方で、女性の医師の方が働きたくても働けないという、ある意味眠っている資源があり、それがうまく活用されていないという気づきから始まったのです。


病院に医師がいないと診てもらえない、医療が成り立たないというところから、我々に何ができるかということで、ある意味眠っている資源を活用できないかと考えました。医師も10人いれば10通りの働き方があるわけで、病院でフルタイム働く医師だけではなくて、生活とのバランスの中でパートタイムを選択する医師も重要な戦力じゃないかと。それで、アルバイトに特化したメディアを立ち上げたりして、医師の方、医療機関から支持を受けて事業を展開してきました。


会社として「持続可能な医療の未来をつくる」をミッションに掲げているのですが、日本の人口が減少に転じ、医療の働き手はどんどん少なくなっている中で、高齢化は進み医療費はますます膨らんでくるということを考えると、会社として、もっといろんなことチャレンジしていかないといけないと考えて、今、産業医事業に注力しています。


というのも、政府は社員の健康管理や生産性向上を企業に課していく方向性だと思います。産業保健体制構築による健康増進策が進められていて、これを実現すれば、世の中に健康な人が増えていき、かかる医療費が減っていくということになるので、我々が目指している持続可能な医療というミッションに合致するんです。


あと、そもそも人口が減っているけど、国というのは、生産性を上げてGDP(国内総生産)を伸ばしていかないといけない。医療費は増えていくわけで。日本の生産性は先進国の中でも中位くらいの生産性で、これをどう高めていくかというのもテーマなんですよね。


さっきの畳の部屋もそうですけど、常に集中するだけが生産性を上げることじゃなくて、いかに息を抜けるかとか、周りとコミュニケーションを増やしていくか、いかにクリエイティブ性や感性を磨いていくとか、そういったのも生産性につながることと考えていて、そうしたことを考えていくと、産業医事業は医療の持続可能性を追求していくのに弊社としてベストなチョイスと思います。


産業医制度というのは、働く人の健康管理などを効果的に行うためには医学に関する専門的な知識が不可欠ということから、常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医を選任することが義務付けられている制度です。我々でいうと、本社社員は40人なので、産業医を選任することは義務付けられていないのです。でも、僕は常に思っているんですが、中小企業で、数人で働いているところも、同じ働く人であって、そういったところの社員の健康や生産性を考えていく必要があると思うんですよ。だから、僕ら自身も産業医を選任していますし、僕らの産業医事業は、50人以上の事業所だけではなくて、働く人すべてが産業保健体制の恩恵を受けられるようなサービスを実現できればいいなと思っています。


そうした中で、われわれ中小企業だって、限られた資源、お金の中で社員に向き合って、しっかりとした環境を作っていく。そうしたことが会社を伸ばしていくために大事なんだよ、というものの、模範となるような形になればいいなとちょっと思ったりしています。




インタビューを終えて、執務スペースを背景に撮影。

インタビューを終えて、執務スペースを背景に撮影。




(インタビュー終了)





いろいろな働き方ができるこちらのオフィスには、会社のあり方、働き方についての深い思いが込められているということを教わったインタビューでした! きっと読者の皆さんのオフィスづくりにも役立つヒントが見つかるのではないでしょうか。













取材先

株式会社エムステージnewwindow


「持続可能な医療の実現」をミッションに掲げ、2003年に設立されたベンチャー企業。医師に特化した転職とアルバイトの紹介事業の「Dr. 転職なび」「Dr. アルなび」をコア事業とし、企業ヘルスケア領域へビジネスを拡大するなど、医師人材領域で成長中。





編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
取材日:2018年3月15日

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