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フリーアドレスを成功に導く! レイアウトとデスク・家具選びのポイント

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昨今、働き方改革が進められ、様々な働き方が提唱・導入されています。これらはただ導入すればよいというわけではなく、企業ごとの事情を鑑みながら適切に導入することが重要です。この記事では、そのなかでフリーアドレスを成功に導くためのレイアウトや家具選びで押さえておくべきポイントをご紹介いたします。








■フリーアドレスのメリットを最大化するにはレイアウトが重要

フリーアドレスとは、個々の社員に決まった座席の割り振りをせず、作業場所を自由に選んでもらうワークスタイルのことを指します。主な導入のメリットとして、社内コミュニケーションの活性化、スペースの有効活用やオフィス賃料の削減といったものがあります。



●社内コミュニケーションの活性化

フリーアドレスでは個々の社員に決まった座席を割り振らないため、毎日違う人が隣に座ります。たとえば、今日は隣に営業部長が座っていたのに、明日は総務部の新入社員が座っているというケースもあり得ます。


部署や部門、さらには上司と部下といった関係を超えて多種多様なコミュニケーションが生まれることで、他部署との連携強化や新たなアイデアを得ることにもつながります。



●スペースの有効活用

決まった座席を割り振るスタイルは、デッドスペースが発生しやすいという側面があります。たとえば、A課長が1週間出張で不在の場合、A課長のデスクスペースは1週間誰にも使用されない空間となります。もしこの会社がフリーアドレスを導入すれば、A課長が使用していたスペースをほかの社員が使用でき、スペースの有効活用が可能です。



●オフィス賃料の削減

スペースの有効活用が進むと、これまでより小さいオフィス面積で変わらない仕事量をこなすことができます。それにより、小さい拠点への移動が可能になり、賃料のコストダウンが期待できます。


フリーアドレスについてより詳しく知りたい方はこちらも併せて目を通してみてください。



関連記事:フリーアドレスのオフィスとは? メリット・デメリットや成功のポイント



フリーアドレスのメリットを3つ紹介しました。どれも魅力的な内容ではありますが、ただやみくもに固定席をなくせばいいわけではありません。こういったメリットを最大限発揮するためには、適切にレイアウトすることが重要です。




■フリーアドレスを成功に導くレイアウトのポイント

メリットを最大限発揮できる最適なレイアウトは企業によって様々です。レイアウト作成の際、押さえておくべきポイントをご紹介します。自身のオフィスの状況と照らしながら確認してみましょう。



●目的に応じたレイアウトにする

フリーアドレスの導入目的として多く挙げられるのは、「社内コミュニケーションの活性化」「業務の効率化」「社員の意識改革」などです。これらのうち何を実現したいのかを明確にし、優先順位をつけ、それに向かってレイアウトを検討していくことが大切です。


また、どんなに緻密なレイアウトを構築してもその必要性が社員に浸透しなければ、結局いつものメンバーで、かつ決まった席で仕事をしてしまうといった事態が起こりかねません。そのため、目的を明確にしたあとは社内周知していくことも重要です。



●業務内容に合わせたレイアウトにする

社員がどのような業務をどのような働き方で進めているのか、そのリサーチをしっかり行いましょう。業務内容により、特別な配慮が必要となってくる場合があります。


たとえば、営業マンが電話対応をする隣で、デザイナーやエンジニアが集中して作業しなければならないといったケースです。こうしたケースではおそらくデザイナーやエンジニアから「集中できない!」という声が上がると予測されます。


集中する必要のある社員のために個室や半個室のブースを用意したり、簡単な打ち合わせや電話対応がしやすいカフェスペースを用意したりしておくと、潤滑に業務が進むでしょう。現場の働き方を入念にリサーチし、ニーズを把握しながらレイアウト作成を進めることで、社員間のトラブルを防げます。



●在席率を調査する

フリーアドレス化するにあたっては「在席率」に応じたオフィスレイアウトの変更が必要です。在席率とは、オフィスの席数に対する利用者(自席での作業を行う人数)の割合のことです。


たとえば、個々人に席が割り当てられているオフィスにおいて、在籍数が100人、日中の在席率が50%だった場合を考えます。このとき50%の社員が日中社内にいないので、50%の席がデッドスペースとなっていることが在席率を通してわかります。このように、在席率はスペースを最適化するために非常に重要な指標となります。


続けて、このケースでフリーアドレス化する場合を考えてみます。


在席率50%をそのまま当て込み、席数を50席に設定してしまうと、たまたま出社人数が50人を超えたときに座席数が不足してしまいます。そのため、この場合だと70~80席くらいに設定するのが望ましいです。


また、同時に電源の数にも注意し、在席率と電子機器の使用状況に応じて適切な数量を座席に設置しましょう。座席と電源はオフィスワークの必須要素であるため、不足すると社員の不満に直結してしまうおそれがあります。最適なオフィスをつくるために、在席率とそれに応じたレイアウトになっているかは欠かさずチェックしておきましょう。



●荷物の置き場所をつくる

個人のデスクが割り振られていれば、そのデスクの範囲内で持ち物を自由に置いておくことができました。しかし、フリーアドレスでは基本的にはデスクに個人の持ち物を置いたままにしておくことができません。業務に使用するパソコンや書類、文房具などは座席を移動するたびに持ち運ぶ必要があります。


そのため、共用デスクのスペースに荷物を置く場所や、カバンを引っ掛けておけるフックなどを設置しておくとよいでしょう。また、退社する際に会社に置いて帰る荷物の保管場所も確保しておきましょう。




■フリーアドレスのオフィスレイアウト例

実際のオフィスでは、どのような目的でどのようなレイアウトがされているのでしょうか。事例をご紹介いたします。



●オープンスペース

THECOO株式会社の新オフィス「フリースペース」

THECOO株式会社の新オフィス「フリースペース」



参照元:
 好奇心を刺激するイマジネイティブなオフィスからエンターテインメントが生まれる ~THECOO株式会社[前編]



オープンスペースは、少人数でかつ軽い打ち合わせをするスペースです。社員であれば誰でも予約不要で使用できる仕組みにすることで、業務のスピードアップを図るケースが多いです。


たとえば、クライアントとの打ち合わせを終え帰社した営業マンが、オープンスペースにデザイナーを呼び、クライアントの要望を早い段階で伝えるというようなことが可能になります。文字通りオープンな空間なので、リラックススペースなどの気分転換用のスペースと併用するケースも見られます。



関連記事:
 広まる「オープン会議スペース」の押さえどころと53事例 ~これからのオフィスづくりのヒント(2)~



●バーカウンター

スタイル・エッジ・グループ 新オフィスのバーカウンター

スタイル・エッジ・グループ 新オフィスのバーカウンター



参照元:「洗練された上質な空間」にこだわったスタイル・エッジ・グループの新オフィス



バーカウンター型のレイアウトは、普通のデスクではなくバーのような高い机と椅子を採用したスペースです。立って話すことで会議の短時間化を目的とし導入されるようになりました。朝会でメンバーのタスク確認をしたり、短時間のミーティングに使用されたりします。


オフィスの端などのスペースに配置することで、仕事の気分転換やコミュニケーションが生まれやすい場所として運用されるケースもあります。



●カフェスペース

ダクトや空調が見えるスケルトン天井の解放感のある「フリースペース」

ダクトや空調が見えるスケルトン天井の解放感のある「フリースペース」



参照元:
 フルリモートで気づいた「対面コミュニケーションの重要性」 ~イーストフィールズ株式会社[前編]



カフェスペース型のレイアウトは、オープンスペースのカジュアルな形です。ソファや1人がけの椅子を向かい合わせ、間にテーブルを置くカフェのようなレイアウトが主流です。


実際のカフェを踏襲した内装デザインとする例も多く、かなりオープンな雰囲気のため、より気軽なコミュニケーションへつながります。その性質上、カフェスペースを社員食堂として併用している例もあります。



●集中席

コンセントレーションワークスペース

コンセントレーションワークスペース



参照元:ポニーキャニオンが挑む、エンタメ企業ならではのABW



集中席とは、個室や半個室など1人で集中して作業することを目的としてつくられるスペースです。資料作成やプログラミングを行う場合など、話しかけられて中断してしまうことを避けたい場合に使用されます。



関連記事:
 設置するオフィスが増加中「集中席」の押さえどころと42事例 ~これからのオフィスづくりのヒント(3a)~




■フリーアドレスに最適なデスク・家具選びのポイント

フリーアドレスに最適なデスク・家具は、通常のオフィス家具とは少し毛色が違います。選ぶ際のポイントと実際の商品をご紹介します。



●拡張性や配線機能のあるデスク

まず初めに、ワークスペースのうちどのくらいの面積をフリーアドレス化するのか、利用シーンはどのようなものかを決定し、それらに合うデスク性能について検討します。


業務にあたって、一般的にデスク上の1人当たりに必要な作業スペースは幅1.0~1.2m程度とされているため、それを確保できるものが望ましいです。また、ノートパソコンやモバイル機器の電源確保も重要ですので、配線機能が搭載されているものがよいでしょう。さらに、社員の人数の増減を想定して増連結可能なものであるとなおよいです。



<参考商品>

Cehaプレノデスクシステム

Cehaプレノデスクシステム



●私物の保管・持ち運びができるロッカーやツール

フリーアドレスでは、基本的に私物をデスクに置いたままにしておくことができません。そのため、私物を置いておくロッカーの設置が必要です。


私物は社内では常に持ち運ぶため、保管が必要になるのは主に出社・退社時です。そのため、出入り口付近に設置できるものがよいです。そのなかでも個人用の荷物と共有物を分けて保管できればより最適なオフィス運用につながります。また、ロッカーで電子機器の充電が可能なものもあります。電子機器の使用頻度が高い企業の場合、そういった機能付きのロッカーも検討の価値があるのではないでしょうか。



<参考商品>

オカムラ スチール収納VILLAGE パーソナルロッカー

オカムラ スチール収納VILLAGE パーソナルロッカー



このようなロッカーに加えて、業務に必要なものをまとめて持ち運べるファイルボックスや可動式ワゴンなどもあれば、社員にとってより快適な環境となるでしょう。



■おわりに

フリーアドレス化を成功させるには、まず自社の仕事環境や社員の働き方を深くリサーチすることが重要です。そのリサーチからレイアウトを考えていけば、最適なオフィスとなるでしょう。


アスクルでは、それらのリサーチからレイアウト、さらに工事までをトータルサポートしてくれる「アスクルオフィスづくりサービス」を提供しています。フリーアドレス化をお考えであれば、こちらのサービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか。



アスクル株式会社「アスクルオフィスづくりサービス」
https://www.askul.co.jp/f/services/furniture/construction/moving.html/




編集・文・画像:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2023年1月31日

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