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テーマは社内外との「コミュニケーションの活性化」ウイングアーク1st株式会社 ~「働き方改革」時代のオフィス移転入門 [第2回]~

「働き方改革」時代のオフィス移転入門 [第2回] テーマは社内外との「コミュニケーションの活性化」~ウイングアーク1st株式会社



「『働き方改革』時代のオフィス移転」第1回では、現代のオフィス移転にとって切っても切り離せないワークスタイルやワークスタイル改革という課題にどう取り組んでいくべきかを、移転する企業とデザインや施工を行う専門企業間に立って効率化を図るコンサルティング企業にうかがいました。



参考:
「引っ越し」から「ワークスタイル変革」に変わる現代のオフィス移転 ~「働き方改革」時代のオフィス移転入門[第1回]~



第2回は、実際に移転を経験した企業の実例をお届けします。


今回紹介する事例は、2018年4月に渋谷から六本木グランドタワー35階・36階にオフィスを移転したウイングアーク1st株式会社です。


移転プロジェクトの全般に関わった同社管理本部総務部チームリーダー 丹羽崇之さんにお話をうかがいました。これから移転プロジェクトに携わる方にとって、経験者の声は何より参考になるはずです。



■コミュニケーションの効率を上げるための物件探し


ウイングアーク1st株式会社は、帳票ソリューション「SVF」やBI(ビジネス・インテリジェンス)ツール「Dr.Sum」「MotionBoard」などを開発・提供し、企業のデータ活用を支援しているIT企業です。ビジネスにおけるデータ活用のヒントとなる最新ニュースを提供するオウンドメディア「データのじかん」をはじめ、データ活用のための情報も積極的に発信しています。そんな同社が、品川から渋谷のインフォスタワーに本社オフィスを移転したのは2013年7月のこと。わずか3年半でのオフィス移転となりました。



移転の直接的な理由は契約期間満了と人員増で手狭になったことです。加えて「オフィスのワンフロア化」という目的もありました。渋谷のオフィスでは複数階に分かれてしまったために、フロア間の移動による時間的ロスやコミュニケーションが取りにくさに対する不満が生まれていたのです。次の移転時にはオフィスをワンフロアにしたい、という方針が決まっていました。また、当社はソフトウェアやサービスを提供するという事業の性質上、社外の方々を集めたセミナーを頻繁に開催します。セミナールームのレベルアップという目的もありました。今回の移転における最大のテーマは「社内外とのコミュニケーションの活性化」だったといえます。


(同社 丹羽崇之さん)



ウイングアーク1st株式会社 管理本部総務部チームリーダー、丹羽崇之さん。後ろに見えているのが同社のキャラクター「わっとちゃん」。

ウイングアーク1st株式会社 管理本部総務部チームリーダー、丹羽崇之さん
後ろに見えているのが同社のキャラクター「わっとちゃん」



「オフィスのワンフロア化」や「セミナールームの拡充」などの条件を満たすこと物件を探し始めたのが2016年10月のこと。移転を実施する2018年春まで1年半というタイミングでした。


当時、渋谷本社の人員数は約400人。この人員をワンフロアに収容し、さらにセミナールームも充実するとなると、相応の床面積が必要。総面積1000坪規模の物件が対象になります。サーバーを運用するため無停電設備等インフラ面も無視できません。また営業面の効率やセミナー参加者の足も考えれば、交通の便も重要です。もとより便のいい渋谷から移転するため地域も限られるため、物件探しは難航しました。 移転先が六本木グランドタワーに決まったのは、移転まで1年を切った2017年6月でした。




物件探しは半年で終わらせる見込みだったのですが8か月かかってしまいました。物件探しに半年、デザイン、施行、移転に1年と見込んでいたのですが、この時点ですでに2か月遅れのスタートになってしまいました。


(同 丹羽崇之さん)



オフィス移転プロジェクトの難易度を高める要因の一つは、「移転時期」が決まっていて動かせない、ということです。物件が決まらなければ、フロアのデザインやレイアウトを具体化することすらできません。序盤の遅れは、玉突きのように全体に影響してきます。


同社は5年前に移転したばかりでした。さらに、これまでも事業の広がりに合わせた組織改編などでレイアウト変更が定期的に行われていたため、デザインや施工についてのノウハウや経験が蓄積されていたため、遅れを取り戻すことはできましたが、2ヶ月遅れたことによる影響がまったくなかったわけではありません。




課題は現場の声の吸い上げに残りました。各部署にヒアリングは行いましたが、実際のプランを社員にフィードバックして調整していくというプロセスは不十分でした。すべての要望をかなえることはできませんが、実際に使う社員の意見は使い勝手を向上するためには大事な情報だと考えるからです。


(同 丹羽崇之さん)



物件が決まると、レイアウトやデザイン、家具選びなど、様々な作業が一気に進みだします。日常的な業務に加えて移転プロジェクトが上乗せになるため、担当者のスケジュールは急にタイトになり、現場との情報共有が難しくなっていきます。このあたりは、移転プロジェクトの宿命と言える部分でしょう。



■社外とのコミュニケーションを活発化する36階


一方、オフィスプランの具体化は着々と進行していきました。


プランのポイントは、35階と36階で役割を明確に分けること。社外とのコミュニケーションの接点となるエントランスやセミナールームを36階に、社内のコミュニケーションを図る執務ゾーンを35階に、機能を割り振りました。それぞれの目的を最大に発揮できるように、異なるコンセプトに基づいてプランニングが並行して進められていきます。


それぞれのフロアのポイントを見ていきましょう。


まず、エントランス、応接室兼会議室、セミナールームから構成されている36階。 このフロアのコンセプトは早い段階で決定されていました。




36階のコンセプトは「インダストリアルデザイン」。モノトーンの中に暖かみを出す、というイメージです。「プラント」「ファクトリー」「ラボ」などのキーワードをもとに、全体のデザインと設計をお願いしました。当社の顔に当たるゾーンなのでコストと手間をかけました。


(同 丹羽崇之さん)



エレベーターホールからエントランスに入ると、36階からの眺望が広がる窓まで、遮るもののない広々としたスペースが広がります。壁・床、家具には原色系の色は一切使われておらず、落ち着いた雰囲気が広がります。


向かって右側が、応接室兼会議室ゾーン、ガラス張りの左側がセミナールームゾーンとなっており、フロア内でもゾーンが明確に分けられています。初めて訪問してもフロア全体の構造を把握しやすい構造です。



ひろびろと開放感のあるエントランス。向かって左側が応接・会議室ゾーン。左側がセミナールームゾーン。

ひろびろと開放感のあるエントランス。向かって左側が応接・会議室ゾーン。左側がセミナールームゾーン。



応接室兼会議室は大きさ、席数、テーブルの形状など様々なタイプの部屋が用意されているのも特徴。目的に応じて部屋を選ぶことができます。



多種多様な応接・会議室。テーブル・椅子も全室異なるという凝りよう。スイッチひとつで透明なガラスが曇りガラスになる「瞬間調光ガラス」の部屋も。

多種多様な応接・会議室。テーブル・椅子も全室異なるという凝りよう。スイッチひとつで透明なガラスが曇りガラスになる「瞬間調光ガラス」の部屋も。



36階のフロアの半分以上がセミナールームにあてられています。


特徴的なのは、セミナールームをセミナー用途と決め込まず、様々な使い方ができる多目的スペースとして位置づけていること。各セミナールームの壁は間仕切りで仕切られており、外すことで大きなスペースとして利用することができます。大きな展示イベントやパーティなど柔軟に活用できるようになっています。




エントランス横のCollaborationAreaは、イベントやセミナーが行われていない日には、フリースペースとしてオープンしています。また、すべてのセミナールームには大型のプロジェクターを入れて、イベントなどにも活用できるようにしました。CollaborationAreaとセミナールーム3室の仕切りは稼働パーテーションのため、すべてをつなげると最大で400人は余裕で収容可能なイベントホールになります。


(同 丹羽崇之さん)



セミナールームゾーンの最も手前の部屋は通常、フリースペースとして解放されている。テーブルは移動可能で奥の間仕切りははずすことが可能。

セミナールームゾーンの最も手前の部屋は通常、フリースペースとして解放されている。テーブルは移動可能で奥の間仕切りははずすことが可能。



中でも特に力を入れて改善を図ったのは「音」の問題だったとのこと。




渋谷時代には、セミナールームの声が室外に漏れてしまうこともありました。今回はそういうことがないように、壁を「スラブtoスラブ(ハイパーティションを建物を支える鉄骨自体に固定する方式)」で作ることで遮音性を高めました。また、できるだけ反響が出ないような設計をお願いしました。マイクも天井埋め込み式にして、マイクをもってウロウロしなくて済むようにしました。ここは重要なゾーンなので力を入れています。


(同 丹羽崇之さん)



これまでの同社が蓄積してきたセミナールーム活用のノウハウをレベルアップさせたのが36階と言えるでしょう。眺望もよく、使い勝手のよいセミナールームは評判も良く、利用したいとクライアントも増加。当初の目論見通り、社外とのコミュニケーションの活性化に力を発揮しているようです。



■執務スペースをワンフロアに集約した35階 


35階は、オフィスのワンフロア化を実現した執務フロアです。


ほぼ四角形のフロア中心に会議室、その周辺に各部署やサーバールーム、セキュリティゾーンなど必要なスペースを配置していき、どのくらいの遊びを作ることができるかを検証していったとのこと。




36階にコストをかけた分、35階はできる限りコストダウンしながら目的を達成できるよう、社内スタッフも関わりながら作業を進めていきました。結果的にサーバールームや高セキュリティが必要な部署以外には、パーテーションを置かないオープンなオフィスを作ることができました。役員席にも仕切りはありません。当「コミュニケーションを活発化させるための移転なのだから不要」という考えによるものです。


(同 丹羽崇之さん)



ウイングアーク1st株式会社 管理本部総務部チームリーダー、丹羽崇之さん。



ワークスタイル改革としては、部署ごとにゾーンを区切り、その中をフリーアドレスにする「グループアドレス」式を採用しました。




完全なフリーアドレスにはしていません。ヒアリングの結果、チームで動くシーンが多いためグループアドレスが最適との結論に達しました。一律にルールを適用するのではなく、部署ごとの要望もできるだけ反映しました。ワークプレイス改革という点では、フリースペースですね。渋谷時代には実験的に設置したフリースペースが利用率も高く好評だったので、今回はかなり力を入れました。


(同 丹羽崇之さん)



フリースペースは2つのタイプが用意されています。


一つは、フロア四方の窓際に、執務スペースをぐるりと取り囲むように多様な形状のテーブルを配置したスペース。ここは少人数での打ち合せやソロワークなど自由に使うことができます。



多様なミーティングスペース

多様なミーティングスペース



もう一つは、一定の広さを持つ多目的フリースペース。六本木グランドタワーの特徴であるビル壁面の三角形のでっぱりに合わせて、打ち合せ用スペースと連結して2カ所設けました。




35階はフリー席も含めて1000席くらいあります。スタッフ500人に1000席ですから、会議室が予約できなくて必要な打ち合せを先に延ばす、というようなことはなくなっていると思います。実際にフリースペースはよく利用されていますよ。いくらネット経由でのやりとりが増えてもface to faceでの場は必ず必要になりますから。パッと集まることができる環境は重要だと思います。


(同 丹羽崇之さん)



とても広いコミュニケーションエリア。階段席やカフェスペースもある。

とても広いコミュニケーションエリア。階段席やカフェスペースもある。



ワンフロア化やフリースペースの充実により、「技術と営業のコミュニケーションがとりやすくなった」「すぐに顔合わせできるので、仕事を効率よく進められる」など評判もよいとのこと。



■オフィス移転は社員の一体感を高める格好の機会に


はたから見ればこの上なく順調に推移したウイングアーク1stのオフィス移転プロジェクトですが、丹羽さんによればまだまだ課題はあるとのこと。特に丹羽さんが強調していたのは、「オフィス移転は引っ越しで完了するものではない」という点でした。



ウイングアーク1st株式会社 管理本部総務部チームリーダー、丹羽崇之さん。


最初の1ヶ月間はオフィスの使い方を知ってもらうということに悩まされました。電灯のスイッチはどこにあるのか、ゴミ箱をどこにいくつ置くか、共有スペースの使い方など、一つ一つは小さなことですが、かなりドタバタしました。移転から半年たってだいぶ落ち着いてきましたが、まだ調整している案件もあります。


(同 丹羽崇之さん)



移転プロジェクトの終盤、担当者は多忙を極めるため、引っ越し後のことまで検討するのはなかなか難しいものです。また、図面上と実際とはどうしても違いが生じるため、移転後の調整はどうしても避けては通れません。調整が必要なとき、いかにすばやく対応していくか、という点が重要なのでしょう。




社員の協力で解決できた問題も多いです。使ったものは使った人が片付ける、消耗品が足りないときは見つけた人が補充する、とか。「よりよいオフィス作り」への協力の呼びかけは有効だと思います。オフィスを使う全員にオフィス作りに参加してもらえれば、本当に快適なオフィスになると思います。


(同 丹羽崇之さん)



オフィス移転は全従業員が関わる一大イベント。社員を巻き込んでいけば、全社的な意識改革に活用できる機会になる可能性があります。




プロジェクトの進行中、もっと情報発信していけばよかったと考えています。「なんで移転するの」「何で六本木なの」とかの声もあって、ネーミングの募集企画等は行ったのですが、移転のそもそもの意義を十分伝えきれていなかったかもしれません。「オフィス移転」は全社をまきこんで会社の理念やビジョンを再認識したり、社員同士のコミュニケーションをうながす絶好の機会にできるのです。

(同 丹羽崇之さん)



オフィス移転作業そのものが「社内のコミュニケーションの活発化」を高めるよい機会になる、という丹羽さんの指摘はとても重要です。


移転プロジェクトを通して社内の一体感を強め、コミュニケーションの活性化する機能を備えた新オフィスで、コラボレーションの力をより進化させる。オフィス移転には、そんな理想的なサイクルを生み出すこと可能性があるのです。


移転プロジェクトを進めながら、十分な情報公開やフィードバックを行うことはなかなか難しいかもしれませんが、検討する価値は十分あるのではないでしょうか。


次回の移転時には、さらによいオフィスを実現できそうですね、と丹羽さんに話を向けると、「しばらくはここから動かないと思いますので、より使いやすいオフィスにするにはどうするか、ですね」との返事。同社にとって今回のオフィス移転は上々の仕上がりだったようです。






取材協力


ウイングアーク1st株式会社






編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局
制作日:2018年9月26日




         

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