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ネットワークから見直すオフィス移転~NTT東日本が「オフィス移転相談会」を始めた理由~働き方改革時代のオフィス移転[第4回]~

acworks / PhotoAC(※)

画像提供: acworks / PhotoAC(※)


NTT東日本が「オフィス移転相談会」というセミナーを定期開催していることをご存じでしょうか。


その内容は、「物件探し」から「オフィスデザイン」「引越し」「回線手配」「通信環境整備」「RPA活用による働き方改革」「移転後の原状回復」「什器や配線の買い取り」まで、オフィス移転における全プロセスにおよび、ほとんど専門のコンサルティングファームのように、オフィス移転全般を網羅しています。


電話回線やネットワークといった同社のメイン業務は、たしかにオフィス移転と深い関係がありますが、回線・ネットワークの工事といえば、新オフィス施工の最終段階、つまり引越しの直前に行われるものなのでは?というのが多くの人の認識かもしれません。


そこで、同社の提供サービスとオフィス移転プロジェクトとのかかわりについて、コンシェルジュである太谷成秀さん(東京南支店 第三ビジネスイノベーション部 第二バリュークリエイトグループ 第一バリュークリエイト担当)と、畠山怜之さん(ビジネス開発本部 第二部門 ビジネス企画担当)に伺いました。



お二人のお話から、オフィス移転を回線・ネットワークの視点から再構築する、ネットワーク時代ならではのオフィス移転のかたちが見えてきました。






■「移転はチャンス」の情報を発信する場としての「相談会」


この「オフィス移転説明会」をNTT東日本がスタートしたのは2017年で、隔月ペースで開催しています。


画像提供:東日本電信電話株式会社(※)

画像提供:東日本電信電話株式会社(※)


2018年11月の相談会は、オフィスデザインを手がける株式会社ヴィス、引っ越し作業や関連工事等を行うコーユーレンティア株式会社の3社合同で開催されていました。


セミナーのテーマは、「働き方改革」、「生産性の向上」を実現するためのオフィスデザイン、移転・オフィス解説に合わせた業務効率化やコスト見直し、不要品の買い取り・公的団体への寄付・廃棄の情報、原状回復工事セミナーの事例やポイントなど。セミナー後は、無料の個別相談会の時間も設けられている本格的な内容です。


こうした相談会をNTT東日本がスタートさせた背景から聞いてみましょう。




お客様の中には、オフィス移転において、NTT東日本は電話回線やネットワーク工事の依頼先という認識が根強いです。しかし、回線工事は当社が提供するソリューションの中の一部に過ぎません。当社が提供しているオフィスに関わる幅広いサービス内容は大きく「コスト見直し、ネットワーク、OA機器」「業務効率化」「情報セキュリティ対策」「BCP(事業継続計画)」の4つがあり、実際には工事以外にも多くノウハウが蓄積されているのです。


NTT東日本は移転プロジェクト全般にわたるソリューションを提供している。回線工事は「1」の中の1項目だ(出典:NTT東日本提供)(※)

NTT東日本は移転プロジェクト全般にわたるソリューションを提供している。回線工事は「1」の中の1項目だ(出典:NTT東日本提供)(※)



「オフィス移転=NTT東日本」という認識がまだまだ一般的ではないため、オフィス移転を行う企業の利便性を高めるために、各工程の専門企業と連携し、ワンストップでオフィス移転のプロジェクト全体をサポートするネットワークを作り、「オフィス移転相談会」を始めたのです。


(東日本電信電話株式会社 コンシエルジュ 太谷 成秀さん)




相談会で同社が強く発信しているのは、「オフィス移転は業務改善やコストダウンのチャンス」というメッセージです。移転企業の希望に応えたオフィス作りや、スムーズな引っ越しを実現するのはもちろん最低限の前提。それと同時に業務効率やコストダウンも推進できるというのですが、具体的にはどのような「チャンス」があるのでしょうか。




2つの方向性があります。ひとつは、従来のオフィスの通信環境を見直し、無駄を省き、より効率のよい環境に切り替えるチャンス。もうひとつは、社員のマインドを変える"業務効率化"や"コスト削減"を図るチャンスです。本来、これらはいつでも実施できることですが、ハードが一気に変わるオフィス移転時に実施するのが、最も効果的だと考えています。

(同)




たしかにオフィス移転は企業にとっての大イベントのひとつ。心機一転モチベーションを新たにする機会でもあります。ハードやソフトの大きな見直しを行うのに最適なタイミングでしょう。




チャンスを最大限に活かすには、オフィス移転プロジェクトの早い段階で検討していただく必要があります。通信環境の見直しや業務改善策は、物件探しやレイアウト、工事などにも関わってきます。これも相談会を始めた理由のひとつです。移転の各工程に関わる専門企業による共同の開催なので、スムーズに品質の高いオフィス移転を効率的に実現できる提案ができます。おかげさまで評判もよく、継続的に開催させていただいています。

(同)




東日本電信電話株式会社 コンシェルジュ 太谷 成秀さん

東日本電信電話株式会社 コンシェルジュ 太谷 成秀さん



■通信環境を見直さない「そのまま移転」が大きなリスクになる


太谷さんの言う「チャンス」のひとつ目は、通信環境の見直しについてでした。 それでなくても検討事項の多い移転プロジェクトの中で、従来の通信環境を十分見直すことなく移転してしまうケースも多いようです。


有線LANから無線LAN環境に全面移行する、内線固定電話をやめてスマートフォンに切り替えるなど、移転に当たって明確な目標があれば、当然、通信環境を見直すことになりますが、従来の環境から特に変更する予定がない場合は、人員数に合わせた機材の増減を確認するぐらいで、大部分は現状のまま移転する「そのまま移転」が少なくないのです。




とりあえず現状の通信環境をそのまま新オフィスに持って行き、後から考えようというのが「そのまま移転」です。しかし実際には、移転元での営業が長いほど、必要のない回線やサーバーなどが存在しています。無駄なものを運賃をかけて運んで、使用料を支払い続けることになるのは、大変な無駄だということに気づいてほしいと思います。

(同)




ISDN 、Bフレッツなど、今後停止されることが決まっているサービスを利用している企業もいまだあり、切り替えも十分とは言えません。中には、契約が残っていることに気がついていない場合もあり、移転時の通信環境の全面見直しは必須であると言えるでしょう( Bフレッツ「ニューファミリータイプ」は2020年1月、「ベーシックタイプ」と「ビジネスタイプ」は2021年1月、ISDNの「ディジタル通信モード」は2024年1月に終了予定。固定電話は引き続き利用可能)。


このような不必要な回線の整理は当然として、新オフィスにおける通信環境をどうするかということも重要です。現在では、システムや機材には多くの選択肢があります。オフィスの使い方に合わせた最適な構成を選択すれば、ランニングコストの圧縮も可能になるわけですから、「そのまま移転」は、二重の意味で損失を招きかねない大きなリスクだと言えます。




例えば、有線LANから無線LANに切り替えれば、ケーブルの敷設コストが削減でき、オフィスデザインの自由度も上がります。内線に固定電話を使わず、スマートフォンに切り替える事例も増えています。机にいなくても連絡が取れる上、専用の内線アプリを使用するので使い勝手もよく、評判です。PBX(構内交換機)もクラウド化して、コストと利便性が大きく改善されています。

(同)




スマートフォン用内線アプリの画面。外部発信も可能で、通常のスマートフォン同様に使用できる

スマートフォン用内線アプリの画面。

外部発信も可能で、通常のスマートフォン同様に使用できる>。



移転時の大きな見直しポイントとしては、ネットークセキュリティも重要です。


現在では、多くの企業でセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保っておくことは常識ですが、それだけでは企業のサイバーセキュリティとして不十分です。




総務省の調査によれば、実際には、約3社に1社がなんらかの攻撃をサーバーを受けているそうです。セキュリティソフトは万能ではなく、最低限の備えに過ぎません。それでも、それに安心して頼っている企業が少なくありません。UTM(Unified Threat Management:ファイアウォールのほか、Webフィルタリング、アンチスパムなど、複数のセキュリティ機能を一つに統合したもの)の導入は、最低限必要なものとしてお勧めしています。サイバー攻撃の世界は進歩が早く、新たな手口が次々と出てきています。最新動向に精通したセキュリティ人員をすべての会社が用意することは難しいので、ぜひ相談してほしいです。

(同)




物件探し、オフィスデザイン、工事といった"前工程"と比べて、回線やネットワーク工事は、オフィス移転プロジェクトの"後工程"として、軽く考えてしまう傾向があります。「移転前日までにできていればいいから」と後回しにしたあげく、担当者が依頼し忘れてしまい、大騒ぎになった。そんな笑えない失敗もよく聞くとのことです。電話回線だけ引けばよかった時代の認識が今でも残っていることから来るのでしょう。


今や、ビジネスにはネットワークはなくてはならない要素です。通信環境や業務効率を見直すのに一定の期間がかかるのは当然のこと。回線・ネットワーク工事は付け足しという感覚を持っていたら、大きく改める必要がありそうです。



■業務改善効果が大きい「移転」時のRPA導入効果


太谷さんがあげた「移転のチャンス」のもうひとつが、オフィス移転時における「業務効率改善」です。オフィス移転時に効果的な「業務改善策」とはどのようなものでしょうか。




当社が提供しているソリューションのすべてが、ICTを活用して業務改善を行うサービスですが、オフィス移転に絞ると、大きく2つです。ひとつは、テレビ会議やリモートオフィスのシステム提供から勤怠管理まで、ハード・ソフト両面からサポートする、「働き方改革」に関連するサービス。もう一つは、「RPA(Robotic Process Automation)」です。


(同社 ビジネス企画担当 畠山 怜之さん)




ビジネス開発本部 第二部門 ビジネス企画担当 畠山怜之さん

ビジネス開発本部 第二部門 ビジネス企画担当 畠山怜之さん



RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボット(ソフトウェア)によるホワイトカラー業務を自動化するテクノロジーのこと。定型的な業務を劇的に効率化することができ、近年、導入事例が急激に伸びています。当サイトでも、RPAの導入について専門家のインタビューを過去に行っています。



【参考】

生産性を上げるために今やるべきことは? 働き方改革のエキスパートが語るRPAとの共存で叶える本当の働き方改革 ~アビームコンサルティング株式会社 執行役員 安部 慶喜 氏インタビュー~newwindow


当社がお手伝いした企業の中で、RPAが威力を発揮できなかった事例はほぼありません。特に効果があるのは、伝票入力や勤怠管理。たとえば、顧客リストから条件に合うものを抜き出して書類を送付するような単純作業が繰り返されるシーンです。経営者は「そんな単純作業は社内にはない」と思っていても、そういった作業は必ず社内に存在しています。社員の間では当たり前になりすぎていたり、マネージャーの目が届かないところで行われていたりするわけです。企業がオフィスを移転する際には、オフィス内の様々な事柄が見直されますので、RPAの効果が高い業務をあぶりだす絶好のタイミングです。

(同)




オフィス移転→業務の見直し→RPA導入、とは予想外の流れですが、畠山さんは、移転に合わせることによって非常にスムーズにRPAを導入でき、また導入後の成果をはかる面でも大きな効果があると指摘します。




今、多くの企業にとって、RPAは「いつ導入するか」ということを判断する段階に来ています。効率が上がることは理解していても、導入するには日常的な業務をいったん止めなければなりませんから、そのタイミングが難しいのです。さらに、一般的に「RPAは仕事を奪う」という印象もあるので、従来の作業手順や環境などにこだわりがあると、心理的な抵抗が起こったり、切り替えがうまくいかないということが起こります。


そのような面で、移転のタイミングに合わせてRPAを導入することにはメリットがあります。単に日常業務の中で「来週から変える」と通達するだけでは抵抗感もありますが、「移転後に変える」という導入であれば、比較的すんなりと受け入れられるのです。ハードやソフトが大きく変わり、ムードが一新されるため、新システムへのモチベーションも高まり、成果に影響します。RPAで作業を効率化するために人員配置を変更するような場合も、移転のタイミングで行えば実施しやすくなります。

(同)




このようにオフィス移転とRPAとは"相性"がよく、相談会でも、RPAを初めとして業務効率化の情報を重視して発信しているそうです。早い時点で業務効率化を検討し、RPA導入後の必要人員などを調整できれば、それはオフィスレイアウトにも直結することになります。実際のRPA導入には、トライアル期間や訓練期間が必要になります。オフィス移転時に合わせて調整するには、かなり早い時点から始める必要があるので、NTT東日本では、「オフィス移転するからRPAを検討する」という認識を企業に広めたい考えです。


オフィス移転プロジェクトの成否は「どれだけ多くの情報を収集できるか」で決まると言われます。どの企業にもICTの専門家が常駐しているわけではありませんから、プロジェクトをスタートさせる際には、ICTの面からも、ワークプレイス改革に活用できるサービスについて、専門企業からヒアリングすることが有効な対策になりそうです。



■オフィス移転をネットワークレベルからから見直す意味


あらゆる業務がネットワーク環境と無縁ではない現在、「オフィスを移転する」という作業も、あらゆる段階でネットワークとの接点を持っています。


したがって、移転の全工程を「ネットワーク」という視点に立って見直すこともできることになります。
オフィスデザインや工事段取りは、物件が決まらなければ進めることはできませんが、たとえば通信環境のチェック程度であれば、事前に先行することもできるでしょう。


「電話回線やネットワークは後工程」という意識を捨て、「最初に検討する工程」という発想に転換してみてはいかがでしょう。


新オフィスのあるべき通信環境や業務改善策を頭に入れた上で、物件探し、働き方改革の導入、オフィスレイアウト、施工という工程を進めていけば、これまでとは異なる意味づけが見えてくる可能性があると思います。



なお、今回は取り上げることはできませんでしたが、同社の提供するサービスは、クラウドを活用したBCP(事業継続計画)や、オフィスに置く無人コンビニ(決済は無人。アプリから用意してほしい商品をリクエストできる)まで、広範囲に及んでいます。




NTT東日本主催の「オフィス移転相談会」について興味のある方は、下記のリンクよりお申し込み下さい。







取材協力

東日本電信電話株式会社 (NTT東日本)


NTT東日本主催「オフィス移転相談会」」[外部リンク]









編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の画像を除く)
制作日:2018年11月11日




         

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