(同社 トーキョーゾーンのウォールアート)
世界111ヶ国に展開する事業用不動産サービス大手 CBREの丸ノ内東京本社オフィスに行ってきました【前編】 (シービーアールイー株式会社 オフィス訪問[1])」からの続き。
それでは執務エリアに入っていきましょう!
■執務エリア
1フロア2,925平方メートル(885坪)ある空間は、カフェを除くと、都市名のついた6つのゾーンに分かれています。
東京、ロンドン、パリ、シドニー、ロサンゼルス、ニューヨークと名付けられたエリアは、自分がどこにいるか分かりやすいよう、ゾーン内の壁面に、依頼したアーティストによる、各都市を象徴する壁画が描かれています。
こちらの壁画は、アーティスト集団 輪派絵師団によるもの。
皇居のお濠が見えるエリアということもあって、お濠に鯉のモチーフ。
■完全なフリーアドレス (ABW)
こちらのオフィスは、完全なフリーアドレス(*1)となっているため、約600名の社員は、1.3フロア 3,785平方メートル(1,145坪)あるフロア内のどこで仕事をすることもできるようになっています。そのため社員同士の連絡はチャットツール、携帯電話を使います。「今、ロンドンにいるよ!」みたいに伝えられるのです。
*1)正確には、ABW(Activity Based Workingアクティビティ・ベースド・ワーキング)という、仕事内容に合わせて働く場所や机などを選ぶ働き方。そのためにはオフィス内に通常の執務デスクに加え、集中ブースや、少人数オープンミーティング席や、ラウンジ席、カウンター席、電話ブースなど業務に必要な様々なスタイルの執務エリアを作る必要がある。
また、各ゾーンでそのときに合わせた働き方ができるよう、さまざまな机、カウンターなどが用意されています。それぞれのゾーンごと満たされている機能性は同じですがデザインはすべて違っていて、とても変化のある空間になっています。
では、オフィスツアーに参りましょう!
■ロンドンゾーン
ここは、少し見えづらいですが、柱にロンドンの名物、ビッグベンが描かれていて、ロンドンゾーンになります。
■ロンドンゾーンの執務エリア全景
スタンダードな執務デスクが広がっています。
左側に個人ロッカー、電話ブース、オープンミーティングルームが並び、右側には社内会議室が並んでいます。各ゾーンで仕事に必要な設備が一式揃っているのです。
■オープンなミーティングラウンジ
テレビ会議にも向くミーティングラウンジです。また、大型モニターに資料を表示してプレゼンなどにも向いています。ソファ裏がカウンターテーブルになっているので、参加人数も増やせます。
スチールケース(Steelcase)社 メディア:スケープ ラウンジ (media : scape Lounge)
■個人ロッカー
私物はこちらに収納します。
郵便物が入れられる取っ手兼用のホール付き。固定席はないので、顔と名前が一致するようにと、写真付きになっています。写真はすべてプロの写真家に撮影してもらったもので、皆さんかっこよく写っています。これなら撮ってもらいたくなりますよね。
■電話ブース
事業用不動産や投資を扱うだけに電話の機会も多く、防音の電話ブースが多く設けられています。また、テーブルもあり、こちらを集中スペースとして使うことも。壁のカラフルなパネルは吸音パネル。
チェアは、ノル(Knoll)社 マルチジェネレーション(MultiGeneration)。
■社内会議室
こちらはハイカウンターになっている会議テーブルです。
大型モニター付きで、スチールケース(Steelcase)社 メディア:スケープ (media : scape)。チェアは同じくスチールケース(Steelcase)社 コビ(cobi)。テレビ会議や、資料を投影しての打ち合わせなどがしやすいよう作られています。
■執務席 大型モニター付き
こちらは大型モニター付きの執務席です。
デスクは、ノル(Knoll)社のアンテナ・ワークスペース(Antenna Workspaces)。ブラックフレームの脚が細くスッキリとしていて、天板間にも脚は少なく邪魔にならないデザインです。
■オープンなミーティングエリア
一般的な執務エリアの間には、少人数でオープンなミーティングや作業ができるテーブルが配されています。テーブルを広く使っての作業をしている人も。予約不要ですので、自由に使えます。
チェアは、デンマーク カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Son)社のYチェア。ハンス・ウェグナー(Hans Wegner)の代表作ですね。1950年発売。座面がペーパーコードという紙製なのです。
■オープンな会議室
こちらも予約不要のオープンなミーティングルーム。3面がホワイトボードになっています。
こちらでも独りで集中して仕事中でした。
赤いチェアは、マジス(Magis)社のスチールウッドチェア(Steelwood Chair)。
■カウンター席
こちらはカウンター席。コーヒー飲んだりランチ食べたりや、立ち話なども。
銀色に輝くスツールは、マジス(Magis)社のデジャヴ・スツール (DEJA-VU STOOL)。このチェアのデザイナーは、深澤直人氏。ミラー仕上げのアルミニウムなので軽くてピカピカです。
■ラウンジ
こちらはテーブルやソファのあるラウンジ。こちらで打ち合わせしたり、独り仕事をしたり。
手前の黒いチェアは ヴィトラ(Vitra)社 ソフトシェルチェア 4本脚 (Softshell Chair four-legged base)。フランスのロナン・ブルレック(Ronan Bouroullec)とエルワン・ブルレック (ErwanBouroullec)兄弟によるデザイン。
この辺りは「パリゾーン」ですね。
■コラボレーションスペース
こちらは独りで仕事だけでなく、チームが集まって仕事をしたりも。
チェアは、ハーマンミラー(HermanMiller)社セトゥチェア(Setu)。
■ソファブース
ソファでお話し中
こちらのソファは、デンマーク フリッツ・ハンセン(Fritz Hansen)社のアルファベットソファ (ALPHABET SOFA)。モジュール型のソファなので、組み合わせでさまざまな形が作れます。デザイナーはピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)。
■カフェ風ラウンジ
カフェ風なベンチソファに小テーブルのあるラウンジ。
こちらでも仕事や打ち合わせができます。
■集中ブース
こちらには集中ブースが並びます。話さないで仕事ができる環境です。
■クワイエットスペース
こちらでは話しかけNGのエリアです。静かに仕事ができます。
クワイエットスペース内。120度天板デスクです。こちらもデスクは、ノル(Knoll)社 アンテナ・ワークスペース(Antenna Workspaces)。
クワイエットスペース奥には集中ブースが並びます。
こちらはクワイエットスペース内の電話スペース。
クワイエットスペース全景と、デスク。大型モニター2面とノートPC用アームが用意されています。
■執務デスク
こちらは通常の執務デスク。大型モニター付き。
デスクは、ノル(Knoll)社のアンテナ・ワークスペース(Antenna Workspaces)の120度天板デスク。
■PCサポートデスク
PCトラブルで困ったらこちらに相談します。
このあたりで、あとは同じ機能を持つ各ゾーンのフロアが続きますので、リフレッシュメントなどが装備されたエリアへ移動しましょう。
■休憩スペース
静かなスペースで休憩することもできます。
■シャワールーム
なんとシャワールームもあるのです。2室あります。
中はこんな感じで、朝、皇居ランしてひと汗かいたのをこちらでスッキリして出社! なんてこともできちゃいます。
■マザールーム
こちらはママ用に授乳室。
■ヘルスルーム
こちらは男性用の体調が悪い時のための休憩室
こんな感じで簡易ベッドがあります。
ヘルスルームは女性用もあります。
いやー、もう凄い設備です。圧倒されっぱなしのオフィス訪問でした。
執務エリアは、ほかにもいろいろと形を変えて執務デスクや集中ブース、カウンター、カフェ風ラウンジなど各種豊富に用意されていて、まさに働く人が自由に選べるABWのオフィスになっていました。
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取材先
CBRE (シービーアールイー株式会社)
CBREグループは、米フォーチュン誌が発表する全米トップ企業500社リスト「フォーチュン500」に2008年以降毎年選出されるなど、ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社 (2017年の売上による)。シービーアールイー株式会社は、CBREグループの日本法人にあたり、法人向けに不動産賃貸・売買仲介サービスを始め、各種アドバイザリー機能やファシリティマネジメントなど幅広いサービスラインを全国に展開。1970年に設立以来、日本における不動産の専門家として半世紀以上にわたりサービスを提供している。
編集・文・撮影:アスクル「みんなの仕事場」運営事務局 (※印の写真を除く)
取材日:2017年6月6日, 16日