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デスクワークの生産性を向上するためには、正しい着座姿勢を補助するオフィスチェアが欠かせません。そこで重要な役割を担う機能のひとつが「前傾チルト」です。本記事では前傾チルトの概要や必要性について解説するとともに、オフィスワーカーにおすすめのオフィスチェアを紹介します。

■オフィスチェアの「前傾チルト」機能とは

前傾チルトとは、オフィスチェアの座面を前方に傾ける機能のことです。前傾チルトを有効にすると座面が5度程度傾き、連動して背もたれも前方へ傾きます。これにより、前かがみの姿勢でも背もたれが寄り添ってくれるため、自然と骨盤が立ち、腰部分への負担を軽減できる、正しい姿勢をキープできるなどのメリットがあります。

製品によって操作の詳細は異なりますが、一般的には椅子の下にあるレバーを操作しつつ、軽く体重移動することで前傾チルトのON/OFFを切り替えます。

■前傾チルトに期待できる2つの効果

前傾チルト機能付きオフィスチェアを使用すると、通常のオフィスチェアでは網羅できない効果が得られるので2つ紹介します。

1. 正しい前傾姿勢をサポートする

前傾チルト機能を備えたオフィスチェアは、座面を前方に傾けられます。着座すると、使用者の腰・背骨・首が自然と正しい前傾姿勢になるように導き、サポートします。

前傾姿勢とは、上半身を前方へ傾けた姿勢です。この姿勢は、紙ベースの資料チェックや、PC操作などの作業に適した姿勢と言われています。事務作業など、机上での作業をメインに行う人の場合、自然と身体が前方へと傾き前傾姿勢になりがちです。

前傾姿勢はオフィスでのデスクワークなどに適した姿勢ではあるものの、前傾になり過ぎて正しい体勢がとれていないと身体に負担が生じます。正しい前傾姿勢とは、着座時に骨盤が適度に前傾し、背骨が自然なS字を描いている姿勢です。この状態を自分で長時間キープするのは困難なため、正しい前傾姿勢をサポートする機能を備えたオフィスチェアが必要になります。

2. 腰痛や肩こりの軽減につながる

前傾チルト機能が搭載されたオフィスチェアを使用すると、正しい前傾姿勢となり、骨盤が安定します。そのため、腰への負担が軽減でき、腰痛の改善が可能です。適切な角度調整などで猫背も改善されるので、肩こりや首こりも軽減します。また、腹部や大腿部に体重が集中して圧迫することを防ぐため、血流も改善するでしょう。血行不良によるむくみの改善や、脳への血流改善により集中力が向上するなどの効果が期待できます。

腰痛に悩むオフィスワーカーは少なくありません。「日本シグマックス株式会社」が実施した「腰痛の発生状況とその対策に関する実態調査」によると、調査対象となった815名のデスクワーカーのうち、40％が腰に痛みや悩みを抱えていると回答しています。

腰痛や肩こりが常態化すると、さまざまな弊害をもたらします。業務に集中できなくなってミスを頻発したり、業務効率が低下したりといったリスクが発生しかねません。腰痛や肩こりを原因に離職してしまうリスクも考えられます。優秀な人材を失いかねないため、企業は従業員の腰痛や肩こりを防ぐための対策にも真剣に取り組まなくてはなりません。

参照元 : 40％のデスクワーカーが腰痛持ち、その約半数は5年以上腰痛の悩みあり　職種別の作業動作・姿勢と腰痛発生原因とで、それぞれに応じた対策が必要|日本シグマックス株式会社

■前傾チルトはいらない？必要性と考え方

前傾チルトはデスクワークの腰痛防止や疲労軽減に役立つ機能ですが、業務内容によっては不要なケースもあります。前傾チルトの必要性を判断する基準のひとつは、よく行う作業が前傾姿勢か後傾姿勢という点です。

●デスクワーク中の「前傾姿勢」と「後傾姿勢」

デスクワークに適した姿勢として、前傾姿勢と後傾姿勢の2種類が挙げられます。どちらの姿勢をとるかは、取り組むデスクワークの内容や使用するデバイスによって異なります。

たとえば、書類作成やPC作業といった集中力が必要な業務では、前傾姿勢でいることが多いです。一方、座面に深く腰かけた状態で背もたれに身体をあずける後傾姿勢は、タブレット端末やスマートフォンの閲覧・操作、複数のPCを同時使用する業務を行っているときなどに多いです。

●事務職・経理職には前傾機能ありがおすすめ

事務職や経理職には、前傾機能を備えたオフィスチェアがおすすめです。資料作成やPC操作、帳簿のチェックなど1点集中が必要で、前傾姿勢のまま長時間作業に取り組むことが多いためです。

長時間の事務作業や経理業務であっても、自身で意識して正しい姿勢をキープし続けられるなら、腰への負担はあまりありません。しかし、長時間自分で正しい前傾姿勢を保ち続けられる人は少ないです。そのため、正しい姿勢を保てるようサポートしてくれる機能を備えたチェアの使用が求められます。

一方、後傾姿勢になりやすい、タブレット端末などのデバイスをよく使用する業務を行う場合は、背もたれを後ろに倒せるリクライニング機能搭載のオフィスチェアがおすすめです。

■前傾姿勢を支えるもうひとつの機能、「ランバーサポート」にも注目

ランバーサポートとは、多くのオフィスチェアに備わっている、腰をサポートしてくれる機能のことです。椅子に座っているとき、背骨を自然なS字形状に保てるようサポートしてくれる機能で、内蔵型やエア型などの種類があります。

従業員の身体を労わり、業務効率や生産性の向上を目指すのなら、前傾チルトとランバーサポート、両方の機能を備えたオフィスチェアの導入を検討しましょう。なお、オフィスチェアのなかには、ランバーサポートの位置を使用者にあわせて変更できるタイプもあります。

併せて、座面やアームレストの高さも調整できるオフィスチェアなら、従業員個々の体格にあわせて調整できるためおすすめです。

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■【価格帯別】前傾チルト付きオフィスチェアおすすめ7選

前傾チルト付きのオフィスチェアは数多くリリースされているため、どれを選べばよいのか分からないと悩む人が多いです。おすすめの前傾チルト付きオフィスチェアを、価格帯別にピックアップして紹介します。

●～6万円：高機能で安い、前傾チルト付きオフィスチェア

まずは前傾チルト付きでコストパフォーマンス重視のオフィスチェアを紹介します。

中央可鍛工業 シルエットチェア

コクヨ パロ

●～10万円：機能と価格のバランスがよい、前傾チルト付きオフィスチェア

関家具 エルゴヒューマン ENJOY2 ローバック

オカムラ シルフィー ハイバック

●10万円～：座り心地重視！ハイスペックな前傾チルト付きオフィスチェア

コクヨ オフィスチェア ベゼル ファンクショナル

関家具 エルゴヒューマン PRO2 ハイバック

ハーマンミラー セイルチェア

■前傾チルトなしで高コスパ！前傾姿勢対応のおすすめオフィスチェア

価格を重視するのなら、ランバーサポートを搭載した、前傾チルトなしでも前傾姿勢を保ちやすい製品を選択肢に加えてみましょう。ランバーサポート機能を備えたコスパに優れるオフィスチェアを厳選して紹介します。

オカムラ ジャスタスチェア

イトーキ サリダチェア YL5

■おわりに

前傾チルトは座面と背もたれが連動して前方に傾く機能であり、骨盤が自然と立つことで正しい姿勢をサポートします。また腰痛を防止するとともに、疲労の軽減や集中力の向上が期待できる点も大きなメリットです。併せてランバーサポートも搭載した製品なら、使用者の腰を支えて長時間のデスクワークをサポートします。

オフィスチェア選びに悩んでいるのなら、アスクルの「まとめ買いサービス」などを利用するとよいでしょう。チェアを一度に50脚など、まとめ買いへの対応はもちろん、オフィスレイアウトの相談にも対応しているので、おすすめです。

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2024年10月1日