オフィスの床をタイルカーペットにすると見た目の印象が変わるだけでなく、さまざまなメリットが期待できます。本記事ではタイルカーペットのオフィス用・家庭用の違い、オフィスでタイルカーペットを使うメリット、オフィス用タイルカーペットの選び方について解説します。さらにおすすめのオフィス用タイルカーペットを紹介します。

■タイルカーペットのオフィス用・家庭用は何が違う？

タイルカーペットには、主にオフィス用と家庭用の2種類があります。この2種類の大きな違いは、「施工方法（固定力）」「機能性」「耐久性」の3点です。

家庭用タイルカーペットは人が触れることを想定し、質感に重きを置いています。一般的に軽量設計で、裏面には吸着加工が施され、床に置くだけで簡単に施工が完了します。機能面ではウォッシャブル機能や抗菌・消臭機能、ホットカーペット対応機能、遮音・防音機能などがあり、生活スタイルや部屋での過ごし方に合わせて選べます。
ただし、家庭用は張り替えしやすいようにつくられているため、耐久性はオフィス用に比べて低く、大きな負荷がかかると損傷やずれが生じることがあります。

一方のオフィス用（業務用）タイルカーペットは、土足での人の往来や台車に耐えられるように、専用の接着剤で固定して使います。機能面ではオフィスや施設などの床での使用を想定し、耐久性や耐摩耗性、制電性、防火性、遮音性、防音性などに優れたものが多いです。そのため、オフィスや事務所で使用するなら、できる限りオフィス用タイルカーペットを選びましょう。

■オフィスの床をタイルカーペットにするメリット

オフィスの床にタイルカーペットを敷くことで、主に以下の4つのメリットが得られます。

●掃除や張り替えが容易

タイルカーペットは普通のカーペットやラグと異なり、1枚40～50cm角のカーペットを敷き詰めて使います。したがって、カーペットに汚れや破損があれば、その範囲だけを取り外して洗う、もしくはその範囲だけを張り替えるだけで掃除が簡単に済みます。また、床配線の工事の際も必要な箇所だけを取り外せば良いので手間がかかりません。

●サイズ調整やデザインの自由度が高い

通常のカーペットやラグはサイズに限りがあり、オフィスの隅々まで敷くことはほぼ不可能です。一方タイルカーペットは、床の形に合わせて枚数を変えたり、カットしたりでき、サイズの調整が容易です。

さらにタイルカーペットにはさまざまな色やデザインのものがありますが、隣同士の柄が同じにならないよう交互に貼る「市松貼り」や、隣同士の柄をすべてそろえて貼る「流し貼り」といった貼り方でもデザインを構築できます。このようにタイルカーペットはデザインの自由度が高く、イメージ通りのオフィス空間をつくれるでしょう。

●遮音性や保温性に優れる

タイルカーペットは床からの衝撃を吸収し、騒音を軽減します。オフィスでは多くの人やモノが行き来し、あちこちから雑談やミーティングの声が聞こえることも珍しくありません。タイルカーペットを敷けばこれらの騒音を抑えられ、作業効率の向上が期待できます。

また、タイルカーペットには保温効果もあります。フローリングの場合、冬場になると冷えやすいですが、タイルカーペットを敷くことで床の温度が下がりにくくなり、部屋全体の温度を一定に保てます。

●オフィスのゾーニングに使える

オフィスのゾーニングとは、オフィスのスペースを用途や機能別に区分けすることです。これにより仕事の効率性や生産性の向上、セキュリティー強化などのメリットが期待できます。

タイルカーペットはこのオフィスのゾーニングに役立ちます。色や素材の異なるタイルカーペットを使うことで、オフィスの空間を視覚的に区切れます。特にワンフロアのオフィスでは間仕切りや壁の設置といった大規模な工事をせずとも、タイルカーペットの色や素材でエリアを分けられるのでおすすめです。

■オフィス用タイルカーペットの選び方

オフィスで使用するタイルカーペットは、「パイルの種類」「素材」「機能性」「色・デザイン」のポイントに着目し、選ぶことが大切です。詳しい選び方のポイントは以下のとおりです。

●パイルの種類

オフィス用タイルカーペットに使用されているパイル（カーペットの毛足）は、主に「ループパイル」「カットパイル」「カット&ループ」の3種類です。

ループパイルとは、タオルのようにパイルがループ状に縫い付けられたもので、弾力性に優れています。一方のカットパイルはカーペットの表面の毛足を同じ長さでカットしたつくりで、歩き心地が良く、防音性に優れています。しかし耐久性は低く、不特定多数の人が歩く場所にはやや不向きです。そしてカット&ループはループパイルとカットパイルを組み合わせたつくりで、両者の良さを兼ね備えています。

オフィス用タイルカーペットを選ぶ際は、自社の人やモノの行き来の量を考慮し、人やモノの往来が多いのであれば、短く硬いパイルを使用した耐久性に優れたものを選びましょう。

●素材

タイルカーペットの主な素材は「ポリプロピレン」「ナイロン」「ポリエステル」の3種類です。

ポリプロピレンは低価格で耐摩擦性に優れていますが、耐久性があまりありません。ナイロンは非常に耐久性、耐摩耗性に優れた素材ですが、価格は比較的高めです。そしてポリエステルはナイロンの次に耐久性に優れ、保温効果もありますが、毛玉や遊び毛ができやすいのがデメリットです。

オフィス用ではこれら素材の特徴を理解し、使用する場所に合ったものを選ぶことが大切です。

●機能性

タイルカーペットには、防炎機能、制電機能、撥水・防汚機能、防音・遮音機能、ウォッシャブル機能、消臭・抗菌機能、防ダニ・防虫機能など、さまざまな機能を備えたものがあります。そのため、設置場所や予算に合わせて最適な機能を備えたものを選択しましょう。

●色・デザイン

タイルカーペットの色やデザインは、オフィスのイメージカラーを基準にすると一貫性が生まれます。コーポレートカラーがある場合には、その色を取り入れることで企業のブランディングに貢献します。特定のカラーがない場合は、事業内容や望むイメージに応じてカラーを選びましょう。

たとえば、青や水色といった寒色系は清潔感や誠実さといったイメージを人に与えます。一方、赤やオレンジといった暖色系は積極性や陽気な印象を人に与えます。

■おしゃれで高機能！オフィス用タイルカーペットおすすめ8選

ここからはスタイリッシュかつ高機能なオフィス用タイルカーペットを厳選して紹介します。

●サンゲツ カーペットタイル

●スミノエ 業務用タイルカーペット PX-30

●スミノエ ECOSタイルカーペット PX-5002

●スミノエ タイルカーペット LX-1100 RANDOM

●ワタナベ タイルカーペット PX-3002

●アイリスオーヤマ タイルカーペット 業務用 Pスクエア

●東リ GA GA100W タイルカーペット

東リ GA GA100W タイルカーペット

●サンコー 撥水おくだけタイルマット

■おわりに

オフィス用タイルカーペットは、遮音性や保温性があり、掃除がしやすい、オフィスのゾーニングに使えるなどのメリットがあります。オフィス用タイルカーペットを選ぶ際は、素材や機能、色・デザインを確認し、自社に合うものを選びましょう。

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編集・文・画像：アスクル「みんなの仕事場」運営事務局　
制作日：2024年3月5日